オラリオの街を活気に包む娯楽、その中で一番の知名度を誇るのはやはり映画だろう。しかし他の娯楽も黙ったままかと言えばそうではない。特にカジノはあの手この手で映画館を懐柔しようとするが
「申し訳ございません。我々にも諸事情ありその提案には乗る事が出来ません」
タダシはそう言いカジノ側の要求を断り続ける。その間にカジノはすっかり客を映画館に奪われ最初は強気に交渉していたが今では土下座までする始末だ
「申し訳ございません。何度来られても我々の返事は変わりません。しかし今回は我々からも1つ提案がございます」
タダシはそう言うと書類を取り出しカジノからの使者に渡す
「これは?」
「此方は映画の中にあるギャンブルを題材にした作品の資料、正確にはその中に登場するゲームのルールや必要な物を書いた物です」
「拝見します」
使者はそう言いパラパラと書類を見ていく
「これは凄い!!今まで思い付かなかった様なゲームだ。これ、うちでやっても良いのですか?」
「はい、しかし幾つか条件がございます」
「じょ、条件?」
「はい、まずそれらのゲームを行うのは1ヶ月待って頂きたい」
「1ヶ月…………それは何故?」
「1ヶ月の間にそれらの元ネタとなる映画を大々的に薦めます。そして映画が終わった際にこう言うのです『先程映画の中で行われたゲームは実際にカジノに行けば体験できる』と」
「ッ!!」
タダシの言葉に使者は反応を示しタダシは続ける
「そう、今までの映画はあくまで画面の向こうの出来事、しかし今回は違います。実際にカジノに行き体験出来る。今までそう言った映画が無かったとは言いませんがその規模は極々小さいもの。しかし今回は違います」
「命を賭ける事は流石に出来ないが実際に金を賭け主人公達の様に一喜一憂出来る。そうなれば映画館も更に客足を確保しつつ我々の客足も戻る、或いはそれ以上も夢ではない…………」
使者の言葉にタダシは黙って頷く
「是非!!是非お願いします!!」
使者は立ち上がりそう懇願するとタダシはそれに同意し後日書面で残す事を決め使者は嬉しそうに出ていった
翌週
「あわわわわわわわ」
「現在【カイジ人生逆転ゲーム】は満席となります!!次の放映は15時からになります!!」
「ポップコーンMが2つにお飲み物コーラですね!!ポップコーンのフレーバーは」
【映画館とカジノのコラボイベント】と銘打った企画は大成功を納めた。ミユとリュウセイが目が回る様に動きスズは実際に目が回っている錯覚に陥る程だ。映画館にはギャンブラーやカジノスタッフまで足を運んでいた
「タダシさん!!」
そこにタダシが企画書類を渡したカジノの使者もやってくる
「おはようございます。カジノの様子はいかがですか?」
「はい、早速【カイジ】エリアは大行列です。【Eカード】や【限定ジャンケン】【沼】や【パチンコ】はかなり苦労しましたけど【万能者】や緻密な細工が得意な鍛冶師にかなり無理言って造って貰って何とか形にすることが出来ました。多分相当の儲けになると思いますよ」
「それは良かった。貴方にこの話をした甲斐がありましたよ」
「此方こそ。このギャンブル、貴方に賭けて正解でした」
2人はそう言い笑い合うと暫く話をした後分かれそれぞれの仕事に戻った
カジノ 【カイジエリア】
限定ジャンケンやEカード等カイジに出てきたゲームを会場ごと再現した場所。因みに敗けると黒服を模したスタッフに連行されるが別に地下労働させられるわけではない。単なる演出の1つ
最大の目玉は【沼】
全てを再現することは出来なかったがかなりそれに近い造りに仕上がっている。当然レートは1玉4000ヴァリス
その為挑戦者は某無乳神及びその眷族の中のギャンブラー・美の女神とその眷族・ギャンブル中毒者のみ
流石に台や建物を傾ける仕掛けまでは再現できなかった為ちゃんと入る時は入る
因みに周りに乗せられた白兎がやってみた所100万ヴァリス程儲かったらしい
入場条件は映画館でカイジを見たことがある者(団体の場合誰か1人でも持っていたらOK)、証拠にその時のチケットを入口のスタッフに見せる事の2つのみ