ウィーネと共に映画館を後にしたベルはウィーネの手を引き自分の本拠に帰る
余程映画が面白かったのかペンライトを振っている
「ほらウィーネ、前見ないと危ないよ」
そんなウィーネの手をしっかり握り周りにバレないかヒヤヒヤしながらベルは帰路についた
そもそもウィーネと出会ったのはダンジョンであり存在そのものが謎だった
モンスターでありながら人間の様に言葉を操り感情を持ち人間に対して敵意がない見た目同様純粋無垢な子供そのものだった
【ヘスティア・ファミリア】はその存在に疑問を持ち彼女に関する情報を得るためあちこちから情報収集をすることとなった
「ただいま~」
「ま~!!」
ベル達が本拠地に戻ると既に全員帰ってきており話し合っていた
「遅いですよベル様!!」
「ごめん、出来るだけ人目を避けてたら遅くなっちゃった」
「まぁ良いじゃねぇか。それでどうだった?」
「うん、ウィーネも楽しんでくれたみたい」
「いやそっちじゃなくて、ウィーネの事何か分かったかって事だよ」
「あ、ううん何も………」
「此方はこれを受け取りました」
リリルカはそう言い手紙をベルに渡しベルはそれを開け中を確認する。差出人はギルドで内容は20階層にウィーネと共に向かえと言う物だった
「これ」
「ギルドは知ってたって事だろう。ウィーネの事も書いてあるって事は今の俺達の状態も知ってるって事かもな」
「他には何も得られませんでした」
「どうする?強制依頼だから行かなきゃいけないのはそうなんだが」
「20階層には行く、でもその前にしっかり準備したいんだ」
「ああ、俺も賛成だ」
「リリもです。20階層は今まで行ったことがない階層。準備をし過ぎる事は無いと思います」
「出来るだけの事をしてから行こう」
ベルはそう言い20階層に行く準備を何日も掛けて進めた
最初にベルが向かったのはギルド
詳しい事情を聞こうと向かったが担当であるエイナからは手紙を渡せと上から言われただけなので分からないとしか返ってこず仕方無くその場を離れ次に【豊穣の女主人】に向かおうとして映画館の前で足が止まる
「………………………………あれ?」
ウィーネと行った記憶が思い出されふと疑問が浮かんだ
タダシはウィーネの顔を見て何も言わずペンライトを渡し何事も無かった様に去っていった
その時は単なるサービスだと思ったがそれはウィーネが普通の客ならの話だ
ウィーネは大きな括りで言えばモンスターだ。それを一般人が目にし叫ぶどころか笑顔で接すると言うのは考えにくい。そんな考えが沸き上がり何処に着地するでもなくベルは映画館の中に入った
「いらっしゃいませ」
何時もの様にタダシが出迎えてくる
「本日はどの様な映画をお求めでしょうか?」
「…………………………あの、昨日僕と来た女の子何ですけど」
ベルが言葉を発すると
「……………………ええ、大変可愛らしいお客様をお連れでしたね。お名前はウィーネ様」
「はい、それで、タダシさんのあの時の反応を見て気付いたんですけど、もしかしてウィーネみたいな人が他にも来てたりします?」
数秒沈黙が流れベルが息を飲むとタダシは笑顔を崩さず答える
「申し訳ございませんがお客様の個人情報をお伝えする事は出来ません。ご理解下さい」
タダシはそう言い何時もより深くお辞儀しベルは慌てて否定する
「そんな!!頭を上げて下さい!!此方こそ無理言ってすみません僕もう行きますね」
ベルはそう言い慌てて映画館を出ていく
そうして準備を進めベル達はダンジョン20階層に向かった
そこにはウィーネと同じ様に人語を操り感情を持つモンスター【異端児】達がいた
彼らはベル達を歓迎し酒や食事を囲んだ
「え⁉リド達も映画館行ったの⁉」
「ああ、ありゃあ面白かったな!!観たか?【ターミネーター】と【ターミネーター2】」
「う、ううん、僕は【仮面ライダー】シリーズ観てるから」
「ハッハッハッ!!そうか!!その内観ると良い」
「でも、良くバレなかったな」
「ああ、何時か堂々と観に行きてぇな」
そこにウィーネが現れリドに話し掛ける
「リドも映画観たの?」
「ああ、ウィーネも観たのか?」
「うん、プリキュア格好良かった」
「そうか良かったな」
映画の話で意気投合した両者は一気に仲良くなり宴会もそろそろお開きになろうとした時、リドがウィーネを預かると言う話になりウィーネはそれを嫌がったがウィーネの状況を考えベルはその場はリド達【異端児】に預ける事にし両者は別れる事になった