オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第56話

「お疲れスズちゃん!!仕事にも慣れてきたね」

 

ミユは新入りであるスズにそう声をかける

 

「そんな、今も仕事覚えるので精一杯ですよ」

 

「謙遜しなくて良いのに、ね?リュウセイ君」

 

「………………そうですね、ミユさんマネージャーの次に歴長いのに僕がサポートしてましたもんね」

 

「もう!!そう言うこと言わないでよ!!大体リュウセイ君だって殆ど歴変わらないでしょ!!それに最初の方はリュウセイ君のフォローだって…………」

 

「ミユさんしてないでしょ、僕が困って助けを求めたら僕よりあたふたして結局マネージャーがサポートしてくれたじゃないですか」

 

リュウセイがそう言うとミユは「ウッ」と声を漏らす。そんな2人の様子を見て思わず笑うスズに釣られ2人も笑う

 

「そう言えばスズちゃんはどうして此方に来たの?」

 

「え?」

 

「あ、別に言いたくないなら良いんだけどね?因みに私は病死でリュウセイ君は事故死、私は元は自分で言うのも変だけど結構有名トリマーだったんだ」

 

「僕は普通に学生してました。同じく自分で言うのも変ですが文学少年でしたよ、まぁたまに息抜きしようとサッカーに出掛けて車に轢かれましたけど」

 

「わ、私は何と言うか………自殺…………ですかね」

 

スズが気まずそうに言うと2人は何も言わずスズの次の言葉を待った

 

「その、家が貧乏で小中と虐められて、両親が必死になって集めてくれたお金で入った高校では変わろうと思ったんですけどそんな簡単には行かなくて、バイトも始めたんですけど上手く行かなくて、弟が待ってたのに此方に来ちゃったんです。友達も…………1人は居たんですけど、その子も置いて来ちゃって…………私、最低ですね」

 

ミユは何も言わずスズを抱きしめた

 

「そんな事無いよ。スズちゃんは頑張ったよ、それに今も頑張ってる」

 

「まぁ、俺も昔は色々言われたよ。やれ陰キャだのつまらない奴だの、でも此方に来てからはそこそこ幸せな生活送ってるよ。色んな事情を抱えてる人も多いしミユさんみたいな人も多いしね」

 

「ちょっと~それどういう意味よ?」

 

「別に、人を慰めるのが上手いって事ですよ」

 

「え~?母性目覚めちゃった?」

 

「……………………もうそう言う事で良いですよ。僕明日早いんでこれで失礼しますね」

 

「うん、お休み~」

 

「お、お休みなさい」

 

リュウセイは何処か諦めた様にそう言いそそくさと自室に引っ込むとミユとスズは挨拶して見送る

 

「じゃ、私達も休もっか」

 

「はい。あの、ミユさん」

 

「ん?」

 

「その、ありがとうございました」

 

「どういたしまして、それじゃあお休み」

 

「はい、お休みなさい」

 

2人は挨拶を交わしそれぞれの自室に戻ると眠りについた




サイトウ・スズ14歳 前世享年16歳

前世の大半を苦痛と共に過ごした少女、家に帰れば弟の面倒を見て過ごし学校では壮絶な虐めに合い高校に上がり少しでも家計の助けになろうとバイトを始めるとその店でセクハラ・パワハラ・モラハラのオンパレードに遭った

特に虐めは酷く無視・落書き・罵詈雑言は当然の様に行われ酷い時は殺人未遂・自殺教唆・パパ活強要等々犯罪を都合の良い様に言い換えただけの行為が行われ続け自殺に至った

彼女の死後、虐めとハラスメントが発覚し日本中を騒がせる大きな事件となり裁判になった。裁判の結果虐めに荷担した加害者側(複数)とハラスメントを行った店に多額の賠償が科され皮肉にも彼女の家族は貧乏からある程度脱却する事になった

因みに公になった理由はスズの唯一の友達が隠蔽されそうになっていたのを証拠と共にマスコミやネットに流した為、虐めを止める勇気の無かった友達の精一杯の抵抗だった
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