オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第57話

最近、映画の中で新人冒険者の注目を集める作品があった

 

その作品は他作品の様に派手さは無かった、その作品の主人公は何処にでもいるちょっと変わった冒険者だった

 

寡黙で口下手、周りの評価など気にせず淡々と自身の仕事をこなす仕事人

 

しかし新人冒険者達の注目を集めたのは彼の獲物だった

 

ソイツは冒険者なら誰もが最初に戦う事になる最弱の怪物、知能は子供並み、力も大して強くなくズル賢さと繁殖力だけは一丁前(ダンジョンのゴブリンはそんな事も無い)

 

そう言った冒険者のリアルを強調した作品は瞬く間に新米冒険者達の心を掴みギルドから冒険者登録に来た新人達に警告の意味も兼ねて見せると言う動きもあるとか無いとか

 

そんな作品の噂を聞きベル・クラネルも自身も勉強の為に見ておこうと思い至り現在映画館に向かっていた、レベルは既に新人では無いレベルを持っている彼だがまだオラリオで活動を初めて1年も経っていないと言う意味では新米だ

 

映画館に辿り着き中に入ると見慣れた様子でタダシが出迎えてくれる

 

「いらっしゃませ」

 

「こんにちは。えっと、今日は【仮面ライダー】じゃなくて、最近冒険者になったばかりの人の間で話題になってるって映画を見に来たんですけど」

 

「ふむ、恐らく此方の作品の事でしょうね」

 

タダシはそう言ってファイルを取り出す

 

「【ゴブリンスレイヤー】」

 

「此方の作品は言うなれば神様達の居ない冒険者の世界と言った所ですね」

 

「神様達の居ない冒険者の世界?」

 

「はい、詳しい話は作品を観た方が良いでしょう。ですが最後に1つ、此方の作品は世界より悪意が容赦なく襲ってきます。それは人間の話ではなく運や環境、状況の話です、その為かなり酷い話が多いですが、それでもご覧になりますか?」

 

タダシがここまで行ってくると言うことは相当なのだろうがベルも覚悟を決めている

 

「はい、おねがいします」

 

「かしこまりました」

 

タダシはそう言うと違う困っている客に声を掛けていった

 

ベルもチケットとポップコーン等を買い決められた席に座る

 

噂通りの人気作品である様でチラホラと客がいるが全員冒険者の様な装いだった

 

映画が始まるといきなり凄惨な場面から物語りは始まる、登録したばかりの冒険者四人組がゴブリンの巣穴に向かい村娘を助ける任務に向かった

 

しかし彼らの準備不足が災いし唯一の男だった剣士が倒される、後衛2人を逃がす為格闘家が前に出るが大柄なゴブリンが現れ慰み物にされ後衛2人は脱出を謀るが追い掛けてきたゴブリンに追い詰められ駄目かと思われたその時、入り口から薄汚れた兜と鎧を着た人物ゴブリンスレイヤーが乱入しゴブリンの巣を壊滅させた

 

しかし完全に無事だったのは新米の女神官1人のみ、もう1人の格闘家は心を病み冒険者を続けられなくなった

 

『良くある話だ』

 

そう言ってこの事件は解決することとなった。その後、女神官はゴブリンスレイヤーの後を着いて回り様々な出会いがあり物語は幕を閉じた

 

「いかがでしたでしょうか?」

 

タダシが現れベルは返事を返す

 

「はい!!凄く便りになりました!!僕小麦粉が爆発するって知りませんでした。それに目潰しに唐辛子を使うのとかも」

 

「ハッハッハッ、試す際は細心の注意を払って下さいね」

 

「はい!!勿論です!!」

 

ベルはそう言うと映画館を出ていった

 

後日、冒険者の厳しさを教える為【ゴブリンスレイヤー】を正式に冒険者になる者に教えるマニュアルに話の一部が追加された




この話は次回に続きます、が
申し訳ありませんが明日と明後日は仕事の関係と他作品執筆の為お休みします。すみませんが宜しくお願い致します
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