タダシさん達は少しの間お休みです
コロコロと転がる賽子に駒、並べられた数々の菓子にジュース、賽子が目を出す度に現れる無数の駒
そこにいるのはとある世界で駒の動きと賽子の出目に一喜一憂する神の1人、名前を付けるとするなら【幻想】だろうか?もう1人は言わずと知れた美の女神、フレイヤ
彼女は幻想の神に誘われゲームに興じる事になった
「そう言えば、僕達の世界の子達がそっちで人気ってどういう事?」
幻想の神はコロコロと賽子を転がしながら美の女神フレイヤに尋ねる
「あら、貴女達の方には映画は無いのね」
フレイヤは賽子を転がしながらそう言う
「映画って何?」
幻想の神は当然の疑問を口にしフレイヤはニコリと笑う
「もし良かったら今度私達の世界に遊びに来たら良いわ、話を聞くより直接見た方が早いわ、それにとっても面白いの」
「ふぅ~ん、じゃあまずはこのゲームに勝たないとね♪」
幻想の神はそう言うと賽子を転がす、そうして漸く互いの駒のスタート位置が決まる
「それじゃあ改めて、宜しくお願いします!!」
「ええ、宜しくお願いします」
2人はそう言い例をするとゲームが始まった
「クソ!!」
暗い暗い洞窟の中を1人の冒険者が走る、暗い暗い洞窟に磨かれた鎧と黒いナイフ、左手に魔石灯を持っている、ベル・クラネルだ
そんな彼は少し前まで慣れたダンジョンで何時もと少し違うメンバーで潜っていた、しかしダンジョンの異変により意識を失い目が覚めると真っ暗な見知らぬ洞窟に倒れていた
とある事情により魔石灯を持っていたお陰で最低限の灯りを確保する事は出来たがとあるモンスターの群れに襲われ逃げ惑っていた
「ファイアボルト!!」
手から炎が飛びモンスター、ゴブリンに命中し命を奪うが焼け石に水だった
更に矢を受け絶体絶命のピンチに陥った時、遠くに希望の光を見た
その光はゴブリンに炎を押し当て命を奪う
「1つ」
「あ、あの人は…………」
ベルがその光景を呆然と見ている間にその人物は片手剣で別のゴブリンの命を奪っていく
「2つ3つ4、5、片付いたな、ランタンは持っている様だな」
「ご、ゴブリンスレイヤーさん!?」
ベルはその兜の人物の名前を叫ぶ
「そうだ、俺を知っているのか?」
「は、はい!!ゴブリンだけを殺す辺境最優の冒険者!!」
「…………そうか」
「はい!!」
ゴブリンスレイヤーは何処か退いた様子でそう言うが残念ながらベルはそれに気付く事は無い
「………………肩の傷はどうだ?」
「あ、はい!!これくらいは全然……イタッ」
強がったベルだがやはり矢を受けた肩はズキズキと痛む
「無理に抜くな、傷が悪化するぞ」
「あ、はい。あのこういう時どうすれば?」
「矢尻を折って貫通させるか傷口を裂いて矢を抜く」
「えっと、じゃあ腕の動きに支障が無い方でお願いします」
「ふむ、では傷口を裂いて矢を抜く、筋や骨を痛めかねないからな」
そうしてゴブリンスレイヤーの的確な治療によりベルは腕が腐り落ちるのを防ぐ事が出来た
しかし、ベルは画面の向こうから見ていたゴブリンスレイヤーが目の前にいる事実に驚きながらも嬉しく思い心が熱くなっていた