オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第6話

映画館の他にオラリオにある数少ない娯楽と言えば食。その最高峰に立つ【豊穣の女主人】

 

そこで働く1人のエルフがいた

 

彼女は現状に不満は無く人並みの食があり手に職があり親愛なる友があり過去が遺した金があった

 

それ以上を求めるのは贅沢と考え実際求めるつもりもなかった

 

「ねぇリュー知ってる?最近出来た建物、一緒に行ってみようよ?」

 

そんな日々に恩人であるシル・フローヴァがそう言ってきた

 

「いえ、私はそう言うのは興味がありませんので」

 

最初はやんわりと断ろうとしたが

 

「もう!!たまには付き合ってよ」

 

頬を膨らませそう言う友人には敵わず付き添いと言う形で着いていく事になった

 

映画館内

 

「いらっしゃいませ。おや?あなた様は」

 

タダシが首を傾げるとシルがすかさず耳元で何かを囁く

 

「私達初めてなんです♪」

 

「それはそれは、本日はご利用いただきありがとうございます。当施設のご利用が初めてのお客様にはご説明を行ってますがいかがいたしましょう?」

 

「ぜひおねがいします。私はシルって言います」

 

「……………………リュー・リオンです」

 

「これは失礼いたしました。私当映画館のマネージャーをしております。ヤマモト・タダシと申します。宜しくお願い致します。それでは早速映画の見方ですが…………」

 

そうしてタダシが設備を説明していく

 

「以上が当映画館の説明でございます。何かご質問は?」

 

「大丈夫です♪」

 

「かしこまりました。それでは見たい映画をお選びください」

 

「じゃあホラーで」

 

「ホラーですとお勧めはやはり【リング】に」

 

「あ、それ以外でお願いします」

 

「でしたらお勧めは【SAW】シリーズでしょうか。此方は映画の中でも特に長命なシリーズでして長くとも5~6作で終わる映画の中でもこのシリーズは10以上の話がございます。中でも第一作は衝撃のラストが多くの視聴者を驚かせた作品です。しかし此方はその過激な描写からRー15に指定された作品でもあります」

 

「じゃあそれにします。2人分で」

 

「え⁉」

 

「かしこまりました。それと此方の映画を観る際は【最前列】で観ることをお勧めします」

 

タダシは意味深にそう言うとチケットを発行して貰うとチケット売りの少年からシルにチケットが手渡されシルは笑顔で1枚をリューに渡す

 

「それじゃあさっきの人が言ってたお菓子を選びましょう」

 

軽食販売コーナー

 

「いらっしゃいませ~!!」

 

「えっと、ポップコーンって言うのとオレンジジュース2つ下さい。サイズは飲み物がLでポップコーンがXLでお願いします」

 

「かしこまりました。フレーバーはいかがいたしましょう?」

 

「リュー、どれにする?」

 

「……………………では期間限定と言うのと塩で……」

 

「かしこまりました。此方お先にお飲み物とポップコーンになります」

 

「わぁ~ほらほらリュー行こう!!」

 

席に座り映画が始まる

 

内容は2人の男が狂人【ジグソウ】のゲームから脱出を謀ると言うもの。2人の足には鎖が繋がっており片方の男が脱出するには目の前の男を殺すしか無く出来なければ妻子が死にもう片方の男は死ぬか逃げ出すしか無いと言うものだった

 

2人の間には互いにギリギリ届かない場所に自殺死体が横たわっていた

 

「酷く不公平で残虐なゲームだ」

 

最初はリューもそう思い話を見ていた。しかし物語が進み【ジグソウ】が命を軽んじる者にしかゲームを仕掛けないと知った

 

(それでもこれはやりすぎだ)

 

しかし同意は出来ないと思いながらも話は進んでいった

 

最後の最後、結局2人は妻子を人質に取られた男が半狂乱になりながら糸鋸で足を切り離し【ジグソウ】と思われる男を欺き逆に命を奪った

 

足を切った男はもう1人に助けを呼んでくると言いその場を離れ助けを待つ男は【ジグソウ】と思われる男の荷物を漁ると何故か【ジグソウ】が使う道具を見付ける

 

そこには目の前の男には遅効性の毒が射たれており指定された妻子を指定された時間に殺さなければ解毒剤は手に入らないと言われていた

 

その内容に唖然としていると背後の自殺死体が突然起き上がった

 

『………………鎖の鍵はバスタブの中だ』

 

起き上がった死体はそう言いリューは男がバスタブから起きた事を思い出す

 

男も同じことを察した様で自暴自棄になり攻撃しようとした男に電流を流し【ジグソウ】は悠々とその場を離れた

 

『GAME OVER』

 

最後にそんな言葉を残して

 

そこで映画は終わりリューは何とも言えない疲労感を感じながら映画館を後にした

 


 

「う~む」

 

「マネージャー今度は何を唸ってるんですか?」

 

2人が去った後唸るタダシにポップコーン売りのミユが声をかける

 

「いえね。アニメやテレビ放送が人気で映画化した作品ってあるじゃないですか?」

 

「ああ、鬼滅とか特撮は特にそう言うのが多いですよね」

 

「はい、そう言った作品を置いてもここの人達はそれ以前の話を知らないから見ても分からないと思うんですよね。なのでどうしたものかと」

 

「じゃあ他の映画みたいにテレビ放送の部分を映画みたいにして放送したら良いんじゃないですか?他の映画にもあるじゃないですが【エピソード0】とか」

 

「成る程…………………………それもありですな。取り敢えずやってみましょう」

 

タダシはそう言うとファイルを丁寧に直し次の客を出迎えた

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