オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第60話

オラリオの新人冒険者に憧れの目で見られるゴブリンスレイヤー、本人を前にして何処か嬉しい気持ちになったベルは彼の後ろを付いて回りオラリオでゴブリンスレイヤーを知った経緯を話していた

 

「それで、オラリオには映画って言う物語を見れる映画館って施設があって僕はそこでゴブリンスレイヤーさんを知ったんです」

 

「そうか」

 

ゴブリンスレイヤーは特にこれと言った関心を示さず周りをキョロキョロと見回す

 

「知らん場所に出たな、地図は持っているか?」

 

「あ、すいません。仲間に持って貰ってて今は無いんです。その仲間ともはぐれてしまって」

 

「そうか、此方もだ。見たところ斥候の類いか?武器はなんだ?」

 

「ナイフを使う事が多いです。他にも色々使って一通り使える自負はあるんですけど、ナイフが一番使いやすいです」「そうか、前衛2人で手が埋まるのは避けたい、地図役は無しだ、道は頭で覚える。松明は使うが隠密を重点する、少し待て」

 

ゴブリンスレイヤーはそう言うと転がっているゴブリンの死体に小刀を刺す

 

その光景に見覚えのあったベルの顔がだんだんと青くなっていく

 

「ま、まさか」

 

「少しでも見付かる可能性を下げる。奴らは夜目と鼻が効く。お前の鎧は手入れが過ぎるからな」

 

ゴブリンスレイヤーはそう言うと布にゴブリンの地肉を染み込ませベルに近付いてくる

 

ベチャリとベルの体に不快な感覚が走り悲鳴を上げた

 

「あう~」

 

「血と臓物の臭いは冒険者ならば付き物だ。鼻で呼吸しろ、じきに慣れる。只人の鼻はそう出来ている」

 

「は、はい~」

 

ゴブリンスレイヤーが松明を見て別の松明に火を移す

 

「あの、どうして魔石灯じゃなくて松明何ですか?」

 

ベルは自身の持っていた魔石灯を見せ尋ねる

 

「それは蝋燭や松明と違い火を持たない、ランタンなら奴らに痛手を負わせられるだろうがそれは光を発するだけだ、ならば松明を押し当てた方が殺せる」

 

「あ、やっぱりそう言う…………」

 

「奴らの巣が近いな、見ろ連中の物見だ」

 

ゴブリンスレイヤーが松明を少し高く掲げ遠くを照らすとうっすらと2匹のゴブリンの姿が現れる

 

「本当だ」

 

ベルがそう言っている間にもゴブリンスレイヤーはナイフを投げ持っていた片手剣でもう1匹を斬り殺す

 

「やっぱり凄い」

 

「練習すれば誰でも出来る。俺だけが出来る特別な技能では無い、練習すればお前にも出来る」

 

「ッ!!は、はい!!頑張ります!!」

 

「物見が帰ってこないとなれば警戒し待ち伏せするだろう。付き合ってやる義理はない」

 

(あ、やっぱりそうなんだ)

 

「………………この辺りで良いだろう。これとこれを持て」

 

ゴブリンスレイヤーはそう言いベルに松明と指輪を渡す

 

「え?あのこれで何を?」

 

「いざとなったら泳げ」

 

「へ?」

 

ゴブリンスレイヤーがそう言うと大量の水が流れ隠れていたゴブリン達を諸とも溺れさせる

 

「急げ、呑まれるぞ」

 

「うわああああああああたああああ!?」

 

淡々と告げるゴブリンスレイヤーにベルは悲鳴を上げながら逃げる

 

漸く水の流れが収まりゼエゼエと肩で息をする

 

「横穴もあろうが窪地なら水攻めが効果的だ、コンクリートを流し込んで埋め立てても良いかもしれん」

 

(そう言えばこういう人だった!!)

 

ベルは漸くゴブリンスレイヤーと言う冒険者を痛感する事になった

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