オラリオで映画館を運営する転生者達の話   作:寝心地

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第67話

「とまぁそんな訳で俺ちゃんも何でここにいるのかさっぱりな訳」

 

「は、はぁ」

 

歩きながらも喋り続けるデットプールとそれを困った様子で聞き続けるベル、ベルは正直デットプールの事が鬱陶しくなってきていた

 

口を開けばやれ『ローガンも此方の世界に来てるのか?』とか『ロールケーキとシュークリームどっちが好き?俺ちゃんはチョコレート派』とか『この話視聴者に人気出るかな?』

 

とか、ベルにとっては本当に訳が分からない話ばっかりを振られ困っていた

 

(ローガンって誰?甘い物はあんまり好きじゃないんです。あと視聴者って何ですか!?)

 

ベルはデットプールの話を受け流しながら早く映画館に着かないかと思っていた

 

そうして漸く映画館に辿り着きデットプールとベルは中に入ると何時もの様にタダシが出迎える

 

「いらっしゃいませ………………おや、これは珍しいお客様ですね」

 

「ハローマネージャー、ここまで来るのに俺ちゃん大変だったんだぜ、作者のお遊びで連れてこられてさぁ」

 

「それは、大変でございましたね。それでは観たい映画をお選びください」

 

「ワォ、俺ちゃんの話全無視?まぁ良いや、この子に俺ちゃんの物語見せて上げて」

 

「え!?いや、あの、僕今日は予定が…………」

 

「俺ちゃんも見るぜ!!チケットとポップコーンと飲み物2人分頼む」

 

「かしこまりました」

 

タダシはそう言うと奥に引っ込みデットプールはシアタールームに向かう

 

「……………………え!?僕が払うんですか!?あの!!デットプールさん!?」

 

因みに料金は全てベル持ちだった

 

2人は席に座り映画泥棒を経て本編が始まる

 

その話の内容はベルが思っていた物とはかけ離れていた

 

目の前の男、デットプールと同一人物とは思わなかったがそうなっても仕方無いとは思った

 

恋人と2人仲良く暮らしていたデットプールことウェイド・ウィルソンは婚約の約束までしたが末期癌を宣告される

 

「…………ヴァネッサ」

 

感傷に浸っているのかデットプールは恋人の名前を呼ぶ

 

物語は進み絶望の最中に居るウェイドの元に人体実験の勧誘が来る

 

癌が治る希望を持って人体実験に参加した、実験の結果ウェイドには再生能力が発現したが同時に癌細胞も凄い速度で再生し全身が火傷した様に爛れてしまった

 

「………………酷い」

 

「ああ、酷いもんだろ?人前に出せる顔じゃねぇ」

 

「そ、そんな事はっ!?」

 

ベルはデットプールに弁明しようとデットプールを見たがそこには見慣れた赤いマスク顔ではなく映画に出ているウェイド・ウィルソンの爛れた顔があった

 

「あるんだよ」

 

ウェイドはそう言うとマスクを被り直した

 

そんなこんなで映画は進み映画の中のウェイドはヴァネッサに拒絶される事を恐れ盲目の老婆の家に転がり込み顔や肌を隠すスーツを着込み傭兵として活動する様になった

 

「………………教えて下さい、今の貴方はデットプールなんですか?それともウェイド・ウィルソンなんですか?」

 

物語が終わりエンドロールに入るとベルは隣にいる人物に尋ねる

 

「………………そう言うシリアスなのは俺ちゃん向きじゃないの、んじゃポップコーン御馳走様♪続編の【デットプール2】とローガンも出演する【デットプール&ウルヴァリン】も宜しくな♪」

 

デットプールはそう言うとシアタールームを飛び出しベルは慌ててその後を追うがそこにはデットプールの姿は無かった

 

「………………何だったんだ?」

 

人々が行き交う映画館内にベルの呟きが空しく響いた

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