「………………ハァ」
彼らは溜め息を吐き映画館の前に立つ、しかしその殆どのメンバーが喪失感に苛まれている様に項垂れていた
「アベンジャーズ…………終わっちゃったな~」
「トニーは死んじゃったし、キャプテン・アメリカは代替わりしたしソーは太ったし」
「ブラックウィドウは死んじゃったしクリントは幸せそうだし……そこは良かった」
そんな事を口々に良いながら彼らは映画館内に入っていく
「いらっしゃいませ」
「やぁ、タダシ。アベンジャーズの続き……と言うか次のメンバーの話を頼む、今日は誰の話を見れるんだ?」
「かしこまりました。本日は此方、【スパイダーマン ファー・フロム・ホーム】です。此方はエンドゲーム後のスパイダーマンを描いた作品になります」
「そうか、それを頼む」
「???皆様本日は元気が無いようですが?」
「ああ、全員キャプテンの引退とアイアンマンの死がショック過ぎて殆どが病んでるんだ」
「成る程、しかしこの作品はそんな皆様の鬱屈とした感情を吹き飛びしてくれるでしょう。何時もの通り出来るだけ汚さない様にお願いします」
タダシはそう言うと神々はチケットと食事を買い席に座る
映画泥棒が始まり本編が始まるとエンドゲーム後もスパイダーマンとして活動するピーター・パーカーは途中アイアンマンの壁画を見て感傷に浸る
その後、ピーターはフューリーからの要請を無視し学校の企画したヨーロッパ研修旅行に向かう
その旅行先に突如水の巨人が現れ戦おうとするが一学生として夏休みを満喫したかったピーターはスーツを置いてきてしまい上手く戦えない
そこにDr.ストレンジの様に魔法で戦う謎の戦士が現れ人々から【ミステリオ】と呼ばれる様になる
その夜、フューリーが直接ピーターに接触しミステリオと呼ばれる人物クエンティン・ベックと対面する
彼は4元素の巨人エレメンタルズが滅ぼしたアース833の世界から来たと語り今度はピーターの住むアース616を滅ぼすつもりだと言う
マルチバースの存在に驚くピーターにフューリーはトニーが遺した人工知能イーディスが宿った眼鏡を渡しベックと共に残りのエレメンタルズを倒すよう要請するがピーターはそれを断り旅行に戻ってしまう
しかしフューリーも諦めずピーターの学校の旅行先を裏から操作し行き先を変えさせピーターも観念した様に協力することになる
その後、ベックと共に火のエレメンタルを倒すが自身の不甲斐なさとベックの中に見たトニーの面影にイーディスをベックに渡す
その後ピーターは想い人であるMJと共に夜の街を歩くがその途中、ベックの策略に気付きMJに自身がスパイダーマンである事を明かしベックを追い掛ける
しかしベックが操る高度なホログラムに翻弄され現実とホログラムの区別が付かなくなったピーターはスターク・インダストリーの警備部長であるハッピーに助けを求める
『リラックスしろリラックスだ』
『ハッピー!!リラックスなんて言わないで!!スタークさんの後を任せられると思って眼鏡をアイツに渡した!!僕の友達を殺しに行ったアイツにだ!!』
ピーターは取り乱しハッピーに弱音を漏らす
『…………ごめんなさい、貴方に怒鳴って………………スタークさんに会いたい』
『ああ、俺もだ』
『何処に行っても……あの人を思い出す。それに、世界中の人が次のリーダーは?って聞いてくる。でも、僕なのか分からない僕はアイアンマンじゃない』
『アイアンマンじゃない、アイアンマンにはなれないよ。誰もトニーの期待には添えないトニーでさえな』
自分自身を見失ったピーターにハッピーはトニーが何故ピーターを選んだのか告げる
『彼は親友だった、何時も迷ってた、自分がしたことが正しかったのか何時も悩んでた、たった1つ迷わなかったのはお前を選んだこと、トニーが自分を犠牲に出来たのは自分が死んでもお前がいるって分かってたからだ』
ハッピーはピーターに問いを投げる
『友達に危険が迫り1人きり、イーディスも無い。で、お前はどうする?』
ハッピーの問いにピーターは立ち上がり迷わず応えた
『……ベックを倒す』
ピーターはそう言いハッピーはスパイダーマンの為のスーツを作る設備を用意し新たにカスタムしたスパイダーマンスーツでベックを倒した
しかしベックの置き土産としてスパイダーマンの正体が世界に公表され物語は幕を閉じた
「ピーター!!」
「信じてた!!俺は信じてたぞ!!トニーの後を継ぐ者が現れるって!!」
「ピーターがスーツ作り始めた時アイアンマンと同じ曲が流れたの良かったよね~!!」
「ベックとの戦いの時も糸が無くなってどうするのかと思ったら近くにある物を盾とハンマーにして戦っててソーとキャプテン・アメリカみたいでかっこ良かったよな!!」
「でも世界にヒーローの正体バレたぞ?」
「タダシ!!この後どうなるんだ?」
「この後は【スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム】へと続きます。皆さんのお察しの通りスパイダーマンの正体がバレた後の話となります」
「じゃ、じゃあそれも……」
「申し訳ありませんがこの後も別の上映が控えておりますのでこの辺りで」
「「「「「知ってたよチクショー!!」」」」」
神々は涙ながらにそう叫びそのまま各々のファミリアに帰っていった