とあるファミリアの本拠
その最奥の部屋で2人の人影が話していた
「…………素晴らしいよアスフィ、まさに完璧だ」
「…………それで?今度は何をしでかそうと言うんですか?ヘルメス様」
「フフフ、それは内緒って奴だよ。それに暫くは僕も動けない、君も久しぶりに映画でも観に行って気分転換してきたら良いよ」
ヘルメスはそう言うとアスフィの作った魔道具を持って部屋を出る
少ししてアスフィもヘルメスの言っていた通り映画でも観ようと映画館に脚を運ぶ
「いらっしゃいませ、お久しぶりでございます」
「はい、映画をお願いします」
「本日はどの様な映画をお求めでしょう?」
「そうですね………………お任せしたいと思います。私も映画には詳しく無いので」
「………………畏まりました」
タダシはそう言うとリュウセイと何か一言二言話をするとアスフィにチケットを渡す
適当に軽食を買い指定されたチケットの席に向かい座る、そこで始まったのは死神代行を行う少年が様々な敵と戦う物語
しかしアスフィの目に留まったのは主人公ではなく死神組織で幹部を張る1人の狂人
彼は一言で言えばマッドサイエンティストだった、研究の為なら人の命を何とも思わず拷問と呼ぶのすら生ぬるい所業を平気で行うヤバイ奴
初登場の時は思わずアスフィも「この人ヤバ」と漏らす程だった
そんな中、
『どうやら、もう目新しい能力は無さそうだネ、それじゃあ最後に1つ、私の新薬の被験体になって貰おうかネ』
『ッ!!』
『そう身構えなくて良いヨ、既にその薬は投 薬 済 み だ』
「『ッ!?』」
突然声が遅くなりアスフィは一瞬何かのトラブルかと思ったが次の瞬間には元に戻っていた事で演出だと気付く
『何だ、一体何の薬だ!?』
『今回君が卵とやらを産み付けた場所に仕込んでおいたのはこれだよ、安心し給え、毒薬何かじゃあ無い。そうだネ、超人薬とでも言っておこうか』
そうして超人薬の説明を聞きアスフィはこれは自分の魔道具にも利用出来るかもしれないと記憶の片隅に刻んでおく
その薬によって勝敗は決する
『さて、それでは、百年後までご機嫌よう』
そう言って止めを差し死んだ敵を前にこんこんと告げる
『完璧な生命か、世界には完璧などと言うものは存在しないのだヨ、陳腐な言い回しになるがネ、それは事実だ。なればこそ凡人共は完璧に憧れそれを求める。だがネ、完璧に何の意味がある?何もない、何も、何一つだ、私は完璧を嫌悪する』
「ッ!!」
ここでアスフィは同じ技術者として間違っていた事に気付く
『完璧であればそれ以上は無い、そこに創造の余地は無くそれは知恵も才能も立ち入る隙が無いと言う事だ。分かるかネ?我々科学者にとって、完璧とは絶望だヨ。今まで存在したなにものよりも素晴らしくあれ。だが、決して完璧であるなかれ。科学者とは常にその二律背反に苦しみ続け更にそこに快楽を見出す生物でなくてはならない。つまり、完璧などと言う頓狂な言葉を口にした瞬間に、既に君は私に敗北していたのだよ。君を科学者とするなら、の話だがネ』
「…………………………」
その言葉は決してアスフィに向けられた物では無かった、しかしアスフィはもし自分がその言葉を言われた時返す言葉を持っていなかった
その後、物語は主人公が元凶を倒し死神としての力を失った所で物語は終わった
「………………そうですね、それが知れただけ、良かったと思いましょうか」
彼女はアスフィ・アンドロメダ 2つ名は【
彼女は万能であって完璧では無い
彼女はその後、ヘルメスの無理難題にNOを言える様になったのだがそれはまた別の話