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「ジャマするぜトレーナー!」
「……いらっしゃいステイゴールド」
トレーナー室に勢い良く入ってきたのはステイゴールド、好奇心が服を着てるような……俺の担当ウマ娘だ。
「ん?」
「どうしたんだトレーナー、俺の服装になにか言いたげだが?」
「いや、なんで勝負服着てるんだろうって思ってね」
「気に入ってんだよこの勝負服、風紀委員に捕まる迄は着させろ……そんでアンタは何やってんだ?」
本人の言う通り、ステイゴールドはご機嫌にその場でくるりと一回転し勝負服を見せつけた。
ステイゴールドは机に乗っかり俺が操作していたパソコンを覗き込む、そこには近々大きいレースで競走するであろうライバル達の情報を纏めていた。
「コレは?」
「キミが今度一緒に走る可能性があるウマ娘達だよ、皆強敵揃いだ」
「へー……」
「ステイゴールド?なんかその……もしかして、イラついてる?」
「そうでも無い、なぁトレーナー」
「なっなに?」
「走りたくなった、ちょっとツラ貸せ。担当ウマ娘のデータ取りもアンタの仕事だろ」
そういうステイゴールドの顔は凡そ〝走りたくなった〟等という可愛いモノには見えなかった、まるで獲物の喉笛を噛みちぎるような……獰猛なる熱さ。
「トレーナー」
「ッ!」
思わず目線を外すと、ステイゴールドは俺の首元に人差し指を軽く突き刺し、そのまま上げて無理やり目線を合わさせた。
「お前がする事はなんだ?俺様に夢を見る事だろ?俺様に恋焦がれ、俺様を想い、俺様の為に考える……せっかくの晴れ姿を見せてんのに他のウマ娘ばっか考えるのは、〝些か〟いただけないな」
小さい体躯でありながらも秘める強さは〝酷く〟大きい、その強さが今自分に向けられていた。冷や汗を流しながら俺は両手を上げ、降参の意を示すとステイゴールドは満足したのか笑顔になってくれた。
「ほらほらちゃっちゃかデータ保存して行くぞ、予約してないから知り合いが居るかどうかから探さかないといけないんだから」
「そこはノープランなのね、いやまぁ良いけどさ」
パソコンを閉じるとステイゴールドは机から降り扉に向かう、俺はある事を思い出し呼び止めた。
「ステイゴールド」
「ん?なんだトレーナー」
「あーその、なんだ……」
「言いたいことあるならはっきりと言えよ」
「勝負服、似合ってる。キミとよくマッチしてる素敵な服だ」
「──おっせぇんだよ、でもまぁありがとうな」
ステイゴールドは少し目線を外すもすぐさま戻し、笑って礼を言った。