《天竜》の伝説   作:PAPA

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第二説:シャボンディ諸島

やってきましたシャボンディ諸島!

 

いやー、圧巻だな。

シャボン玉にヤルキマン・マングローブ、スゲー!

 

「どうじゃ、初めての外は?」

 

「すごいです!父様!」

 

「はっはっは!それはよかった」

 

シャボンディ諸島には俺と父様、巨人族の奴隷と何人かの守護兵を連れて来ている。

母様は防護服を着ないので父様がついてくることを禁止した。

故に今ここにはいない。

そもそも母様は人間オークションに行くのは嫌がっていたしね。

 

まあ、それはいいんだが、マリージョアをでる時に着せられたこの防護服は窮屈だな。蒸し暑いし。

よくこんな服着るな、天竜人は。

 

それともう一つ。

 

「それはそうと、テラマキア。巨人の乗り心地はどうじゃ?」

 

「は、はい。いいです」

 

そう、俺は奴隷の巨人に乗っているのだ。

一応罪悪感はあるのだが、恐ろしいことにそれをあまり感じなくなっている。

やっぱり4年も天竜人をやってると少しは影響されてしまうのだろうか。

 

俺もあんな天竜人みたいに…

 

いやいや、そんなことはない!

 

頭を振ってそんな考えを払う。

 

「どうかしたかの?テラマキア」

 

「いえ、なんでもありません」

 

今は初めてシャボンディ諸島に来れたんだし、変なことを考えるのはやめよう。

 

それにしても、本当に天竜人って恐れられているんだな。

 

さっきから道行く人全てが膝をついて俯いている。

 

背徳的だが何かこう、優越感を感じてしまうな。

 

はっ!やばい。今また天竜人的な思考になってた。

油断ならないな、本当に。

 

「ん、あれはロズワードかの」

 

父様の視線の先には何か争っているロズワードと人間の女性と子供がいた。

 

「貴様、下々民の分際で!!何様え!」

 

「お許しください…!」

 

「ビエエェェン!ママぁ!」

 

「うるさいえ!死ね!」

 

ジャキンッと子供に銃を向けるロズワード。

 

おいおい、ちょっと待て!

 

「待ってください!ロズワードさん!」

 

慌てて、巨人族の奴隷から飛び降り、ロズワードと子供の間に割って入る。

 

「むっ!テラマキア、貴様下々民の味方をするつもりかえ!」

 

「あ、いやその…」

 

やべぇ…

反射的に飛び出してしまったから何も言い訳考えてねぇ。

 

「テラマキアは誰かが死ぬところを見るのは嫌っておるからの。のう、テラマキア」

 

「あっ、はい父様」

 

ナイス助け船!父様。

 

「これはゾディアック!そうであったかえ。確かに下々民の血を見せるのは教育に悪いしな」

 

ロズワードは銃を下げてくれた。

 

子供の前で奴隷使ってる奴が教育に悪いとかよく言うよ。

 

「それでどうしたかの?ロズワード」

 

父様がロズワードに声をかける。

 

「そうだ。聞いてくれえ。この人間の子供が私の通り道にボールを転がしたのえ!」

 

えー……。

 

本当にむちゃくちゃだな。

どれだけ心狭いんだよ。

 

「ロズワードさん。下々民に構う価値すらないんだから、捨て置きましょうよ」

 

俺はロズワードの気をなんとかそらそうとする。。

 

「むう、しかしこの人間は私の通り道に…」

 

「もういいじゃろ、ロズワード。テラマキアの言うことはもっともじゃ。それにもうすぐオークションも始まってしまうしの」

 

「…ゾディアックがいうなら仕方ないえ。ふんっ、人間。私につまらないことに時間を使わせるなえ!」

 

女性を一回蹴りあげてからロズワードは自分の奴隷に乗った。

 

「ほらっゾディアック。早く行くえ」

 

「分かっておる。ほら、テラマキアも」

 

「はい、父様」

 

俺も急いで巨人族の奴隷に飛び乗った。

 

ふう、よかった。

せっかくの初めての外なのに血を見るなんてごめんだしな。

 

 

 

人間オークション前──

 

とうとうきたか。

人間オークション。

出来れば遊園地とかの方がよかったけど、ここに興味が無いかと言われれば嘘になる。

 

「これはこれは、ゾディアック聖にロズワード聖、そしてテラマキア聖。ようこそお越しくださいました」

 

係員の一人が挨拶をしてくる。

 

てか、テラマキア聖って。

何回か言われたことはあるが、こそばゆいもんだな。

 

「会場内では膝つきなどの作法は無礼講願います」

 

「うむ、分かっておる」

 

じゃないと、競りにならないもんな。

 

「ありがとうございます。それではVIP席の方へご案内いたします」

 

「早くするえ」

 

「はっ」

 

俺たちは奴隷から降り、席へと案内された。

 

「今回は何か入っておるかの?」

 

「はい、それはもうすごいのがはいってますよ」

 

すごいの?

 

「人魚か?」

 

「それはお楽しみです」

 

勿体ぶるなよな。

何だろう?

全然分からん。

 

「それでは皆さま長らくお待たせ致しました!!」

 

舞台の中央に司会が現れる。

 

「まもなく───」

 

「毎月恒例一番GR(グローブ)」

 

「人間(ヒューマン)オークションを開催致したいと思います!!」

 

オークションが始まった───

 

 

 

 

うーん、思ったより退屈だな。

出てくる奴隷もイマイチパッとしないし。

原作みたいに冥王レイリーに会えるかなと思ったけど、よく考えたら今は最低でも原作の20年以上は前なんだからレイリーがいる可能性は限りなく低いんだ。

早く終わんないかな。

 

「さあ、皆さま。

次が最後にして今回の目玉です!」

 

ん、いよいよ最後か。

どうせ目玉も大したことないんだろ。

 

「海軍本部中将、〝錬金〟のガイアです!!!」

 

ほらやっぱり大したことない海軍本部中将…

 

 

 

ってええええーーー!!?

海軍本部中将!?

 

ザワザワザワ───!!

 

会場がどよめく。

 

「そう、あの名高い〝錬金〟です!彼は悪魔の実〝自然系〟ツチツチの実の能力者で、その実力も折り紙付き!残念ながら安全のために海楼石の手錠をつけておりますので能力をお見せすることはできません」

 

いやいや、海軍本部中将ってあんた。

名前は原作では聞いたことないけど、中将だから覇気も使える上に、ロギアの能力者なんだからメチャクチャ強いはずだろ!?

 

でも人間オークションに出されるってことは誰かに負けたってことだよな…

 

いったい誰に負けたんだ?

 

「さあ、まずは特別価「4億で買うえーー!!」

 

ロズワード聖が叫んだ。

 

マジか…

 

会場があまりの言い値にシーンとする。

 

これで決まりか…

 

俺がそう思ったとき、

 

「10億じゃ!!10億ベリーで買う!!」

 

父様が叫んだ。

 

おいおいマジですか?

父様。

 

「何するえ!ゾディアック!」

 

「悪いのう、ロズワード。わしは今回の目玉商品をテラマキアにプレゼントすると決めておったのじゃ」

 

え゛!

 

あれを俺の奴隷にするつもりですか父様!

 

「ほ、他に誰かいませんか!!」

 

誰からも声は上がることはない。

 

「それでは、海軍本部中将ガイアはゾディアック聖が落札ーー!!」

 

「ほれ、テラマキア。初めて外に出た祝いじゃ」

 

「う、うれしいです」

 

うーん、まあ使い道は考えたし、海軍本部中将だ。聞きたいこともある。

 

 

初めての外出でとんでもないもん、得ちまったな俺。

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