《天竜》の伝説   作:PAPA

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第四説:修行

シャボンディ諸島からちょっと離れた小島。

 

「ほら!遅いぞ!」

 

「くっ、ガイアが早いんだよ!」

 

俺とガイアは戦っていた。

勿論俺は防護服やシャボンはつけていない。

 

「嵐脚!!」

 

神速の蹴りで斬撃を放つ。

 

「甘い!」

 

が、避けられる。

そして裏拳を叩きこまれる。

 

「鉄塊!」

 

俺は鉄塊でガードする。

 

「指銃〝黄連〟!!」

 

指銃の連打でガイアを狙うが、ガイアはするすると避けて俺の腕を掴んだ。

 

「ふんっ!」

 

地面に叩きつけられる。

 

「いってえ…!」

 

「まだまだだな」

 

ガイアは俺を見下ろしながら言った。

 

「くそっ!紙重と月歩以外は使いこなせるようになったのに」

 

鍛えてくれとガイアに頼んで二年の月日が経った。

 

驚いたことにガイアは六式の使い手でもあった。

 

すぐに教えてもらえると思ったけどその考えは甘かった。

 

最初は走り込みや腕立て1000回、腹筋1000回など体力作りばかりさせられた。

 

あれはキツかったなあ。

 

───────

 

「なあ、早く教えてくれよ。六式を」

 

「だめだ」

 

「何でだよ!?」

 

「体力のない素人の一般人じゃ覚えることさえできないからな」

 

「そんなあ…」

 

「だからまずは体力作りだ。この島の外周をぐるっと5周、それから腕立て、腹筋を1000回ずつ3セットだ」

 

え?

今なんかあほみたいな数が聞こえたぞ?

 

「ごめん、ガイアさん。もう一回言って?」

 

「島の外周を5周と腕立て、腹筋を1000回ずつを3セットだが」

 

「……あんたは俺を死なせたいのか?」

 

「がんばれ」

 

「笑ってんじゃねーよ!!」

 

ちくしょー!いつか絶対泣かせてやる!

 

俺は涙目になりながらそう誓った。

 

───────

 

ああ、今となってはいい思い出だなあ。

 

そんな感じで今では気軽に呼び合う仲である。

 

「しかし四式しか使えないとはいえ、たった二年でここまで成長するとは驚きだな」

 

「そうか?」

 

「ああ、テラ。お前も十分、超人の域にいるぞ」

 

「こちとら師匠が超人を越えた化け物だから全然実感できないけどな」

 

実際マジでガイアは化け物だと思う。

 

二年間ガイアに修行をつけてもらったけど、今まで一度たりとも能力を使わせることはできなかった。

 

ガイアが持つ悪魔の実の能力。

ツチツチの実。

以前一度だけ見せてもらったことがある。

それは本当に恐ろしいものだった。

 

だって地割れ起こせるんだぜ!!

その時その地割れで山ひとつ沈めちまったんだからな。

全然笑えねーよ。

 

「しまったな。〝大地の怒り〟(ガイア・ヴァジュラ)なんか使わずもっと軽めの技使えばよかった」

 

本人はその時そんなことを呟いていたりした。

ロギアって本当に恐ろしいな。

 

「お前ももう6歳か。6歳でこの強さの奴はなかなかいないから誇っていいぞ」

 

なかなかいないって、いるにはいるのかよ。

 

「修行場所を確保してくれたテラの親父さんには感謝しないとな」

 

そうそう。

この俺たちが修行に使っているこの小島は父様が見つけて連れてきてくれた島なのだ。

今もこの島にくる時は父様がくれた小型船で来ている。

父様も俺が修行をするのを応援してくれた。

 

「がんばるのじゃぞ。テラマキア」

 

何故か顔が腫れ上がっていたが。

尻に敷かれてるなあ、父様。

そういえば何で父様と母様は結婚したんだろ?

言ってみれば母様は天竜人では異端者だ。

そんな母様を何で父様は選んだんだろう?

今度なれ初めでも聞いてみようかな。

 

「なにボーッとしてるんだ。続きするぞ」

 

「ん、ああ」

 

俺は立ち上がり再び構える。

 

「さあいつでも来い」

 

「うおおっ!!」

 

修行は続く。

 

─────────

 

─────

 

──

 

島から帰る途中の小型船の船内。

 

「いてて…」

 

俺は顔を腫らしていた。

顔だけじゃない。

身体中打ち身や擦り傷だらけである。

 

「あんたは手加減て言葉知らないのかよ。俺一応まだ6歳の子どもだぞ」

 

俺をそんなことにした張本人、ガイアに抗議の声を上げる。

 

「弟子だからな」

 

「…あんた絶対地獄に落ちるよ」

 

俺はにやついた顔で言うガイアにそう言い放ってやった。

 

ひどい奴だ。

だって攻撃に武装色の覇気を纏わせてくるだぜ。

痛いのなんのって。

それにこっちの攻撃は見聞色の覇気で全部見切られてカウンターをことごとく食らってしまう。

 

こっちは覇気なんてこれっぽっちも使えないのに。

 

これを大人げないと言わずなんと言う。

 

ガイア曰く、覇気を体感していたほうが覇気を会得しやすいらしいが正直言うと全然わからない。

 

というかガイアがただ単に俺を虐めたいだけな気がする。

 

「なあ、ガイア」

 

「何だ、テラ」

 

「俺には才能がないのかな?」

 

「何言ってるんだ。お前は6歳でこの強さだぞ。もう既に並みの海兵じゃ辿り着けない領域まできてるぞ」

 

「でも俺は六式すら満足に扱えないし、まだ全然覇気も使えないだぞ」

 

「………」

 

ガイアは少し黙って、それから俺の顔に手を持ってきてそして、

 

「バカかお前は」

 

「いてっ」

 

デコピンをかました。

 

「あのな、テラ。お前は焦りすぎだ。」

 

「え?」

 

「いくら才能があるといってもお前はまだ6歳だ。まだまだこれからが成長期だ」

 

「………」

 

「だから焦らずゆっくりと強くなればいい。時間はたっぷりあるんだ」

 

「ああ…」

 

そうか。

俺は無意識に焦っていたんだな。

俺が無意識に焦っていた理由。

やっぱりそれは恐らくあの事件が起こると知っているからだろう。

 

聖地マリージョア襲撃事件。

 

後にタイヨウの海賊団を結成するフィッシャー・タイガーによって引き起こされる事件。

 

あの事件で少なからず天竜人も死んでいる。

もしかしたら原作では父様と母様も死んでしまったのかもしれない。

でもそんなことはさせない。

俺が強くなって父様と母様を守るんだ。

いくら天竜人だといっても俺にとっては大事な父様と母様だからな。

 

俺は改めて強くなる決心をした。

 

「まあ、テラはいつまでたっても私を越えることはできないがな」

 

………ついでにガイアをいつか泣かすことも改めて誓った。

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