宮廷遊撃部隊・十四番隊   作:らりるれリッター

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第15話 中央四十六室の異変

 

 

 

-- 瀞霊廷・中央四十六室前 --

 

 

 

「【宮廷遊撃部隊(きゅうていゆうげきぶたい)十四番隊部隊長(じゅうよんばんたいぶたいちょう)】雷山悟。中央四十六室に面会を求める!」

 

 

中央四十六室の裁判官と賢者が一堂に会する『地下議事堂』の前で、雷山はそう名乗りを上げて面会許可を求めていた。 しかし、雷山のその声に対する返答はなく、辺りは静寂に包まれていた。

雷山はその静寂の中に妙な気配を感じていた。そう、何者かが息を潜めて自身が去るのを待っている気配。

 

 

「……仕方がない。出直すとしよう」

 

 

静か過ぎる地下議事堂と中の何者かの気配を併せて、おかしいと思いながらもその場に残っていては埒が明かないと判断した雷山はその場を後にした。

 

 

 

『……行ったか。”宮廷遊撃部隊・十四番隊”とはいったい……』

 

 

中で息を潜めていた者の正体。

それは、護廷十三隊九番隊隊長・東仙(とうせん)(かなめ)であった。

東仙は2度も訪れた宮廷遊撃部隊・十四番隊。名乗りを上げる雷山悟と狐蝶寺春麗なる死神のことを不審に思っていた。

 

 

『……そうか。101年前、あの時に立ち塞がっていた……藍染様へ報告しなくては』

 

 

東仙は101年前に藍染の前に立ち塞がっていた死神、狐蝶寺春麗の属する組織が【宮廷遊撃部隊】”十四番隊”であることに気付き、すぐさま藍染へ報告すべく動いた。

 

 

 

-- 瀞霊廷・十四番隊詰所 --

 

 

 

「雷山悟。只今帰還した」

 

「お帰りなさいませ」

 

「おっかえり~♪」

 

 

雷山が戻って来ると書類整理する浮葉と椅子に座りお茶を飲む狐蝶寺と茶菓子を食べる猿柿の姿があった。

 

 

「おい、何故お前らがまだここに居るんだよ」

 

「別にええやろ。狐蝶寺さんがまだ行かへん言うからここで茶菓子を食うてんや」

 

「そうそう、これ飲んだら行くつもりだったんだよ!それよりもさ、朽木ルキアちゃんの件はどうだったの?」

 

「それがだな、中から返事がなく面会できなかった。だが、誰もいないって言う訳でもなく()()()()はいたな」

 

「え?それってどういう意味?」

 

「俺に対して返答はしないが、議場内には1人か2人ほどのこちらの動向を伺いつつ、息を潜めているような気配を感じたって話だ」

 

「普通に会議してたとかじゃないの?」

 

「いや、だったら息を潜める必要はないし、何より中に居た人数からしてもどこかおかしい。それを話そうと思ってたんだが、白はどこに行ったんだ?」

 

 

雷山は十四番隊詰所に戻った時から、銀華零の姿がないことに気が付いていた。

しかし、その話をする前に狐蝶寺と猿柿に目が留まり、中央四十六室の異変について話をしていたために、銀華零が不在の理由を聞きそびれていた。

 

 

「白ちゃんなら山本元柳斎(おじいちゃん)に呼ばれて行っちゃったよ?じゃあ、私は行ってくるね~♪」

 

「元柳斎がわざわざ白を呼び出すのは珍しいが、いったい何の用事なんだ?」

 

 

"お、白ちゃんお帰り~♪私は行ってくるね~♪"

 

”銀華零隊長、行って来ます”

 

外から狐蝶寺と猿柿の声が聞こえてくると同時に襖が開き2人と入れ替わりで銀華零が戻ってきた。

 

 

「はい、春麗ちゃん、ひよ里さんお気をつけて。銀華零白、ただ今戻りました」

 

「元柳斎に呼ばれたと聞いてたんだが、何かあったのか?」

 

「その事なのですが、どうやら四十六室から処刑期日まで朽木ルキアさんの警護せよと命があったらしく、そこで十四番隊から2名選抜して任せたいそうです」

 

「……中央四十六室から命が来たのか?」

 

「……?はい、そう山本総隊長はおっしゃってましたが」

 

 

雷山は先程地下議事堂の前で自身が感じた異変について”勘違いだったか……?”と考えていた。

一方の銀華零はその雷山の様子から何か気になることがあったのだろうと推察していた。

 

 

「中央四十六室で何かあったのですか?」

 

「ああ、俺の勘違いの可能性も拭えないが、地下議事堂辺りがまるで誰もいないのかという程に物静かだったんだ。しかし、誰もいないと言うわけでもなく、議場内には1人か2人誰かが身を潜めているような状況だった」

 

「……なるほど。それであのようなあり得ないことが起きたのですね」

 

「あり得ないこと?」

 

「警護の話と共に山本総隊長より朽木ルキアさんの処刑の期限が35日より25日に短縮されたと言われました」

 

「理由は?」

 

「特段無しです。尸魂界(ソウル・ソサエティ)の通例では処刑までの期日は延長されることも短縮されることもない。ましてや理由なくの短縮などあり得ない」

 

「……どうやら俺の勘違いではなかったようだな。やはり(くだん)の者が中央四十六室を乗っ取っている可能性が大いにある。浮葉、すぐに椿咲と山吹を呼び戻してもらえるか」

 

「承知しました」

 

「それから、朽木ルキアの警護の話は白の判断で受けるも断るも構わないが、元柳斎は誰を警護役に指名して来たんだ?」

 

「話は受けるつもりですよ。こちらとしては朽木ルキアさんの近くに怪しまれることなく近づけるので好都合ですから、そして山本総隊長は私と雷花さんを指定してきました」

 

 

山本元柳斎が6名体制の【宮廷遊撃部隊】”十四番隊”のうち、銀華零白と山吹雷花を指定してきた理由は主に、冷静沈着であり迂闊な行動をとらない可能性が最も高いことだった。

雷山も長い付き合いの山本元柳斎の考えはなんとなく分かり、推測の域は出ないがそんな理由で選んだのだろうと思っていた。

 

 

「まあ、適任と言えば適任だな。俺も元柳斎の立場なら恐らく同じ選択をしただろう。よし、では山吹からはこちらから伝えておこ―――……何か来るな」

 

「え?」

 

 

 

 

 

同時刻、西流魂街(るこんがい)..――――

 

 

「「「「うわぁぁぁぁ!!??」」」」

 

 

勢いよく穿界門から落ちる影が5つあった。名前はそれぞれ、黒崎(くろさき)一護(いちご)石田(いしだ)雨竜(うりゅう)茶渡(さど)泰虎(やすとら)井上(いのうえ)織姫(おりひめ)と言い、それとは別にしゃべる黒猫の姿が1匹あった。

 

 

ドカーン...

 

 

勢いよく飛べ出た4人と1匹はそのままの速度で流魂街の一角に墜落した。

 

 

「痛っててて……」

 

「大丈夫みんな?」

 

「何とかね。全くひどい目に会ったよ。まさか替えのマントをもう使うことになるとはね」

 

 

そう言いながら懐から滅却師(クインシー)のマントを取り出す石田。

黒崎と茶渡はそれを見て呆れた様子だった。

 

 

「良かったぁ。みんな怪我がないみたいで」

 

「良い訳があるか!儂の話を聞いとらんかったのか!もし立花(りっか)が直接、拘突(こうとつ)に触れておったら命はなかったぞ!」

 

「ごめんなさい……」

 

「別にいいじゃねぇかそんなに怒んなくても。結果的には井上のおかげで全員無傷だったんだしよ」

 

「一護、貴様事の重大さが分かっておらぬ様じゃな……まあ良い、周りを見てみよ」

 

「ん?」

 

 

黒崎たちが周りに目を向けるとそこにはまるで江戸時代のような街の風景が広がっていた。

 

 

「ここが、尸魂界(ソウル・ソサエティ)か」

 

「そうじゃ、ここは(ぞく)流魂街(るこんがい)と呼ばれる場所で瀞霊廷の外苑に位置しておる」

 

「ふーん、おっ!あっちは街並みが違うな」

 

「ああ、あちらは―――……」

 

「分かった。あっちが死神たちが住んでる何とかって街だな!」

 

「バ、莫迦(バカ)者!迂闊にそちらに近づくな!」

 

「へ?」

 

 

その時黒崎の頭上より何枚もの壁が降ってきた。

 

 

「久しぶりだ。この白道門(はくとうもん)を通ろうとした奴は――――――」

 

黒崎たちの前に白道門(はくとうもん)の門番・兕丹坊(じだんぼう)が立ち塞がった

 

 

 

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

 

 

 

 

「……瀞霊壁が落ちてきたな。流魂街(るこんがい)の新しい住人が間違って通ろうとしたのか?」

 

「雷山さん、それ本気で言ってます?」

 

「まさか。だが、1%の可能性を信じてみないか?」

 

 

もちろん雷山はつい先日浮葉が報告していたオレンジ色の髪をした死神代行が尸魂界(ソウル・ソサエティ)にやって来たという事は分かっていたが、そんな面倒事もご免なので流魂街(るこんがい)の住人が間違えたという可能性に賭けていた。

 

 

「はぁ、本当にあなたは……」

 

 

どちらにしてもいずれは十四番隊も動かざるを得ない状況になったと分かっているであろう雷山のその言動に銀華零は呆れていた。

 

 

「山吹雷花。ただいま戻りました」

 

 

雷山と銀華零がそんなやり取りをしている最中、三番隊隊長・市丸(いちまる)ギンと九番隊隊長・東仙(とうせん)(かなめ)監視する任務に就いていた山吹(やまぶき)雷花(らいか)が雷山からの召還要請に応じるために戻って来た。

 

 

「急に呼び戻す形になって悪い。山吹、奴らの動向について聞く前に1つ聞きたいことがあるんだがいいか?」

 

「はい、朽木(くちき)ルキアさんの警護のことですよね?」

 

「ああ、結論から聞くが、山吹はどうしたい?」

 

「勿論、その警護の任は謹んでお受けいたします。しかし、何故急にそのような話が出たのですか?」

 

「順を追って説明するんだが、まず初めに中央四十六室(ろうがいども)から護廷十三隊に対して朽木ルキアを警護せよと命があったそうだ。そこで元柳斎がその任に十四番隊から抜擢した2名に就かせる判断を下したんだ」

 

「なるほど。それで選ばれたのが銀華零隊長とあたしという事ですか」

 

「ああ、ところがここからが厄介でな。中央四十六室(ろうがいども)が藍染一派に乗っ取られた可能性が出てきたんだ」

 

「……え?は、はい!?」

 

「まあ、その反応になるのは分かる。俺が突拍子もないことを言っていることもな」

 

「……なるほど。だからあたしは呼び戻されたんですね」

 

「ああ、単刀直入に聞くが、市丸ギンと東仙要に妙な動きはあったか?」

 

「両名ともに言えることですが、ある一定時間姿を見せなくなりました」

 

 

山吹はその事に関して詳しく説明した。

曰く、ある時期……恐らく朽木ルキアが現世にて発見された辺りを境にして市丸ギンと東仙要がある一定時間、詳しい行き先を告げずに一切の姿を見せなくなったと、

三番隊士も九番隊隊士も少し不思議には思っている様子だが、聞けずにいる状態であり、山吹も調査のために秘密裏に後をつけたこともあるが見失うばかりだった。

 

 

「成程、つまりその姿が見えない間に地下議事堂に行っている可能性があるわけか」

 

「申し訳ありません。しっかりとこの目で確認してから報告しようと思っていましたので……」

 

「過ぎたことだ、構わない」

 

「すいません!お待たせしました!」

 

 

その声と共に襖が開かれた。

五番隊隊長・藍染(あいぜん)惣右介(そうすけ)を監視する任に就く椿咲(つばきさき)南美(みなみ)が入って来たのだ。

 

 

「椿咲も急に呼び戻して悪いな。さっそくだが、藍染惣右介について妙な動きが無いかを報告してもらえるか?」

 

「分かりました。しかし、その前に白道門(はくとうもん)のところで三番隊の市丸くんと見慣れない死神の子が戦ってたんですけど、何か知ってますか?」

 

「何だと?市丸ギンが白道門(はくとうもん)に居たのか?」

 

「はい、ですけど何故か兕丹坊(じだんぼう)くんごと瀞霊壁(せいれいへき)の外に弾き飛ばしてたんですけどね」

 

「弾き飛ばしてた?殺したんじゃなくか?」

 

「……?そうですよ?」

 

 

後に護廷十三隊内でも議題に上がる市丸ギンの不可思議な行動に雷山を始めとする十四番隊の面々も不信感を抱いていた。

 

 

「認めたくはないですが、仮にも三番隊隊長の地位にある市丸ギンさんほど実力者が旅禍を殺すことが出来ないとは考えづらい、つまりは……」

 

()()()()外へ弾き飛ばしただな。あのキツネめ、何が目的だ?」

 

「へ?え?あの、どういうことなの?」

 

 

状況が呑み込めていない椿咲は近くにいた山吹に何があったのかを聞いていた。

すると山吹からは自身がまったく想像していなかった答えが返ってきた。

 

 

「ええ!?四十六室が藍染君に乗っ取られたかもしれない!?」

 

「おい、そんなでかい声出すな」

 

「いやいやいや!さすがに大きい声を出さない方が難しいですって!」

 

「……まあ、その反応になるのは予想してたことだが、今はともかく落ち着いてくれ。2人に今までの経緯を説明するためにもな」

 

 

その後雷山は、実際に調査に当たった浮葉の手伝いもありながら今までの事の成り行きを説明した。

・現世に現れた大虚(メノスグランデ)とそれを撃退した死神代行のこと。

・連れ戻された朽木ルキアに不自然なほどの重罪が言い渡されたこととその期日が理由(わけ)もなく短縮されたこと。

・中央四十六室地下議事堂にて雷山が感じた異変と議場中で感じた気配。そして死神代行の尸魂界(ソウル・ソサエティ)侵入とそれを意図的に流魂街(るこんがい)へ追い出した三番隊隊長・市丸ギンについて――――

 

 

「なるほど、状況はあらかた理解しました。いつの間にかそんな賑やかになっていたんですね」

 

「賑やかになっていたって……南美さんもっとちゃんと考えてくださいよ。雷山部隊長!あたしは山本総隊長に直訴するべきだと思います!朽木ルキアさんの人間に死神の力を譲渡したという罪は確かに大罪ではありますが、双極を使った死罪などあまりにも重すぎます!」

 

 

山吹は十四番隊の中で一番真面目な性格をしており、明らかな不当判決を元柳斎に直訴して減刑させるべきだと主張していた。

 

 

「……確かに山吹の言う通りだ。何とかしてやりたいと思っているのも事実だ」

 

「では、雷山部隊長。今すぐにでも山本総隊長に……」

 

「だけどな、山吹。今これを元柳斎に直訴したとしてもほぼ間違いなく何も変わらん。藍染一派の目的が朽木ルキアの処刑であろうとなかろうと、その一歩手前まで事を運ばせ一網打尽にしてやる必要がある。助けるのならばそれからでも遅くはない」

 

「しかし、藍染惣右介がもし朽木ルキアさんの処刑時に姿を現さなかったら……」

 

「その時は予定を変更して朽木ルキアを救出するまでだ。たとえ、護廷十三隊と全面戦争になったとしても」

 

「雷山さん!それは……!!」

 

 

雷山が口走った『護廷十三隊との全面戦争になっても』の言葉。

それは”護廷十三隊”と【宮廷遊撃部隊】”十四番隊”の関係を重視する銀華零をとりわけ慌てさせた。

 

 

「白、俺は昔から言っているだろ。護廷十三隊との衝突を恐れているようでは十四番隊は護廷十三隊の後援部隊とは成り得ないってな」

 

「ですが護廷十三隊との全面戦争はさすがに……」

 

「たっだいまー!」

 

 

銀華零が何かを言いかけたタイミングで狐蝶寺と猿柿が戻って来た。

戻って来た2人は険悪とまでは言えないながらも詰所を出て行くとは明らかに変わる雰囲気に気が付いた。

 

 

「……なんや、えらい険悪な雰囲気やな」

 

「うん、何かあったの?」

 

「春麗ちゃん、もしもの話ですが護廷十三隊と全面戦争になると言ったらどうしますか?」

 

「え?えっと、話が全然見えないんだけど……」

 

 

銀華零から突然投げかけられた問いに狐蝶寺は戸惑いを見せた。

一体何がどうなって銀華零がその問いを自身にするに至ったのかと、

 

 

「雷山さんが朽木ルキアを救出するために最悪の場合護廷十三隊と全面戦争を繰り広げると言っているのですよ」

 

「……なんか話がすごい飛躍してるね。うーん、けどまあ心配なのは分かるけど、雷山くんが大丈夫だと思ってるのなら大丈夫なんじゃない?今まで雷山くんの采配が間違ってた試しはないしさ。私も腹括るよ!」

 

「春麗ちゃん……」

 

銀華零は自身と同じく雷山と500年来の付き合いのある狐蝶寺のひと声を聞き静かに目を閉じ、深呼吸をし、覚悟を決めるように目を開けた

 

「……分かりました。ここは私も腹を括りましょう」

 

「いやいやいや!ちょい待てや!銀華零隊長!」

 

 

狐蝶寺の一言で無理やり納得した銀華零に対して猿柿がストップをかけた。

101年前の事件の際に、狐蝶寺の実力の一端を見ている猿柿はその他の十四番隊メンバーに対しても相応の実力を持っていることは分かっているが、それでも護廷十三隊全軍を相手取るのは無謀を言わざるを得なかった。

 

 

「いくら何でもアホちゃうか!なんで護廷十三隊と喧嘩せなあかんねん!狐蝶寺さんに言われたかて、無理に納得すんなや!」

 

 

猿柿の言う事はもっともであると銀華零も分かるが、1000年来の付き合いのある2人とその2人が副隊長として背中を預けた3人が腹を括っていることに水を差すのはいけないとしていた。

 

 

「ひよ里さんの言うことは分かります。勿論、私自身完全に納得しているわけではありません。しかし、雷山さんや春麗ちゃんが腹を括ると言うのなら、無理を押してでも動かなければならない。かつて十二番隊副隊長であったひよ里さんもこの気持ち理解(わか)るはずです」

 

「……好きにせい」

 

「ありがとうございます、ひよ里さん」

 

「いつも苦労を掛けてすまないな、白」

 

「分かっているのならもう少しとは思いますけどね。まあ、いつものことなのでお気になさらず」

 

「それを言われると辛いな……。ゴホン、では改めて、十四番隊全体としての方針を言うが」

 

 

銀華零に居たいところを突かれた雷山は苦笑いしていたが、一度咳払いすると十四番隊全体の共通認識について確認を始めた。

 

それは、まず第一に藍染惣右介の目的がどうであれ、朽木ルキアの処刑は阻止を前提とすること。

その為にも旅禍(りょか)と協力関係を結び、間違っても死なせてはならないというものだった。

 

 

「おそらく例の旅禍(りょか)を手引きしているのは浦原だろう。そうなれば案内役もおのずと見えてくる」

 

 

雷山は浦原と近しく尸魂界(ソウル・ソサエティ)の案内役としてうってつけな人物について1人心当たりがあった。

雷山本人はこの後に浮葉、椿咲と軽い会議をした後に捜索に出ようと考えていた。

 

 

「次に浮葉、椿咲、春麗、猿柿の4人は俺も含めて中央四十六室の件に関しての対応の会議を行い、春麗と猿柿は詰所にて待機。浮葉と椿咲は目的を知るためにも藍染惣右介の内偵調査を頼む」

 

 

「承知しました」「分かりました」

 

「最後に白と山吹は元柳斎の要請通り、この後懺罪宮(せんざいきゅう)に向かってもらい、朽木ルキアの警護を頼む。皆、まずは焦らず相手の尻尾を掴むところから始めようか」

 

 

 

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