201X年 聖龍伝説 神話復活 出逢いの章 作:セイントドラゴン・レジェンド
そんなMrフェイクを追跡するべく、キーオから腕輪であるリングを追跡できる指輪を手渡されたジャッジ・ザ・デーモンとミラーガール。
鬼と聖女のコンビは、Mrフェイクを追って数多の異世界や物語の世界を転々としていきます。
前回は、パラレルワールドのセーラー戦士であるスターウォーリアーズとの遭遇からの会合、更にスターウォーリアーズの敵であるギャラクシアに接触するMrフェイクの企みがありました。
[神出鬼没の敵達]
パラレルワールドのセーラー戦士であるスターウォーリアーズ。彼女達が拠点にしているパレス・キャッスルに集合して行方を晦ましているMrフェイクの居所を共に探索するジャッジ・ザ・デーモンとミラーガール。
そして皆が会合して一晩が経ち、その翌日も引き続きMrフェイクの居場所を探索する。
「セーラーマーキュリー、まだMrフェイクの居場所を突き止められないのか」
「手掛かりが少なすぎるわ。せめて、あなた達が所持している二つの指輪が、この世界に居るMrフェイクの存在を感知できるなら話は早いけど」
パレス・キャッスルのコンピューターでMrフェイクの居場所を調査するセーラーマーキュリーに、ジャッジ・ザ・デーモンが問い掛ける。が、マーキュリーは手掛かりが少なすぎると難色を示す。
「ごめんね、みんな。二つの指輪は、あくまでも別世界に移動したMrフェイクが所持してるミラーゲート・リングにしか反応しないから……」
「大丈夫大丈夫! 亜美ちゃんはスターウォーリアーズきっての頭脳派だし、きっとスグに見付けてくれるって」
手掛かりが少ない故にMrフェイクの居場所を突き止められない現状に謝罪するミラーガールに、セーラームーンは気楽そうに満面の笑顔を浮かべる。
と、セーラーマーキュリーがコンピューターで調べている最中、突然パレス内の警報が鳴り響いた。
「え!」「な、なに!?」
セーラーマーキュリーとセーラームーンが突然の警報に一驚する。
と、其処にセレニティと従者であるルナとアルテミスが駆け込んできた。
「みんな、敵よ!」
「日本各地で妖魔が現れたわ!」
「しかも一カ所に複数の個体が出現してる!」
このセレニティ達の掛け声に、セーラーマーキュリーは急いでコンピューターの画面を切り替えて、事件現場を映像として映し出す。
そして急ぎ事件現場を画面に映し出してみると、東京を始め、北海道から沖縄まで、五カ所の地点で同時に敵が出現しているのが確認された。
「そんな!」「こんな一度に複数出現したのは、今まで例がないわ」
セーラージュピターとセーラーマーキュリーが驚く中、ジャッジ・ザ・デーモンは皆に言った。
「仕方がない、此処は危険かもしれないがスターウォーリアーズは各地に出向いて敵を少しずつ撃破するしかないだろう」
ジャッジ・ザ・デーモンに続いてミラーガールも皆に言う。
「それしかないかもね。セーラームーンも、それでいいわよね?」
「えっ? ええっと……ま、まあ、敵が各地に出現した以上、みんなバラバラに出撃するしかないかも……」
突然の問い掛けに戸惑うセーラームーンからの返答を受けて、他のスターウォーリアーズの面々も頷く。
「よし、マーキュリー! 各地の敵の数を調べてくれ! 敵の数に応じて、俺とミラーガールも増援する」
「助かるわ! 敵の数は、何処も多いけど……東京が一番、多いわ! 他の場所に出現した敵達は私たちセーラー戦士一人でも十分戦える数だから、ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールは東京に加勢に行ってくれる?」
「承知した! いくぞ、ミラーガール」「ええ!」
ジャッジ・ザ・デーモンの参戦宣言に安堵するマーキュリーは、東京に出向いてほしいと指示。これにジャッジ・ザ・デーモンもミラーガールも力強く頷いた。
「東京の方が遥かに敵が多い! 俺も加勢しよう!」
「マスクナイトが行くなら、私も行くわ!」
「それなら、私達も加勢しないと」「そうだね」
「大いに助かる。では、行くぞ! マスクナイト! セレニティ! ルナ、アルテミス!」
四人の加勢に礼を告げるジャッジ・ザ・デーモンは、ミラーガールはもちろんセーラームーンとマスクナイトにセレニティ、そして人間形態のルナとアルテミスも加わって七人で最も敵の数が多い東京へと出撃した。
日本各地に出現した敵達。そして最も敵の数が多い東京にジャッジ・ザ・デーモン達は出撃した。
暴れ回る妖魔などの敵達を相手に、セーラームーンやマスクナイトにセレニティ達は必死に応戦する。
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールも、また装備している武器や能力で妖魔たちと果敢に戦う。
そんな近くで戦うジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールの戦闘状景を前に、セーラームーンやマスクナイト達は目を見張る。
投擲武器ジャッジラングを投げて周辺の妖魔達と死闘を展開するジャッジ・ザ・デーモン。その側ではミラー・シールドで防御しながら短剣ミラーソードで懸念命に戦うミラーガール。二人の戦闘ぶりにセーラームーン達は驚くばかり。
「す、スゴぉい、あの二人……」「まさか、あそこまで戦えるとはな」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールの戦いぶりに感心するセーラームーンとマスクナイト。
「手裏剣みたいな武器を使って乱闘しながら戦ったり、盾で防御しながら剣術で戦う……ホントに凄い」
「やっぱり、パラレルワールドのヒーローというのも納得できるわね」
「そうだね。でも、僕らも見ているだけじゃダメだ! こっちも攻め続けるぞ!」
セレニティもルナも納得するのと同時に、アルテミスが自分達も果敢に攻撃していこうと呼びかける。
そしてジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールの戦いぶりに圧倒されつつ、自分達も負けず劣らず周辺の敵達を一掃していくセーラームーンたち。
と、その時。カブトムシの格好をした妖魔がセレニティを頭の角に引っ掛けて上空へと投げ飛ばしてしまった。
「うわっ!」「セレニティ!」
真上へと投げ飛ばされたセレニティに、ルナが慌てるが。
その直後、セレニティを投げ飛ばしたカブトムシの様な妖魔をマスクナイトが剣術で斬り付けて倒すが、宙を舞うセレニティはどうする事もできなかった。
だが地面へ着地しようと空中で態勢を立て直すセレニティが着地しようとした瞬間、彼女は何かに激突してしまう。
「い、イタタ……」
激突した事で着地が失敗してしまったセレニティだったが、彼女は此処でその激突したものを下敷きにしている事に気付く。
「なあ、すまない。ちょっと退いてくれないか」
セレニティが気付くと、彼女のスカートの中でお尻の下敷きになっているジャッジ・ザ・デーモンの存在に気付いた。
「わっ、わわわ……!」
顔を真っ赤にして慌てて立ち上がるセレニティを尻目に、ジャッジ・ザ・デーモンは動じる事無く立ち上がり、セレニティに言った。
「大丈夫か?」「う……うん」
自分のスカートの中を見られて顔を真っ赤にするセレニティを前に、彼女を心配するジャッジ・ザ・デーモン。問い掛けに対してセレニティは赤面で呟き返す。
するとセレニティの下敷きになって、スカートの中を凝視したであろうジャッジ・ザ・デーモンに、マスクナイトが言う。
「おいおい、幼い少女のスカートの中を凝視するなんてロリコンか?」
このマスクナイトの台詞に、ジャッジ・ザ・デーモンは素っ気なく返した。
「いや……ロリコンはお前だろ」
すると、このジャッジ・ザ・デーモンの返事に怒ったマスクナイトは、ジャッジ・ザ・デーモンと腕と腕をぶつけ合う子供さながらの喧嘩を開始してしまう。
「あーー、やめなさいよ二人とも」
セーラームーンが呆れながら喧嘩の仲裁に入るが、ジャッジ・ザ・デーモンとマスクナイトは喧嘩を辞めない。
と、ジャッジ・ザ・デーモンとマスクナイトの喧嘩が収まらない状況に、今度はミラーガールが怒った。
「いい加減にしなさい! このバカども!!」
ミラーガールはジャッジ・ザ・デーモンとマスクナイトの頭頂に拳骨を喰らわして強引に喧嘩を辞めさせる。
そんな状景に他の面々が呆然としてしまってると、なんと数が減って来ていた敵達が突然、宙に浮いている黒い渦の中へと入って姿を晦ましてた。
「な、何あれ!?」
セーラームーンが叫ぶと、ジャッジ・ザ・デーモンが答える。
「おそらく、空間の歪にできた出入口だろう。あそこから地球へと侵攻できるよう本拠地と繋がっているんだろう」
すると此処でジャッジ・ザ・デーモンがセーラームーン達に提案した。
「ちょうどいい。この際、敵の本拠地に乗り込んでボスを片付けよう」
「え、ええ!? ちょっと、急すぎない?」
突然の提案にセーラームーンが驚愕するが、ジャッジ・ザ・デーモンに続いてミラーガールも言う。
「私もジャッジ・ザ・デーモンに賛成よ。これ以上、罪もない人々を危険に晒す敵を野放しにはできないわ!」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガール、二人の意見を聞いて、マスクナイトが呆れながら言った。
「ふう、まあ、確かに敵の本拠地に行けるというなら、ギャラクシアを倒す絶好のチャンスだ。便乗するのが得だろう」
「ええっ!? で、でもまもちゃん……」
不安がるセーラームーンを横目に、セレニティ達も言う。
「マスクナイトが言うなら、私も行くわ! 今こそギャラクシアを叩かないと!」
「セレニティが行くなら、私も!」「僕も行くよ!」
セーラームーン以外の意見の一致を聞いて、ジャッジ・ザ・デーモンが言い放つ。
「よし、全員意見が一致したな! それじゃ、行くぞ!」
そう言うと、ジャッジ・ザ・デーモンは空間の歪である出入口へと飛び込んだ。
「あ、待って」
ジャッジ・ザ・デーモンに続きミラーガールも後を追う。
「行くぞ、セレニティ!」
そしてマスクナイトも突入する。
「うさぎ! あんたも来るのよ!」
セレニティもセーラームーンに吐き捨てながら、ルナとアルテミス共々突入した。
「ふええ~~ん……もうっ、こうなったらヤケよヤケ!」
最後にやけくそ気味になって、セーラームーンも涙目ながらに黒い渦へと飛び込むのだった。
[突入! ギャラクティカ・パレス]
敵である妖魔達が帰還する為に使ってる空間の歪である黒い渦に突入し、敵の本拠地に殴り込むジャッジ・ザ・デーモンたち。
黒い渦に飛び込み、ジャッジ・ザ・デーモン達が辿り着いたのはギャラクシアの本拠地であるギャラクティカ・パレス。
「……此処が、敵の本拠地か」
一足先に到着したジャッジ・ザ・デーモンは、辺りを見渡す。
するとジャッジ・ザ・デーモンに続いて、ミラーガールやマスクナイト達も到着した。
「此処がギャラクシアの本拠地ね。みんな、気を付けて」
「さっき、他のスターウォーリアーズのみんなにギャラクシアの本拠地に突入すると連絡しておいたが……」
「流石! マスクナイトは行動が早いわ」
ミラーガールが警戒するよう伝える中、マスクナイトが他のスターウォーリアーズに連絡しておいたと言うと、セレニティはマスクナイトの行動の速さに舞い上がる。
「わ、わっ!」
だが最後に黒い渦から出てきたセーラームーンは、動揺のあまり派手に転んでしまう。
「……この世界のセーラームーンも、やっぱりドジな面が目立つんだな……」
そんなセーラームーンを目の当たりにし、ジャッジ・ザ・デーモンは呆れ果ててしまう。
と、ギャラクティカ・パレスに乗り込んできたジャッジ・ザ・デーモン達を、玉座の間から遠視してる人物が二人。
「おい、どういう事じゃ、Mrフェイク! スターウォーリアーズの主力であるセーラームーン達を誘き寄せる策の筈が、何故か見知らぬ二人もやって来てしまっているではないか!」
「……(おやおや、まさかジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールまで、この世界のセーラームーン達と一緒に居たとは。と、言うかボクを追ってジャッジ・ザ・デーモンが来るのは予測していたけど、まさかミラーガールが追ってくるとは想定外だったな)」
それはギャラクシアとMrフェイクの二人だった。
ギャラクシアはMrフェイクの立てた作戦通りにセーラームーンたち主力メンバーを誘き寄せる策の筈が、見知らぬジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールまでも来た事に不服だった。
その一方でMrフェイクは、自分を追って並行世界にジャッジ・ザ・デーモンが来るのは予測していたが、ミラーガールまでも来た事には驚かされていた。
「Mrフェイク! あの見知らぬ……と、いうか怪人の様な輩と蒼い衣の女は何者か分かるか」
「彼女はミラーガール、並行世界のヒロインだね! そして一緒にいるのはヒーロー気取りの元殺人鬼、ジャッジ・ザ・デーモン! 二人ともボクを追って、この並行世界にまで来たみたいだね。あの二人も、この世界のセーラー戦士と合流しちゃったみたいだ」
「元殺人鬼……!? ど、どちらにしろ、どうするのだ!」
「うーーむ……こうなったら、他の戦士達が応援に来る前に、セーラームーン達と一緒にジャッジ・ザ・デーモン達も倒しちゃおう! なぁに、ジャッジ・ザ・デーモンは普通の能力を持たない人間が相手を恐がらせる為にあんな格好してるだけだし、大丈夫大丈夫」
「………………(ホントに大丈夫なのか?)」
Mrフェイクの提案に、ギャラクシアは疑心暗鬼に至ってしまう。
一方、一行はジャッジ・ザ・デーモンを先頭にギャラクティカ・パレスを進行し、遂にギャラクシアが居るであろう玉座の間に突入した。
「うむ、どうやら此処がギャラクシアが居るであろう玉座の間らしいな」
先頭を陣取るジャッジ・ザ・デーモンの後に、他の面々が続けて玉座の間に進入する。
「で、でも誰も居ないね……」
そう呟くセレニティの言う通り、先ほどまで玉座に座っていたギャラクシアも同席してたMrフェイクも既に不在だった。
「うぅ~~、何だか不気味だよぉ」「だ、大丈夫? セーラームーン」
不気味な雰囲気が漂う城内に不安がるセーラームーンを、ミラーガールが気に掛ける。
と、ジャッジ・ザ・デーモン達が誰も居ない玉座の間を探索していた、その時。
「ホーーッ、ホッホッ! よく来たな、スターウォーリアーズ……!」
「ッ! その声は!」「ギャラクシア!」
突如、暗闇から聞こえてきた女性の声に、マスクナイトとセーラームーンが反応する。
そして何もなかった空間から、瞬間移動でギャラクシアが姿を現した。
「勇敢にも我が居城に乗り込んでくるとは……意外と勇気というものがあったのじゃな、スターウォーリアーズ」
不敵な笑みを浮かべる、目の前に姿を現した、やや筋肉質で黄金の鎧を身に着けている長身のギャラクシアを前に、ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールも警戒を怠らない。
すると此処でセレニティが威風堂々とした仁王立ちで言い放つ。
「まあね! ジャッジ・ザ・デーモンから突撃を提案されてなかったら、乗り込んでなかったけどね」
「ほう、其方が言い出した事だったのだ、ジャッジ・ザ・デーモン……!」
セレニティの指摘で、ギャラクシアが見据えると同時にジャッジ・ザ・デーモンは問い掛けた。
「俺を知っている様な素振りだが……」
「まあな。Mrフェイクとかいう、変人から色々と助言をもらったのだ」
「Mrフェイク!?」
「なるほど……! 日本各地に敵を送り出した背景には、Mrフェイクが絡んでいやがったのか……!」
ギャラクシアが発したMrフェイクの名に、ミラーガールもジャッジ・ザ・デーモンも目付きを鋭くさせる。
が、そんな二人とセーラームーン達を前に、ギャラクシアは余裕綽々で語っていく。
「じゃが、スターウォーリアーズも今日までよ。我が居城ギャラクティカ・パレスに乗り込んだのも運の尽き、ここでお前ら全員始末してやるわ!」
ギャラクシアは何かの合図か指を鳴らす。すると次の瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンやセーラームーン達の周りに無数の妖魔達が出現し、取り囲んだのだ。
「わっ、わっ! 敵だらけ!」「完全に取り囲まれたわね……!」
激しく動揺するセーラームーンに反して、ミラーガールは冷静に自分達を取り囲む妖魔達と対峙する。
「ほっほっほ……それでは、妾は高みの見物と洒落込むぞ」
そう言うとギャラクシアは再び瞬間移動を使い、皆の目の前から姿を晦ます。そしてギャラクシアは宣言通り、一行が居る場から離れた高所で悠々と高みの見物を始めた。
無数の妖魔達が一行を取り囲む中、一人ギャラクシアに狙いを付けていたジャッジ・ザ・デーモンが行動に移る。
「ミラーガール! スターウォーリアーズ! ギャラクシアは俺が対処する、お前達は連携して妖魔達の相手をしてくれ!」
「そ、そんな! 危険すぎるよ……!」
ジャッジ・ザ・デーモンの提案にセーラームーンが戸惑うが、ジャッジ・ザ・デーモンはそのままグラップネルガンでギャラクシアが瞬間移動で移った高所へと上昇し、ギャラクシアと対峙した。
「ほう、其方、妾と1対1で闘うつもりか? Mrフェイクからは、タダの人間と聞いていたが……気に入った! その勇気に免じて、妾が直々に相手してやろう!」
例え敵であろうと勇敢な者には敬意と尊敬を表すギャラクシアは、ジャッジ・ザ・デーモンとの決闘を快く受け入れた。
そしてジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアの決闘は始まり、同時に地上でのミラーガールやセーラームーン達の戦いも始まるのだった。
その時、Mrフェイクはといえば。
「ぐふふ。いやぁ、まさか妖魔という敵キャラ達とミラーガールやセーラームーン達の戦闘を拝めるだけでなく、あのジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアが決闘しちゃうとは。本当に面白くなってきたぞ、グヒヒ」
ビデオカメラを片手に双方の戦闘を撮影しながら、Mrフェイクは陽気に面白がっていた。
[機転! ミラーガールのミラー・ゲート]
敵の本拠地であるギャラクティカ・パレスに乗り込んだジャッジ・ザ・デーモンとセーラームーン一行。
だが、其処ではMrフェイクの意見で動いていたギャラクシアが罠を仕掛けていた。
日本での戦闘で消耗したセーラームーンたちスターウォーリアーズの主力メンバーを居城まで誘き寄せ、ギャラクティカ・パレスで妖魔達の軍隊に片付けさせようという策だった。
だが、此処でジャッジ・ザ・デーモンだけがギャラクシアの前に立ちはだかり、彼女に決闘を申し込む。このジャッジ・ザ・デーモンの勇敢さに、敵とはいえ敬意と尊敬を表したギャラクシアは快く決闘を受け入れる。
そして今まさに、ミラーガールとセーラームーン達の妖魔軍団との戦い、そしてジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアの決闘が始まった。
各々の技で妖魔達を各個撃破していくミラーガールやセーラームーン達。
懸命に連携しながら立ち回るセレニティとルナとアルテミス。
薔薇の拘束術で敵の動きを封じながら、剣で斬り捨てるマスクナイト。
「ひぃ~~、倒しても倒しても敵が溢れてくるよぉ」
「泣き言言わないの、セーラームーン!」
無尽蔵に溢れてくる敵の数に圧倒されるセーラームーンに、セレニティが戦いながら指摘する。
「しかし、俺たちだけじゃキリがない上に消耗する一方だ」
「確かに……! このまま戦っていても此方が消耗するだけだ」
「だ、だけど……どうする事もできないわ」
消耗戦に繋がる一方だと認識しながらも、打つ手がない現状にマスクナイトもアルテミスもルナも困惑するばかり。
そしてミラーガールの方はというと、短剣であるミラーソードを蛇腹剣であるミラーブレイドへと変化させて、蛇腹剣を鞭の様に振るって周辺の妖魔達を一掃していた。
「はぁッ!」
ミラーガールが振るうミラーブレイドで大勢の妖魔達が斬り付けられ、消滅していく。
大勢の妖魔達を斬り捨てたミラーガールが着地すると、その隙をついて生き残ってる妖魔達がミラーガール目掛けて集団で襲い掛かってくるが、ミラーガールは自己防衛機能であるミラーバリアーを自動で発動させ、妖魔達の集団攻撃を防いで見せる。
「な、なんか凄いわね。ミラーガール……」「私達なんかよりも、断然強い……」
そんなミラーガールの戦いぶりにを目撃し、セレニティもセーラームーンも唖然としてしまう。
その一方で、高所ではジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアが熱い肉弾戦を展開していた。
「其方はセーラームーン達を助けなくてよいのか? あのままでは、いづれ消耗して負けてしまうぞ」
激しい肉弾戦を展開しながら問い掛けるギャラクシアに対し、ジャッジ・ザ・デーモンは平然と返す。
「俺はミラーガールを信じてる。アイツが一緒なら、必ず勝機を見出してくれる」
「ほほう、かなり信頼している様じゃな。其方とミラーガールとやらは」
「まあな」
そんな会話を交えながら、ジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアは更に激しく闘い合う。
一方で地上では。
ミラーガールとセーラームーン達が果敢に妖魔達と激戦を展開しているのだが、敵が減らない戦況の中、次第に消耗してきてた。
「ッ……このままではマズいぞ!」
肩で呼吸するマスクナイトが息を上げながら叫ぶ。
「わ、私達だけじゃ勝てないかも……」
「さ、流石にこの数はキツイわ……」
セーラームーンもセレニティも披露困憊の状態だった。
そんなスターウォーリアーズの面々の中に混じり、戦っているミラーガールも同じく消耗してきていた。
「こ、このままじゃ私もみんなも……どうにかできないかな」
披露困憊の中、ミラーガールはこの戦況を打破できる一手を考え出す。
するとミラーガールは、何かを閃いた。
「! そうだわ!」
ミラーガールは妖魔達の猛攻を掻い潜り、回避しながら一旦妖魔達の群集から離れる。
「み、ミラーガール?」「何をする気だ!?」
突然のミラーガールの行動に、セーラームーンもマスクナイトも戸惑い始める。
そして一旦、妖魔達の群れから離れたミラーガールは術を発動した。
「ミラーゲート!」
するとミラーガールの左右に、それぞれ二つずつ計四つの鏡の煌めきを放つゲートが展開された。
「な、なにアレ!?」「き、綺麗……」
突然現れたミラーゲートに驚くセーラームーンと、その美しさに目を奪われるセレニティ。
一方のミラーガールは。
「お願い……! 来てちょうだい」
心の中で必死に呼びかけていた。
同じ頃、地球の日本各地では。
日本各地で戦ってたセーラー戦士の前に、ミラーガールが開いたミラーゲートが出現していた。
「こ、これは……?」
各地で戦っていたマーキュリー/マーズ/ジュピター/ヴィーナスは目の前に現れたミラーゲートに驚き戸惑う。
すると、そんなセーラー戦士達の心に直接ミラーガールの声が届いた。
(みんな、お願い……!)
「え!」「ミラーガール!?」
心に直接届いたミラーガールの声に、セーラー戦士達は驚愕する。
だが、その何処か安心できるミラーガールの声に導かれ、セーラー戦士達は自然と目の前に現れたミラーゲートへと近付いていった。
そして場所は戻り、ギャラクティカ・パレス。
ミラーガールは依然、ミラーゲートを展開してセーラー戦士達の増援を信じてた。
と、そんなミラーガールに妖魔達が一斉に襲い掛って来た。
「ミラーガール!」
セーラームーンが叫ぶ中、ミラーガールはミラーシールドで防御するしかできない状態。
と、その時だった。
妖魔達がミラーガールに襲い掛かろうとした瞬間、四つのミラーゲートからそれぞれ水・炎・電撃・光の攻撃が放たれ、ミラーガールに襲い掛かる妖魔達を一掃した。
「え?」
ミラーゲートから放たれた見覚えのある攻撃に、セーラームーン達は目を丸くする。
すると次の瞬間、ミラーゲートからそれぞれセーラーマーキュリー/セーラーマ―ズ/セーラージュピター/セーラーヴィーナスが出てきて姿を現した。
「み、みんなっ!」
ギャラクティカ・パレスに駆け付けてきてくれたセーラー戦士達を前に、セーラームーンが仲間の増援に笑顔になる。
「みんな、大丈夫!?」「此処から一気に勝負をつけるわよ!」
マーキュリーにマーズの啖呵に、マスクナイトが問い掛ける。
「だ、だが、どうして……?」
すると、それにセーラージュピターとセーラーヴィーナスが答えた。
「日本の各地で戦い終わったところに、あのゲートとミラーガールの声が心に届いたから……」
「私たち、ミラーガールの声に導かれてゲートを通して此処に来たの」
そして勢揃いしたセーラー戦士達は、此処で宣言する。
「さあ! 此処から一気に反撃するわよ!」
五人のセーラー戦士にマスクナイト、セレニティに従者であるルナとアルテミス、計九人のスターウォーリアーズが勢揃いし、形勢は逆転。
一方、そんな地上での戦況を高所から見ていたギャラクシアは一驚してた。
「な、何なのじゃ。アレは……!」
するとギャラクシアと闘っているジャッジ・ザ・デーモンが険しい声色で言った。
「見たか、ギャラクシア。アレがミラーガールの……魔鏡聖女の力だ」
「魔鏡聖女……!」
地上での戦闘が形勢逆転して動揺するギャラクシアに、ジャッジ・ザ・デーモンはここぞとばかりに格闘技を叩き込んで此方も戦況を打破していく。
ミラーガールのミラーゲートで、地球の日本各地で闘っていたスターウォーリアーズの戦士達が駆け付けた事で戦況が有利に進み出すスターウォーリアーズ。
その一方で、ジャッジ・ザ・デーモンもまたギャラクシアとの決闘を締め括ろうと攻撃を加速させていく。
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガール、二人の戦力は戦況を大きく左右するのである。
[元連続殺人鬼]
ミラーガールが展開したミラーゲートによって、日本各地で戦い終わった四人のセーラー戦士がギャラクティカ・パレスに駆け付け、一気に戦況が一変。
ミラーガールとスターウォーリアーズが地上で妖魔達を次々に倒していく中、ジャッジ・ザ・デーモンもギャラクシアとの決闘を続けてた。
「みんな! この調子でいけば、妖魔を全て片付けられるわ! 抜かりなく攻めるわよ!」
「みんなが揃えば怖いもんなしよっ!」
セレニティにセーラームーンの意気込みに感化され、他のスターウォーリアーズやミラーガールも血気盛んに攻め続ける。
そしてミラーガールやスターウォーリアーズが妖魔の群れを倒していく一方で、ジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアの戦況にも変化が。
「はぁ、はぁ……(な、何なのじゃ、コイツは!? 本当に人間か? Mrフェイクめ、いい加減な事を抜かしおって)」
激しい格闘の末に、息も切れ切れのギャラクシアは目の前のジャッジ・ザ・デーモンが普通の人間だと話してたMrフェイクの言い分を疑うほど、ジャッジ・ザ・デーモンの呼吸が乱れてない現状に焦り始めてた。
一方で、呼吸を乱さず、未だに冷静沈着に格闘し合うジャッジ・ザ・デーモンは右手で手招いてギャラクシアを挑発する。
「ッ!」
挑発に乗ったギャラクシアは若干ながら無我夢中でジャッジ・ザ・デーモンに拳を振り回していくが、ジャッジ・ザ・デーモンはその全てを避けきってギャラクシアの腹部に膝を打ち込んで悶絶させる。
「ハッ!」「がはっ!」
ジャッジ・ザ・デーモンはそんなギャラクシアに容赦なく掌底を打ち込んで悶絶させる。
「お、女相手に暴力を振るうとは……流石、Mrフェイクが言ってたが、元殺人鬼は冷酷だな」
『!!』
口元から滴る血を手で拭うと吐き捨てるギャラクシアの発言に、スターウォーリアーズの面々は驚愕した。
「も、元、連続殺人鬼……!?」
驚愕したセーラームーンが激しく動揺してしまう。そんな中、ジャッジ・ザ・デーモンがギャラクシアに言い返す。
「何を言う。女だろうと子供だろうと、武術に秀でている相手に対して本気で向き合わなければ、それこそ無作法というものだと思わないか?」
「なるほど、一理ある……やはり、そなたは敵にしておくには勿体ない逸材だな」
ジャッジ・ザ・デーモンの返答を受けて、ギャラクシアは更にジャッジ・ザ・デーモンを評価する。
一方で、先ほどギャラクシアが発した元連続殺人鬼という単語を聞いて動揺するスターウォーリアーズがミラーガールに問い詰める。
「み、ミラーガール! ジャッジ・ザ・デーモンって、連続殺人鬼だったの?」
「と、いうか……人命を奪った事がある訳なの? ジャッジ・ザ・デーモンって……!」
セーラーマーキュリーとセーラーマーズが問い詰めると、スターウォーリアーズの注目を浴びながらミラーガールは真剣な顔で答えた。
「……ええ、ジャッジ・ザ・デーモンは少し前まで凶悪犯なら躊躇せず人命をも奪っていた時期があったわ」
「きょっ、凶悪犯を殺してたって事!?」
「い、いくらなんでもそんな……」
ミラーガールの険しい目付きでの返答を聞いて、セーラージュピターとセーラーヴィーナスが愕然とする。
そんな焦燥するスターウォーリアーズの皆の前で、ミラーガールは意を決して真剣な顔付きで語り始めた。
「……確かに、ジャッジ・ザ・デーモンは少し前までは道徳心の欠片もない非道な凶悪犯なら容赦なく殺傷していたわ。でも、それは私を始めとする多くの英雄や人命を護る為の行動でもあったの。ジャッジ・ザ・デーモンは、本当の意味で自身の行為を正義とは自認せず、たった独りで闘い続けてたわ。彼はただ、自分が信じた人達を護るべく孤独に悪人と闘い続けてた結果、時には人命も摘み取っていた訳なの」
「も、元連続殺人鬼だって言うなら……なんで今は殺しはしなくなってるんだ?」
淡々と語るミラーガールに問い掛けるマスクナイトの質問に、ミラーガールは静かに答えた。
「それは………………ジャッジ・ザ・デーモンに、子供ができたからよ」
「こ、子供!?」「ジャッジ・ザ・デーモン、子持ちだったの?」
セーラームーンとセーラーマーズが一驚するが、それに対してもミラーガールは平常心を保ちながら話し続けた。
「正確には、ジャッジ・ザ・デーモン本人の子供ではないわ。でも、彼の正当な血縁者にも近いわ」
「近いって……?」
マーキュリーが不思議がると、ミラーガールは真実を述べた。
「ジャッジ・ザ・デーモンの血縁者、それは………………彼の遺伝子を基に生み出されたクローン達の事よ」
「! く、クローン……!?」『!』
セレニティと他のスターウォーリアーズが驚愕する中、ミラーガールは述べ続ける。
「ええ、ジャッジ・ザ・デーモンの優れた遺伝子を基に政府が勝手に大勢のクローンを生み出したの。ジャッジ・ザ・デーモンは、そんなクローンを紆余曲折しながら最終的には我が子と認めた上で、そんな我が子である人々にも恥ずかしくない存在として成長してもらえるよう、自身の凶悪犯を殺害するという手段を捨てたの」
『………………』
ミラーガールの話を聞いて、スターウォーリアーズの面々は驚愕のあまり言葉を失ってしまってた。
その一方、ジャッジ・ザ・デーモンとギャラクシアの格闘技での殴り合いは更に加熱していた。
ジャッジ・ザ・デーモンの回し蹴り、ローリングソバットを受けて態勢を崩すギャラクシア。そこにジャッジ・ザ・デーモンが更なる追撃の嵐を叩き込む。
が、ギャラクシアも負けじと応戦していくが、ジャッジ・ザ・デーモンの巧みな格闘技の前に押され始めていた。
すると此処でギャラクシアが自分と格闘してるジャッジ・ザ・デーモンに提案を持ちかける。
「そうじゃ。そなた、妾の下に降らぬか? なに、優遇された直属の部下にしてやるが、どうじゃな?」
自分の配下それも優遇された直属の部下として招き入れようとするギャラクシアの提案に、聞いていたミラーガールやスターウォーリアーズの面々は一驚する。
が、このギャラクシアの提案を受けてジャッジ・ザ・デーモンは呆気なく返答した。
「結構だ。俺は支配とか、そんなものには興味はない」
「ほう……じゃが、全宇宙を力で支配すれば、そなたが嫌う犯罪も消滅すると思うのじゃがな。余計な自由は余計な無秩序も生み出すが故に……」
あくまでジャッジ・ザ・デーモンを部下に引き入れようとするギャラクシアの勧誘を前に、ジャッジ・ザ・デーモンは変わらない態度で答える。
「確かに、自由があるからこそ時には犯罪なども無秩序も生まれてしまう、それは認めよう。だが…………自由のない世界ほど、息苦しいものはない」
そう返答したジャッジ・ザ・デーモンは、更にギャラクシアへと追撃を打ち込んでいく。
そんな素っ気ない態度のジャッジ・ザ・デーモンの攻撃を受け止めつつ、ギャラクシアは絶えずジャッジ・ザ・デーモンに問い掛ける。
「ふんっ! どんなに善行を積もうが、そなたが元は連続殺人鬼である事は変えられない過去、宿命だ! なら、妾の下に降った方が得策だと思わないのか!」
どんなに今現在で善行を続けようと、過去に数多の命を奪ってきた元連続殺人鬼である宿命がある以上、自分の下へ下った方が得策だと力説するギャラクシア。
そんなギャラクシアに説かれても尚、ジャッジ・ザ・デーモンは迷う事無く返すのだった。
「確かに、俺が過去に数多の命を奪ってきた過去があるのは変えられない宿命だ。だがな……そんな宿命を共に背負ってくれる仲間が一人でもいる限り、俺は迷う事無く戦い続ける」
「………………!」
愕然とするギャラクシアに対し、ジャッジ・ザ・デーモンは更に述べた。
「俺が今でもジャッジ・ザ・デーモンで居られるのは………………ミラーガール達の様な英雄の存在が大きかったからだ」
「!」
「ミラーガールの様な優しき、愛を唱える英雄達が居てくれたお陰で……俺は裁きの鬼として戦い続けられる精神力が生まれているんだ」
そんな風に自論を説くジャッジ・ザ・デーモンは、何度も追撃の打撃を続けた結果、ギャラクシアを披露困憊までに追い詰めていった。
そしてギャラクシアが力尽き、両膝を崩して地に着けた瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンは自身の頭部のフルフェイスマスクを外して素顔を晒す。
ジャッジ・ザ・デーモンが素顔を晒した次の瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンは跳び上がって長身のギャラクシアの頭頂へと思いっきり頭突きを打ち込んだ。
「ぐはッ!」
ジャッジ・ザ・デーモン渾身の頭突きが炸裂し、ギャラクシアはそのまま地面にめり込んで完全に気絶してしまうのだった。
まさか最後は低身長のジャッジ・ザ・デーモンが跳躍して直接頭突きで長身のギャラクシアにトドメを刺した光景にミラーガールやスターウォーリアーズの面々は驚愕するのであった。
[逃亡する愉快犯、Mrフェイク]
自慢の石頭で直接頭突きを打ち込んでギャラクシアを倒したジャッジ・ザ・デーモン。
ギャラクシアが完全に気を失った事を視認すると、ジャッジ・ザ・デーモンは先ほど外したフルフェイスマスクを再び頭部に装着する。
そして再び気絶しているギャラクシアを見下ろすジャッジ・ザ・デーモンへ、ミラーガールとスターウォーリアーズの面々が近寄って来た。
「じゃ、ジャッジ・ザ・デーモン……ギャラクシア、死んでないわよね?」
恐る恐るミラーガールが訊ねると、ジャッジ・ザ・デーモンは率直に返答する。
「大丈夫だ、一応は気絶しているだけだ」
「い、一応って……」
「まさか、頭突きでギャラクシアをKOしちまうなんて……」
ジャッジ・ザ・デーモンの返答を聞いて、セーラームーンもマスクナイトも呆然とするばかり。
「で、でもなんで、わざわざマスクを外して頭突きした訳……?」
呆然としながらセーラーヴィーナスが訊ねると、ジャッジ・ザ・デーモンは平然と答えた。
「いや、俺の頭突きの威力にスーツのマスクが耐えられるか不安だったからな。マスクの耐久性を考えて、マスクを外してから渾身の頭突きを打ち込んだ訳よ」
「へ、へぇ……」
ジャッジ・ザ・デーモンの説明に、セーラーマーズたちスターウォーリアーズは拍子抜けしてしまう。
こうしてギャラクシアとの死闘は辛うじてジャッジ・ザ・デーモンが勝利を収めたのだが。
「ミラーガール、大丈夫か」「ええ、私の方は何とかね!」
互いの無事を確認し合うジャッジ・ザ・デーモンとミラーガール。
一方で、頭突きでギャラクシアにトドメを刺したジャッジ・ザ・デーモンだけでも驚愕なのに、ミラーガールの危機的状況化の中でのミラーゲートの展開にも驚かされたスターウォーリアーズ。
「す、スゴイスゴイ! 格闘技だけでギャラクシアを倒しちゃったジャッジ・ザ・デーモンも凄いけど、スターウォーリアーズの仲間達をギャラクティカ・パレスに転送できる技も使えるミラーガールも凄すぎるよ!」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールの凄さに笑顔で和気藹々と跳び上がるセーラームーンに感化されて、他のスターウォーリアーズの女性達も挙ってジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールに群がる。
「み、みんな。ヤケに興奮しているな……」
「まったく、無事にギャラクシアを倒せたって言うのに相変わらずね」
「はは、でもみんな無事に勝利を収められて良かったじゃないか」
自分たち以外の女性達が挙ってジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールに群がる情景を前に、半ば呆れてしまうマスクナイトとルナとアルテミスの三人。
と、スターウォーリアーズの女性達に言い寄られて照れながらも上機嫌になってたミラーガールが思い出す。
「あ! そうだわ、Mrフェイクは何処に?」
ミラーガールの一声にジャッジ・ザ・デーモンも気付き、スターウォーリアーズの面々と共に辺りを見渡していると。
「いやぁ、面白いのが撮れたよ撮れた」「! Mrフェイク……!」
ギャラクシアとの死闘が展開された場所よりも更に高所から、片手に家庭用カメラを持参するMrフェイクがジャッジ・ザ・デーモン達を見下ろしていた。
「ブラボーー! 素晴らしい戦闘シーンだったよ、ジャッジ・ザ・デーモンそれにミラーガール。ミラーガールのミラーゲートによるスターウォーリアーズのメンバーの召喚に、格闘技だけでギャラクシアを倒しちゃったジャッジ・ザ・デーモン……手に汗握る展開ばかりで、もう興奮しちゃったよ」
「相変わらず、ヒーローと敵役の戦闘を観戦して楽しんでいたのね。ホント悪趣味」
「ハッハ! ミラーガール、それがヒーローやヒロインの見せ場じゃないか! 自分達の十八番である戦闘を拒絶したら、英雄じゃないって!」
戦いを傍観するMrフェイクの趣向に睨みを利かせるミラーガール。だがMrフェイクは戦いこそ英雄達の一番の見せ場ではないかと説く。
そして先ほどまでのジャッジ・ザ・デーモンやミラーガール達の戦闘を撮影し終わったMrフェイクは、自機であるエアライドに飛び乗って浮遊する。
するとMrフェイクが搭乗するエアライドの前方から、内部に組み込まれた盗み出されたミラーゲート・リングの光が照射される。
照射されたミラーゲート・リングの魔力によって、エアライドの目前に別世界へと続く出入口が開いた。
「! Mrフェイク!」「ミラーゲート・リングで別世界に逃げる気ね」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールが気付くものの、Mrフェイクはそんな二人に不敵な笑みを見せ付けるや否や即行で別世界へ逃亡してしまった。
Mrフェイクがミラーゲート・リングを使って別世界に逃亡したからか、ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールが持つ指輪が反応。二人の指輪から光が照射され、目の前にMrフェイクが逃げて行った別世界へ続く出入口が開いた。
「どうやら、お別れの様だな」「ええ、私達はMrフェイクを追わないと」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールの発言に、スターウォーリアーズの面々は寂しそうな顔を浮かべる。
「元気でね、ミラーガール」「短い間だったけど、世話になったよ」
優しくミラーガールを抱擁するセーラームーンに続き、セーラージュピターもミラーガールに感謝を述べる。
「そ、それじゃ……此処でサヨナラって訳だな」
「ああ、そうだな」
「その、なんだ………………お前達の世界の俺たち……セーラー戦士達に宜しくな」
「ああ、色々とありがとよ。マスクナイト」
何処かぎこちないマスクナイトとの別れに、ジャッジ・ザ・デーモンは感謝を伝えると同時に手を差し伸べて握手を求める。
これに一瞬戸惑うマスクナイトだったが、彼は素直にジャッジ・ザ・デーモンと握手を交わした。
「お前達も俺やミラーガールが居た世界のセーラー戦士同様、素晴らしい戦士だ」
そう述べるジャッジ・ザ・デーモンは、更に続けてスターウォーリアーズに語った。
「俺は過去に何度も何度も過ちを犯した。だが、そんな時にいつも諦めず手を差し伸べて深淵から引き上げてくれるミラーガールの様な乙女達の存在が俺を……光へと導いてくれた。スターウォーリアーズ、お前達もこの先、人間の醜悪さや闇を目の当たりにするだろうが、諦めず自分が信じた愛を貫いてくれ」
「ええ、分かったわ。ジャッジ・ザ・デーモン」
「私たち、あなた達以上に心身ともに強くなって信念を貫いてみせるわ! そう、ジャッジ・ザ・デーモンあなたに負けず劣らず」
ジャッジ・ザ・デーモンからの熱弁に、セーラームーンとセレニティが力強く唱え返した。
そしてジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールはMrフェイクを追って二つの指輪が示した出入り口に飛び込んで、別世界へと旅立つ。
「じゃあな、スターウォーリアーズ!」「これからも頑張ってね!」
ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールからの応援を聞いて、スターウォーリアーズの面々は別世界へと去っていく二人に手を振った。
果たしてジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールは、Mrフェイクを追って今度はどんな世界へ辿り着くのであろうか。