個性的なトレーナーの短編集   作:B&B

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今回(2025/05/29)からタイトルちょっと変えます。
トレーナーたちの頓智気話が書きたくなったので、いろんなトレーナーを扱う短編集にシフトします。

某所で見かけた、生徒会のトレーナー三馬鹿説と、ガンダムSEEDFREEDOMの新三馬鹿概念が悪魔合体しました。似通った人物設定にしていますが、本人ではないです。合体元のせいでガンダムSEEDネタが少々含まれるのでご注意を。


三馬鹿トレーナー編
生徒会のトレーナーの動画投稿がバレた話


「やめろ真! お前が欲しかったのは、本当にそんな肉か! カルビか!」

「うるさい! 育ててた肉を食われたくらいで喚かないでくださいよ。アンタが正しいって言うのなら、俺に勝って見せろ!」

「やめてよね、本気で焼肉したら、君らが僕に勝てるはずないだろ?」

「「……さすがに、満腹だ……」

【焼肉奉行】生徒会トレーナーが焼肉しました【やめてよね】

 20,0210回再生

 

「あれ、綺羅さん何やってるんです?」

「真か、おつかれ。友達に使いやすいロボット用のOS作ってって頼まれたんだ」

「なんでこの人一人でOSなんて作ってるんだ……? アスランが16時に集合だって言ってましたよ。伝えましたからね」」

「キャリブレーション取りつつゼロ・モーメント・ポイントおよびCPGを再設定……!」

(くそ、僕ならできるって信頼が重たいな……実際やっちゃったならこれドッキリじゃなくなってる?)

【隠し撮り】ドッキリがしたい!【カウンター食らってる?】

 18,5209回再生

 

「うおおおおお! アスラン!」

「トゥ! トゥ! トゥ!」

「くそ、なんてスピードだ……! こっちだって! 分身は!」

「「「「こうやるんだあああああああ!!!」」」」

「あーあ、全くノリが良いんだから。こんなテンションで餅つきなんかして、どうするのよ」

【トレセンは】新春餅つき大会【今日も平和】 with シビトレ

 1,221,675回再生

 

「……というわけなんだが」

「いや、というわけなんだが、じゃないだろう、これは」

 トレセン学園の生徒会室に集まった三人のウマ娘。生徒会長のシンボリルドルフと、副会長のエアグルーヴ、ナリタブライアンである。

「ブライアンの言う通りですね。これは一体何なんです、会長?」

「いや、エアグルーヴの困惑も無理はないだろう。私もつい昨日知ってね。テイオーがウマチューブで話題になっている動画があると教えてくれて、それがこのチャンネルだったんだ」

 ルドルフのスマホを囲んで神妙な顔をする面々であったが、その理由はこの動画の出演者が彼女たちのトレーナーであったことだ。ロボ用のOSを組んでいたのはルドルフのトレーナー、大和綺羅。餅つき中に分身を始めたのは、エアグルーヴのトレーナーである飛鳥真。焼肉奉行をしていたのはブライアンのトレーナーである明日沢藍(あすざわらん)、学生時代のあだ名はアスランといった男だ。ちなみに、餅つきの動画の撮影者はミスターシービーのトレーナーで、室谷不羅雅という男だ。

「なんというか……なんであのたわけは分身しているんだ???」

 エアグルーヴは宇宙を背負った。分身なぞ、彼女が見たこともない現象であり、それを意図的に発生させたトレーナーに関してはもっと謎めいたからだ。

「焼肉をトレーナーだけで行うというのはズルいな。しかもこの撮影日、先週の祝日じゃないか……!」

 ナリタブライアンは激怒した。何食わぬ顔で担当に黙って焼肉を食べるというトレーナーの暴挙をけして許すことはできなかったのだ。

「いや、トレーナー君がパソコンに詳しいのは知っていたが、OSを作るとはいったいどれほどの能力なんだ? しかも餅つきの時のあの体捌きは見事だ」

 シンボリルドルフは初めて見たトレーナーの能力を見て感心した。

 初めは三者三様の反応を見せていたが、いずれそれは一つの感想に収束した。

(((私の知らない顔を他の人に見せているのはズルい!!!)))

 全国から優秀なウマ娘が集まった学園で、生徒の長となる組織のメンバーがあまり見せることのなかった嫉妬。その感情が彼女たちをすぐさま行動に移らせた。

「確か皆今日はトレーニングがオフの日だったな?」

「ああ、会長サマの言う通りだ。アンタらのトレーナーについては任せた」

「ではあのたわけは私が確保します。会長、号令を」

「ああ、ありがとう。ではこれよりトレーナー諸君への尋問とする! 皆の武運を祈る!」

 ルドルフの号令の下、生徒会の集まりは解散し、各々が注意されない程度の最高速で自らのトレーナーの場所へと向かった。

 

『ああ、真。そろそろあの編集は終わりそうかい?』

「あの3人でガン〇ムのゲームやった動画ですよね?明日にでも上げますよ……ん?」

 自分のトレーナー室で真は別室にいる綺羅と電話をつないでいた。そしてその時、廊下から大きな足音が聞こえてきて様子をうかがった。

「入るぞたわけッ!!!」

「うわ、どうしたんだよエア、そんなにあわてて」

 そこに入ってきたのはエアグルーヴだった。

「貴様らが我々に黙ってアップロードしている動画の件だ」

『あー、ついにエアグルーヴにバレたか……あれ、こっちにも誰か来る』

『トレーナー君はいるか!!!』

『君もかルドルフ!』

 真がそこまで通話を聞いた時、エアグルーヴにスマホを奪われ、通話を切られてしまった。

「これから少しお話がしたいのでな、勝手ながら切らせてもらったぞ?」

「いや、まあ動画については話せっていうなら話すけど……誰から?」

 そこまで真が言葉を紡ぐと、エアグルーヴの手にある真のスマホに電話の着信があった。

「ブライアンのトレーナーからだな。ブライアンも話は知っているからおそらくそれに関することだろうが、出るか?」

「まあ一応。アスランならどうとでもなる気がするけど……」

 エアグルーヴは真にスマホを返さず、スピーカー機能で真にも聞こえるように電話に出た。

『真! なぜあの焼肉の件がブライアンにバレている!?』

『待てトレーナー! 私に黙って、よくも焼肉をしたな!!!』

「俺のせいじゃないですよ。俺もその件で今エアに詰められてるんです」

『くそ、なら綺羅か……? 頼む、待ってくれブライアン! どうしても俺を殴るというのなら、せめてこの野菜だけでも地面に降ろさせろ!』

『どうせ私に食べさせようというのだろう? ならばそれもついでに奪って誰かに渡してしまうまでだ!』

『止まる気配がない……そちらも気をつけろ! また何かあったら連絡する』

 藍がそこで電話を切った。

「いや、本当に何でバレたんだ? 生徒からのタレコミとか?」

「会長の下にトウカイテイオーから連絡があったようだ」

「あいつか~。ならまあ仕方ないか。有名税とでも考えておこう」

「何が有名税だ! なぜ私以外にもあんなたわけた姿を公開したのだ?」

「なんか変な独占欲こじらせてるし(まあ聞いてあげよう)」

 それからしばらく、真がエアグルーヴの前から離れることは出来なかった。

 

 一方その頃ルドルフは……。

「ああ、それについてはトレーナー君ではなくて、テイオーから聞いた話でね。疑いは晴れたかな?」

『それについては理解できたが……デェイ! 焼肉についてブライアンにばらした件は恨ませてもらうぞシンボリルドルフ……ヌォォォォォォ!』

「……さて、そろそろ良いだろう」

 真の電話が終わったあと、藍は綺羅に電話をかけて話を漏らした犯人を捜していたのだ。

「随分と楽しそうにしていたじゃないか、トレーナー君?」

「いやあ、あの動画のテンションとかは忘れてくれるとありがたいんだけどな」

 ちなみに今ルドルフがいるのは綺羅の膝の上である。画としてはいちゃいちゃしているカップルのように見えるが、綺羅の心境はそんなものと一致しなかった。一つでも対処を間違えれば命を失うような猛獣にマウントを取られている気分だった。

「私といるときにあんな顔してくれないのに……」

「まあ、どんなに深くかかわっていようと、出る表情っていうのはどうしても相手によって変わってしまうから。そこはあきらめてくれると嬉しいよ。君の前では、もう少し頼れる大人でありたいからね」

 綺羅はそういうと、幾分かルドルフの機嫌が戻ったのを感じた。

「……委細承知。今はその言葉で納得しておこう。だが、もうしばらくこのままで居させてほしい。……駄目か?」

「いいよ、もう少し、このままでね」

 

 …………そして、ブライアンは。

「よし、ようやく、捕まえた、ぞ……なんであんなに逃げられるんだ!」

「あれくらいはトレーナーたるもの必須な技術だろう? もう少し粘れたが、あの人の量なら下手に避けるとけが人が出る」

 藍が逃げ続け、学園の中で人が多いところに出ると、藍の方が逃げることをあきらめたのだ。追いついたブライアンが藍の腕を離さずにトレーナー室まで連行した。

「さて、釈明を聞かせてもらおう」

「釈明って……。肉が好きなお前に黙って焼肉をしたのは正直申し訳ないが、あの動画を見たのなら、俺の口うるささも理解できただろう?」

 ブライアンがもう少し聞くと、ブライアンに話を通さなかったのは野菜を食べろとうるさい自分と一緒に食べてもつまらないだろうという予想が理由だったのだ。

「……まあ、こちらの好みを案じてくれたのは嬉しいんだが、アンタはその程度であきらめるのか?」

「……何?」

「トレーナーとして私に野菜を食べさせたいのだろう? なら諦めずにやってみろ。もしかしたら食べるかもしれんぞ? 何と言っていたか……『アンタが正しいっていうのなら、私に勝って見せろ』。……だな」

 ブライアンは例の動画から野菜を押し付けられていた真の反応を引き合いに出した。

「……そこまで言われたら、答えないといけないな。分かった。明日の夜、この部屋で焼肉だ。だがお前がそこまで言ったんだ、野菜を押し付けられようが不機嫌にはなるなよ?」

「言質はとったぞトレーナー! そこに関してはアンタの腕の見せ所だ。……案外アンタに食べさせられたら素直に食べるかもしれんぞ?」

 そして翌日、藍が大量の肉と少量の野菜で焼肉を始めた。しばらくは野菜を食べなかったが、藍が自分の箸で摘まんでブライアンに食べさせようとすると少しの逡巡の後、ブライアンはその野菜を口にした。それに喜んだ藍がブライアンの姉、ビワハヤヒデに後程LANEで伝えると、『それは間接キスにあたるのでは???』との返答があった。その後、トレセン学園の切り株のそばで、全力で「ヌォォォォ!」と奇声をあげながら頭を地面に打ち付ける藍の姿が真によって目撃された。

 なお、今回の逃走劇に関しては、通りがかった不羅雅によりウマチューブに投稿された。「こいつ本当に人間か?」「やはり最強はアスランか……!」という反応がコメント欄に寄せられるはめになった。

 




気に入った概念やらあればこの短編集にこれから加わっていきます。

登場人物

大和綺羅(ルドトレ)
 世界が世界ならスーパーコーディネーターになってた人。この世界は遺伝子操作とかないので……。ただ、パソコン方面の才能は据え置き。

シンボリルドルフ
 ご存じ生徒会長。もしかしたらルナモードと呼ばれる状態があるかもしれない人。今回はそこまでいかずともトレーナーのおかげで何とかなった。男子高校生同士で見える笑顔と、女の子に向ける笑顔は違うよねというお話。

飛鳥真(たわけ/グルトレ)
 世界が世界なら主人公(笑)と子犬の称号を得ていた人。分身はこうやるとは言ったが、イマイチどうやっているのか自分でもわかっていない。あまりにも生態が大人びた女性特攻な生物。

エアグルーヴ
 生徒会副会長。だらしないたわけを見て喜んでいる節はあったが、それを万人に見られるのは解釈違いだった人。たわけのたわけた状態は私だけのものだ、と言わんばかりにトレーナーに説教をかました。

明日沢藍(アスラン/ブラトレ)
 他二人に対してあまりにも日本人離れした名前故にいじくらないといけなかった人。この面倒くささもアスランの象徴である。動画の影響で、アスラン呼びがそこそこ定着している。焼肉とか鍋では奉行をしだす。何故かたまに変な声をあげる。

ナリタブライアン
 生徒会副会長だけどデスクワークがそこまでできるタイプではない。口うるさいトレーナーはタイプじゃないけど、すごく思いやってくれてるのは感じ取れてるいい子にして最強の妹属性。ナチュラルに間接キスをかまされ、その瞬間は気にしていなかったが、就寝前に思い出して30分ほど眠れなかった。

室谷不羅雅(シビトレ)
 世界が世界なら不可能を可能にしている男。
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