【ネタバレ注意】
本稿は『魔法科高校の劣等生』の二次創作『異形の七草』の中核設定の一つです。
原作既読を前提とした内容を含み、またある程度本編を読了していただいた上での閲覧を強く推奨いたします。
原作未読の方は各エピソードをお楽しみになった後、
改めて本作をご覧いただくことを強くお勧めします。
なお本稿に登場する魔法はあくまでも非公式の二次創作であり、
原作・著者とは一切関係ありません。
原作の設定を下敷きにしつつも、
架空の魔法及びその理論を多数含みます。
虎杖というと、呪術廻戦主人公の姓が真っ先に浮かぶ方も多々いると思いますが、天敵が存在しない場合、極めて駆除困難な害草であり、欧米特にイギリスで猛威を振るっていることを頭の片隅に入れて読んでいただければ幸いです。
プロジェクト虎杖
| 文書番号 | JSDF-MAG-STRAT-ITADORI-P1-001 |
|---|---|
| 作成日 | 西暦2093年 6月23日 |
| 機密指定 | 最重要機密(大臣承認者限定閲覧) |
| 管轄 | 防衛省 統合軍令部 直轄管理 / 各魔法の所管は第三章参照 |
| 発案者 | 七草 真由美 ███ |
| 名義行使者 | 七篠 桜花(架空名義 ※詳細は別紙参照) |
| 計画概要 | チェイン・キャスト技術の国産戦略級魔法への転用。 新ソ連戦略級魔法「トゥマーン・ボンバ」の設計思想を継承し、 戦術級魔法の自動複製・連鎖起動により戦略級の効果を実現する。 |
| 補助機材 | 軍が大型CAD・観測システム・支援部隊等の全装備を提供・運用する。 術者個人の実力に依存する部分を軍事インフラが極力代替・補完することで、 術者の交代・喪失時にも戦力を維持する設計を基本とする。 |
第一章 計画立案の背景と目的
本計画「虎杖」は、
戦略級魔法を「天才一個人」から「国家の軍事インフラ」へ移管すること。
従来の戦略級魔法は、その行使が一握りの代替困難な天才術者の存在に全面依存していた。これは換言すれば、当該術者の撃破・無力化・健康上の問題・政治的離反のいずれによっても、国家の戦略級魔法戦力が瞬時に瓦解しうることを意味する。本計画はこの根本的な脆弱性の解消を主目的とする。
具体的には、大型CAD及び各種観測・支援インフラによる術者補助体制を各戦略級魔法ごとに整備し、術者個人の素質に依存していた部分を軍事インフラが代替・補完する設計とする。これにより、一定水準の適性を持つ術者であれば戦略級魔法の行使が可能となる汎用的な運用スキームを確立し、術者の交代・育成・喪失時にも戦力を維持できる恒久的な制度として戦略級魔法を軍に定着させることを目指す。
本計画の発案・設計者は七草真由美 ███であり、自身の戦略級魔法を除く全権限を本計画運営主体に移譲済みである。各魔法の公式な行使名義については、国際的・政治的配慮から「七篠桜花」名義(架空)を一律に用いるものとし、実態の秘匿を図る。
第二章 開発済み戦略級魔法 仕様一覧
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| 原案・設計思想 | チェイン・キャスト技術転用 国内第一号プロトタイプ。 企画原案者、七草真由美 ███が単独で設計・行使する、 本企画中唯一の完全自立型戦略級魔法。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 空気中の窒素を収束魔法により高密度集積した後、 ポリ窒素生成魔法を起動する。 ポリ窒素は化学的に不安定であり、自己分解反応によって莫大な熱量を放出。 上記一連プロセスをチェイン・キャストにより自動多重展開する。 |
| 戦略的効果 | 指定攻撃範囲の完全焼滅。爆発威力・規模ともに戦略核兵器に匹敵。 対都市圏・対要塞拠点への適用を主眼とする。 |
| 術者輩出母体 | 七草 真由美 ███ 専任(他術者への継承可能性なし) |
| 備考・制限事項 | ポリ窒素生成魔法の行使は、現状七草 真由美 ███以外不可能である。 本計画において唯一、軍による補助機材の提供・運用が不要であり、 軍管理下に存在しない戦略級魔法である。 |
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| 原案・設計思想 | 電磁波兵器系戦術級魔法のチェイン・キャスト多重展開応用。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 術者が魔法によって低層雲を発生させ、超電導状態に変換。 これを後述する指向性電磁パルス(EMP)ビームの共振器として利用する。 量子力学的トンネル効果により生じるトンネル電流を捕捉・増幅。 EMPビームを発射する戦術級魔法を多重展開して掃射する。 共振器としての超電導霧の展開と複数ビームの同時起動・走査を チェイン・キャストが統括する。 |
| 戦略的効果 | ①都市機能の一時的電磁麻痺(インフラ・通信・輸送の広域停止) ②指定インフラ設備・電力網の選択的・恒久的物理破壊 ③指定軍事電子装備の無力化 |
| 術者輩出母体 | 第八研究所出身者、及び九島家関係者の中から選定・育成。 |
| 備考・制限事項 | 超電導雲の形成には気象条件の影響を受ける可能性があるため、 軍は気象観測補助装備を提供する。 |
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| 原案・設計思想 | 我が国の戦略級魔法『深淵』(海面形状大規模操作魔法)の改良版。 チェイン・キャスト技術を組み込み、省力化を実現。 『深淵』と同じ艦隊殲滅特化型戦略級魔法。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 指定海域の海面を市松模様状グリッドに分割し、 各グリッドを交互に上下±3メートルの急峻な変位で同時操作する。 この急激な海面変動により、海域内の全艦船が自重によって圧し折れる。 魔法解除の瞬間、多重発生した水塊衝突による衝撃波が、 海面から深海域に至るまで海域全体を蹂躙する。 |
| 戦略的効果 | 指定海域内の全水上・水中艦艇の完全撃沈・殲滅。 解除時の衝撃波により潜水艦隊をも同時制圧可能。 港湾・沿岸施設への副次的被害も大規模に及ぶ。 |
| 術者輩出母体 | 「深淵」から転向した五輪澪を筆頭に、 第五研究所出身者の中から選定・育成。 |
| 備考・制限事項 | 軍は海洋観測・気象衛星データリンク、 及び術者位置保護のための艦艇・航空機を提供する。 |
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| 原案・設計思想 | 戦術級エントロピー増大魔法『ヒート・キル』を基盤とする。 所謂経年劣化現象そのものを攻撃手段として、 チェイン・キャスト運用により広域精密攻撃化した制圧型戦略級魔法。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 戦術級魔法『ヒート・キル』による精密同時攻撃。 『ヒート・キル』の設計思想上の威力においては、 対象の経年劣化・材料崩壊・分子構造破壊を瞬時に引き起こす。 エイドスの復元力及び干渉抵抗は、熱力学第二法則への順行加速に対し、 方向性を定められない原理的矛盾を生じさせるため実質的に最小化される。 これにより、熱量干渉における同一魔法力での干渉の最大化を実現する。 |
| 戦略的効果 | 指定座標に存在するインフラ設備・動力炉・構造物の選択的・完全崩壊。 衛星写真レベルの位置情報があれば精密ピンポイント攻撃が可能。 設計威力の限定行使(深度II相当)に留まっても、 電子的指揮統制系統・通信インフラの同時無力化が可能。 |
| 術者輩出母体 | 熱量制御に卓越した第六研究所出身者の中から選定・育成。 |
| 備考・制限事項 | 原型となる戦術級魔法『ヒート・キル』は以下の作用深度を有し、 術者の魔法力・技量に依存。 深度Ⅴ以降は『ヒート・キル』開発者である 七草 真由美 ███の理論預言に留まり、 深度Ⅳ以降を涅槃寂熱として扱える術者は存在しない。
深度I:マクロ熱力学的秩序の崩壊 主要効果:熱機関・動力系・燃焼の停止 深度II:流体・気体力学的秩序の崩壊 主要効果:油圧系統の失陥、電子回路・通信・信号系の崩壊 深度III:材料・固体物性の崩壊 主要効果:構造材料・半導体素子の物理的破壊 深度IV:化学結合秩序の崩壊 主要効果:有機物・生体の即時崩壊 深度Ⅴ:量子的秩序の崩壊 主要効果:素粒子の自壊による焼滅 深度不明: 主要効果:理論預言のみ、原理的に観測不可能
深度IIIは最浅域においても現代半導体素子に致命的な劣化を齎すため、 電子的指揮統制・通信インフラへの壊滅的損傷が副次的に発生する。
深度IIで各種制御システムへのピンポイント攻撃が成立するため、 設計威力での行使が不可能な術者でも同魔法行使インフラの転用により、 戦略級魔法に準ずる魔法として効果を発揮できる点が特筆すべき優位性。 軍側インフラの観測精度に威力を依存 |
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| 原案・設計思想 | 一条家の戦術級魔法「爆裂」を基盤とした、 液体強制気化魔法の対艦隊規模多重展開。 水蒸気爆発を魔法によって高威力化・超広域化する戦略級制圧魔法。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 海水への「爆裂」を多重展開し、 指定海域全体に渡って海水の水蒸気爆発を引き起こす。 発生した水蒸気爆発は魔法による干渉でさらに威力・規模を増幅され、 海域全体を高エネルギー水蒸気爆発の連鎖で殲滅する。 |
| 戦略的効果 | 指定海域内の全水上・水中艦艇の爆破・撃沈。 水蒸気爆発の衝撃波・熱波・破片による複合的破壊効果が海域全体に及ぶ。 対潜水艦戦にも有効。 |
| 術者輩出母体 | 一条家を第一候補とする。対液体干渉の力量に依存するため、 一条家以外からの術者育成も検討中。 |
| 備考・制限事項 | 軍は海域情報の精密提供、及び術者の安全確保のための護衛部隊を担当する。 一条家以外の術者候補については個別の適性評価プログラムを設ける。 |
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| 原案・設計思想 | 吸収魔法による空気中酸素と窒素の強制化合に依拠した汚染型制圧魔法。 焦土作戦・持続的領域封鎖を主用途とする。 |
|---|---|
| 魔法機序 | 対象空域の酸素分子と窒素分子を魔法によって強制的に化合させ、 主要生成物として二酸化窒素(NO2)を大量生成する。 二酸化窒素は大気中水分と反応し、硝酸(HNO3)および 亜硝酸(HNO2)の霧を形成し対象域に充満する。 強酸の霧は散布域を腐食・破壊し続ける。 |
| 戦略的効果 | 対象領域の人員・装備・インフラの長期的・持続的腐食・無力化。 焦土作戦における後続進入の阻止、 及び戦略的要衝への長期アクセス拒否が主目的。 |
| 術者輩出母体 | 無機物干渉に優れた第二研究所出身者の中から選定・育成。 |
| 備考・制限事項 | 使用後の汚染範囲は魔法的除染なしには極めて回復困難なため、 本戦略級魔法は本企画における軍用戦略級魔法の中で最も外交リスクを伴う。 使用条件は厳格な大臣令または統合幕僚会議をもって規定する。 基本方針として厳格な秘匿及び自軍除染能力の開発に可能な限り努力を行う。 |
第三章 運用規定・行使条件
| 魔法名 | 所管総司令部 | 軍補助機材等特記事項 | 術者輩出母体 |
|---|---|---|---|
| ポリニトロ・クラスター | なし | 機材が一切不要 (唯一の例外) | 七草 真由美 ███のみ |
| ファントム・アルペジオ | 国防陸軍 | 気象観測装備 | 第八研・九島家関係者 |
| 市松裂海陣 | 国防海軍 | 海洋観測 | 第五研(五輪澪ほか) |
| 涅槃寂熱 | 国防陸軍 | 衛星精密情報システム | 第六研出身者 |
| 海爆 | 国防海軍 | 市松裂海陣と同様 | 一条家・対液体干渉適性者 |
| ラスト・スカイ | 国防空軍 | 除染手段の開発 | 第二研出身者 |
全ての戦略級魔法の公式行使名義は「七篠桜花」(架空名義)に統一される。術者は全て表題『七篠桜花』の傘連判状に名前を登録する。術者の実名・所属・背景は傘連判状附属の別紙機密付属文書に記録し、本文書には記載しない。
戦略級魔法の行使は統合幕僚会議の認可または国防大臣の直接承認を必要とし、いかなる将官も単独では行使命令を発することができない。
一. 術者は軍が整備する大型CAD及び支援インフラと常に一体として運用される。術者単体での戦略級魔法行使は『ポリニトロ・クラスター』を除き設計外事項とし、インフラ込みの運用単位を「戦略級魔法行使ユニット」として定義する。
二. 各行使ユニットには正術者の他に補欠術者を複数名登録し、正術者の喪失・離脱時に備えた継続運用体制を常時維持する。
三. 術者個人の技量に起因する遠隔照準等の行使限界は、CAD補助・観測支援等の軍事インフラ投入によって補完する。術者個人の卓越性への依存を漸次低減し、標準化された運用ノウハウとして軍に蓄積することを義務とする。
四. 各行使ユニットの練度・稼働状況・インフラ整備状況は参謀本部が定期的に査閲し、戦略級魔法戦力の恒常的維持を担保する。
第四章 本文書の取り扱い
本文書は国家最高機密(最重要機密)に指定される。閲覧資格は防衛省大臣の承認または統合幕僚会議の認可を受けた者に限定され、閲覧者は全て氏名を記名し、記録を本文書とともに厳重管理しなければならない。
本文書の複写・撮影・電磁的記録・口頭による第三者への開示は一切禁止する。違反者は国家反逆罪として軍事法廷に付す。
本文書の保管は承認された安全保管施設においてのみ行い、施設外への持ち出しは防衛省大臣または統合幕僚会議の書面による特別許可を要する。
本文書に記載された個人名・組織名・魔法仕様情報は、本計画の範囲外において一切使用してはならない。
チェイン・キャストは本来魔法式を複写する魔法式自体が重すぎて術者を選ぶ特性があり、原作の司波達也でも今の所軽くするような方策はまだとっていません。
が、本計画の立案者はあろうことか、魔法式を保存する
作りかけの魔法式を精神外に一時保存して最後に術者に再吸収させて完成させるという、古式特有の即時構築・発動を求めない魔法運用からのアプローチ及びハード技術のブレイクスルーで魔法師に要求される魔法力はかなり減りました。
新ソ連でいうと、イグロークそれぞれがベゾブラゾフ並みに『トゥマーン・ボンバ』を発動できるようになるぐらい負荷を削っています。
この魔法師の精神に肉体ではない異物を繋げて運用する魔法的サイボーグ技術は九校戦編の十三束鋼にも一部転用されています。
何かツッコミどころ等ありましたら、遠慮なく感想欄までお願いします。