GAMERA大怪獣絶唱 -Rebirth-   作:あーくこさいん

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前々から構想していた小説がようやく完成しました!

他の小説も投稿しますので、そちらもよろしくお願いします。


プロローグ 先史文明の記憶、夏休みの思い出

ドゴォォォォォォォン‼︎

 

スガァァァァァァァン‼︎

 

爆発が立て続けに起こる。

ここは月面に建設された巨大都市。

ドーム型の外壁に内部の中央に聳え立つ巨大なタワー、そのタワーを中心に多数の高層ビルが周辺に並び立つ近未来の都市。

 

俗に言う月面都市なのだが、今では悲惨な状態になっていた。

中央のタワーはへし折れ、周辺の高層ビル群は倒壊したり炎上したりで、最早見る影もない。

そんな破壊され尽くされた都市で、二体の巨大生物が相対していた。

 

一体目は推定60mの巨躯にマッシブな身体つき、大きな腕に長い尻尾、腹部が緑色に発光し背中には巨大な甲羅を背負った亀の巨大生物…

しかし、全身は傷だらけな上に片目は潰れ下顎の牙は一本折れ、しまいには右腕が切断されており、満身創痍な状態である。

 

もう一体は中央タワー上空に陣取っている白い体躯に翼開長150mの鳥型巨大生物…

全高は80m程あり翼には3対6本の真紅の爪、四肢は野太くかなり筋肉質であり両脚や翼膜、尾部の膜から白い粒子を放出させ推進力と浮力を得ている。

 

亀の巨大生物は傷だらけで満身創痍なのに対し、白い飛行生物は目立った外傷は無い。

双方の状態から見て、どちらが有利かは一目瞭然である。

 

そんな状態でも亀の巨大生物は戦意を失っていない。

 

すると白き飛行生物の口から白い粒子が収束し、身体の所々に電撃が走る。

粒子が収束し白く光った次の瞬間、その口からビームが放たれる。

 

放たれたビームの一閃はビル群を薙ぎ払い、やがて亀の巨大生物に命中する。

次の瞬間、ビームが通った箇所から大爆発が起こる。

爆発が収まり煙が晴れると、巨大生物は傷口から大量の血を吹き出し、力無く倒れる。

 

ギュァァァァ‼︎

 

飛行生物は勝利の雄叫びを上げ、そのまま倒れた巨大生物の近くに着地する。

動かなくなった巨大生物に対し、かぶりつこうとしたその時…

 

頭を亀のように引っ込めながら片腕を胴体に密着させ、甲羅の縁がノコギリ状に変形し巨大な丸鋸状になる。

そして胴体から四つのプラズマジェットが噴射し回転し始め、やがてジェットの炎が一つのリングのようになるまで高速回転した巨大生物はそのまま浮かび上がる。

 

意図を察した飛行生物は翼膜から粒子を放出することで勢いよく飛び上がり、距離を取ろうとする。

だが、それを追跡するように回転しながら巨大生物は飛んでいく。

 

飛行生物は翼膜、両脚、尾膜から粒子を放出しその推進力で高速飛行するものの、巨大生物はスピードを上げ猛追する。

 

埒が開かないと思った飛行生物は翼を折り畳み、翼膜に放出していた粒子を脚部と尾膜に集中して放出することで飛行速度を跳ね上げる『弾丸飛行形態』になり、一気に巨大生物を引き離す。

引き離したと思った矢先、今度は巨大生物に向けて突貫する。

 

巨大生物は迎え撃つかのように飛んでいき、やがて二匹は激突する。

 

…否、激突する寸前に巨大生物は甲羅で突貫を受け流し、ノコギリ状に変形した甲羅の縁で飛行生物の尾を切り落とす。

断面から血が噴き出し、推進力が落ちた飛行生物は翼を広げた上で両翼膜から粒子を放出することで体勢を整える。

 

その隙を巨大生物は見逃さず、急激な方向転換によって回転しながら突貫していく。

 

だが、飛行生物の対応は早かった。

右手の3本の爪が伸び、高周波振動によって切れ味を増していく。

二匹の距離は段々と縮まっていき、そして…

 

ザシュッ‼︎

 

音と共に二匹はすれ違い、距離を取る。

巨大生物は腹部を切られ、そこから血が噴き出てしまう。

一方で飛行生物は右手の爪にヒビが入りそのままポッキリ折れる。

 

巨大生物は腹部の傷もお構いなしに再び飛行生物に突貫する。

飛行生物は敢えて受け止める姿勢となり、丸鋸状の甲羅を真剣白刃取りの要領で受け止める。

しかし、両脚の粒子推進を勢いよく噴かしても勢いを殺すことは出来ずそのまま地面に激突する。

それでも踏ん張り両手だけでなく、なんと回転する甲羅の縁目掛けて噛みつくことで回転を止めてしまった。

 

だが、巨大生物は残った片腕で飛行生物の顔をぶん殴り、そのまま手足を出して組み付き馬乗りになる。

片腕だけで飛行生物を殴り続ける巨大生物だったが、飛行生物も負けじと両手の爪で巨大生物を斬りつける。

 

血が出続けても攻撃をやめない巨大生物に対し、痺れを切らした飛行生物は先程の粒子ビームで決着をつけようとする。

口内に粒子をチャージし、顔目掛けて放とうとする。

 

飛行生物の狙いに気付いた巨大生物は回避を試みる。

次の瞬間、ビームが放たれる。

 

ガァァァァッ‼︎

 

巨大生物の悲鳴が鳴り響く。

すんでの回避で直撃は避けたものの、ビームが掠ってしまい顔の半分が焼け焦げる重症を負ってしまう。

 

その惨状を見て飛行生物はほくそ笑む。

あと一息で憎き巨大生物の息の根を止めれると。

 

だが、巨大生物の戦意は衰えることは無い。

巨大生物は()()()()()()を使うことを決める。

 

巨大生物の胸が赫く光り、身体中にオレンジ色の電流が走る。

飛行生物は巨大生物の狙いに気付き、顔目掛けて斬りつけようとするが、突如として翼が地面に打ち付けられる。

動かそうとするもびくともしない。

 

なんと動きを封じる為に巨大生物は重力を操作し、擬似的に金縛り状態にしたのだ。

飛行生物は再びビームを放とうと口を開く。

 

すると巨大生物は飛行生物の口内目掛けて片手を突っ込み、文字通りビームを封じる。

その間にも巨大生物の全身が赤熱化し、所々に蒸気が噴き出す。

 

これから起こる事態から逃れようと飛行生物はもがくが、巨大生物が最後の力を振り絞って押さえつける。

 

そして、巨大生物の身体が光り…爆ぜた。

 

ドゴォォォォォォォォン‼︎

 

その大爆発は都市全体を文字通り焼き尽くし、ドーム型の外壁を跡形も無く破壊。

その爆発の勢いは止まる事を知らず、月面に巨大なクレーターを形成する。

 

この戦いを境に()()()()()()は崩壊した………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆発が収まり、後に【ダイダロス・クレーター】と呼ばれる場所…

そこに一人の女性が佇んでいた。

 

腰まで届く長い髪にツーサイドアップ、その髪や肌は俗に言うアルビノと呼ばれる程白く、瞳は真紅の如き。

女性はそのまま右手を翳す。

すると彼女の周囲から先程の白い粒子が浮かび上がり、彼女目掛けて飛んでいき掌に集まっていく。

 

やがて集まった粒子は光となり、ある物を形作る。

それは先の飛行生物の幼体、掌サイズの幼体は起き上がると彼女を見る。

 

キュァァァァ…!

 

鳴いた後、彼女は幼体を顔に近づける。

幼体は舌を伸ばし、彼女の頬を舐める。

彼女はくすぐったいと思いつつ、幼体を撫でる。

 

「…よしよし、いい子いい子。」

 

彼女はそう言うと、周囲を見渡す。

先程、満身創痍となりながらも戦意を失わずに戦い抜いた亀の巨大生物…【ガメラ】、しかし連戦に次ぐ連戦で効果的な戦闘の継続が難しくなった為、白き飛行生物…【イヴ】を巻き込んで肉体をリセットする為に戦略的に自爆した。

だが、あれほどの爆発でもイヴを殺しきるには至らず、この場に残留していた白い粒子…【マナ】によって自らを形作り、生き残った。

ただし、先の自爆でマナが殆ど焼却され、僅かに残ったマナで幼体サイズになるのが精一杯だった。

 

そしてガメラも自らのバックアップを()()に移しており、長い年月を掛けて元の姿に戻ろうとする。

 

「…いいよ。こっちも新しい怪獣用意するから、待ってあげる。そしてガメラが復活したら…()()()再開だよ。」

 

彼女はそう呟くと、その場を後にする………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お〜い、ヒロく〜ん、未来〜、こっちこっち〜!」

 

二匹の巨大生物の戦いから幾多の年月が過ぎた頃、日本の何処かの森。

そこで三人の子供が遊んでいた。

 

先頭を走っているのは茶髪っぽい色のショートヘアの女の子…立花響(たちばなひびき)

 

その響を追っている短い茶髪の男の子…和多大輝(わだひろき)

 

そして最後尾から二人を追いかけているのは黒髪のショートヘアに後頭部に大きな白いリボンを結んでいる女の子…小日向未来(こひなたみく)

 

この三人は同じ小学校にて仲良くなり、休みの日は一緒に遊ぶ程仲が良い。

 

「待ってよ、響。」

 

「そうだよ、響。まだ時間はたっぷりあるし…」

 

「いやいや、私達が一緒に遊べる最後の夏休みだよ⁉︎もうすぐヒロくん引っ越すし…」

 

「それは…そうだけど……」

 

そう、大輝は母親の意向で私立中学の受験で引っ越すことが決まっており、三人一緒の時間は限られている。

その為、三人一緒に過ごす最後の夏休みとして思い出作りに奔走している。

今日は虫を捕まえる為に虫網と虫籠を持って森にやってきた。

 

「だから離れ離れになっても寂しくないように思い出をた〜くさん作らなきゃ!」

 

「いや、離れても携帯ならいつでもやり取り出来るから…って待って待って!」

 

「あはは…」

 

先行する響と追いかける大輝、最後尾で二人を追う未来だったが、ふと近くの沼を見ると何かに気付く。

 

「…ん?どうした、未来?」

 

響を追っていた大輝は未来がある方向を見て止まっている事に気付く。

 

「あ、響〜!大輝〜!ちょっと来て〜!」

 

未来の呼び掛けに大輝と響は彼女の元へと急ぐ。

 

「どうしたの、未来?」

 

「ほら、あれ…」

 

未来が指差すと、そこには沼があった。

その沼は1m程の水位があり、剥き出しになった中洲の丁度中腹で、木の根に絡まった『石亀』が苦しそうに身じろぎしていた。

少しの間見守ってみるも、どうやら自力で脱出は出来ないらしく、誰かが手を貸さなければ大した時間を置かず、周囲の沼同様に干からびてしまうだろう。

 

「大変、助けなきゃ…!」

 

響が助けようとするが、未来が制止する。

 

「待って、この沼は結構深いよ。」

 

未来の言う通り、規模の小さい干上がった沼とはいえ水たまりとは呼べない程に深い。

子供の身長で泥濘にでも足を取られたらひとたまりもないだろう。

 

「…でも、あのままだと。」

 

「泥濘にはまったら、私達が危ないよ。」

 

未来が諭すように言うが、思わぬ助け舟が入る。

 

「いや、助けに行こう。」

 

「大輝⁉︎」

 

「確かに助けに行こうとしても、この水深だ。俺達の方が危ない。けど…」

 

彼は石亀を見る。

石亀はジタバタと懸命にもがき続け、まるで「死にたくない」と叫んでいるように思えた。

 

「…このまま放っておくことは出来ない。」

 

「ヒロくん…」

 

「大輝…」

 

「ただ、このまま助けに行っても俺達の方が危ない。森の近くにある廃材置き場でロープなどを取ってこよう。」

 

彼の提案に二人は頷く。

その後、廃材置き場からロープ等を拝借した大輝達はなんとか石亀を救出した。

 

 

 

 

 

「すっげぇ…!」

 

「おっきい…!」

 

なんとか助け出した命の重さを両手で感じ取る。

抱えた亀の背中を眺めながら、大輝と響は目を輝かせる。

助け出された石亀はすこぶる元気な様子で足を振り回していた。

 

「こんなに大きな亀、見た事ない…!」

 

未来の言う通り、この亀は図鑑で見た普通の石亀の倍の大きさである。

 

「絶対この亀新種だよ!博物館とかに持って行った方がいいかな⁉︎」

 

響がそう言うが、大輝はしばらく考えこう言う。

 

「…でもこいつ、折角自由になったんだしさ。」

 

大輝の発言に目を見合わせる響と未来。

二人は考える間を置かず、それぞれが大輝に頷き返す。

そのまま大輝は沼の端のなだらかになっている辺りまで行くと、抱えていた亀をそっと放した。

 

亀は名残惜しそうに大輝を見上げる。

すると甲羅に翠色の電流が走った。

 

「…え⁉︎」

 

彼が驚いている間にも電流が強く迸る。

 

「…?ヒロくん、どうしっ⁉︎」

 

「亀が…光ってる⁉︎」

 

様子を見に来た二人も亀の変化に驚く。

やがて電流だけでなく翠色の粒子が甲羅に集まり、ある物を形作る。

 

「…勾玉?」

 

そう、翠色の勾玉だ。

勾玉ができた途端、電流は治る。

勾玉を生成した亀は大輝を再び見上げる。

 

「もしかして…これを俺に?」

 

亀は頷くように首を動かす。

大輝は戸惑いながらも勾玉を受け取る。

受け取ったのを確認した亀は沼に向かって歩き出す。

 

のた、のた、と浅い水辺を歩いていく亀を三人が見守る。

少し見守っていると、水の浮力を得た亀は勢いよく泳ぎ出し、その姿はあっという間に沼の奥へと消えていった。

亀が行ったことを確認した三人は改めて大輝の掌にある勾玉を見る。

 

「綺麗…!」

 

未来の言う通りその勾玉は綺麗な翠色で点滅するようにゆっくりと光っていた。

 

「あの亀さん、すごい存在なんだね!」

 

「ああ、ところでこの勾玉どうする?」

 

大輝が亀から貰った勾玉をどうするか決めあぐねていた。

すると響がこう言う。

 

「…この勾玉、ヒロくんが貰っときなよ!」

 

「いいのか?」

 

「うん!さっきの亀さんもヒロくんにお礼としてあげたようだし!」

 

「私も賛成かな。離れ離れになっても寂しくないお守りとして。」

 

響と未来がそう言うと、彼は勾玉を見て…

 

「…うん、ありがとう!」

 

そうして勾玉は大輝のものになった。

 

 

 

 

 

そして夏休みが終わり、大輝は中学受験の為引っ越した。

離れ離れになったものの、携帯でやり取りが出来たし、何よりあの勾玉があったから不思議と寂しくは無かった。




中学になって再開した響と大輝。
ツヴァイウィングのライブを堪能するが、突如として特異災害【ノイズ】が現れる。
さらに、人を喰らう超常生物【怪獣】が現れ絶体絶命の危機に…
その時、最後の希望は舞い降りる………

次回、『災いの影、最後の希望』

乞うご期待ください。
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