カリンちゃんの口調が思い出せなくて動画を漁ったら、声が想像以上に可愛いすぎてやばかったです。
「黄泉先生、始めまして。飛鳥馬トキと言います。」
自己紹介する彼女……トキは背筋を伸ばし、真っすぐに俺を見据え、軽くお辞儀をした。その所作、佇まいは機械に似たものを感じる。
トキは自己紹介を続ける。
「学年は1年です。C&C所属ですが、普段はリオ会長のボディーガードを務めています。」
「1年生……。前にネルたちと話した時、『新入部員はいない』と言っていたが。」
「私が伝えていないだけよ。」
俺の問いに答えたのは、隣に座るリオだった。
「いつか紹介しようとは思っていたけど、会議や出張が重なって時間が取れなかったの。」
確かに、リオのボディーガードなら常に彼女の近くにいる必要がある。外の騒ぎに対処するほどの余裕は持っていないということか。
とりあえずはそれで納得することにした。
「しかし……1年生にも関わらずリオのボディーガードか。かなりの実力の持ち主と見える。」
「当然よ。そうやって油断していると、痛い目を見るかもしれないわよ? それに――」
「トキはあなたに勝つことが目標みたいだから。」
リオは目を細め、冗談とも本気とも取れない口調で言った。一方のトキは、表情1つ変えずに俺を見つめている。
だが、感情までは隠せていなかった。よく見ると彼女の体が震えている。それは恐怖ではなく高揚だ。
加えて俺に勝つと来たもんだ。まさか、シロコに似たような奴に会えるとは思わなかった。
「……改めて、気遣いのほど感謝する。」
「もう頭を下げなくてもいいわ。あなたの立場は理解しているから。」
そう言ってリオは「ふぅ」と息を吐いた。場の緊張が僅かに和む。
「これからもアリスの監視を頼んだわ。」
「ああ。」
俺が答えたところで、リオはトキに下がるよう指示を出す。トキは「はい」と短く返事をし、フッと姿を消した。……どうやら俺のすぐ後ろのカーテンに隠れたらしい。この中で1番力のある俺の後ろに忍ぶのはいい判断だ。
やがて会話が止まる。その静寂が、話の終わりを伝えていた。
するとヒマリが俺とリオの表情を確かめるようにキョロキョロと視線を動かした。そして、待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
「お話は終わったようなので……先生、廃墟での話を聞かせていただけませんか?」
彼女がこれだけソワソワしているのにも理由がある。今日の会議に合わせてヒマリに『重大な情報を得た』と伝えておいたためだ。
実際、昨日の廃墟探索で入手した情報はそう表現するに値する。それにリオとヒマリほどの力のある者なら、アレが何なのかを細かく調べられる可能性もある。
思考はそれくらいにして、俺は2人に向き直った。
「昨日俺が廃墟で見たもの、それは――」
「『Divi:Sion System』と呼ばれるコンピューターだ。」
その言葉に2人は特に表情を変えない。俺は気にせず話を続ける。
「一見普通のコンピューターだったが、アリスが触れた途端、『あなたはAL-1Sか』と尋ねてきたんだ。」
瞬間、2人の目は大きく見開かれた。
そうなるのはなんとなく予想できてはいたが、いざ直接見ると込み上げてくるものがある。俺は2人に気づかれないよう、堪えた。
「つまり、そのシステムはアリスの正体を知っている……。」
「そう考えていいだろう。しかし、AL-1Sが何者なのかを聞いた途端、そいつは電力限界を起こして強制シャットダウンした。結論からして、アリスの正体を聞き出すことはできなかった。」
「十分すぎる成果ですよ。これならアリスちゃんの正体を追えそうです。」
ヒマリが笑って答える。
「ちなみに、そのシステムは今は……」
「残念だが、完全に機能を停止した。G.Bibleを手にした後もいろいろ試してみたが、起動することは二度と無かった。」
アリスがキーボードに触れ、突然あちらから尋ねてきたにも関わらず、何も言わずに消えた。あの時のシステムが言ったように「電力限界」なのかもしれないが、どうもしっくり来ない。
AL-1Sについて尋ねるまでは正常に作動していたのに、あんなタイミングで起こるものなのか? あの瞬間、俺はシステムの会話に意識的なものが働いていたように感じた。それはまるで――
「俺たちに"情報を与えたくない"とでも言うかのように。」
会議室に再び静寂が訪れる。
「……とにかく『Divi:sion System』について調べてみましょう。ミレニアムで作られたのなら、何らかのデータが残っているはずです。」
ヒマリがリオに視線を送り、今後の動きを提案する。リオもまたヒマリの方を向いて、賛成の意を示した。……普段からそれくらいの仲でいてほしいものだ。
「ありがとう、先生。あなたのおかげで駒を前へ進めることができた。」
「この件はは私たちに任せてください。」
2人は俺に顔を向け、頭を下げた。
ヒマリが言うように、あのシステムの件は全て彼女たちに任せよう。俺は俺がやるべきことをするだけだ。
俺は「頼んだ」と声をかけると、2人は強く頷いた。そしてそのまま俺は席を立つ。
「これで失礼するとしよう。………トキ。」
その場を後にしようとしたが、ふと彼女の事を思い出し、背後のカーテンへと視線を向ける。
「お前と戦える日を楽しみにしている。……しっかり準備をしておけよ。」
「………はい。」
身を潜めているために返事をするべきか迷ったのか、自己紹介の時の声と比べて、細く音程の外れた返事だった。
思わず口元が緩む。だがそれも一瞬のこと。
彼女はすぐに気配を消し、空間と一体化した。
俺はリオとヒマリに軽く会釈し、静かに扉へと向かった。その際に椅子が引かれる音と電動車椅子が動く音が聞こえた。2人が頭を下げるのが空気の動きで分かる。
しかし俺は振り返らず、そのまま会議室を後にした。
扉を開けた瞬間、窓から降り注ぐ日光に、思わず目を細めた。薄暗い部屋にいたせいか、その光はやけに眩しく感じる。
沈黙の余韻だけが背中に残った。
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シャーレへの帰り道。リオたちが立案した作戦を復習した俺は、今後のモモイたちの作戦を考えていた。
今回の作戦のポイントは以下の通りだ。
①G.Bibleの中身を調べるためには、ツール『鏡』を生徒会から取り戻さなければならない。
②生徒会の襲撃は確定事項であり、C&Cとの戦闘も避けられない。
大きく分けてこの2点になるのだが……やはりC&Cとの戦闘は不安要素が多い。
果たしてゲーム開発部とヴェリタスだけでどうにかできる相手だろうか? リオには「トキの相手をしてほしい」と言われたが、そんな余裕はあるのだろうか?
("あいつら"なら間違いなく出てくれると思うが……。)
あいつらは新たな道を歩み始めている。
その中で "彼女" は悪を滅ぼすために戦うと決意したが、今回の敵は『悪』とは言えない。さて、どうしたものか……。
そんなことを考えているうちに、気づけばシャーレの正面入り口の前に立っていた。
自動ドアが開き、エントランスホールを横切って事務室に向かう。その時――
ドンッ!
どこか遠くから爆発音が聞こえた。慌てて外に出ようとするが、違和感に気づく。この音は外からではなく、中から聞こえてきた。
そこでようやく理解した。音の発生源はシャーレの施設である"射撃場"からだった。
重く分厚い扉を開けて射撃場に入る。そこではムツキとハルカが戦闘訓練を行なっていた。ムツキの爆弾から生じた爆煙の中からハルカが飛び出したり、ハルカの進行方向に爆弾を投げてハルカを守ったりなど、様々な連携を試しているように見える。
「今のいい連係プレーじゃない?」
「と、とてもいいと思います!」
どうやら読みが当たった。
連携が上手く決まったムツキとハルカは嬉しそうに笑った。しかし……なぜ急に射撃場に? そんな疑問が胸に残った。
「あれっ!黄泉先生、お帰り!」
「おっ、お帰りなさい……!」
俺に気づいたムツキとハルカが声をかけてきた。
「ただいま。」
迎えられたからには応えなければならない。ただ一言述べ、彼女たちの前に立った。
「珍しいな、お前たちが射撃場にいるのは。」
「そりゃあもちろん、ゲーム開発部のみんなが生徒会と戦うらしいからね!」
ムツキが元気に言うが、俺は少しだけ目を開いた。
なぜ彼女が……いや、彼女たちがそれを知っている? ヴェリタスの拠点にハルトはいなかったし、知る由もないと思うのだが――。
「ちょうど今、事務室で作戦会議してるよ。」
答えは非常に単純だった。他のメンバーの影がないと思えばそういうことか。
……いや、お前たちは話を聞かなくていいのか?
「難しい話はハルト先生たちに任せるよ。それよりも、最近は戦闘が無かったから感覚が鈍ってないか試しておかないと。」
ムツキの意見は正論とも受け取れる。確かに最近は暴動による出動は無かったからな。特に爆弾を投擲するムツキにとっては大事なことだ。
「とりあえず俺は事務室に向かうとしよう。お前たちはまだここにいるのか?」
「うん。もう少しだけここにいるよ。ハルカちゃんもそれでいい?」
「はい! 最後までお付き合いします!」
そうして俺は2人に「怪我だけは絶対にするな」と忠告し、射撃場を後にする。射撃場の扉が『ガチャン……』と重い音を響かせて閉まった。
来た道を戻り、改めて事務室へと向かう。先程とは打って変わって軽いドアノブを捻ってドアを開けた。そこには――
「あら、黄泉先生!」
「遅刻だよ、先生。」
「黄泉先生やっほー。」
ハルト、アル、カヨコに加えてモモイたちゲーム開発部とハレたちヴェリタス、そして何故かエンジニア部のウタハがいた。
「やぁ黄泉先生。久しぶりだね。」
「……なぜお前がここに?」
「ハレに手伝ってほしいと言われてね。何やら重要な位置にエンジニア部がいるらしいじゃないか。」
そう言ってハレをチラリと見やった。その視線に気づいたハレが彼女の隣に立ち、話し始める。
「うん。生徒会から『鏡』を取り返すにはエンジニア部の参加が必要不可欠なんだ。」
話の内容からしてハレの頭には既にある程度の作戦ができているということか。とは言え、生徒会襲撃に首を突っ込むというのは――
「ハイリスクに対してリターンが皆無に思えるが。」
「まぁそうだろうね。だけど、ハレの話を聞いて考えてしまったんだ。『面白そうだな』……ってね。」
ウタハがドヤ顔をこちらに向けてくる。そういえばそうだった。コイツを含め、エンジニア部の生徒は常にロマンを感じているんだった。それも、アリスの武器であるレールガンを自力で作るくらいには。
ミレニアムプライスの件など聞きたいことはいろいろあるし、若干の呆れもあるが、ここからは共犯者として、よろしく頼むとしよう。
「2人いないけど……黄泉先生は来たし、改めて作戦内容を話そうか。」
ハルトがホワイトボードの前に立つ。黒のマーカーペンを手に取り、ボードに文字を書き始めた。
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――同時刻。
「その話、本当なんですか?」
「ええ、本当よ。」
ミレニアムサイエンススクールの屋上。リオがC&Cのメンバーを招集し、ゲーム開発部らによる生徒会襲撃の話を伝えていた。
黙って話を聞いていた3人のうち、アスナとアカネは驚いた表情を浮かべた。
「ゲーム開発部とヴェリタス、そしてシャーレ……。」
「生徒会襲撃って、なかなか思い切ってるねぇ。」
若干ため息交じりに感想を述べる2人。とは言え、彼女たちが100%勝てるというわけではない。なぜなら――
「リーダーいないのは痛いなぁ。」
C&Cのリーダーであるネルは現在、個人的な要因と言ってミレニアムの郊外に出ているのだ。
彼女の存在は多くの生徒に知られており、抑止力としてかなり大きな力を発揮する。そんな彼女が不在となると、あちらは「今が好機」と一気に攻めてくると考えられる。そして、さらに問題なのは――
「リオ会長。シャーレってことは、"あの人"もいるんだよね?」
「ええ、間違いなく黄泉先生も来るでしょうね。」
シャーレの先生、黄泉。彼を無視することはできない。
誰もがキヴォトス最強と認め、その戦闘能力はネルですら軽く凌駕する。彼女が苦戦する相手に自分たちが敵うのかと問われたら、どんなに首を縦に振りたくても、振ることを憚られる。
「……依頼成功率が下がるかもしれないね。」
カリンが静かに言う。無意味に建物を破壊する点を除けば、彼女たちの依頼成功率は100%とも言える。それを崩すのが、まさか黄泉先生になろうとは。
「別に黄泉先生に勝てとは言わないわ。依頼内容はさっきも言ったけど、約束の時間までゲーム開発部たちを差押品保管庫に近づけさせなければいいの。」
「……できるかなぁ?」
アスナはアカネとカリンへ視線を向ける。2人もまた不安そうな表情を浮かべるのだった。
守れと言われても、あの人ならひょいと攻撃を避けて突破しそうでもある。
「……確かに、黄泉先生は1番注意しておきたい人物よ。でも心配しないで。黄泉先生のことは彼女にお願いしてあるの。」
「彼女……?」
「C&Cの新しいメンバーよ。」
リオの言葉に驚愕する3人。新入部員はいないとばかり思っていた彼女たちにとって、リオの発言は驚く以外の選択肢がなかった。次の瞬間――
「こんにちは。」
『ガサッ』という音が響き、どこからともなくメイド服を着た少女が現れた。そしてその頭には葉っぱが1枚ついている。
「……ずっとそちらの木に隠れてたのですか?」
「はい。私はリオ様のボディーガードですので。」
トキはぱんぱんと服の汚れを軽く落とし、服の裾や髪に乱れがないかを確かめる。そして背筋をピンと伸ばし、アスナたちを視界に収めた。
「始めまして。コールサイン04 飛鳥馬トキと申します。」
ぺこりと頭を下げ、堂々と自己紹介するトキ。それに1番に反応したのはアスナだった。
「始めまして!私はアスナ!この子はカリンちゃんで、隣の子はアカネちゃんだよ!」
初対面にも関わらずグイッと距離を詰めるアスナ。これにはさすがのトキも若干困惑していた。
見かねたアカネがアスナの肩に手を置き、静止させる。
「アスナ先輩、少し落ち着いてください。トキさんが驚いてしまいます。」
「そんなこと言っちゃってー。ホントは後輩ちゃんができて嬉しいくせに!」
「それは……否定しませんが。」
図星を突かれたアカネは顔を背けて口をモゴモゴさせる。先輩であるネルとアスナ、同級生のカリンと、後輩がいなかったために少し寂しかったアカネ。内心はとても嬉しかった。
2人がよろしくやっている隙に、カリンがそっとトキに歩み寄る。彼女は真剣な表情でトキに質問をした。
「……黄泉先生は君が足止めするという話みたいだけど、大丈夫なの?」
「大丈夫です。この任務、必ず成功させてみせます。」
トキの表情に大きな変化は無いが、その声音は確かに覚悟を含んでいた。カリンは微笑み、手を差し伸べる。
「よろしくね、トキ。」
少しの沈黙の後、トキはその手をギュッと握った。
「……はい、よろしくお願いします。」
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作戦会議が終わる頃には、東の空が藍色に染まり始めていた。星も少しずつ見え始め、やがて全体が黒に覆われる。ここからミレニアムまでは距離があるため、日が完全に沈む前に終わらせることができて良かったと思う。
事務室の片付けを終わらせ、部屋の明かりを落とす。そして6人揃ってシャーレを出た。
「ではこれで失礼する。ムツキ、寝坊するなよ。」
「黄泉先生が起こしに来てくれたらパッと起きるよ。」
「……俺に『あと5分』は通用しないからな。」
「えっ、ホントに起こしに来てくれるの!?」
別れ際にそんな会話を交わす。前にカヨコから「ムツキは起きない時は本当に起きない」と聞いていたので、その時を明日にしたくないだけだったのだが……。まぁ、それでパッチリ起きてくれるのなら幾らでも起こしてやろう。
そうして互いに「さよなら」を伝えて背を向けた時、俺はあることを思い出した。そして即座に"彼女"を呼び止める。
「――すまない。アル、少しいいか?」
「私?」
振り返ったアルはきょとん顔をして自分を指さす。
「えっと……どうしたの?」
アルは少し不安そうに俺を見上げる。よもや怒られるとでも考えているのだろうか? 俺は彼女の不安を取り払うように声を抑えて尋ねる。
「……アル、お前は今回の作戦に参加するのか?」
「ええ、もちろん。」
即答だった。俺がわざわざ尋ねずとも、彼女は参加することを決意している。ならば、俺がとやかく言う必要はない。しかし――
「しかし……いいのか?」
無意識だった。それ以上踏み込む必要はなかったのに、俺の本能が彼女に質問をしていた。
「……お前は過去に、『悪を葬るために戦う』と言っていた。だが今回の相手は決して悪ではない。お前が決めた流儀に反すると俺は思うのだが。」
言ってしまったなら、もう止まれない。俺は己の迷いを質問に変えてアルにぶつけた。
彼女は既に選択しているのに、なぜ引き戻すようなことをしたのか。それは――
「先生の言う通りよ。」
アルは微笑みながら答えた。
「先生が言うように、私は『悪を葬るために戦う』って決めた。それは今でも変わらない。」
「でも、私もシャーレの部員。黄泉先生とハルト先生は、いつも困っている人を助けるために動いてる。なら、部員である私も誰かを助けるのは当然のことでしょう?」
「アウトローとしての生き方はちゃんと胸に刻んである。だから、安心して。」
アルの芯に通った答弁に、俺はつい笑ってしまう。始めから何も心配する必要などなかったのだ。
「……どうやら、俺の考えすぎだったらしい。」
「でも嬉しい。ちゃんと私の事を見てくれているのね。」
そう言ってアルは頬を少し赤くして、くすっと笑う。やはりこいつの根は超がつくほどの真面目だと改めて感じた。
この後ムツキが「私のことももっと見てよ」とニヤニヤしながら言ってきたので、「毎日のように見ている」と答えたら顔を赤くして黙った。
同じ職場で働いている以上、顔をいつも見ているのは当たり前のことなんだがな。他4人は気づいていたみたいだが、誰も真実を伝えなかった。
そして――翌日。
まだ月が空に残る早朝。
東の空がわずかに白みを帯び始めているが、街は今も闇に支配され、眠りの中にある。
ミレニアム校内もまた暗闇に沈み、異様な気配を放っていた。
"――みんな、準備はできてる?"
「もちろんよ。」
「できてる!」
『こっちも問題なし。』
ハルトの声に、それぞれが短く応じる。
緊張も迷いもない。この時を迎えるために、全員が覚悟を決めてここに立っている。
"まだ夜だけど、あちらは私たちの動きを察しているはず。油断だけはしないで。"
一瞬、通信の向こうで誰かが息を呑む音がした。
その静寂を切り裂くように――
"それじゃあ、作戦開始!"
ハルトの号令とともに、爆発音が轟いた。
つづく
先の展開は思いついているのに、今の展開に悩んでいます。そんなことよりカリンちゃんが可愛いすぎてやばいです(2回目)。
過去にプレイしていた時はあんまりだったんですけど、時が経つといろいろ変わるんですね。
次回 第七話 夜明けに響く号令