開拓者のみなさん、先生のみなさん、こんにちは。
今回からエデン条約編を執筆させていただきます。
全部で4章あるそうですが、一気に最後まで駆け抜けるつもりです。
長尺になりそうですが、何卒よろしくお願いいたします。
気高き学び舎の補習授業部
高く澄んだ空の下、白亜の校舎群が静かに佇んでいる。
尖塔は天を指し、回廊は幾何学の美しさをそのまま形にしたように連なり、磨き上げられた石畳は陽光を反射して淡く輝いていた。
ここはトリニティ総合学園。
信仰と気品、そして選ばれた才覚を持つ者だけが集う、キヴォトス屈指の名門校である。
建物に意志などあるはずもない。
それでもなお、この学園そのものが静かに語りかけてくる。
――ここに立つ者は、優雅であれ。
――ここに学ぶ者は、賢くあれ。
その無言の圧力は、門をくぐった瞬間から誰にでも平等に降り注いでいた。
無論、トリニティに所属する生徒たちはそれを深く理解している。
学業に励むことと、淑やかな振る舞いを心がけること。そのどちらもが、この学園の生徒である証なのだから。
だからこそ――そのどちらかを欠いた者の存在は、嫌でも目立ってしまうのだ。
「ああ、もう嫌っ!」
澄んだ光が差し込む静謐な教室に、似つかわしくない叫び声が響いた。
その声には『怒り』というよりも、行き場を失った『恨み』が滲んでいる。
桃色の髪に小さな黒い翼を揺らしながら詰め寄る少女――下江コハル。
補習授業部の教室の中央で、彼女は一人の大人に詰め寄っていた。
「やってらんない! 分かんない! つまんない! めんどくさい! それもこれも、全部先生のせい!」
“ええ……?”
突然矛先を向けられたシャーレの先生――桐山ハルトは、ただ困惑するしかない。
少し時間が経ったとはいえ、今日が彼女との初対面だ。逆恨みにしても理屈が通らない。
「コハルちゃん、先生は私たちを助けるために来てくださったんですよ。こうなったのも、コハルちゃん自身のせいではありませんか?」
興奮するコハルを落ち着かせようと前に出たのは、ピンク色の髪に白いセーラー服を纏った少女――浦和ハナコ。
正論を突きつけられたコハルは返す言葉もなく、一歩後退る。かと思えば――
「私は正義実現委員会の一員だから! それで、授業に出られないことが多くて……!」
あまりに苦しすぎる言い訳。
コハルのそんな言い訳に、別の少女が正論を突きつけた。
「それは他の正義実現委員会のメンバーも同じだ。でも、ここにいるのはコハルだけ。」
そう話すのは、白髪に紫の髪飾りを着けた白州アズサ。
窓側の壁に寄りかかり、静かにコハルを見つめていた。
「つまりアズサちゃんが言おうとしているのは、ただただコハルちゃんがおバカさんだからですよ、ということで合ってますか?」
「まぁ、それも間違っていない。仕方ないものは仕方ない、人生は往々にして虚しいものだ。」
「人生は苦痛の連続ですからね……。」
謎に意気投合するアズサとハナコ。互いに「うんうん」と相槌を打っていると、コハルが叫んだ。
「ああもう、うるさいなぁ!? そんなこと言ったらあんたたちもみんな一緒じゃん! 私がバカならここにいる全員バカでしょバーカ!!!」
とてもお嬢様学校に所属する生徒の発言とは思えない口の悪さ。
だが――正論ではあった。
「み、みなさん落ち着いて……。」
何とか場を収めようと恐る恐る声をかけるのは、阿慈谷ヒフミ。この4人の中で、唯一ハルトと面識のある生徒だ。
そんな騒がしい空気から一歩引いた場所で、ハルトは静かに教卓の椅子に腰掛けていた。
叱責も、言い合いも、止めに入る様子も見せず、ただ教室全体を見渡している。
やがて視線は、机の上に置かれた書類へと落ちた。そこに並んでいるのは、この補習授業部に集められた4人の生徒の名前。
……どうして、自分がここに呼ばれたのか。
改めてその理由を思い返しながら、小さく息を吐いた。
時間は――1時間前に遡る。
高い天井を支える白亜の柱が、等間隔に並んでいる。
壁はない。だが、外の景色が見えるわけでもなかった。
柱の外側には中庭が広がっているはずだが、視線は巧妙に遮られ、ここは外界から切り離された空間のように感じられる。
屋外の回廊に似ていながら、風もなく、音もなく、ただ静寂だけが支配していた。
その中央に置かれているのは、場違いなほど巨大な長方形のテーブル。
磨き上げられた白い天板は、向かい合う者同士の距離を嫌でも意識させる。
その奥に座るのは――
淡い灰色の髪と、純白の翼。
まるで景色と一体化しているかのように、最初からそこが彼女の玉座であるかのように見える。
少女に促され、ハルトはそっと席に座る。近くに立っていた生徒の1人が、ハルトのカップに紅茶を注いだ。
「本日はお越しいただき、ありがとうございます。ハルト先生。」
目の前に座る少女は微笑みを浮かべている。だがその瞳は、相手のすべてを測ろうとする観察者のように見えた。
しかしハルトは怖じけることなく軽く話を始める。
"君が「今の」トリニティの生徒会長……でいいのかな?"
「はい。ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサです。」
ハルトが "今の" と発言したのには理由がある。
トリニティ総合学園は3つの学園が統合したことによってできた学園。統合前の各学園の意志は全く異なり、争いも絶えなかった。
そこで各学園の代表が集まり、開いた催しこそが『ティーパーティー』。
学園が統合された後、不平等がないように交代でホストを務める事となった。
今でこそ学園ごとの対立は無いが、ある種の伝統とも言える。
「ここにはいらっしゃりませんが、ティーパーティーには美園ミカさんと百合園セイアさんがいます。」
"そうなんだ。ちなみに、2人はどこにいるの?"
それは詮索ではなく、ただ素直な興味から出た問いだった。
「現在の状況となるとミカさんは存じ上げませんが……。」
ナギサは一瞬だけ言葉を選ぶように視線を伏せた。
異変を感じたハルトだったが、気づくのが遅かった。
「セイアさんは、入院中でして……。」
刹那、ハルトは「やってしまった」と己を責めた。
相手は高校生とは言え、まだまだ精神は幼い。ましてや友人が入院していることを口にするのも、憚られることだろう。
「元より身体の弱い方なのです。彼女もハルト先生にお会いできることを楽しみにしていたはずです。」
"そっか……。ごめんね、ナギサさんからの口から辛いことを言わせちゃって……。"
「お優しいのですね。私は大丈夫です。どうか先生も気に病まないでください。」
ナギサは笑顔をハルトに向ける。
それは無理やり作ったものではなく、確かに彼女本来の笑顔だった。
ハルトはホッと胸を撫で下ろす。
あまり互いの状況を知らないとはいえ、場合によっては最悪の初対面になるところだった。
そうならなかったのは――きっと、彼女が多くを背負う立場の人間だったからだろう。
ナギサはカップに注がれた紅茶を一口運び、改まった様子でハルトの目を見据えた。
「今回私がハルト先生たちにお願いしたいことは簡単なことです。しかし、とても重要なことでもあります。」
そう話すナギサの声は少しだけ低かった。
その声を当てられ、ハルトは無意識に椅子を座り直した。
「補習授業部の、顧問になっていただきたいのです。」
"……補習授業部?"
「はい。先生にはぜひ、落第の危機に陥っている生徒を救っていただきたいのです。」
言葉だけ聞けば単純な依頼だ。だが、その重さはすぐに理解できた。
要は、落第寸前の生徒たちを進級まで導くこと。
しかし相手によっては勉強そのものを拒絶する者もいるだろう。
ナギサは続ける。
「トリニティ総合学園は昔から『文武両道』を掲げる伝統、歴史ある学園です。それなのにあろうことか……よりによってこの時期に、成績の振るわない方が4名もいらっしゃって……。」
そう言ってため息をつく。そのため息は『呆れ』よりも『疲れ』が勝っているように見えた。
というのも、現在ティーパーティーはある催しのために引っ切り無しに動いていた。その催しこそ――
"『エデン条約調印式』……。"
「はい……。」
ハルトの言葉にナギサは小さく答えた。
エデン条約。
それは、トリニティとゲヘナの間にある敵対関係に終止符を打つもの。互いに集積していった憎悪を解消し、新たな信頼を築くためのプロセス。
かつて連邦生徒会長が提示したこの条約は、連邦生徒会長の失踪をきっかけに破談となってしまっていた。
それから少しの時を経て、トリニティとゲヘナは歩み寄ろうとしている。
当然、ナギサとしては何としても結びたい条約。たとえ形式だけだとしても、事実が消えることはない。
そんな時に現れた、落第の危機にある4人の生徒。
エデン条約に集中したいティーパーティーにとってはまさに、目の上の瘤であった。
「そこで、ぜひ『先生』の力をお借りしたいと思いまして、こうしてお呼びしたのです。」
シャーレには毎日、大小さまざまな依頼が舞い込む。
キヴォトス各地で起きる騒動の仲裁から、迷い猫の捜索、果てはちょっとした荷物の配達まで。
一部例外はいるものの、その働きぶりは万事屋と呼んで差し支えなかった。
『先生』とは、ただ知識を教える者ではない。
少しだけ先を歩き、道を踏み外しそうな生徒がいれば手を伸ばし、引き戻す者のことだ。
ましてやここは大学ではなく高校。本来なら、誰もが当たり前のように次の学年へ進める場所。
それでもなお、落第という道に近づいてしまった生徒がいるのなら――放っておけるはずがなかった。
「どうか彼女たちのためにも、引き受けていただけないでしょうか。」
そうナギサが話すよりも早く、ハルトは結論を出していた。
"もちろん、引き受けさせてもらうよ。 頼りないところがあるかもだけど、私も先生だからね。"
「……ふふっ。ありがとうございます。」
ナギサは微笑み、ゆっくりと頭を下げる。
その所作はどこまでも優雅で、非の打ちどころがなかった。
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『補習授業部』とは即席の部活である。
今回のように落第する可能性がある生徒や、出席日数が足りない生徒を救済するといった特殊な場合にのみ創設される。
言ってしまえば、よほどのことがない限り創設されない部活。そこに加入させられたということは、もう後に引けない状況にあるということを示している。
つまり、今この教室にいる4人は全員が崖っぷちに立たされているのである。
当然ながら、彼女たちは今すぐにでも勉強に取りかからなければいけないのだが……。
「落ち着いてなんかいられないわよ! みんな仲良く退学になりそうな、こんな状況で……!」
人はいきなり崖っぷちに立たされると、状況整理と思考が追いつかず、パニックになってしまう。
現にコハルがそうである。
「それでもし、た、退学になったら……!」
このように、どうしてもネガティブな感情しか出てこなくなる。
見れば、彼女の瞳は文字通りぐるぐる回っていて、焦点が合っていない。
そんな中、ヒフミがコハルのもとへ歩み寄った。
「こ、こうして集まっているのは、そもそも退学せずに済むようにするためです。」
ヒフミはヒフミで緊張しているのか、若干声が震えているが、その声には確かな決意が見えていた。
「とりあえず、今はみんなで知恵を寄せ合って、方法を探しましょう!」
勉強と言っても流れ作業なような方法では頭に入らない。加えて、与えられた猶予は短い。何としても効率の良い勉強方法を探さねば。
「『知恵を寄せ合う』……なるほど。」
黙って話を聞いていたハナコが、顎に右手を当てて唸る様子を見せた。
「悪くはないのですが、あまりグッとくる感じではありませんね?」
「……はい?」
「例えば……『弱くて敏感な部分を寄せ合う』という形でいかがでしょう?」
言葉の意味が分からず、ヒフミとアズサは揃って首を傾げた。
しかし、その言葉を唯一理解していた者がいた。
「い、いきなり何言ってんの!? 下ネタはダメ!禁止! 死刑! び、敏感な部分って、何を、どう寄せ合おうってわけ!?」
コハルである。
彼女は突如顔を真っ赤にし、そんなことを叫び始めた。
「分かりにくかったですか? では、実際にやってみせましょうか。」
ハナコは舌を出し、ペロリと上唇を拭う。
刹那、コハルの背中に冷たいものが走った。
ゆっくりと、ハナコが歩み寄る。その目はまさに捕食者以外の何者でもなかった。
「ま、待って! 近づかないで!」
コハルが叫ぶが、スイッチが入ったハナコには一切聞こえていない。
一方のハルトたち3人はこの状況が飲み込めず、声が出ない。
教室の壁に追いやられたコハル。逃げ場を無くした彼女のもとへ、ハナコの手が伸びていった。
「いやっ……!いやぁ……っ!」
ハナコの手がコハルの頬に触れようとしていた、その時。
――ガチャ……
教室の扉が、ゆっくりと開いた。
次の瞬間、不思議なことが起きた。
誰かが止めたわけでもないのに、声も、動きも、ぴたりと止まった。
ハナコの指はコハルに触れる寸前で、止まっていた。
理由は単純だった。
そこに立っていたのが、“場の空気を支配する側の人間” だったから。
その男の名は、黄泉。
キヴォトス最強と謳われる『先生』である。
黄泉が静かに教室を見渡す。
鋭い視線でも、怒気を孕んでいるわけでもない。
ただそれだけで、この場の喧騒は“許容範囲を超えている”と理解させる圧があった。
「廊下まで声が響いていたが……」
低く、よく通る声が落ちる。
「よほど余裕らしいな。」
叱責ではない。皮肉でもない。
ただ事実を述べただけの声音。
それなのに、先ほどまで騒いでいたコハルはびくりと肩を震わせ、
ハナコは思わず姿勢を正し、
アズサは一歩後退り、
ヒフミは冷や汗を一筋流した。
「……ハルト、本来であればお前が一番に止めなければかならない立場の人間だ。」
"す、すみませんでした……。"
ハルトは反射的に背筋を伸ばし、頭を下げた。
いきなりわけのわからないことをし始めたハナコとコハルが一番に悪いが、止めようとしなかった自分にも非があると理解し、素直に謝罪した。
「分かったならいい。」
黄泉はそれ以上責めず、小さく息を吐く。
「……とりあえず、適当な場所に座れ。」
その声に当てられ、ヒフミたちは慌てて近くの席に着席した。
もう一度言うが、その声に怒気は無い。
だが、そう受け取ってしまうほどに低く、冷たく感じた。
見るからにスパルタな先生。
いったい今から何が始まるのかと、震え、怯えていた。
だが――
「さっさと自己紹介を済ませるぞ。ヒフミ、お前からだ。」
「「「「……え?」」」」
先ほどまでの緊張を裏切るような指示に、ヒフミたちは数秒、思考を止めたのだった。
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自己紹介というのは、緊張を緩和するための行為、いわゆるアイスブレイクをするために存在している。
これからを共に過ごす仲間と交わす会話の一歩を踏み出すためのものだ。
実際、登場のインパクトが強かった黄泉が始めた自己紹介により、教室の空気は幾分か落ち着いた。
黄泉とハルトの自己紹介が終わったところで、黄泉はヒフミたち4人の情報が書かれた名簿を手に取った。
そして――
「……阿慈谷ヒフミ。試験を未受験。」
「う……!?」
「白州アズサ。転校による授業進度に追いつけず、赤点。」
「………。」
「下江コハル。飛び級のために2年の試験を複数回受け、赤点。」
「……っ。」
「浦和ハナコ。単純に学力不足で赤点。」
「………。」
黄泉は名簿に載っていることを読み上げているに過ぎない。しかし、教室の空気は確かに冷えていった。
"よ、黄泉先生……?"
隣で黙っていたハルトは、黄泉が何をしたいのか分からず、名前を呼ぶ。
それに気づいた黄泉はハルトに視線を向け、すぐにヒフミたちの方を向いた。
その目は確かに、『俺に任せろ』と言っていた。
ハルトはそれを信じ、黙って前を向く。
「今、俺がお前たちの補習授業部加入理由を述べたのは、現状を理解してもらうためだ。……まぁ、よく分からん理由も見られたがな。」
「そのうえで聞きたい。お前たちは――本当に進級したいのか?」
教室が静まり返る。
しかし、誰もすぐには答えられない。
それほどまでに、その問いは重かった。
「戦場ばかりを駆ける俺だが、他の学校へ転入する話は幾らでも耳にする。」
「仮に補習授業部として試験に挑んだ結果、力及ばず留年、もしくは退学の烙印を押されるくらいなら――自ら別の学校に移るという道を選ぶ方が賢い場合もある。」
その言葉に、4人は顔を上げた。
逃げ道を示されたはずなのに、胸の奥が妙にざわつく。
手放してもいいと言われたからこそ、逆に――手放したくないものがはっきりした。
黄泉は急かさない。ただ静かに待っている。
答えを与える気など最初からない、選ぶのはお前たちだと言わんばかりに。
「それでも尚、お前たちはここで学びたいのか?」
その問いの答えは、すでに決まっていた。
「元から転校の考えはない。揃って合格するだけだ。」
「そうよ!絶対に合格して、こんな教室とはおさらばしてやるんだから!」
「私はここの雰囲気が好きなので、離れたくありませんし……。」
「ここで学校生活を送りたくて来たんですから!途中で諦めるわけにはいきません!」
先ほどまでの冷えた空気はどこへやら。教室はあっという間に熱気に包まれた。
先ほどまで重かった空気が嘘のように軽い。
それぞれが口にした思い。それは間違いなく彼女たちの本音だった。
それを受けて、黄泉は呟いた。
「――上等だ。」
隣でその様子を見ていたハルトは、無意識のうちに拳を握っていた。
まだまだ黄泉には届かない。
だからこそ――いつか必ず追いつきたいと、強く思った。
街が寝静まった夜。
トリニティ自治区の端にある廃ビル。そこに、月夜に照らされ、伸びる影があった。
影は周囲に誰もいないことを入念に確認し、どこかへ通信を飛ばす。
『私だ。』
返ってきた声はあまりにも低く、まるで生気を吸い取られたかのようだった。
「定期連絡。こちらは以前問題なし。」
『了解。くれぐれもバレてくれるなよ。』
「分かっている。」
影が通信を切ろうとした、その時。
『……待て。1つ、聞かせろ。』
声の主が言った。
『奴は…… "ノックス" はどうしていた?』
影は一瞬言葉を失う。
やがて小さく息を吸い、答えた。
「……元気そうだった。」
『そうか。』
刹那、通信の向こうで何かが砕ける音が聞こえた。呼吸は少し荒く、憤りが滲んでいる。
そこからしばらくして、声の主は最後の伝言を伝えた。
『……次は直接会おう。座標はまた連絡する。』
「了解。」
それだけを答え、影は通信を切る。
月光だけが、静かに廃ビルの屋上を照らしていた。
視線はまだ宙を泳ぐ。確かな敵意を背に、影は次に起こる事態を想定し、静かに呼吸を整えた。
続く
ただでさえ複雑なストーリーに、オリジナル展開を加えるとなると頭がバグりそうになるんですが、頑張ります。
そして、黄泉先生が発破をかけたおかげでみんなのやる気が原作以上に……。笑
これはこれでよかったのかも?
改めて、エデン条約編、よろしくお願いします。