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今回は繋ぎ回ですわ。
あ、アンケート投票の方ありがとうございます。
設定資料、結構乱雑に書いてるので形とか整えて最低限読めるようにしたら投稿したいと思いますわ。
闇派閥との大抗争から半年程が経ち、迷宮都市オラリオは長く続いた暗黒期が終わった事を噛み締めるかのように、何処もかしこも明るい雰囲気に包まれていた。
都市が暗黒期で受けた傷は深く、大切な誰かを喪った人も多い。都市が以前のような姿を取り戻すには年単位の月日が必要になるが、都市の住民や冒険者たちは毎日笑顔を浮かべ復興作業に取り組み、半年間の復興作業で急ぎで再建をしなくてはならなかった部分にも終わりが見え、少しだけ余裕が出て来た頃。
とある招待状がアイルーにより届けられた。
その招待状が届けられたのは大抗争で改めて都市二大派閥に相応しい活躍を見せたロキ・ファミリアとフレイヤ・ファミリアではなく、邪神エレボスの企みを見事に防ぎ大きく名を上げたアストレア・ファミリアであった。
アストレア・ファミリアの主神である女神アストレアは、ホームに届いた招待状に目を通すと顔を真っ青に染め尋常じゃない量の冷や汗を流した。
恐慌一歩手前のような主神の姿に眷属たちが心配し声をかけるが、アストレアに眷属たちを気にする余裕はなく、普段のお淑やかなアストレアからは考えられない程強い口調でロキ・ファミリアの主神ロキと副団長のリヴェリア、幹部のガレス。フレイヤ・ファミリアの主神フレイヤと団長のオッタルを何としてもホームに連れて来るよう眷属たちに指示を出すと、色々と限界だったらしくパタリと気絶したのであった。
気絶し床へ倒れたアストレアの手から離れた招待状には「都市の復興で忙しいのは理解出来るが、もう都市の復興も落ち着いた頃だろうし、いい加減顔を出せ」という内容が至極丁寧な言葉で書かれていた。
「おうおう、この忙しいうちとフレイヤを呼び出すとは随分と偉くなったもんやなアス―――」
あまり好いてはいないアストレアからの強引な呼び出しに嫌味の一つでも言わないと気が済まないという態度のロキだったが、いまにも送還されそうなくらい憔悴したアストレアの顔を見て思わず言葉を失くした。
「貴女、本当に大丈夫?」
ロキに続きアストレア・ファミリアのホームにある応接室に入って来たフレイヤも、アストレアのあまりの顔色に思わず声をかける。
「………えぇ。とりあえず座って頂戴」
ロキとフレイヤに続き部屋へと入って来たアストレアが呼び出したリヴェリア、ガレス、オッタル。それと、ロキ・ファミリア団長であるフィン、フレイヤ・ファミリア幹部である『
一体何があったのかとアストレアを横目で見ながら席に着いたロキの眷属たちと、フレイヤの護衛なのでと断ろうとしたオッタルとヘディンであったが「とても、とても大事な話なの。だからお願い、座って頂戴」という懇願は流石に無下に出来ず、フレイヤからの許可もあり席に着いた。
アストレアの様子に困惑を隠せない客人たちに紅茶を配膳していくアリーゼと輝夜も、ここまで憔悴した姿を外部の者に晒す主神の姿を心配そうに見つめながらも配膳を終えた後は部屋の隅に移動し待機していた。
「急に呼び出してしまって、ごめんなさい」
眷属が出した紅茶で喉を濡らすと、始めにアストレアは謝罪の言葉を口にした。
「まず、前提のすり合わせとして確認をしたいのだけど……ロキとフレイヤは、半年前の大抗争の最終決戦とも言える18階層の出来事を、眷属からどの程度聞いているかしら?」
アストレアの言葉に顔を見合わせるロキとフレイヤ。この場の眷属で半年前の決戦時に18階層にいなかったフィンとヘディンの2人。フィンは何があったのか知っている様子だったが、ヘディンはどういう意味なのかわからず眉間にしわを寄せていた。
「うちはリヴェリアママにガレス、それにアイズたんから何があったのかは聞いとる。それは現場にオッタルがおったフレイヤも同じやろ」
フレイヤが何も言う気はないと察したロキが肩をすくめ応える。
「『静寂』と『暴食』の2人と決着つけ行ったら、真っ白ででっかくてアホ程強いドラゴンが現れてみーんな手も足も出ずに蹂躙されたけど誰も殺されませんでした。しかも、負った怪我は見たことない格好のアイルーに治療されましたとか、こんなん誰も信じへんと思うけどな」
ロキから語られた余りにも荒唐無稽な話にこの場で唯一詳細を知らされていなかったヘディンが口を開け茫然とする。
仮にも都市の最高戦力であるオッタルを含めたメンバーが正体不明のモンスターに何も出来ず敗北したなどと正直に報告出来るはずもなく、地上に戻る際にエレボスから「ザルドとアルフィアの2人は戦いの果てに死亡した。そして俺は捕まった。それでいいだろう?」という言葉に頷くほかなかったので、あの時の真実を知るのは実際に現場にいた者を除けばごく僅かである。
「そう。なら、もっと信じられない話をするわ」
アストレアが話すのは白き龍に皆が敗北した後、白き龍が少女の姿へと変わったこと。
エレボスを送還する直前に僅かながら2人きりで話す時間があり、その際に少女の手によってエレボスの立てた計画はズタズタにされ、ザルドとアルフィアを無理矢理治療した。その後は逆らう事を許されず協力させられていたことなどが語られたのだ。
今日までアストレアが真実を誰にも話せなかったのは、エレボスから語られた情報が暗黒期を越えたばかりのオラリオにとっては劇物でしかなく、誰に相談していいのかすらわからなかったこと。
大抗争を終えたばかりで苦しい日々を過ごす民衆を放っておくことが出来ず、復興作業に精力的に協力していたことなどもあったからだ。
正直に言えば、1柱で抱えるにはこれらの情報はあまりにも負担が大きく、復興作業に没頭することで考えなくていい環境に逃げていたとも言えるが……これは仕方がないであろう。
アストレアより知っていることが少ないとはいえ、白き龍の事を知るロキやフレイヤがアストレアに接触しなかったこともあって、今日まで表に出ることがなく、アストレアのストレスだけが増えていったとも言える。
こんな情報を渡すだけ渡して、素直に天界へ送還されたエレボスに中指を立ててやりたいと思ったことは一度ではないのだから、アストレアが抱えていたストレスは相当なものであったであろう。
「――――――――――――」
アストレアから語られた内容に、誰も何も言えなかった。
ロキとフレイヤはもちろん、他の5人もアストレアがこのような嘘をつく神物ではないと知っている。
だからこそ、疑問であった。
アストレアは、何故ここまで憔悴しているのか?
確かに、真実を口に出せない苦悩はあったであろう。しかし、それだけなら急遽自分たちを強引に呼び出す理由にはならない。
現に、ここにいる眷属たちの何人かは昨日まで民衆に混じり復興作業を行うアストレアの姿を見ているのだから。
「神アストレア」
おもむろに口を開いたのはロキ・ファミリア団長のフィンであった。『勇者』の二つ名を与えられている自分がこの場で率先して尋ねるべきだと覚悟し、アストレアに問いかける。
「一体、何があってそのように憔悴されているのですか?」
フィンの言葉にアストレアは力なく笑い、こう答えた。
―――その白い龍の少女からね、招待状が届いたのよ。
エレボスの「招待するとかどうせ冗談だから放っておけ」という言葉を素直に信じてしまった事をこんなに後悔するとは思ってもいなかった。
いつか天界に戻ったときには、エレボスだけは絶対に許さない。
嫌な現実から逃げるように、アストレアは密かに昏い決意を固めていた。
「ねぇ、アルフィア」
「なんだ」
「どうして、ザルドはボロ雑巾みたいになって転がっているのかしら?」
「…………………知らん」
「ふぅん。なら、いいわ」
「…………………あぁ」
「ところで、改宗する相手は決めたの?」
「フレイヤ以外だ。ロキは…………本当に嫌だが、最悪はロキだ」
「アストレアは?」
「候補には上がっているが、私は正義など心底どうでもいいからな」
「まぁ仕事に支障を出さなければ、誰が貴女とザルドの神になっても私は別にいいのだけどね」
「そうそう。お客様の迎えには貴女が行きなさい」
「文句言わない。ザルドに行かせるつもりだったのに、いい歳した大人が「自分より先にザルドが甥っ子に会った」なんて理由で八つ当たりするのだもの」
「自業自得よ。装備はこちらで用意してあげるから、準備出来次第オラリオへ向かいなさい」
「私?勿論、おもてなしの準備よ。ホストなのだから当然でしょ?」
「ふふっ、どんな反応をしてくれるかしら……楽しみだわ」
Q.なんでアイズはこの場に呼ばれてないの?
A.呼んでも役に立たないから。
Q.なんでヘディンおるん?
A.たまたま今日はフレイヤの傍仕えしてたからついて来た。
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メモ代わりに書いてる『祖龍ちゃんダンジョン(仮)』設定資料あるけど、読みたい方います?
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設定資料とか読んでみたい
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別に気にならないから大丈夫