巣作り古龍   作:むつきばな

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久しぶりの投稿だったのに感想いっぱい貰えて嬉しいですわ。

感想で沢山出て来てたけど祖龍ちゃんは姉を名乗る不審者じゃないよ、前世が男だったから男心をときめかせるポイントを理解出来てて……ちょっとそれを悪用してるだけだよ。

だから、お前も弟(妹)だとかってシスターパンチはしてこないよ。相手が死んじゃうからね。



建物が出来ていく光景は見てて楽しい

 

「うんうん。建物も出来て来たし、中々いい感じに町っぽくなってきたわね」

 

この調子なら数ヶ月以内に本格的にハンターズギルドの稼働が出来そうな感じかな?外周部にはオラリオほどじゃないけどそこそこ高い壁も出来てきているし、何にもない草原だったのにすっかり景色が変わってきたね。

 

「…………なんで、いるのよ」

 

るんるん気分で散歩をしていると、視察で此処を訪れていたっぽい眼帯美人の鍛冶の神であるヘファイストスが頭を抱えて嘆いていた。

 

私のダンジョンの上に造られる施設なのだから進捗状況の確認くらいはしてるよ?ハンターズギルドで働く予定のアイルーたちも「自分の手で働く場所が作れるにゃー」って、張り切って建築とか手伝ってるし。

 

「あら、いいじゃない別に。ハンターズギルドの設計や町の区間整理には私も口を出しているし、建築工事がやり易いように土地の改良とかもしたのよ?」

 

他にも町に必要な水源の確保するために地下水脈を弄って町から少し離れた場所にアイルーと一緒に池を掘ったり、そこから水路を引いて町に上下水道を整備してロログ湖の方へ排水が流れるように川を作ったりと、神を名乗る不審者から貰った権能を使って環境破壊をしないように配慮しながら私もバリバリ協力しているんだぞ。

 

こっそり温泉の源泉だって用意してる。元日本人の私としては広いお風呂にたまに入りたくなるのでアイルーたちに湯屋の建築だってお願いしてるし。

 

前世のゲームで勇者の子孫の1人として荒廃した世界を再興すべく物作りや町造りをして来た経験が生きたね。ゲーム会社もリアル町造りの参考になるとか予想もしてなかったと思うけど。

 

「あ、あの神ヘファイストス。その娘は一体?」

 

と、ヘファイストスの護衛をしているっぽい冒険者の女性2人のうち年上の方から声がかかる。

 

何となく見覚えがある2人だけど、ヘファイストスの眷属っぽくはないかな?ヘファイストスの眷属なら此処の視察をしているヘファイストスに付き合うより鍛冶場で鍛錬してそうだし。

 

「シャクティ。この娘については気にしないであげて……アーディもね」

 

諦めたように疲れた感じの声を返すヘファイストスだけど、その反応はちょっと酷くない?私、ヘファイストスにはそんな迷惑をかけてないはずだよ。

 

アルフィアがオッタルに八つ当たりして迷惑をかけたフレイヤや、前に招待した際に古龍という存在を知ってしまったせいでうちのダンジョンにばかり潜りたがるアイズを抑えてるロキとかには申し訳ないなぁとはちょっと思うけど。

 

ロキ・ファミリアなどの大手探索系ファミリアはオラリオのダンジョンへ定期的にファミリアとして遠征をしなきゃいけないというギルドからの強制依頼があるけど、うちのダンジョンは強制依頼の対象じゃないからね。

 

ハンターズギルドが稼働していない今だと採取した素材もオラリオまで持って帰らなきゃいけないし、オラリオのダンジョンに潜って、更にうちのダンジョンにも潜るってのは中々難しいよね。

 

そういえば、この間これオラリオで使えそう?ってゴブニュとヘファイストスにスリンガーの試作品やG級で採れる鉱物を幾つか送り付けたけど、あれが迷惑だったのかな?でも、鍛冶師なら未知の鉱物とか普通は逆に喜ぶでしょ。

 

しかし、シャクティとアーディってことはガネーシャ・ファミリアの眷属か。この娘たちとはそのうち顔を合わせておきたかったんだよね。

 

ハンターズギルドの治安維持にはガネーシャ・ファミリアにも協力して貰う予定だし、オラリオに派遣されてたアイルーたちからガネーシャ・ファミリアに助けられたり、最近ではアイルーキッチンの方でもお世話になったって話をしてくれる子が何匹もいたからね。

 

「貴女たちがシャクティとアーディなのね。オラリオにいるアイルーたちがいつもお世話になっているわ」

 

にっこりと微笑んでお礼を言ったらアーディは笑顔を返してくれたけど、シャクティには不審者を見る眼でちょっと警戒されたよ。解せぬ。

 

流石に普段の白いドレスで建築現場を出歩くと目立つだろうから地味な色のローブをドレスの上から羽織っているというのに、マッシロシロスケな美少女が1人で建築現場を歩いてる時点で不審者?それは、そう。

 

「そうだ、せっかくだし時間があるならお茶会に付き合っていただけないかしら?」

 

最近ちょっと暇なのよね。ダンジョンの調整はちょこちょこしてるけど、最近はダンジョンの環境も落ち着いていて特に急ぎで調整しなきゃいけない所はないし。

 

セレニアはヴィーザルやファミリアの仲間たちと無事に再会して色々と話をし改宗の許可を貰ったあとダンジョンに戻ってきたが、もっと強くなりたいし見聞も広げたいとの事でアストレアに改宗をして貰いアストレア・ファミリアと一緒に旅に出ている。

 

そのまま正式にアストレアの眷属となるかはまだ不明らしいが、ベート・ローガを支えられる、むしろベート・ローガを守護出来るくらい強くなってみせると意気込んでいた。

 

アルフィアはダンジョンを出て甥っ子のベル君を可愛がりながらセクハラ爺のゼウスをシバキ倒す毎日を過ごしているみたいで、最近は家事全般が壊滅的に苦手なアルフィアの補助として連れて行かせたアイルーのメルアから少しずつ家事を学んでいると手紙に書いてあった。

 

アルフィアってば甥っ子と一緒に暮らすんだーってあんなに騒いでたのに、出発直前になって家事が壊滅的なのが発覚したんだよね。簡素な農村に戦う以外に何の役にも立たないLv.8が行ってもタダ飯食らいになるだけだからせめて畑仕事や家事の練習をしろってなったのだけど……結局は色々と不足していたので、仕方なく家事や農作業も出来るアイルーのメルアを連れて行かせることにした。

 

アイルーを連れて行く必要はないと言い切るアルフィアに、育ち盛りの時期であるベル君に栄養バランスの取れたまともな飯を食わせてやりたいからと特にザルドが強くアルフィアを説得していたからね。

 

「あいつの息子だがまだ幼いベルはともかく、()()()()()()()アルフィアが一緒に住むとなるとゼウスの爺が間違いなくいらん事をして毎日のようにゴスぺられるぞ。ゼウスの爺の自業自得とはいえ、家庭内が魔法の飛び交う老人虐待の場になるんだ、ベルの癒しとしてもアイルーは必要だろう」

 

ザルドの言い分に納得するしかなかったのでアルフィアの説得を私も手伝った。

 

ベル君は原作主人公だからね。この世界だとどうなるかわからないけど、将来私を楽しませてくれるかも知れないので今は健やかに育って欲しい。

 

そして、ザルドはオラリオにオープンしたアイルーキッチンのスタッフの1人としてオラリオで料理の腕を振るっている。

 

開店当初のバタバタ運営が落ち着いたらダンジョンに戻って来るとは言ってたけど、アイルーが暗黒期で増えた孤児とかをよく拾ってくるから仕方なく孤児院みたいのを併設したとか定期報告にあったので……極端な赤字にならない限りは好きにやっていいとは伝えたけど、この様子だと落ち着くのは大分先な気がする。

 

そんな訳で、アイルーやモリバー以外が揃ってダンジョンから出払っていて少しばかり暇を持て余している私に遭遇してしまった自分の不運を嘆いて欲しい。ちなみに、拒否権はないよ。

 

何かを察したヘファイストスの顔が少しばかり引き攣っているが、ダンジョンのプライベート階層に招待してお話しながらお茶を飲んでお菓子を食べるくらいだよ。別に酷い事とかは何もしないよ?

 

そんな訳で、ヘファイストスとアーディの腕を捕まえてダンジョンへ向かって歩いていく。シャクティ?この1人と1柱を私が捕まえて歩き出したから慌ててついて来てくれたよ。

 

まぁ、プライベート階層に転移した辺りで2人と1柱が宇宙の真理を知ってしまった猫のような顔になってしまったり。ちょっと立ち直ってから始まったお茶会で私がこのダンジョンの主であり、黒竜を簡単に倒せる存在だと自己紹介したら神話生物を目撃してSAN値チェックに失敗した探索者のような顔になってしまったけど、お茶会を終えて帰る頃にはシャクティはぎこちなさが残ってたけどアーディとは仲良くなれたし、ガネーシャへのお土産も持たせたから大丈夫でしょ。

 

ヘファイストス?途中から鍛冶師のアイルーと情報交換してたよ。現実逃避していたとも言うけど、まぁ……楽しそうに話していたみたいだからいいんじゃないかな。

 

 





※ちょっとしたおまけ※

「おい」

「何か用かしらアルフィア?」

「あのアイルーはメルアという名前を付けたのは……」

「私よ。可愛い名前でしょ?」

「………………」

「白が交じった灰色の毛並みに翠と蒼のオッドアイ。ピッタリな名前かなって」

「……………………」

「大切にしなさい。アイルーを連れて行くように貴女を説得したのは私とザルドだけど。貴女について行きたい、お手伝いがしたいと、メルアは自分から希望したのよ」

「…………………………あぁ」



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