二切れの肉をかけた戦いは夕飯前に行われた。
「よく来たねアルトリア、君はてっきりこの戦いから逃げると思っていたよ。何せ今回は貴重な肉がかかってるのだからね。負ける可能性があるんだ、二切れ渡すくらいなら5枚を保持したいってね。まあ、ここに来た時点で君は三切れになってしまうんだ。せいぜいその三切れをじっくり味わうことだ。」
「御託は結構ですラグネル、それにあなたはさっきからなにを寝言をほざいているのですか?まだ寝る時間ではありませんよ?そもそもなぜ私があなたに勝つことが頭に入ってないのか?今夜七切れを食すのはあなたではなく私です。さぁ早く剣を構えなさい。」
「ふふっ、さて寝言をほざいているのはどちらか、証明しようじゃないか。」
両者は動かない…いや動けない、この勝負は先に動き出したほうが圧倒的に不利になる。そんな考えが両者に現れる。アルトリアは素直に驚いた。この試合が始まるまで彼女の中では彼を瞬殺できるだろうと言う確信があった。だが実際は彼女は一振りも剣を下ろせていない。アルトリアは歓喜した。もしかしたら彼とは対等に戦えるのでは?全力をぶつけられるのでは?と
-先手は彼女が取った。
彼女は真っ先に彼の剣を弾くことを狙った。彼女の中で剣を持たないものに戦闘をすることは不可能だろうと。一撃目を彼は
-防げてしまった。
「おっも!!」
だが弾き返すことはできなかった。彼にはあくまで受け流すしかできなかった。この感覚にアルトリアは未知の感覚を感じ取った。彼女の中での剣を用いた試合とは、力のぶつかりでしかなく、受け流しのような未知の技術に対しての耐性が低かった。しかし、そんな未知を深掘りするより先に、心が走った。続いてアルトリアは二撃目を振り下ろす。
流石の彼でもこの反射で出した理不尽のような二撃目を
ー流し切れなかった。
「チッ!!」
彼は弾かれた剣に意識を向けず即座に距離をとる。
「さすがだねアルトリア。もう少し粘れるかと思ったんだけど。」
アルトリアには彼の話は入って来ない。今の彼女の思考を占領するのは一つの激情
(もっと、打ち合いたい、もっと、あの感覚を感じたい、もっと、もっと!!)
ラグネルは彼女から不穏な気配を感じとる。それは絶対的なまでに己に不利益しか出さない厄介すぎるものを。
「ハァァーー。」
彼は全身からため息を放つ、心の底から吐き出すように。
(これは、明日は確定で筋肉痛かなそれも飛び切りのやつだね。ほんとなんでこんな勝負事を受け入れたのやら)
彼は心の中で愚痴る
(でも、あんな顔、友としては認めたくないからね)
「ハァァー。さて…じゃあ第二ラウンドと行こうか、できればこれで最後にしたいけどね。」
こうして肉をかけた戦いはラグネルがアルトリアを正気に戻す戦いに移行した
因みにラグネルが考えているアルトリアのあんな顔とは正気を失った状態の顔ではなく、一人で孤立していた時にしていた寂しさを押し殺して無理やり平常心を保っていた精神的に不安定な時の顔です。
説明下手ですみません。