ひどく懐かしい夢を見ていた気がする。とても愛おしくて、楽しくて、私にとって宝物のような思い出を。
ふと思い出す。私は何故夢を見ていたのか?いつの間に家に?いえ・・違います。あぁ・・・だんだんと思い出してきました。今日私はラグネルといつものように理想について口論していた、だけど私は彼の話を聞いてるうちについカッとなってしまって有る事無い事を言ってしまい、あまりの居た堪れなさからそこから逃げ出してしまい、見知らぬ森で後悔していた中で過去を振り返り、今意識が目覚めたのですね。では私はどこで目覚めたのか?森の中にしてはあまり寒さを感じさせないどころか逆に暖かさすら感じます、だけどこの暖かさは何故かすごく心地が良くとても安心できてしまう、まるで魔法の毛布みたいです。それに何故か私は一定の速さで動いている。これはおかしい私は眠っていたはずだ。もしかして夢を見ながら歩いてしまっているのだろうか?わからない、全くわからない。ならもう行動に起こすしかない。彼もよく言っている・・・
「思考が回らない時はいっそ行き当たりばったりに動いてみればいいのさ。もしかしたらそんな突拍子のない行動が思いもよらない結果を呼び起こすかもしれないからね。」
そうして私は瞼を開くそこには、見知った頭が写っていた。
「やっと起きたのかい寝坊助さん?君がまさか、あんな遠い山に行くなんて、普通はさ、近場の山に行くでしょ。なんでわざわざ、隣町の山まで行くのだか。やっぱ君、魔猪だろ。」
マチョウが何かはわからないけど、バカにされていることは伝わった。普段なら言い返すけど今はただこの体温に包まれて感じていたいと思った。
「アルトリア…ひとつ言っておくが俺は今回の件、一つも後悔していないし反省もしていない。何故って?俺は間違っていないとそう断言できるからだ。確かに俺は度々君の理想に対してこじつけじみた反論を繰り返す。けどね、アルトリア…今はわからなくてもいいんだ、けれど……もし君がこれから先、君が自身の理想に対して少しでも違和感を感じれたのなら、どうかその疑念を捨てないでくれ。その疑念こそが君が真の理想を求める旅においてランプのような役割になるのだから。」
彼が何を言っているのかこのボヤけた頭では聞き取ることができない。けどこれだけは聞いておかないと。
「これからもラグネルのこと頼っても…いいよね?」
彼はいくつもの言葉を口から出そうとするが全ては空へ消えていく。そして果てしなく思考を回し言葉を振り絞るように言う。
「あぁ……もちろん、良いともさ・・・・けどめんどくさいのは嫌いでね。毎日は御免蒙る、だから頻度を考えて頼ってくれたまえ。」
彼女は結局彼が何を伝えようとしたのかはわからない、だけど
(そっか、友達でいていいんだね)
彼女は安心して彼の背中に全身を預けた。
「はぁ・・・アルトリア・・君の歩む道は多くの苦難に苛まれ、たくさんの現実を直視することになるだろう。それは、理想とはかけ離れた、ドロドロとした悍ましい何かだ。確かに今のお前ではこの現実を直視することは厳しいだろうだからこそ俺がその橋渡しとなろう、君が真の理想を掴み、実現するその日まで。けれどお前の理想には常に人間性という理不尽が付きまとうだろう、だからこそ、君が君の理想に少しでも疑問を抱けたのなら、俺は喜んで、そのヒビを広げよう。」
そう呟いて彼は、エクターの家へ向かう。
(今回もゲンコツが落ちて来ませんように!)
なんとも締まらない男である