ブリテン解釈譚(完結)   作:ミルトントン

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各々がさまざまな顔をしていた。

 

ケイは選定の儀に対してあまりいい印象を抱いていないのか少し面倒そうな顔をしていた

 

(選定の儀…ね、あまりにも胡散臭すぎる。何より抜くだけで王になれるとか王という存在を貶めているのと一緒だろ。ホントアホくさ、そんなことより今日の晩飯が何か考える方がずっと有意義だな…)

 

ラグネルは選定の儀を考察していた。

 

(そもそも、何故ブリテンはこんな曖昧な儀で王を決めようとしている?大体王を王たらしめる条件とは王としての資質があることも重要だが、一番は何より先代ウーサーの血を色濃く引いていることが絶対だ。ならばなぜ、自分たちの身内から選出しないのか?それにもし知恵なき荒くれ者が剣を抜いてしまったら…そんなやつにまともなブリテン統治は不可能だ。なら主催者側は知っている、知っていて実行している、この儀式では王の資質を持ちながらも血を色濃く引き継いだものにしか抜けないことを。ならばこの儀式はウーサーの隠れ子を炙り出すための催しなのか?いやそれにしては随分と大掛かりすぎる。あまりにもかかる負担と見返りが釣り合っていない。なら…この選定の儀は既に予定調和であり、仕組まれたものなのでは……ならば誰のための儀式なのか……待て、一人適任なやつがいるじゃないか。このブリテンに対して理想を抱き、力量もあり、どこか人々を導く旗のような感覚を感じさせる。そんな人間がいるじゃないか…なぁ……アルトリア。君なんじゃないのか、このブリテンを照らす王になるのは。……あぁ吐き気が止まらない。なんだこれは、あまりにも誰かの手のひらで踊らされているみたいな気持ち悪さ、これじゃああまりにもアルトリアが憐れだ。自分の決断が決めた選択が実は誘導されていた可能性、けど何より悪質なのは、アルトリアが王になるためにはこの儀は非常に都合がいいことだ、なんせ血統だけでなく明確な資質があるものにしか抜けないという剣を抜いたのだから、それはどんな実績よりも重くのしかかり、確かな価値を示す。本当人間にやらせる所業じゃないね。)

 

アルトリアは不安を押し殺していた

 

(マーリンは私なら抜けれるとは言ってましたけど、それでも不安です。私は自身の理想を実現するためにも王にならなければならない、だからこそこんなところで躓くわけにはいかない。それに私にはラグネルやケイ兄さん、マーリンだっているのですから、大丈夫です。)

 

こうしてラグネル一行は目的地へと辿り着いた。そこには大勢の参加者でごった返していた。

ラグネルはそんな光景に辟易した。

 

(本当に気持ち悪いね、彼ら全員がこの選定の儀という舞台の装置にされているとは。)

 

そんな気持ちを抱えながらも人の多さに驚いているアルトリアにラグネルが尋ねる。

 

「アルトリア、君が待ち合わせしている夢の師匠は一体どこだい?」

 

「確か、あちらから声をかけてきてくれるそうです。なんでも、君たちが来たら一瞬でわかるさ、だそうです。」

 

「ふーん、随分とまあ適当だな、アルトリアの師匠様とやらは。俺は早くどこかで腰を落ち着けたい。」

 

周りを見ていたラグネルがアルトリアに尋ねる。

 

「あの白いローブを纏ったやつが君の言ってる夢の師匠かい?」

 

「ええ、そうです。」

 

「へぇー、あれがアルトリアの師匠ね。ここからじゃ遠すぎて顔もよく見えない。」

 

「あっ、こちらに歩いてきます。」

 

白いローブを身に纏った青年は人の波とスイスイかき分けてこちらへと辿り着いた。

 

「いや〜すまないアルトリア、君たちが来ていたことは気づいていたが、何分この人の数だ歩くにしても大変でね。それはそうと君たちにはまだ自己紹介をしてなかったね。」

 

そうして白いローブを着た青年がこちらへ振り向きラグネルとケイに顔を向ける。

 

「私の名はマーリン、君たちがアルトリアから聞いていた夢のお師匠様だ。」

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