ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!   作:RAP

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今話を書くためだけに、何度も何度も何度も読み直して疲れました。


第105話 原作時間軸・アラクネ

 

 ギリシア神話に登場するアラクネは優れた織り手の女性だったが、増長して女神アテナより機織りの技量が上だと豪語するようになった。

 女神アテナとアラクネは織物勝負をすることになったが、その際アラクネはアテナの父ゼウスの放漫浮気癖を題材としたタペストリーを織ってしまった。

 何人もの女性と浮気している父ゼウスが全部悪いというか、そもそもギリシア神話は大体ゼウスが悪いのだが、事実指摘罪により女神アテナが激怒。

 キレた女神アテナがアラクネのタペストリーを破壊し、アラクネの顔面を火のついた松明でガチ殴りした結果、アラクネは恐怖で首吊り自殺をしてしまった。

 女神アテナは自殺した彼女を哀れみ、アラクネを蜘蛛の姿にしてさしあげた。

 

 いやそれ、全然哀れんでないでしょ。顔面変形に顔面大火傷も重なった女性なんて自殺して当然なのに、さらに蜘蛛の姿にする追い打ちをかけるとかドン引きです。大体ゼウスが悪い。

 まぁそんな話はどうでもいい。

 この世界のアラクネは蜘蛛ではなく「蜘蛛のような存在」なので、完全に別物。

 

 つけくわえるなら、この世界のアラクネに対する創世神の愛情が深すぎる。

 アラクネ関連の設定は、作中トップクラスの偏執的なまでの量があちこちに存在している。

 今話における「ふかダン」「科学的」という注釈の数を見て貰えれば一発で理解できる。

 なお、今回の説明をもってしても、アラクネを全て説明しきれていないと添えておく。 

 

 

 * * *

 

 

 アラクネは、男と女では大きく違う。

 アラクネの男は、手足の先が蹄化して三本指になっていることと、長耳であること以外は人間の男と大差無い(ふかダン14巻46P)。

 

 アラクネの女は、三つ子が胎内で合体して生まれてくる結合児だ。

 人間の身体の上半身、蜘蛛の身体のように見える下半身と分かれている。

 下半身は蜘蛛ではなく、手足が変形した人類二人が結合したもの(ふかダン14巻45P)。

 構造的には、人間部分の腰に二人の人間の頭がくっついて、絡み合い変形結合した奇形だ。

 三つ子の結合児なので、頭部のメイン脳に加え、下半身にサブ脳を二つ持っている。

 なので蜘蛛ではなく「蜘蛛のような存在」と呼ぶのが正しい。

 説明においては便宜上「人間部分・蜘蛛部分」と呼称する。

 

 アラクネの腰、二つの頭蓋骨(とうがいこつ)が変形結合して寛骨(かんこつ)のようになっている部分(科学的1巻25P)にそれぞれ補助(サブ)脳があり、下半身の制御を司っている(科学的1巻57P)。

 人間部分のメイン脳が死んでも、生命活動が停止するまではサブ脳だけで身体を動かすことができ、攻撃行動もおこなえる(ふかダン14巻22P)。

 補助(サブ)脳が二つもあるから、複雑な動きも高速で実行できる。秒間3発前後の斬撃x4+秒間2発前後の斬撃x4=秒間20発前後の斬撃サブマシンガン攻撃ができ(科学的1巻158P)、聖剣の勇者セイが『人間がタイマンで勝てる生き物じゃない』と即判断・即撤退をし(ふかダン13巻72P)オークエンペラー・テオでも勝てない(ふかダン6巻58P)と作中で名言されているぐらいにはアラクネの女という存在そのものが作中最強格だ。

 

 下半身の蜘蛛部分の変形、結合は異様に過ぎる。奇形にも程がある。

 蜘蛛型という先入観から、手足も蜘蛛同様に八本と考えてしまいがちだが、違う。

 

 まず、人間女性の身体部分がある。手足が2本ずつで四本。

 人間女性の両腕と胸を結んだ横ラインが縦に二つ。両腕x2で四本。

 人間女性の股間と両足部分が縦に二つ。両足x2で四本。

 結合双生児の三つ子版だから、手が六本、脚が六本、合わせて十二本だ(科学的1巻93P)。

 栗結パイセンを持ち上げている時も、ちゃんと下半身の両腕四本部分だけで持ち上げている(科学的2巻92P)。

 

 下半身の乳房が縦に並んでいるから、四つのおっぱいが合体していると錯覚してしまう。

 化学にπ(パイ)結合なんて言葉があったね。やかましいわ。

 

 女性の股間部分が縦に二つだから、骨盤も二つ並んでいる(科学的1巻27P)。

 人間部分の女性器一つ、蜘蛛部分の女性器二つ、合わせて三つ。

 

 人間部分の女性器は「遊び穴」。ケンタウロス同様の試し用なので、性行為とすらみなされない(科学的1巻93P)。

 下半身の蜘蛛部分に四つのおっぱいが並んだ後、続いて「本穴」がある。子供を産むならここでヤる(科学的1巻94P)。

 本穴の下に肛門を挟み、一番下側の女性器は糸を出すための器官「糸吐き」に変化している(科学的1巻28P)。「糸吐き」から出るアラクネ糸が、掛け値無しに強い。蜘蛛の糸並に細かい糸が沢山まとまっていて、瞬時に固化する(科学的1巻29P)。

 アラクネ糸は軽いし硬いし柔軟性もある最強の糸だ。2mmくらいの糸一本で、200kg近い体重のアラクネが軽々ぶら下がれる(科学的3巻96P)。鍛え上げた戦士の男にも引きちぎることはできず、ロープにすればクラーケンすら引きちぎるのは難しい(科学的3巻96P)。

 アラクネ糸で布を織れば鎧を超強化できる(科学的1巻114P)。アラクネの布は高級品として取引されている(科学的5巻109P)。

 

 アラクネの女の、鎧こみの体重は300kg近い(科学的1巻130P)。

 人間がアラクネを重量的に押し返すには、成人男性四人が必要だ(ふかダン13巻81P)。

 

 アラクネの女の手も、アラクネの男と同様に手足の先が蹄化して三本指になっている。

 元々は五本指だったが、退化あるいは進化して三本指の蹄となった(科学的1巻27P)。

 

 アラクネの脚は、人より倍は長い。これは筋肉量も倍あることを意味している。

 その脚が8本で四人分。つまり人間の女三人分強の体重で、八人分の脚力を持っていることになる(科学的2巻146P)。『前足四本による連続した殴打は二頭の小型の熊がひたすら殴りつけてくるかのごとし』とまで評されている(ふかダン13巻81P)。

 しかもアラクネの蹄には、ヤモリのように無数の繊毛(せんもう)があり、分子間引力により吸着できるため、垂直の壁や天井に張り付いて移動可能だ(科学的1巻92P・ふかダン14巻46P)。

 アラクネの機動力は、速度こそ人並みだが障害物走のような難所踏破をさせれば最速級である(科学的2巻147P・ふかダン14巻46P)。

 

 人外の機動力に、人外の筋肉量に、人外の戦闘力。

 人外の防御力に、人外の射撃能力に、人外の糸作成能力。

 

 アラクネの戦闘能力は『完全な統制を持つ四人が横陣を張り、人間と同等の速度で駆け回り、瞬時に旋回するがごときもの』と聖教会に分析されている(ふかダン13巻80P)。

 アラクネに対するにはバリスタが有効だが(ふかダン10巻52P)、アラクネ自身がバリスタ級の弓を連射してくるので始末に負えない(ふかダン13巻80P)。

 

 補足だが、「200kg近い体重のアラクネ」が「鎧こみの体重300kg近い」のだから、アラクネの鎧は約100kgと計算しそうになるが、明確な数字が出ているのは『科学的~』の方だけ。

 『科学的~』のアラクネと『ふかダン』のアラクネは装備が全然違うことに注意しなければならないが、『ふかダン』のアラクネ装備も攻防一体の剣盾装備を含めて結構重そうな印象なのでそんなものなのかもしれない。

 

 繰り返すが、ここまで述べてもなお、アラクネを全て説明しきれていない。

 アラクネ社会は男女が逆転しており、女ではなく男が保護対象であることや、人間の女はアラクネの種族全体から軽蔑されていることなど、書いていないことはまだまだある。

 

 ……書き切れないのだ。本当に。本当に!

 アラクネの設定や考察を全部書いてたらそれだけで話が終わってしまう!

 

 

 * * *

 

 

 オークエンペラー・テオは、アラクネのネク族に対してこう願った。

 是非とも亜人側に引き込みたい、強くて興味深い人間の男がいる。

 アラクネ女性の強さと美しさと素晴らしさを彼に伝えたいので、場合によっては彼への嫁入りも考慮したアラクネ女性を彼と引き合わせてくれないか、と。

 

 『科学的~』に登場するアラクネ女性のアーさんは、31才。

 15才前後で子供を産み、30才前後で孫が生まれるこの世界においてはお婆ちゃん扱いだ。

 実際に『今さら男を漁るのも恥ずかしい年齢』と自嘲している(科学的2巻97P)。

 

 アーさんと同じ理由で、ふかダン世界で最も有名なアラクネのアラ女史は「自分の身体になんか人間の男は興味を持つまい」と遠慮してしまった。

 ユーリという男をわかっていないので仕方が無い。

 初手がアラ女史だったら、この世界線の未来に確実に影響が出ていただろう。

 

 トハリエ、セアカ、アシダカは年頃の美人ではあったが「人間の男も、どうせなら若い女が良いだろう」と遠慮してしまった。

  

 最終的に選ばれたのは、『なんとなく面白そう』で立候補したブラウィドだった。

 強い男と綺麗な女がモテるのはアラクネでも一緒(科学的2巻95P)。

 テオがそこまで言う程なのだから、所詮は人間だとしても、相当強い人間なのだろう。

 人間の男は手足の指が多いから、ちょっと敬遠してたけど(科学的2巻35P)。

 

 ブラウィド。

 原作では、白面金毛の妻となったアラクネの美少女だ。

 弓の腕も剣の腕も高く、近接戦に限れば白面よりも強い(ふかダン10巻49P)。

 ちょっと舌足らずな喋り方と、若さゆえの判断力不足程度の欠点しかない。

 原作でわざわざ「若い」と書いてあるから若いのだろう。おっぱいは大きいけど。

 

 ……そう。

 原作では、白面の移動用タンクとしてしか活用されていないブラウィドだが。

 「白面よりも明確に強い」とわざわざ書かれているぐらいには、強いのだ。

 

 

 * * *

 

 

 ブラウィドは、ちょっと恥ずかしくなって、困っていた。

 

 紹介されたユーリという人間の男は、銀髪碧眼の中性的な顔立ちで、確かに強そうだった。

 簡単な挨拶を終えた後、彼は「ブラウィドちゃんとハグをしたい」とブラウィドに希望してきた。なので、彼が希望するままに、互いにハグをしている状態……なのだが。

 

 『ふかダン』のアラクネ女性には乳房を隠す文化がなく、基本はおっぱい丸出し(ふかダン6巻40-41)。(『科学的~』のアラクネ女性は主要キャラのみが乳房を隠す服を着ている)

 流石のアラクネ女性も要塞攻略戦などの戦闘時は胸甲鎧をつけるが、それぐらいだ。

 つまりブラウィドも、普段はおっぱい丸出しである。

 

 アラクネのブラウィドは、脚の曲げ方を調整すればユーリの身長に合わせられる。

 (男性体ユーリは176cm、女性体ユーリは172cm)

 白面金毛を抱きしめた時のように「いいよー♡」とハグ要請を受諾したブラウィドは、ユーリが少しでも喜んでくれればと思い、自分のおっぱいにユーリの顔面が埋まるようにハグをした。

 

 ユーリはおっぱいに顔を(うず)めたまま、ブラウィドの背中に両手を回し、背中と腰に手を添えている状態なのだが……何事かを思案したまま、全く動かない。

 時折腰を撫でられるので、くすぐったい。

 いきなり抱くのかな? 遊び穴かな? でも外だけど、いいの?

 ユーリって、なんだか随分積極的な人間でびっくり。

 

 それにしても、いつまでこのハグは続くんだろう……?

 

 

 * * *

 

 

 僕はブラウィドのおっぱいの感触を堪能しつつ、堂々とハグをしながら、聴勁(ちょうけい)を全開にしてアラクネの身体全体を探っていた。

 アラクネ骨格図(科学的1巻25P&27P)は前世で誰よりも眺めていた自信がある。

 今回は本物のアラクネがいるのだから、直接触って調べた方が早い。

 といっても栗結パイセンのようにジロジロ探るわけにはいかないから、ただハグするだけという見た目にわかりにくい手法をとっている。

 

 アラクネの上半身、人間の腰にあたる部分に仙骨に相当するものはあるが、仙骨としての役割は全く果たせていない。人間三人が結合しているだけあって完全に別というか、要は上半身の人間部分と下半身の蜘蛛部分が連動していない。上半身部分は、二人分の頭蓋骨(とうがいこつ)を強引に椅子(骨盤)とした不安定な状態の人間に相当すると判断できる。

 

 下半身部分に骨盤が二つなら仙骨も二つ多いのかと思ったが、結論としては『下半身に仙骨はない。結合化により消失した』だ。

 アラクネ女性が下半身の肛門を締めたとして、上半身たる人間部分との骨の連動はできない。

 全体で一つの生命体という先入観にとらわれがちだが、あくまでも三人の結合なので、単純に構造として繋がっていない。

 

 下半身部分を支える二人分の背骨も異様に太い。

 蜘蛛部分を支える二本の支柱なだけあって、上半身の人間部分の背骨とは雲泥の差だ。

 だから下半身は頑丈にできている、と言ってあげたいところなのだが。

 アラクネの体重は約200kg。人間部分が大雑把に50kgだとして、差し引き150kg。

 150kgを内骨格で支え続けているのだから、支柱たる背骨二本が異様に太くなったのもわかる。

 

 

 原作はともかく、この世界線のアラクネにおける僕なりの結論を言おう。

 

 彼女達は大変『不安定』な生物だ。

 

 不安定だからこそ移動用の手足が八本あり、補助脳が二つも必要になっている。

 不安定を支えるために強靱な筋力量の手足が必要になった。

 手足が八本あるから安定しているのではなく、八本無いと安定して歩けない。

 

 夜目も利かないのに身体は無駄に大きいから、夜に安眠したくとも出来なかった。

 樹の上などに移動して、大きな身体を外敵から隠して寝る必要があった。

 

 「糸吐き」穴は、わざわざ生殖器の一つを使っている(科学的1巻29P)。

 生殖器を使っているのだから、蜘蛛のような姿になったあとの進化だと栗結パイセンは言う。

 「生殖器の一つを使ってまで糸が必要になった理由は?」と疑念を感じてすらいた。

 

 樹の上にあるアラクネの家には、危険な獣にも鼠にも襲われないよう鼠返しが仕掛けてある(科学的1巻51P)。危険な外敵に襲われない安眠環境を入手するために、アラクネ女性は三次元機動を可能にする進化をしなくてはいけなかった。

 アラクネ女性の巨体を樹の上に持って行くには、分子間引力による吸着能力を得ただけでは足りなかった。生殖器の一つを「糸吐き」穴にして高性能の糸を吐く能力を得て、移動の補助に使えるようにならなければ、死が待っていた。

 恐らくそれが「生殖器の一つを使ってまで糸が必要になった理由」ですよ、栗結パイセン。

 

 結局のところ、彼女達の本質は『不安定』だということに尽きる。

 人外の戦闘力と人外の防御力と人外の射撃能力は、オマケにしかすぎない。

 生き残りをかけて必死に進化した結果、意味不明の戦闘力になっただけだ。

 

 

 二足歩行の生物は、足下から発生した力を下半身と上半身を仙骨経由で繋げて手から伝える……という武術的用法をすることが可能だが、アラクネはそれができない。

 武術もへったくれもなく、全ての腕に剣を装備してぶん回しているだけで相手に勝ててしまうのだから、アラクネ拳法的な概念は不要なのだろう。

 身体の中で発生した内部の力や、反発や重力といった外部の力を利用する以前に、不安定な巨体を支えるだけで精一杯だから余裕が無い。

 

 二本足の人間が二足歩行をするのが無茶なら、八本足のアラクネが八足歩行をするのはどれほどの無茶か。僕がカタナちゃんにやった『腓骨(ひこつ)立ち』のように、不安定を相手に転写することもできない。上半身と下半身が構造として繋がっておらず連動できないから、『全身の力を一点に集中』なんてことも出来ない。

 

 だから。

 

 聖剣の勇者セイが『人間がタイマンで勝てる生き物じゃない』と評し。

 聖教会の報告書が『体格の良い戦士を最低五人用意しろ』と結論づけ。

 秒間20発前後の斬撃サブマシンガン攻撃ができるアラクネの女性に。

 

 タイマンでの勝ち筋はあるのだと、僕は確信を得るにいたった。

 

 

 * * *

 

 

「ユーリ。ハグ、もういい?」

 

 笑顔で聞いてきたブラウィドちゃん(ふかダン10巻16P)。

 僕は彼女からそっと身体を離しつつ。

 

「うん。ありがとね、ブラウィドちゃん」

「いいよー♡ ユーリ、私、抱く?」

「あーうん、抱きたいのは山々なんだけど、その前にやりたいことがあってさ」

「なにやる? また、ハグする? 妻なる?」

 

 ブラウィドちゃん、可愛くていい()だなぁ。

 

「ブラウィドちゃんと、模擬戦!」

「……もぎせん?」

 

 一瞬理解できなかったらしく、ブラウィドちゃんは首を傾げた。

 

「模擬戦のルールに悩んじゃうよねぇ。お互いフル装備で寸止めとかでもいいんだけど、どっちかが死んじゃっても困るし。刃部分を布でぐるぐる巻きにしたような、模擬戦用の武器ってアラクネは使ったりしない? そういうのがあるなら、ちゃんと審判役をつけて、死亡判定に相当する攻撃が当たるか、自己申告のまいったで終わり、っていうのはどう?」

「ユーリ、戦う、かわいい、頑張る、すごい!」

 

 アラクネの女が勝つのは当たり前なのに、それでも必死に模擬戦で自身の強さを主張しようとする愚かな人間のことを、可愛い存在だと前向きに受け止めてくれたのだろう。

 ブラウィドちゃんは、がばっと僕を抱きしめてくれる。

 

「あはは、アラクネがどれぐらい強いのか知りたかったんだよね」

「いいよー♡ 私、強いよ。ユーリ、守るよ!」

 

 繰り返すが、ブラウィドは強い。

 弓の腕も剣の腕も高く、近接戦に限れば白面よりも強い。

 アラクネの女性陣の中でも、上澄みの戦闘力だろう。

 そんな彼女をタクシーとして使う白面金毛が、ちょっと特殊個体過ぎただけで。

 

 だから、彼女の『ユーリ、守るよ』発言は何も間違えていない。

 

 アラクネの女性が。

 白面よりも強いブラウィドが。

 僕よりも強いのは、ごく当たり前で普通の、自然の摂理なのだ。

 

 

 僕はその考えに……反逆する!

 

(BGM:スクライド 「Reckless fire」)

 

 見下してんじゃねぇー!

 意地があんだよ……男の子にはなぁ!

 

 

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