ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!   作:RAP

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第110話 原作時間軸・過激に楽しむ

 

 ケンタウロスの娘にしてテオの妻レプラは、少し特殊だ。

 

 ケンタウロスは基本的に肌を晒すことを嫌う。

 レプラの部族は乳房と目元、手以外の肌は晒さない。

 ゆえに母親のサラ共々、おっぱいは丸出しである。

 ……乳房丸出しはOKなんです? Why?

 

 その上で、レプラは幼い頃から帝国で過ごしていたため、ゴブリン娘達同様に陰部(試し穴)を含めてガンガン晒している。

 レプラが着用している鎧は、人間側で言う所の女性用鎧みたいなものか。

 むしろ胸も腹も守っていないので、ビキニアーマーなのかもしれない。

 

「あなた様の子を英雄付けにて産ませていただきます。オーク帝国皇帝テオが妃の一人、レプラと申します」

 

 タウラがそうしていたように、ベッドの上で土下座をしてくるレプラ。

 服装は科学的の時と同様、寝間着だ。

 ケンタウロスだけあって、夜は都合の良いメス家畜肉奴隷になる。

 

「出産を経験済みなので、お望みなら母乳を飲むこともできます♡」

 

 ケンタウロスを抱く場合、馬の身体を抱くイメージになってしまうがそうではない。

 人間の女性が縦に二人分並んだ感じになるから、抱きやすいといえば抱きやすい。

 むしろ、馬のイメージを捨てる違和感との戦いになる。

 

「わたしは皇妃の一人でありながらっ♡ いまっ♡ 夫以外の殿方に貫かれ、御射精を受けようとしていますっ♡」

 

 科学的のタウラは、後ろから激しめに突いた後、ひっくり返して正常位で本穴と試し穴を両方攻めるとあっという間にマジイキするという。

 だからレプラも同じなのかな、と似たような感じで抱いていたのだが……。

 

「夫以外の精子で妊娠しますっ♡ 妊娠……っ♡」

 

 試し穴に関する感覚が、絶望の草原のケンタウロスがやっていた『試し』と全然違う気がする。

 本穴セックスでケンタウロスの子供を増やすことを優先しすぎた弊害?

 いや、違うか。試し穴すら隠さず普段からオープンにしているから、試し穴を攻められることに対して鈍くなっている。一般的なケンタウロスの試し穴を攻める時と違って、レプラは試し穴に対する羞恥心が皆無な分、試し穴への攻めに対する反応が薄い。

 試し穴を隠すような股間の布はあるけど、あるだけ。丸見えだもの。

 

 なんとかして、レプラの羞恥心を刺激できないかなぁ。

 

 そういえば、レプラは右胸だけ隠して左胸は晒す鎧を着用していた。

 本穴を突きながら人間部分の胸を愛撫するのは栗結パイセンがやっている。

 だから、左腕を伸ばしてレプラの右胸を愛撫してみる。

 

「んっ♡」

 

 左胸と比較して、右胸の反応は良い、か。

 しかし試し穴への反応が薄いままなのは事実。

 タウラを参考にレプラを抱いても駄目。何かしらの変化球が必要だ。

 

 僕はレプラを抱きながら、試し穴への愛撫をやめて観察に移行する。

 左腕を伸ばして愛撫も続けているので、妙な感覚だ。

 

 そういえば……目の前に見える、この脚。

 人間部分からそのまま伸びているせいで、人間の脚部分に見えてしまっていたが。

 栗結パイセンが、これは脚じゃなくて手だと言っていたじゃないか。

 

 ……これが脚ではなく手、となると。

 試し穴が眼前にあって、馬部分の乳房が真下にあるせいで、めっちゃわかりにくいけれど。

 

 太股の裏のお尻のような部分、ではなく。

 馬部分の脇の下、が正しい表現になるじゃないか。

 

 人間に対してすら、あんまりやらない愛撫。

 亜人はなおのこと未経験だろう。

 

(栗結パイセンにだけ、いい想いはさせませんよ!)

(英雄付けが駄目になるかならないかなんだ! やってみる価値はありますぜ!)

 

 僕の心のパイロット達が叫ぶ。

 応えろ、サイコフレーム!

 

 ぺろり。

 

「~~~っ!?」

 

 僕がレプラの脇を舐めた瞬間。

 それまで余裕のあるセックスをしていたレプラの身体が大きく跳ねた。

 

 耳への愛撫は、効かない人には全然効かない。

 脇も同様。効かない人には全然効かない。

 

 しかしそれは、言い換えれば。

 ……ハマる女性にはハマる、となる。

 

 レプラに対する脇舐めと、普段隠している右胸の愛撫が重なって、試し穴の感度が段違いに変化した。ケンタウロス女性はセックス時に男性を喜ばせる発言をするが、さっきからあえぎ声しか出してない。よし、このままだ!

 

 左手で人間部分の右胸を愛撫。

 舌舐めで馬部分の右脇を愛撫。

 右手で試し穴のGスポとクリトリスの二点責め。

 愛息で本穴をピストン。

 

 脇舐めを含めた五点責めによって、レプラの反応が変わった。

 身をくねり、よじらせ、嬌声をあげ、身体が時折びくつく。

 

 もはや言葉はいらなかった。

 孕めも、孕みますも不要だった。

 興奮を満喫しよう(エンジョイ・アンド・エキサイティング)

 

 レプラに対しても、一発で孕ませた直感がした。

 しかし「念のため」と称してその後何度か搾り取られた。自分の脇が性感帯の一つだとレプラ自身も知らなかったらしく、毎回脇舐めを懇願されてしまった。

 

 ……まぁそりゃそうか。

 脇舐めは人間ですらわりと特殊な部類の愛撫だから、僕がオーク帝国を離れたらやってくれる人がいなくなる。アラクネ男同様、男達はやりたくない愛撫は基本的にしてくれないから、僕がいる今しか味わえない愛撫なのだとレプラは感じたのだろう。

 

 英雄付けでなくとも、テオはNTR許容派なので頼めばセックスさせてくれる。

 そのうちまた帝都に遊びに来るから、とレプラを説得して納得してもらった。

 

 

 * * *

 

 

 テオと別れる際に、念押しをした。

 

 男性時の僕は、見逃せる時は見逃してあげる。

 女性体の僕は、対象となる相手は誰だろうが見逃さない。

 僕と仲が良い人間相手でも、テオが大切にしている仲間でも、『過激に楽しもう(エンジョイ・アンド・エキサイティング)』計画において相手が条件を満たすと判断したのなら、例外なく殺す。

 

「だから……殺したり殺されたり、死んだり死ななかったりしよう、テオ」

「我が敵にして同胞にして友である男、ユーリ。屍山血河の果ての果て、戦う意味が消えたその先で、手を取り合えることを願う」

「白面金毛が取引に同意した以上、僕は淡々と遂行する。アイギスに帰る前にネク族の大森林に寄って、やるべきことをやるよ。その後の道をどうするかは、ネク族次第さ」

「アラ女史は、我が友なら口説けば落ちると思うが」

「……嫁の20人を覚悟したら、その時は開き直るよ」

「10人を娶ることは諦めたようだな」

「人間の貴族ってやつは色々あるんだよ、面倒臭いのさ」

「ユーリさまはわたしのセフレだと、コオニコが自慢している。帝都には、いつでも遊びに来てくれ」

親友(セフレ)の姿勢が、あんなに広まるとはなぁ……」 

「男側からのメッセージが足りていなかったからな。丁度良かった」

「そんなもんか」

「そんなものさ」

 

 僕とテオは、拳と拳を合わせる。

 

「我が敵にして同胞にして友である男、テオ。またいずれ」

「我が敵にして同胞にして友である男、ユーリ。また会おう」

 

 僕達は、声を合わせて宣言した。

 

「「楽しく盛り上がろうぜ(エンジョイ・アンド・エキサイティング)」」

「ふふっ」

「ははは」

 

 どちらからともなく、笑った。

 

 

 * * *

 

 

 ネク族の大森林。

 

 ブラウィド、アラ女史。

 トハリエ、セアカ、アシダカ。

 

 ネク族にもスジを通しておこうと考え、五人に声をかけた。

 僕が考え、テオと白面に協力を得るに至った計画について、一通り聞いてもらった。

 

「……本気で言ってるんだな?」

 

 6巻51P、微妙な困り顔でアラ女史が言う。

 

「本気も本気。もう、そうしないと止まらないし止められない」

「言いたいことはわかる。ネク族にも、条件に該当する連中はいる」

「例外はないよ。温情をかけても暗殺とかに発展する。そうなる前に芽は潰す」

 

 ブラウィドは、元気のない顔をしている。

 

「ユーリ、わたし、わからないよ。アラ姉さん、トハリエ、セアカ、アシダカ。誰かが死んじゃった時に、どうなるか、わからない……」

「ブラウィドは僕の嫁だから、頑張って説得するけれど。それでも駄目だとなったら、せめてその時は、僕自身の手で」

「……ん。わかった、ユーリ。わたしの夫。お願い」

 

 僕とブラウィドが見つめ合っていると、コホン、と咳払い。

 アラ女史が、目の前でじゃれあうなとばかりに言ってくる。

 

「あー。んー。その場合、ユーリとアラクネとの子はどうなる?」

「……仮定を重ねた話だから、なんにも考えてない」

「随分抜けた計画だなオイ」

 

 アラ女史が肩をすくめる。

 その上で、僕以外のアラクネ達が、目を合わせた。

 

「……じゃぁ……運次第、だね」

「うん。くじ引き」

「こればかりはどうしようもないか」

「当たるまで引き直してもいいけど」

「それな」

 

 ひょい。僕の身体が突然ブラウィドに持ち上げられた。

 うん?

 

「ユーリ。わたしの夫」

「はい」

「五人を全員、三日間、抱く」 

「……はい?」

 

 アラ女史がにやにや笑う。

 

刺激的にいこうぜぇー(エンジョイ・アンド・エキサイティング)?」

 

 トハリエ、セアカ、アシダカが、照れた顔で。

 

「だから、ほら。力尽くで止めてっていう懇願?」

「奉仕しながら奉仕されるやつ、お願いします……」

「子供ができなかったら、その時はその時で」

 

 そういうことになった。

 三日間で、何度逆シックスナインをしたのか覚えてない。

 愛息が回復したら即セックス祭りだった。死にかけた。

 

 

 * * *

 

 

 ネク族の大森林。

 白面金毛の療養場所。

 当然、ワインもいる。 

 

「念を押して確認する。計画は動き始めた。白面金毛、君が協力してくれるのなら勝ったも同然だが、それゆえに裏切りだけは不可能にさせてもらう。レッドキャップとしての生き様、男としてのプライド、そういった全てを捨ててもらう。屈辱の極みだとは察する。だが、その代わり……やりたい放題を約束する。専用の支援要員も近々確保して、金銭面などでフォローする予定だ」

 

 僕は立ったまま、寝込んだままの白面金毛を見つめている。

 座っているワインが、白面金毛に顔を近づける。

 ぼそぼそ、と白面金毛がしゃべる。

 

「白面様は、全てを承諾なされました。私も、共に堕ちます。どこまでも」

「……人間の言葉、うまくなったね。ワインちゃん」

「これからは、一人でやらなければなりませんから」

「ワインちゃん。『百斬無斬の(ことわり)』の習得は、あくまでも強さの目安だ。白面金毛には大変申し訳ないが、僕に言わせればフェイントは百もいらない。君達に見せていない僕の武もまだまだ沢山ある……裏切りを不可能にさせてもらった後でなら、君達に僕の武を教えるのも面白そうだ」

「掌で鼓膜を潰し、肩で腕を折り、手を引き裂く……その先が?」

「あんなものは初歩の初歩にすぎない。手を伸ばしてごらん、ワインちゃん」

 

 ワインが、恐る恐る僕に手を伸ばす。

 僕はワインの伸ばした手の腕に、手の甲を接触させる。

 その瞬間から防御反射の誤作動が発生して、ワインが不意に立ち上がった。

 両足のかかと(レッドキャップなので人間の膝に見える部分)をあげ、()()に落ちないように必死に身体を支えるワイン。

 

 僕は腕を動かし、カタナをそうしたようにワインとダンスを踊る。

 最後に僕は自分の腕の中にワインを落とす。

 彼女はぽふっと僕に抱きとめられた。

 白面金毛もワインも、何が起きたのかわからないという目で僕を見ている。

 

「雷光流。僕の武の名前さ。その本質は『触れて崩して斬る』。鎧を着た相手すら意のままに操り、自ら弱点を晒してもらい、そこを斬る。人間でも雷光流を学んでいるのは10人にも満たない。赤い鎧の大男こと、ジャン君も僕の弟子だ。そして残念ながら、ジャン君はまだ、僕がやってみせたように相手を意のままに操ることはできない」

「……こんな技があるのなら、亜人の皆殺しだって」

「やろうと思えばできるかもしれない。やらないけどね。以前も話したように、人間と亜人が戦いあう理由を一刻も早く取り除いて、生きた深き不可知の迷宮と戦う必要がある。ケンタウロス達だけに任せず、皆で総掛かりでやればいい」

「それは、そうかもしれませんが」

「全てが終わったら、ワインちゃんは僕の子を産んでくれるんでしょ? そこまで辿り着けたのなら……人間と亜人が手を取り合って、皆で笑い合える。きっとね」

 

 白面金毛が、腕を小刻みに震わせながら、僕に左手を伸ばした。

 懸命に、握手をしてこようとしている。

 僕はワインを抱きかかえたまま、白面金目の左手を左手で握り返した。

 

「白面金毛、君は脳への損傷が酷い。本来ならとっくの昔に死んでいる怪我なのに、君の生来のタフさでかろうじて生き延びているに過ぎない。治療後は、焦らずに身体を動かす練習からはじめてほしい。その間に、ワインちゃんを鍛えてあげて。言葉で助言を出すぐらいなら、できるはずだ」

「わたしも!」

 

 ワインが叫ぶ。

 

「……わたしにも、お願いします」

「いいよ。皆で堕ちよう。人でも亜人でもないナニカに」

 

 僕はワインにキスをした。

 ワインの口に、スライムが侵入する。

 これでワインは、僕を裏切れなくなった。

 

 ワインを解放して、白面金毛に歩み寄る。

 多めに食事をして、既に連中の分裂は終えているから、後は耳なり口なり。

 

 白面金毛が、震える左手でヒビだらけの仮面を外した。

 何度も何度も顔面を叩きつけられたせいか、顔はぐちゃぐちゃだ。

 ぐちゃぐちゃなのに、元の顔が神の造形だとわかる。

 ……ま、いっか。彼の顔の造形は、ノンケの僕でも許せる気になれる。

 

 ワインにそうしたように、僕は白面金毛にキスをした。

 白面金毛の口の中に、複数匹のスライムが侵入していく。

 損傷箇所が多すぎて一匹では足りない。

 

 少し長めのキスになったので、ワインが慌てていた。

 この時、ワインの中でなにかが目覚めそうになっていたことには気づかなかった。

 リアルタイムで白面金毛の顔が修復されていく不思議な光景に、僕は目を奪われる。

 

「白面金毛。本名を聞きたい」

「僕の本名は捨てました。どうしてもというのなら、名付けて下さい」

 

 しゃがれていたはずの声が、クリアな発声となった。

 その顔は、中性的な男性というよりは絶世の美少女そのものだ。

 

「白に金と書き、白金(はっきん)と読む金属がある。別名をプラチナ。今から君の名前は、プラチナだ」

「……まるで、女性のような名ですね」

「復帰後の君の仕事内容を考えれば、ぴったりだろう?」

「そこまで狂っているのですか、連中は。『神の眷属様』の集まりなだけはありますね」

「表向きは善人として過ごしている者ほど、裏では余計に狂ってる。ある国(フランス)では、70年間にわたり3000人規模の聖職者が20万人以上の子どもたちに性的虐待を与え続けたという記録が残っている。世界全体ではなく、あくまでも一国のみのデータだ。そしてもっと狂っていることに、奴らは少女より少年を好む。男の尻なら幾ら中で出そうが子供が産まれないから何度でも強姦(レイプ)できるし、神父が幼い男の子と一緒に居ても誰も不思議には思わない。20万人のうち、八割近くが男の子と言えば、連中の頭のおかしさがわかってもらえると思う」

 

 『カトリック教会の性的虐待事件』という項目でWikipediaページがあるように。

 『神父 性的虐待』という単語検索だけで、数多くの記事がずらりと出てくるように。

 前世の神父共はゴミクズばかりだったから、今世の神父共も似たようなものだろう。

 

「言われずとも殺すつもりでしたが、余計に何の遠慮もいらなさそうで良いですね。ワインちゃんより僕の方が適任だという理由も、とてもわかりやすい。……僕の母さんを殺しながら犯した人間の調べは、ついているのですか?」

「100%確定しているわけでは無いが、確認がてら殺していい人物はいる。その彼は暗黒大陸で深き不可知の迷宮に連合国軍の兵士として行った実績があるから、当然亜人達を虐殺した記録もあるはず。適当に拷問でもして、吐かせればいい。当たればそれでよし、仮に別人だったとしても問題は無い。彼が暗黒大陸にいた時期は白面金毛(プラチナ)の里が襲撃された時期と重なっているはずだから、ヒント位は得られるはずさ」

 

 白面金毛の母を殺しながら犯していた人間が、新キャラかモブだったとしたら申し訳ないが。

 強姦殺人をしていた兵士は、オークのような独特の体格をしていた。そんな体格で、過去の暗黒大陸において亜人の里を襲撃できる条件を満たした人間は、一人しかいない。

 原作アロの夫、おじいちゃん伯爵の現役時代だ。

 過去の回想シーンの時に着ていた鎧と、アロと一緒に冒険者ごっこしていた時とでは鎧が違うと言う人もいるかもしれない。

 だが、連合国軍兵士の現役時代は体力があるから堅牢な鎧を着ていたと解釈することはできる。

 伯爵級の財布なら、現役引退に合わせて新しい鎧を用意することなんて当たり前にできる。

 

 なんにせよ、容疑者の最有力候補であることに違いはない。

 どれだけ惨たらしく殺しても、僕の良心は欠片も痛まない。

 この世界線のアロの旦那様は、僕だからね。

 

「……わかりました。侵入の難易度も絡むでしょうし、殺していく順番は現地で決めます。忠告通り、身体を動かす練習からはじめないと少々きつそうです」

 

 白面金毛(プラチナ)はそう言うと、ゆっくりと上半身を起こした。

 そして、ヒビだらけの仮面をワインに手渡そうとする。

 

「ワインちゃん。僕はプラチナとなりました。他種族に素顔を晒していることからわかってもらえると思いますが、もう僕はレッドキャップの男ではありません。造形がレッドキャップに似ているだけの、ナニカです。だから、ワインちゃん。今日からあなたが、白面金毛です」

「……白面……様ぁ……」

 

 ワインが、ヒビだらけの仮面を受け取ってボロ泣きする。

 イイハナシダナー、と思っていたら、白面金毛(プラチナ)がなんか言い出した。

 

「ワインちゃんに子を産んでもらうそうですが、順番としては、貴方が僕を抱く方が先ですよね」

「……え"?」

 

 呆然とした僕に、白面金毛(プラチナ)が呆れたように肩をすくめて言う。

 

「ゴブリン達がやるような、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んですよ? レッドキャップにとっては酷く屈辱を与える行為ですから、当然ですが戦妻の皆にもやらせていません。計画通りに『神の眷属様』を越えた『神そのもの』に近づくのであれば、僕は口で生殖器を奉仕する練習をしておくべきです。連中のお気に入りになる確率があがりますからね。そして、口で奉仕する練習台は貴方しかいません。同様に、僕は尻の穴で連中に抱かれることになる可能性が高い。20万人の被害者のうち、八割近くが男子だったというのなら、その想定はしておいて然るべきです。ただ、尻の穴で交尾する文化もレッドキャップにはありません。オーク帝国への道中、テオ殿が所持している家畜の尻の穴で貴方が交尾していたとうかがいました。であるのなら、僕が尻の穴で交尾する行為も、貴方を練習相手として経験しておくべきでしょう」

「……だ、誰から聞いたの?」

「ブラウィドさんが、ちょっと興味あると嬉しそうに広めていましたが」

「うごごごご」

「白面様が……抱くのではなく、抱かれる……?」

 

 ワインの中で目覚めそうになっていた何かが、大きく羽ばたこうとしていた。

 そして、僕が困惑している事に気がついた白面金毛(プラチナ)が、ニヤリと笑う。

 

「おや? ()()()()()()のではなかったのですか? まさか僕達だけが色々捨てて、貴方だけ何も捨てないってことはありませんよね?」

「いや……その……ええと……」

「そういえば、貴方の呼び方も決めていませんでしたね。どう呼ばれたいですか? ユーリ、ユーリ殿、ユーリ様、兄さん……」

 

 兄さん!?

 ……まさか、身長差からの連想?

 神の造形、絶世の美少女、APP19の白面金毛(プラチナ)が微笑を浮かべた。

 

「兄さん。お兄ちゃん。兄様。兄上。……お兄ちゃん」

「あわわわ……」

「なるほど、お兄ちゃん。思い出かトラウマかは知りませんが、僕が貴方をお兄ちゃんと呼ぶことが、貴方にとって一番嫌がらせになる不快な行為みたいですね」

 

 ワインは、6巻162Pの真剣な表情で二人の会話を聞いている。

 弟の白面様が、兄のユーリにお兄ちゃんと甘えて抱かれる……ふむ。

 

「意趣返しとなるのなら丁度いい。享楽に夢中となりましょう(エンジョイ・アンド・エキサイティング)、お兄ちゃん」

「お、お姉ちゃんにも、なれます」

「それでは僕の練習にならないでしょう?」

「ひぃ」

「先程は僕に口づけをしたではありませんか。似たようなものです、何も変わりはしない」

 

 やばい……正論過ぎて白面金毛(プラチナ)に反論できない!

 

「僕がお兄ちゃんを口で奉仕しても、お兄ちゃんと尻の穴で交尾しても、お兄ちゃんは何も悪くないしそれは罪ではないんです。罪ではなく、ただの練習です。僕をプラチナと定めた時点で、貴方もお兄ちゃんと定められました。この戦争のルールを定めた害虫を駆除する練習を淡々とこなす。自身を神だと勘違いし、この地表に生きる全ての者を絶滅戦争に巻き込んだ害虫は、降伏しても命乞いしても必ず殺す。それだけの話です。納得できましたか、お兄ちゃん?」

「……だ」

「だ?」

「抱くのは、白面金毛(プラチナ)が身体を動かす練習を終えてからでいい?」

「……仕方の無いお兄ちゃんですねぇ」

 

 白面金毛(プラチナ)は僕の前でしゃがみこみ、僕のズボンをずらして、僕の愛息を取り出した。

 

「今日は口の練習で勘弁してあげましょう」

「あわわわ……」

 

 シュタインズゲートの岡部倫太郎が、漆原るかと出会った時を思い出す。

 

 神の造形、絶世の美少女、APP19。

 男だの女だの、そういうのが馬鹿らしくなる圧倒的なまでの美。

 だが男だ。

 

 お母さんは殺しながら犯したんじゃなくて。

 殺しかけたら絶世の美女だったから生きてるうちに慌ててレイプしたんだと思うよ。

 だが男だ。

 

 この外見でトリカブト毒無効化で『思う』を読んでくるんでしょ?

 最弱の5巻時点でしとめたからいいけど、覚醒した10巻以降だと手に負えないじゃん。

 だが男だ。

 

 なんかワインの目がキラキラ輝いている気がする。

 コミケで同人誌を買うか作るかしそうな感じの……。

 だが男だ。

 

 

 前世から通して、はじめて男にフェラされた気がする。

 僕が達した際、フェラに不慣れな白面金毛(プラチナ)に顔射してしまった。

 神の造形たる絶世の美少女が、魔性の笑みで唇周辺にかかった精子を舐めとる。

 

「ふむ……美味しくは無いですね」

 

 がたーん。

 真剣な顔つきで座っていたワインが、後ろにひっくり返った。

 鼻血を出して、幸せそうな顔でニヨニヨしている。

 

 

 あわわわ……。

 エル・プサイ・コングルゥ!

 

 

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