ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!   作:RAP

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第38話 原作開始前・雷光流

 

【アップデート内容のご案内】

 

・ナフサと灯油が街で購入可能()()()

・燃える水を精製して投獄・死刑になる可能性が無くなりました。

・剣を炎剣加工し、使用した際の耐久性激減処理を無くしました。

・アロの発明能力を上方修正しました。

・ユーリ・アイダ・ハサマール子爵令息の嫁人数の上限値を撤廃しました。

 

 → ふかふかダンジョンver6.9 ダウンロード完了。

 → ふかふかダンジョンver6.9 に更新中です。

 

 

 * * *

 

 

 僕の腕枕に頭を預け、幸せそうに全裸で寝ているバトさんがいる。

 

 バトさんとミルヒとカカオの三人を妾にする手続きを済ませ、彼女たちはメイド見習いとして貴族寮に住むことになった。

 正妻や側室と違って貴族の妾の扱いはわりと適当なので、ハサマール家に挨拶をさせに行くこともなく。僕は早速、バトさんを抱くことにした。

 

 アイリスと同様に、とにかく丁寧に心と身体をほぐして、いちゃらぶちゅっちゅの正常位しかしないやつ。意地悪も変なこともしない。お尻に指も入れない。本当に健全な、特段語ることもない普通のセックス。

 乙女のバトさんが処女を捨てる時ぐらいは、普通に抱いてあげたかった。次回以降は知らん。

 

 バトさんは無事に処女を喪失したけれど、一戦のみで力尽きてしまい、すぐに寝てしまった。

 僕に寄り添ってむにゃむにゃ顔で熟睡しているバトさんは、本当に幸せそうで。

 

 ごめんね弓王ボーゲン、僕は寝取り(NTL)はOKなんだ。

 この世界線では貴方達は出会ってすらいないのだから、別にいいよね?

 

 ……そんなことを、ぼんやり考えていたのだけれど。

 

 ふと気がつけば。

 何も無い空間に、謎のユーザーインターフェースが浮かんでいるのが見える。

 なにが更新中だ、ふざけやがって。多次元宇宙の電源ケーブル引っこ抜くぞ。

 

 

 そもそも、アイダ領近隣の燃える水が湧き出る地は全部僕が押さえ済みだ。

 黒い水が湧き出てくる土地は「穢れている」から禁足地扱い。

 禁忌案件だからとても安価で入手できて……?

 

 違う。むしろ人類が率先して燃える水を確保しているから土地価は高い。

 温度計や温度管理方法? 街で普通にナフサと灯油が売られているじゃないか。

 僕が燃える水の土地を押さえたのは、安く買って高値で売却する投資目的だった。

 僕は将来のためにとてもお金が欲しかったから――。

 

 痛い。痛い。頭が痛い。ずきずきする。

  

 見ろよ。ベッドの傍らにあるサイドチェストの上、オイルランプ。

 そのオイルランプだって、ずっと昔から、灯油を使っていたじゃないか。

 灯油を切らさないように、バーチェやアイリスは気を遣っていたじゃないか。

 

 燃える水だって別に水車にしなければなんでもいいのだから。

 みんなむかしからけんきゅうしていたじゃないか。

 にんげんもあじんもなふさととうゆはつくっていたじゃないか。

 

 ふざけんな! 僕を書き換えるな! 世界を書き換えるなッ!

 痛い、痛い、頭が……。 

 

 いや、違う、逆だ。受け入れろ。受け入れるんだ。

 

 深呼吸。深呼吸を重ねろ。冷静になれ。

 

 創世神の言う、()()()()()()とやらでナフサと灯油が取り出せるのなら。

 街中でナフサや灯油が売られるレベルにまで研究ツリーが進んでいるのなら。

 僕が貴族パワーを使うまでもなく、その手法を学ぶことは可能だよなぁ?

 液化石油(LP)ガスも軽油も重油も、理論上取り出せるはずだよなぁ?

 

 禁忌さんのアナルはガバガバだ。

 多分、フィストファックが出来るレベルだ。

 

 火薬なんていらんがな。

 ただでさえ、ナフサと灯油だけで滅茶苦茶できてしまうのに。

 僕が将来、200気圧さんが可能な技術ツリーにまで辿り着いてしまったら。

 わりと酷いことが可能になってしまう。

 

 ふふっ。ふふふっ。

 まさか、こんなにも突然に。

 ナフサと灯油の入手が簡単になるなんて、夢にも思っていなかった。

 

 

「んにゃ? ゆーり……」

「ごめんね、バトさん。起こしちゃった? 寝てていいよ」

 

 僕はバトさんの頭を優しく撫でる。

 バトさんは安心してむにゃむにゃ眠る。

 

 吐いた唾ァ、飲ませねぇぞ? 創世神さんよォ!

 ていうか嫁人数の上限値を撤廃ってなんだよ聞いてねぇよクソが!

 

 

 ――ふかふかダンジョンver6.9 に更新完了しました。

 

 

 * * *

 

 

 武術は戦場で相手を殺すための技術であり、格闘技はルールが明文化されたスポーツだ。

 ボクシングでも空手でも、総合格闘技のRIZINでも、なんでもいい。

 試合中の禁止事項とされているルールに、目を通したことがあるだろうか?

 

 入れ墨をいれたヤクザ顔の人達が「特攻(ぶっこみ)の拓」のように睨み合い、試合前にわちゃわちゃ騒ぐ「BreakingDown(ブレイキングダウン)」なんてとてもわかりやすい。ルール無用の喧嘩のように宣伝しておきながら、公式ホームページを見ればわかるように、試合のルール自体はあくまでも紳士的なもので、禁止事項が山のように設定されている。

 

 まぁ、それはどうしようもなく仕方が無いのだ。武術も格闘技も、ルールを定めないと安全に練習できないし、試合もできないし、後世に伝えられない。

 

 剣術を広めるために竹刀が開発されたように。

 空手が寸止めや防具付き空手などで分派していったように。

 柔術を柔道に落とし込んだように。

 

 奥義『JKリフレ』は、かける側が美少女だからこそ成立する技だ。

 「三角締め」や「腕ひしぎ逆十字」は、ルールのある格闘技だと強いけど。

 噛みつきも含めて、武術ではどうとでも対処できてしまう。

 だから、武術では相手に嚙まれないように制圧しないといけない。

 

 例えば、武術家は総合格闘家のタックルに対して弱い。

 返し技として目に指を入れたり、背中や後頭部に攻撃したり、喉を親指で突き刺したり、そういうカウンターを全て「禁止ルール」として封印されてしまうからだ。

 

 古代ローマでは、パンクラチオンという総合格闘技が有名だ。

 どんなものかは知らずとも、名前ぐらいは聞いたことがある人は多いだろう。

 でも、パンクラチオンに特化しすぎた人間は、兵士ではない扱いだった。

 総合格闘家に何十キロもの装備をつけて、軍隊のように何時間も行動させることはできない。

 

 ゆえに、ギリギリを攻める必要がある。

 

 身体を壊してしまっては練習できない。

 身体が壊れずとも、心が壊れては戦えない。

 安全な練習に専念しすぎても、本番で戦えない。 

 

 身体を壊さないように。心が折れないように。

 自分と相手を壊さずに、相手を壊すことを覚える。

 武術を外れないように。死と隣り合わせだと忘れないように。

 

 無茶苦茶な事を言っている自覚はある。

 でも、かかっているのは大事な人達の命だ。

 

 人間、亜人、モンスター。

 何もせずとも、向こうから理不尽はやってくる。

 

 理不尽に勝てるだけの力を。

 少しでも生きる為の力を。

 

 僕は生み出し、伝えていかねばならない。

 

 

 * * *

 

 

「整列」

 

 僕の前に、バーチェ、アイリス、バトさん、ミルヒ、カカオ、クコロ嬢が並ぶ。

 うーん、見事に美女と美少女ばかり。完全にハーレムです。

 ていうかクコロ嬢以外、全員僕の嫁だし。

 

 ……いや、男連中は正直どうでもいいな。

 ジャン君には主人公補正があるし。

 弓王ボーゲンは無敵だし。

 クロス君は最終回間際で、「御使い様」を全員亡くして発狂しかけた殺戮聖女レピアといちゃいちゃするだろうし。

 考えるだけ無駄ですね。

 僕にはネームド英雄カマセさんが白面金毛相手に無双する場面を鑑賞する義務があるのです。

 

「これより、流派『雷光流』の伝授をおこなっていく。今日は思想の説明と、鍛錬の説明と、雷光流の術理の一部を見せる」

 

 みんなの顔が真剣だ。

 特に、身体を治したばかりのクコロ嬢から凄まじい気合いを感じる。

 

「雷光流の最終目的は、人間・亜人・モンスターという理不尽に対して、勝つか逃げるかの選択肢を追加することにある。武術の達人はみんな『トラブルからは逃げろ』というが、もし何かに巻き込まれた場合、大抵は既に逃げられるような状況にはない。全ての選択肢を奪われ、ひたすら理不尽を押し付けられるのが普通だ。獲物を狩るのに、逃げ道なんて最初から残さない」

 

 皆が頷く。美女や美少女であるからこそ、理不尽の数は多かっただろう。

 

「オサン流をはじめとした他流武術のことは、忘れて欲しい。目的が違うから思想が違う。思想が違うから運用も違う。つまり何もかも違う。雷光流は剣や槍など、手にして戦う武器は全て手の延長とみなして扱う。雷光流においては、最初に身体理解という土台があり、次に体術という踏み台があり、その上に剣術や槍術などの術理を載せる。これらは一方通行ではなく、繋がっている。剣術を学んだ後で体術に戻ればより深く理解できることがあり、体術を学んだ後で身体操作に戻ればより理解できることがある。繋がっているからこそ、全てを行ったり来たりして往復することになる。そうして理解を深めていく。だから剣術と体術を分けて扱うことはない。全ては繋がっているから」

 

 僕は抱拳礼をする。右手を拳にして左手で包み込むように合わせる礼法。

 

「『雷光流』の鍛錬は大別して二種類。自己鍛錬となる套路(とうろ)と、練習相手を必要とする推手(すいしゅ)の2つがある。套路(とうろ)に関しては今日は見てもらうだけだが、次からは実際に真似てもらう。この套路(とうろ)には、雷光流の基本にして全てが詰まっている。身体操作、身体理解、攻防、歩法。これを日々、真似してもらうだけでも少しずつ何かを掴み、理解が深まる。これからその套路(とうろ)を見せるが、わかりやすく見せるためにわざと大げさに見せる。でも気にすることなく、その大げさに見せたものを真似してくれていい。『先に開展を求め、後に緊湊に至る』という言葉がある。最初は大きく、最後は小さくという意味だが、武術はつきつめていくと最小の労力で最大の見返りを得るために、()()()()()()になってしまう。肉体的に元気な若者が、熟達した老人に負けてしまう理由はここにある。剣を避ける際に、大きく避ける必要は全く無い。1ミリでも躱せばそれで終わるからだ。最小の労力で攻防ができるのなら、それだけスタミナの低下をおさえられる。それだけ長く戦える。生き延びられる確率が、あがる」

 

 身体操作と身体の理解。予備動作消しと打撃術理。十字勁に沈墜勁、纏絲勁と化勁。合気と擒拿(チンナ)の接触技術。全てがつまった欲張りセット、ぼくのかんがえたスーパーすごい型稽古。

 バトさんが一定の間隔で舌打ちをしてくれているのがわかる。嬉しいね。 

 

 震脚動作の混じる激しい套路(とうろ)

 僕が震脚をした箇所の地面が凹み、ひび割れすらあることに気づいたミルヒとカカオが、ひっという声を挙げる。

 僕は套路(とうろ)を終え、再度の抱拳礼。

 

「動きの理解もそうだけど、自分の身体の外側と内側を両方鍛えることもできる。別に筋肉ムキムキになれというわけじゃない。でもある程度は鍛えておかないといけない。人間の男なんてまだ可愛い方で、体格も筋肉量も全然違う亜人のオークに相対したとして、力に力で対抗しようとしたって力のある者に勝てる道理が無い。『柔よく剛を制す』ために技術を磨く必要があるけれど、中途半端に磨いても力の前に殺される。『剛よく柔を断つ』だ。じゃぁどれぐらい身体を鍛えればいいの? って話になるけれど、一応の目安は『身体に神経が通ったと自覚できる』レベルかな。神経が通ると、身体の隅々まで動かすことが可能になる……例えば、みんな、『肋骨を動かせ』といって動かせる? 多分無理だと思うんだけど」

 

 僕の前に並んでいる美女・美少女達が、うーんと唸りながら自分の胸のあたりと相談している。

 うん、無理だよね。普通は無理。

 というわけで、僕は皆の前で上着を脱いだ。

 ちゃんと鍛えてるから腹筋も割れてるし、見せて恥になるようなものは無いよ。

 

「肋骨とか仙骨を動かせるようになる、と言ってもわかりにくいしモチベーションもあがらないだろうから、滅茶苦茶わかりやすくて皆のやる気がでそうなやつを見せます。これは大胸筋を動かす、という動作」

 

 僕は自分の胸をぴくぴく動かしてみせる。女性陣の驚き声が聞こえる。

 バトさんにはわかりにくいだろうから、近づいて胸を触ってもらった。

 

「おおう……ほんまに胸の筋肉が動いとる……おもろいな」

「ちょうどいいや。ごめんね、バトさんの身体を使って説明させてもらいます。男の大胸筋は今見せた通りですが、女性の大胸筋はおっぱいの下になります。つまりここ」

「うひゃあ」

 

 僕はバトさんの身体の横、爆乳の上の根元から、おっぱいを分断するかのように下方向へ指をずらした。

 

「このライン。要は女性の乳房は、大胸筋を土台として乗っかっている脂肪です。では、女性が大胸筋を鍛えるとどうなるのか? 僕のようにピクピク動かせる? それじゃ皆のモチベーションはあがらないですよね」

 

 僕はわかりやすく、バトさんの胸を下から持ち上げる。

 ゆさっ、もさっ、たぷん。

 ……いやマジででかいな。なんだこれ。

 僕はバトさんに怒られる前に、彼女の胸から手を離す。

 

「女性が大胸筋を鍛えると、おっぱいが大きくなったり、おっぱいの形が綺麗に整ったり、歳をとってもおっぱいの形が崩れにくくなります。つまり美乳になれる」

「「「美乳」」」

 

 皆の呟きが自然と揃う。気になるよね。

 

「おっぱいの大きさに貴賤はない。個人差だってあるでしょう、でも……美乳は、努力で入手できる」

「おお……やる気が湧きますね」

 

 アイリスが自分の胸をわしわし揉みながら言う。

 釣られて皆が自分の胸を揉み始める。

 

「……うん、なんか僕の方が恥ずかしくなってきたから、そこまで。とにかく、套路(とうろ)をやってもらうことで自己鍛錬ができて、雷光流の深奥を覗ける上に、自分の身体のラインも綺麗になる。冗談のように聞こえるかもしれないけど、本当だよ」

 

 僕は上着を着直しながら、説明を続ける。

 

「今僕達が住んでいるこの世界には、沢山の力……法則って言ってもいいかな? そういうものが溢れています。それは運動エネルギーであったり、位置エネルギーであったり、重力であったり抗力であったり……とにかく沢山の力があって、皆はその力に気づくことなく普段は生活を送っています。その、世界に存在する力を比較的わかりやすく理解できるようになるのが、これから説明する推手(すいしゅ)という練習法です。これである程度世界の事がわかってくると、相手が二本脚で立っている生物なら、それが男だろうが、果ては亜人のオークやレッドキャップですら、勝ち筋が見えてくるようになります……何故なら、二本脚で立って歩く生物には全員重心が存在するからです。クコロ、おいで」

 

 僕はクコロの右手を軽くあげさせ、僕は僕の右手を彼女の右手の外側に添える。

 右手を前に出したり、後ろに動かしたり。

 合わせてクコロの右手も動く。今のところは、ただそれだけ。

 

「こうやって、相手と手を合わせて、相手を動かしたりするのが推手(すいしゅ)です。これは慣れてくると、相手の脚の位置はどこで重心はどこなのか、という相手の情報を入手することができます。目の見えないバトさんは習得が早いかも。いま、僕は手を動かすことでクコロの手を動かすことに成功しましたが、ただそれだけです。手が動いただけ。さて本番です」

 

 僕は手を最初の位置に戻す。

 推手(すいしゅ)のノーマルポジション。

 

「先ほどの套路(とうろ)の動作の中に、纏絲勁(てんしけい)という、身体に螺旋の力を生み出す動きが隠されています。その螺旋の力を使えるようになると、粘という、相手の身体が自分に貼り付いてしまう技術を使えるようになります」

 

 僕は螺旋の力と共に右手を引いて、少し捻って上方向に手をちょっとだけ動かす。

 一方のクコロ嬢は、僕が右手を引く動作に合わせて右腕を引っ張られ、僕の捻りの動作に合わせて手首が内側に曲がると同時に右肘が天をつくように固定され、僕が上に手を動かしたことで右脚があがって片足立ちになってしまう。

 驚きつつも、身体を動かせずに苦しむクコロ嬢。彼女は苦しみから逃れようと片足で小刻みに跳ぼうとするが、彼女の動きに合わせて僕が彼女の肘をさらに上にあげるため、彼女は何も出来ない。

 

「みんなに見て欲しいんだけど、これ、クコロの手を掴んでないでしょ? 僕の手が貼り付いて離れないから、クコロは何もできない」

 

 僕は一歩だけ脚を前に出し、クコロ嬢の片足立ちの脚に添える。手を引いて彼女の重心を下げる。クコロ嬢は足を引っかけられた格好となり、地面に転……ばせない。僕はクコロ嬢を抱きとめて、立ち上がらせる。

 

「今の粘の技術を、例えば剣や槍の攻防の中で使ったら、面白いでしょ?」

 

 クコロ嬢は呆然としながら、コクコク頷く。

 僕はにっこり笑って。

 

「こんな感じで、往復します。身体理解という土台があり、体術という踏み台があり、その上に術理を載せる。雷光流の思想にして原理です」

「なにがどうしてこうなったのか、さっぱりわかりません……」

「今日は初日だから、大丈夫だよバーチェ……というわけで!」

 

 僕はみんなを見回す。

 

「雷光流が亜人を倒すことを視野にいれている以上、当然オークも倒すべき敵となる。オークを倒せるのなら人間の男なんて余裕の雑魚だ。一朝一夕にはいかないから、焦らずいこう。ぶっちゃけ、僕の本妻や側室となる人達は政略結婚絡みでとてもじゃないけど前線には出せないから、妾のみんなが主軸になって僕と一緒に戦って貰う感じになります」

「あ、それでクコロさんがいるんですね!」

「ユーリ様、さらに増やすんです?」

 

 ミルヒが納得し、カカオが疑問の声をあげる。

 むしろ僕以外の全員が納得したかのような顔を見せる。

 

「えっ? いや違うよ、クコロは別枠だってば! クコロは貴族子女だから、妾は無理だよ!」

「そうなの? 貴族籍を抜いてくればいいの?」

「待ってクコロ! サンゼバー男爵と敵対する気はないから!」

「……男爵家なんて、ユーリならさくっと潰せるんちゃうか?」

「潰しません! 潰しませんよバトさん!」

「使用人室は八人部屋を五人で使っておりますので、まだ三人分余裕がございます」

「そういう! 問題では! ないのですバーチェ!」

「マンセー子爵令嬢とアドリ=ブヨーワ公爵令嬢も使用人室なのですか? あと一人は?」

「アイリス、それは洒落になってないからやめて……」

「あ、正妻やな? それで八人丁度っちゅーわけか」

 

 

 チギャウ……チギャウ……

 

 僕はハルピュイアとのセックス提案を断ってしまった織津江パイセン顔で絶望した。

 

 

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