ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング! 作:RAP
ジャン君とハンティ爺さんに「ハーベラ山でコマクサの花をとってセルヨーネ侯爵家に届けたら、馬車でサビレ村まで迎えに来るから出立の準備を整えておいてください」と告げてから数日が経過した。ユーリちゃんな僕は、亜人潜伏地域を通りながらコマクサの花の群生地へと向かっていたのだけれど。
「……駄目だこりゃ」
「モンドウ ムヨウ ニャ!」
僕の周囲には、オークやゴブリンの死体が散乱している。
友好的な会話をしようとしても「レイプしようぜ磯野。お前が相手な」になってしまうのだ。
いまの僕が女性体である、というのは予想以上に大きなハンデというか。
これがユーリ君モードだったら、飲み会ぐらいは出来たのかもしれないけど。
会話の様子を見ていたカスメも呆れるぐらいにはどうにもならなかった。
「聖教会が駄目だ。500年前の亜人抹殺命令、100年前の暗黒大陸潰せ命令、どちらも最悪だ」
「マツリ ゲンイン ソイツラ ニャ?」
「原因、つまり命令を出し続けてる連中……聖教会と人間の国の上層部。あと、和解を拒絶する亜人達の過激派。この辺を片っ端から皆殺しにしてからじゃないと、話し合いのテーブルにもつけやしない」
「ヨク ワカンネーニャ」
「亜人は暗黒大陸、人間は中央大陸で棲み分ける……っていうのも簡単にはいかない。みんな故郷は大事だし、住み慣れたところで住んでいきたいだろうしね。人間も亜人も、その気になれば石一つから家を建てられるかもしれないけれど、だからといって『じゃぁお前に石あげるから引っ越しして』とか言えるわけもなし」
勿体ないので、オークやゴブリンの討伐部位を切除していく。
「人間は、もうハルピュイアに手出しはしない。少なくとも僕が生きている間は、これ以上ハルピュイアを無駄に殺させはしないさ。だから僕とカスメはずっと仲良しだ」
「ユーリ コロスニャ?」
「確かに、僕はカスメに沢山殺されてるけどさ」
僕は苦笑する。
「カスメは僕の子供を産むかもしれないだろ?」
「ハルピュイア オス コウビ シテル ニャ?」
「あーうん、それは知ってるよ。カスメが誰と交尾しようとも、僕にそれを止める権利は無いし、流石にハルピュイアのカスメに僕だけと交尾しろと言うつもりはない。カスメは僕の知らないオスのハルピュイアの子供を産むかもしれないし、僕の子供を産むかもしれない、それはわからない。……まぁ、でも」
僕は隣をひょこひょこ歩いている、カスメの頭を撫でる。
「僕の子供をカスメが産んだら、僕が亜人を護る理由の一つにはなる」
「コウビ スキ ユーリ!」
「はは……僕は理由が欲しいんだと思う。人類側につくにしろ、亜人側につくにしろね。正直、自分の手の届く範囲の知り合い達が無事に生きられるのなら、それだけでいいんだ。でも……カスメなら知ってるかい? 暗黒大陸で、ケンタウロス達が150年ぐらい戦ってる相手」
「フカフカ ニャ。ユーリ ナゼ シッテル ニャ?」
「そのうち、ふかふかに行くつもりだから調べてるんだよ。人間と亜人で殺し合ってる場合じゃないってのもわかってる。どうにかできるんならしたいんだけど……」
「ふかふかさえどうにかなるのなら、人間と亜人が殺し合う景色を、酒の肴に特等席で眺め続けてたっていいんだ」
「ユーリ ヘンナ ニンゲン ニャ」
「そうか、まだカスメには説明してなかったね。僕の身体にはスライムが少し混じってるのさ。だからオスにもメスにもなれる。人間と亜人……亜人じゃないな。人間でもあり、モンスターでもあるのが僕だ」
「スライム!?」
ずざざっと、カスメが怯えて後ずさる。
「ユーリ アナ アケル!?」
「開けない開けない。普通にご飯食べてたでしょ」
「ソレナラ イイ ニャ」
「僕の嫁の一人とか、見た目が完全にエルフになっちゃったし。本当、頭が痛いよ」
「イロイロ メンドウ クセーニャ」
「そう、面倒臭い。ははっ、面倒臭い!」
カスメとクスクス笑っていると、ひっ、と怯え声が聞こえた。
半裸のゴブリン少女が、木陰で震えながらへたりこんでいる。
そういえば、『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日記』の方と違って、
それにしても、なんでここまで怯えてるんだろう?
と思った瞬間に、ゴブリン少女の顔のすぐ横、頬をかすめるレベルで弓矢が木に突き刺さった。
……敵襲!?
「ユーリさん! 大丈夫ですか?」
「あっ、ジャン君」
カスメとの談笑に夢中で警戒を怠っていたっぽい。
森の中を隠形しながら近づいてきたジャン君に気づけなかった。
いや、私服モードジャン君の隠形レベル高いな!? 僕を欺くって相当ですわよ。
考えてみれば、周囲はオークとゴブリンの惨殺死体だらけ。
目の前には、沢山の死体を目の前に笑顔で談笑してる人間の女とハルピュイアのメス。
そこに、弓を手に殺意マシマシの人間の男が新たに現れた。
……うん、そりゃゴブリン少女的には、悲鳴の一つもあげたくはなるよね。
ジャン君は、周囲の亜人達の死体と、耳を切り取っている僕の姿を見て苦笑する。
「……流石ですね、ユーリさん。死体の山じゃないですか」
「これでも、雷光流を修めていますので」
「耳を切っているのは、討伐の証ですか?」
「はい、そうです。これを持って行けば、冒険者ギルドで証明になるんですよ」
「オマエ オボエテル ニャ。『デカイ』ヤツ ニャ!」
「あ……俺も覚えてます。ユーリさんと、き、キスしてた……」
ジャン君が顔を真っ赤にして、目線を逸らす。
……ジャン君。カスメが言っているのは、ジャン君の身長のことじゃないよ?
「カスメちゃんです。私の知り合いです」
「『デカイ』ヤツ ヨロシク ニャ」
「ジャンです……本当にハルピュイアと友人関係なんですね」
「あはは……それにしても」
僕は外れた弓矢と、怯えて動けないゴブリン少女を見やる。
「当てられませんでしたか」
「……お見通し、ですか。まいったな」
ジャン君は、いつでも弓を撃てる姿勢だけれど。
多分もう一度撃っても、外してしまうだろう。
「考えてきたはず、だったんですけどね。俺が練習の的としていたものは、本当は何の代わりだったのか。『生き物』を相手にするということから、どこかで逃げていたんだと思います」
「優しいジャン君。その優しさを持ったまま冒険者になってしまっては、きっと貴方は死んでしまうことでしょう。本来は、殺しの練習というか……殺すという意思を強く胸に抱く、精神の鍛錬もしないといけないのです」
前世で、師匠から『法律上は殺したら駄目だけど、いつでも人を殺せる鍛錬をする!』とか言われたりしたっけな。懐かしい。
ジャン君は、悲しそうに矢をつがえる。
「俺はここで彼女を撃てないと……駄目なんでしょうね」
「
ゴブリン少女が、左右に首を振りながら泣き始める。
「ジャン君、彼女を助けたいですか?」
「えっ?」
「彼女を助けたいか、と聞きました。正直に」
「……今は、助けたいです。いつかは殺せるかもしれませんが、今は」
悔しそうに、ジャン君が答える。
うん、主人公だねジャン君。それでいい。
「では、授業の時間です。ジャン君、メスのゴブリンの助け方を知っていますか?」
「メスのゴブリンの助け方……ですか?」
ジャン君は、小首を傾げる。
僕はゴブリン少女に優しく声をかける。
「
生きたい?
そう尋ねると、ゴブリン少女はコクコクと慌てて頷く。
中途半端に服を着ていたゴブリン少女は、服を全部脱ぎはじめた。
ジャン君は驚いて、顔を真っ赤にする。
「メスのゴブリンは抱かれることで安心します。抱かれれば、相手が自分を守ってくれると考えるからです。抱かれないと彼女達はむしろ不安にすらなる」
ジャン君に説明してから、ゴブリン少女に指示を出す。
「
ゴブリン少女は、ぎこちなく笑いながらジャン君に向かって股を開く。
彼女の股間は、自衛のために膣を濡らしはじめる。
「いつかは殺せるかもしれない。でも、今は助けたいのでしょう?」
僕はジャン君に近づき、耳元で囁く。
ゴブリン少女は、自分の指で自分の膣を広げて誘うポーズを見せる。
「ならば助けなさい、ジャン君。貴方自身が、貴方の意思で、彼女を抱くのです」
ごくり。
息を飲んだジャン君が、ふらり、ふらりとゴブリン少女に近づいていく。
ゴブリン少女はそれこそ待ってましたとばかりに、うつろな笑顔を浮かべる。
「彼女が望んでいるのです。好きなだけ彼女を安心させてあげなさい」
交尾時の甘い嬌声が森に響き始める中、そっと立ち去るぐらいの良心は僕にもあった。
童貞卒業おめでとう、ジャン君。
亜人相手はノーカン、と言い出しても僕は一向に構わないよ?
* * *
「女性の身体のままだと、大半の亜人が会話成立しない……」
アラクネとか、その最たる例だろう。会ったことは無いけど。
レッドキャップは人間ってだけで駄目。
オークとゴブリンは女性を見ると即レイプ。
この世界の人間女性の生きづらさは、本気で洒落になってない。
初夏特有の、温かい日差し。白い雲に、時折吹く涼しい風。
ハーベラ山の、コマクサの花群生地。
目の前に広がる雄大な自然の緑色に、白とピンクのコマクサの花が良く映えている。
そして、そんな綺麗で雄大な山々がよく見える景色の中。
ジャン君とゴブリン少女の交尾を見たカスメが、酷く興奮してうるさかったので。
美しく咲く、コマクサの花々を目の前に。
ユーリちゃんな僕はカスメの手を荷台に置かせて、立ちバックでガンガン犯していた。
気持ちよくなりすぎているのか、カスメの尻尾が、ピーンと真上に立っている。
だもんで可愛くて小さなお尻がぷるぷる震えているのが、とても見やすくて眼福。
青姦立ちバック日和だなあ、と僕はぼんやり考えていた。
「ケンタウロスは……あいつら全員暗黒大陸なの?」
「コンナ……ヤマノッ、ナカ、イネー……ニャッハッ」
コマクサの花に、カスメの愛液が飛ぶ。
……ビケワ嬢が化けて出てきそうだな。
「亜人との交流作戦は失敗。暗黒大陸まで延期」
「ボッチッユーリッ、ダメダメ……ニャッ」
「……とっとと帰って男の身体に戻る、かッ!」
「コロスニャァーッ!」
カスメの奥にガツンと突き入れて、限界まで吐き出す。
母体優先の法則なら、ハルピュイアの子供が生まれてもおかしくないんだけど。
なんかイマイチ想像できない。
「あーあ、またカスメに殺されちゃったよ」
「ヤッテ ヤッタ ニャ……」
僕が身を離すと、カスメの太股を僕の精液が伝うのが見える。
セスレやバーチェ達より前にカスメを孕ませたら殺されかねん。
ミルヒとカカオの初潮は、もう来たんだろうか?
セルヨーネ侯爵家に花を供えて、ジャン君と爺さんを回収して、聖都に戻って……。
満足して大空に去って行ったカスメを見送りながら。
少しイカ臭くなったコマクサの花を回収して、僕は帰路についた。
余談だが。
この時ジャン君が抱いたゴブリン少女は、この世界線におけるジャン君の「師匠」となる。
「……ゴブリンにはデカい恩があってなー……」と、オークエンペラーのテオに語っている時の台詞には、原作一話のオスゴブリンではなく。
童貞を捧げたゴブリン少女のエロ顔がジャン君の脳裏に浮かんでいたとだけ、言っておこう。