ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!   作:RAP

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第75話 閑話・先輩と後輩

 

 『3945』とそっけない数字が布に書かれた、囚人用首輪。

 見る人が見れば一発でわかるそれを眺めながら、ユーリは真剣に考えていた。

 

 セスレにつけてプレイするにしても『今』じゃないよなぁ、と。

 

 セスレに囚人用首輪をつけて、ご主人様(ハドハディクスジ)とか言わせながら犯す。

 それ自体はユーリがその気になれば今すぐにでも可能だ。

 でもさあ。それは四年後の成長したセスレ相手に、かつ暗黒大陸でやるべき話じゃん?

 16才のセスレに、14才の僕が「家畜通りプレイ」をするのは、なーんか違うんだよなぁ。

 

 セスレの姉セスアーネは『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日記』における若い頃のメイヤさんそのものだった。

 メイヤさんが国の暗部にならず、貴族子女として普通に結婚しようとした可能性の姿。

  

 若メイヤさんが学生時代に着ていた、日本のブレザー制服っぽい服装を思い出す。

 学校指定の制服なのか、それともそれっぽいデザインのドレスなのかはわからない。

 バーチェの任務用にセーラー服を作ったりはしたが、アレはあくまでもバーチェ用だ。

 今のセスレは既に原作時間軸のセスレを想起させる体型なので、バーチェ用の服は合わない。

 ただ、若メイヤさんが着ていたブレザーっぽいドレスは、すぐ用意できるな……と思い直した。

 

 

 * * *

 

 

 ふかダン15巻98Pのような、家畜通りで作業している時の真顔なセスレ。

 そんな無表情で、日本のブレザーっぽいドレスを着たセスレは貴族学校内を歩いていた。

 

 学生時代のセスレを知っている教師は振り返るが、気のせいだろうとスルーする。

 大半の生徒達は、なんか知らない三年生がいるけど転校生かな、とスルーする。

 

 なんか、久しぶりだ。学校が久しぶり、というのもあるけどそうじゃなくて。

 セスレの脳裏に、あの時のユーリの台詞が思い浮かぶ。

 

 『セスレ先輩、貴女が公爵令嬢で、生徒会長で、真面目で、清楚で、美人で、頭もよくて、人気があって、何でも持っているからこそ見られ続けているはずなのに』

 

 ――誰も、私を見ていない。

 なんだか妙に楽しくなって、セスレは久しぶりに歩き方を変えた。

 モデルウォーク。足が長く見えて、お尻も揺れる。……要は、目立つ歩き方。

 

 夕方の下校時刻。大半の生徒は貴族寮か、聖都屋敷に戻っている。

 だから余計に……いま向かっているあの部屋には誰も来ないのだと、わかってしまう。

 なにしろ自分自身がずっと、その『誰も来ない』をずっと味わっていたのだから。

 

 部屋の前で深呼吸。心臓の鼓動が早い。多分、顔は真っ赤だ。

 震える手で扉を二回ノック。「どうぞ」と、すぐに返事がくる。

 

 生徒会室の扉を開け、入室する。

 室内には、ただ一人。夫のユーリが、生徒会長の机に座って書類を書いていた。

 セスレの入室に気づくと、ユーリはセスレを見てニッコリ笑ってみせる。

 

 ユーリはユーリで、冒険者ギルドの人達が着るような……前世日本における男性用ブレザー制服に近いデザインの礼服を着ている。

 もし今のユーリとセスレの服装をジャンが見たら、余裕で二度見するだろう。 

 この世界の貴族学校のルールの範囲内で完全再現した、日本の学生姿そのものだから。

 

「どうぞ、こちらへ。セスレ先輩」

 

 背筋に、ぞくりと走るものがあった。

 セスレが歩き始めただけで、ユーリがくすくす笑いはじめるのがわかる。

 

「久しぶりに見ますね、先輩のその歩き方は」

「……いっ、言われた通りに、来たけど?」

「違うでしょ?」

 

 ユーリが立ち上がり、セスレに近づいた。

 セスレの耳元で、ユーリは甘く囁く。

 

「後輩。後輩ですよ。セスレ先輩」

「ユーリ、後輩」

「後輩クンにしましょうか。その方が呼びやすそうだ……言ってみて」

「……後輩クン」

 

 夕方とはいえ夏なので、まだ明るい。 

 顔を紅く染めたセスレの姿が、陽に照らされる。

 

「ああ、やっぱり。思った通りだ。『今しかない』」

「今しかない……?」

「あと半年もすれば、僕は学校を卒業してしまう。僕が正しく生徒でいられるのは、今しかない。生徒会長として堂々とこの部屋にいられるのも、今しかない。そして、学校を卒業してしまったら、もう……先輩後輩ではなくなってしまう」

「……そうね。ただの年の差夫婦になるわ」

「そう。全てがギリギリなんです……だから今しかない」

 

 ユーリはセスレを抱き寄せる。

 はじめて会ったあの頃こそセスレの方が背は高かったが、今はユーリの方が背が高い。

 そして、鍛えられたユーリの身体は、男の子というよりオスという表現のほうが近い。

 汗が、フェロモンが、雰囲気が、皮膚の下に眠る筋肉が。

 どうあっても勝てないし、逃げ出せない。組み伏せられたら一瞬で犯される相手。

 自分は強いオスの子を孕むメスでしかないのだと、本能が一瞬で従属するのがわかる。

 

 ユーリの手が、太股に触れる。

 スカートの中にユーリの手が侵入し、段々上の方へと撫でられていく。

 

 太股を撫でられる愛撫なんて、過去に何度も受けてきたのに。

 心臓の鼓動が跳ね上がるのがわかる。興奮。そう、私は興奮している。

 

「やり直しましょう、先輩。あの日、あの時……」

 

 ユーリの指が、ぐしょぐしょに濡れそぼった膣内に侵入する。

 織津江がメイヤにそうしたように。

 ユーリもまた、セスレの膣内に指を引っかけ、牛を引くようにセスレを窓際へ案内していく。

 

「……あの時、僕は先輩をぐちゃぐちゃに犯すつもりだったんです」

「こっ、後輩クン! 扉、扉の鍵は」

「鍵? なんのことですか」

 

 息が荒い、乳首が立つ、身体が震える、愛液が止まらない、子宮が疼く!

 

「ほら、窓の外。見てくださいよ先輩、初々しいあの姿」

 

 イヤだと断るつもりだった。

 せめて扉の鍵を閉めてと言うつもりだった。

 しかしセスレは、ユーリに言われるがままに窓の外を見てしまった。

 

 窓の外に、貴族寮へ戻ろうとする生徒達の姿が見える。

 どうせなら政略結婚ではなく恋愛結婚を、と望む男女の貴族が初々しく待ち合わせて、恥ずかしそうに会話をしているのが見える。

 

「閨教育を受けていても、恋愛までは教えて貰えない」

 

 ユーリの手が、セスレの姿勢を少しずつ矯正する。

 手の置き方。足の幅。背のそり。尻のあげかた。

 ひとつずつ、丁寧に。女が男を受け入れる態勢にされていく。

 

「男は女を抱く練習ができる。でも女性は……」

 

 窓の縁に手をつくセスレのスカートが、するするとめくりあげられて。

 既に下着の意味を成していない程濡れているショーツと共に、自分の尻が室内に露出していく。 

 少しショーツを下げただけで、もう準備は完了だ。

 

「女性の貴族は、自分が犯される想像しかできない」

 

 

 * * *

 

 

「ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!R18」

「第75話ex 閑話・先輩と後輩ex」

 

 

 筆者の感覚ではR-15なのだけれど念のためにR-18待避という歯がゆい感覚。

 こういう線引きって個人差が激しいから判断難しいですね。

 

 

 * * *

 

 

 濃厚すぎるセックス体験に、セスレは完全に放心していた。

 膣内射精(なかだし)されただけの、検査もへったくれもない段階なのに。

 女としての勘が、子宮の囁きが、ユーリの子を孕んだと実感している。

 私は学校の、しかも生徒会室で孕んじゃったんだな、とセスレは苦笑した。

 

 

 なお、ユーリの脳内からは綺麗さっぱり忘れ去られていたが。

 結果として、ユーリが当初予定していたセスレ完墜ち計画は完璧に終わった。

 ニコニコオークの存在自体、ユーリは忘れてその後の日々を過ごしていたのだから。

 

 セスレのためだけに開発された異世界ペッサリーは、ユーリの想定と大きく異なり。

 むしろジャンが物凄い勢いで消費していくことになる。

 今やそれも、笑い話の一つなのだけれども。

 

 

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