ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング! 作:RAP
『3945』とそっけない数字が布に書かれた、囚人用首輪。
見る人が見れば一発でわかるそれを眺めながら、ユーリは真剣に考えていた。
セスレにつけてプレイするにしても『今』じゃないよなぁ、と。
セスレに囚人用首輪をつけて、
それ自体はユーリがその気になれば今すぐにでも可能だ。
でもさあ。それは四年後の成長したセスレ相手に、かつ暗黒大陸でやるべき話じゃん?
16才のセスレに、14才の僕が「家畜通りプレイ」をするのは、なーんか違うんだよなぁ。
セスレの姉セスアーネは『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日記』における若い頃のメイヤさんそのものだった。
メイヤさんが国の暗部にならず、貴族子女として普通に結婚しようとした可能性の姿。
若メイヤさんが学生時代に着ていた、日本のブレザー制服っぽい服装を思い出す。
学校指定の制服なのか、それともそれっぽいデザインのドレスなのかはわからない。
バーチェの任務用にセーラー服を作ったりはしたが、アレはあくまでもバーチェ用だ。
今のセスレは既に原作時間軸のセスレを想起させる体型なので、バーチェ用の服は合わない。
ただ、若メイヤさんが着ていたブレザーっぽいドレスは、すぐ用意できるな……と思い直した。
* * *
ふかダン15巻98Pのような、家畜通りで作業している時の真顔なセスレ。
そんな無表情で、日本のブレザーっぽいドレスを着たセスレは貴族学校内を歩いていた。
学生時代のセスレを知っている教師は振り返るが、気のせいだろうとスルーする。
大半の生徒達は、なんか知らない三年生がいるけど転校生かな、とスルーする。
なんか、久しぶりだ。学校が久しぶり、というのもあるけどそうじゃなくて。
セスレの脳裏に、あの時のユーリの台詞が思い浮かぶ。
『セスレ先輩、貴女が公爵令嬢で、生徒会長で、真面目で、清楚で、美人で、頭もよくて、人気があって、何でも持っているからこそ見られ続けているはずなのに』
――誰も、私を見ていない。
なんだか妙に楽しくなって、セスレは久しぶりに歩き方を変えた。
モデルウォーク。足が長く見えて、お尻も揺れる。……要は、目立つ歩き方。
夕方の下校時刻。大半の生徒は貴族寮か、聖都屋敷に戻っている。
だから余計に……いま向かっているあの部屋には誰も来ないのだと、わかってしまう。
なにしろ自分自身がずっと、その『誰も来ない』をずっと味わっていたのだから。
部屋の前で深呼吸。心臓の鼓動が早い。多分、顔は真っ赤だ。
震える手で扉を二回ノック。「どうぞ」と、すぐに返事がくる。
生徒会室の扉を開け、入室する。
室内には、ただ一人。夫のユーリが、生徒会長の机に座って書類を書いていた。
セスレの入室に気づくと、ユーリはセスレを見てニッコリ笑ってみせる。
ユーリはユーリで、冒険者ギルドの人達が着るような……前世日本における男性用ブレザー制服に近いデザインの礼服を着ている。
もし今のユーリとセスレの服装をジャンが見たら、余裕で二度見するだろう。
この世界の貴族学校のルールの範囲内で完全再現した、日本の学生姿そのものだから。
「どうぞ、こちらへ。セスレ先輩」
背筋に、ぞくりと走るものがあった。
セスレが歩き始めただけで、ユーリがくすくす笑いはじめるのがわかる。
「久しぶりに見ますね、先輩のその歩き方は」
「……いっ、言われた通りに、来たけど?」
「違うでしょ?」
ユーリが立ち上がり、セスレに近づいた。
セスレの耳元で、ユーリは甘く囁く。
「後輩。後輩ですよ。セスレ先輩」
「ユーリ、後輩」
「後輩クンにしましょうか。その方が呼びやすそうだ……言ってみて」
「……後輩クン」
夕方とはいえ夏なので、まだ明るい。
顔を紅く染めたセスレの姿が、陽に照らされる。
「ああ、やっぱり。思った通りだ。『今しかない』」
「今しかない……?」
「あと半年もすれば、僕は学校を卒業してしまう。僕が正しく生徒でいられるのは、今しかない。生徒会長として堂々とこの部屋にいられるのも、今しかない。そして、学校を卒業してしまったら、もう……先輩後輩ではなくなってしまう」
「……そうね。ただの年の差夫婦になるわ」
「そう。全てがギリギリなんです……だから今しかない」
ユーリはセスレを抱き寄せる。
はじめて会ったあの頃こそセスレの方が背は高かったが、今はユーリの方が背が高い。
そして、鍛えられたユーリの身体は、男の子というよりオスという表現のほうが近い。
汗が、フェロモンが、雰囲気が、皮膚の下に眠る筋肉が。
どうあっても勝てないし、逃げ出せない。組み伏せられたら一瞬で犯される相手。
自分は強いオスの子を孕むメスでしかないのだと、本能が一瞬で従属するのがわかる。
ユーリの手が、太股に触れる。
スカートの中にユーリの手が侵入し、段々上の方へと撫でられていく。
太股を撫でられる愛撫なんて、過去に何度も受けてきたのに。
心臓の鼓動が跳ね上がるのがわかる。興奮。そう、私は興奮している。
「やり直しましょう、先輩。あの日、あの時……」
ユーリの指が、ぐしょぐしょに濡れそぼった膣内に侵入する。
織津江がメイヤにそうしたように。
ユーリもまた、セスレの膣内に指を引っかけ、牛を引くようにセスレを窓際へ案内していく。
「……あの時、僕は先輩をぐちゃぐちゃに犯すつもりだったんです」
「こっ、後輩クン! 扉、扉の鍵は」
「鍵? なんのことですか」
息が荒い、乳首が立つ、身体が震える、愛液が止まらない、子宮が疼く!
「ほら、窓の外。見てくださいよ先輩、初々しいあの姿」
イヤだと断るつもりだった。
せめて扉の鍵を閉めてと言うつもりだった。
しかしセスレは、ユーリに言われるがままに窓の外を見てしまった。
窓の外に、貴族寮へ戻ろうとする生徒達の姿が見える。
どうせなら政略結婚ではなく恋愛結婚を、と望む男女の貴族が初々しく待ち合わせて、恥ずかしそうに会話をしているのが見える。
「閨教育を受けていても、恋愛までは教えて貰えない」
ユーリの手が、セスレの姿勢を少しずつ矯正する。
手の置き方。足の幅。背のそり。尻のあげかた。
ひとつずつ、丁寧に。女が男を受け入れる態勢にされていく。
「男は女を抱く練習ができる。でも女性は……」
窓の縁に手をつくセスレのスカートが、するするとめくりあげられて。
既に下着の意味を成していない程濡れているショーツと共に、自分の尻が室内に露出していく。
少しショーツを下げただけで、もう準備は完了だ。
「女性の貴族は、自分が犯される想像しかできない」
* * *
「ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!R18」
「第75話ex 閑話・先輩と後輩ex」
筆者の感覚ではR-15なのだけれど念のためにR-18待避という歯がゆい感覚。
こういう線引きって個人差が激しいから判断難しいですね。
* * *
濃厚すぎるセックス体験に、セスレは完全に放心していた。
女としての勘が、子宮の囁きが、ユーリの子を孕んだと実感している。
私は学校の、しかも生徒会室で孕んじゃったんだな、とセスレは苦笑した。
なお、ユーリの脳内からは綺麗さっぱり忘れ去られていたが。
結果として、ユーリが当初予定していたセスレ完墜ち計画は完璧に終わった。
ニコニコオークの存在自体、ユーリは忘れてその後の日々を過ごしていたのだから。
セスレのためだけに開発された異世界ペッサリーは、ユーリの想定と大きく異なり。
むしろジャンが物凄い勢いで消費していくことになる。
今やそれも、笑い話の一つなのだけれども。