ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング! 作:RAP
冬の間だけで色々起きたので、話しておかないといけない。
話したくない出来事ばかりなんだけど、一応。
* * *
まず、真っ先にミーナ夫人の様子を見に行った。
荒らされた本邸は元通りになっていたが、問題は彼女の身体と心だ。
彼女は超絶巨根の旦那のモノを受け入れられるように拡張の努力をしたぐらい、夫を愛していた。頑張って子供を二人産んで、身体を壊したとも聞いている。
そこを
……法の裁きじゃなくて普通に殺しておいても良かったな、副宰相と軍務大臣。
僕のセルヨーネ侯爵襲名時に「私も抱きますか?」と事もなげに彼女は言った。
その時の自嘲気味な笑みは、今でも簡単に思い出せる。
二児の母とは思えない程若々しい、ミーナ・ハーベラ・セルヨーネ侯爵夫人。
島田流家元の外見という紹介をすることはできるけれども。
慌てて本邸に駆けつけたが、慌てて駆けつけたのが正解だった。
ミーナ夫人は拒食症というか、ほぼ水だけでぼんやり生きている状態になっていた。
元々あやうい精神バランスだったのが、
見る影もなくやつれたミーナ夫人は、それでも僕を見て微笑んでみせたけど。
「ミーナ夫人。僕はこれでも医者なんですよ。診察させてもらいます」
僕は学校で生徒会長の仕事をするでもなく、この世界の医師免許を取得していた。
生徒会室ってマジで誰も来ないから勉強に集中できていいんだよね。
あと医者の資格取得は、前世ほどの難易度ではない。
医療行為としてミーナ夫人を脱がし、身体をチェックしていく。
幸い、肛門の裂傷や炎症は治りかけていた。
括約筋を損傷すると元に戻らなくなるので、そこは安心した。
膣、ついでに子宮もチェックしたが、問題は無いように思えた。
……そう、問題は無かった。多分、子供が産める。彼女の身体は壊れていない。
考えてみれば、膣は出産時に子供の頭が通ったりする箇所だ。
数ヶ月以上拡張行為を行なわずに普通の生活をしていれば、充分にもとに戻る。
ビケワを産んだときのことを尋ねてみたが、出血が酷すぎたらしい。
輸血の概念のないこの世界では、まさに命がけの出産だっただろう。
普通に死にかけながらビケワを産み、かろうじて無事に生き延びた。
そこを産婆が「身体がガタついてるから、もう無理させるんじゃないよ」と言えば。
あのニク=ドレ卿なら、二度と自分の妻を抱くことはしないだろう。
……そこから、セルヨーネ侯爵家は静かに壊れていってしまったみたいだけれど。
「死亡届を用意していたぐらいには、私はあの時、あの人と共に死ぬつもりだったのです。どうしても私に生きていて欲しいと願うのであれば。私の身体は治っているから大丈夫だと言うのであれば……私に生きる希望をください。私を抱いて下さい。認知もなにもいらない。捨てられた子供を拾って養子にしたとでもすればいい。……もう、一人は……つらいの……」
家族を一気に失ってしまった彼女に、ひっそり静かに暮らして貰おうと考えた僕の浅はかな気配りは無意味だった。何もかも失った彼女は、繋がりをこそ欲していた。
つまり彼女はこう言いたいのだ。私に食事をさせたいのなら、私を抱いて下さい。子供をください。そしてそれが可能なのは、全ての秘密を知っていて、なおかつ当事者である貴方だけです。
希望を得られないのなら、何も食べず、何も飲まず、私はこの世界から消えましょう。
「今の貴女はあまりにも痩せ細りすぎている。貴女を抱いて朝起きたら隣で貴女が死んでいた、なんて僕はごめんですよ、ミーナ夫人。肌も水分を失ってカサカサだ。せめてもう少し体重を戻しましょう。消化によく栄養価も高い食事を用意させます。ひとすすりでもふたすすりでも、ゆっくり身体に栄養を戻していきましょう。それで……僕が学校に通い続ける意味は最早無いので、卒業しておきます。来年までに聖都から引っ越しをして、活動場所をハーベラ領に移します。考えてみれば、僕が聖都で活動してハーベラ領に代官を置いている時点でおかしかったんです。……そうそう。来年から婚約者が一人増える予定なんですが、彼女には聖都ではなく直接ハーベラの本邸にまで来て貰いましょう。そのうえで……ミーナ夫人。あなたも含めて。みんなで賑やかに、騒がしく、楽しく過ごしましょう。貴女が拾った子供が養子として一人ぐらい混ざっていても、誰も気にしないと思います」
それを聞いたミーナ夫人は、ボロボロと泣き始めた。
西住流家元の次は島田流家元か、と内心苦笑しながらミーナ夫人の頭を撫でていたら。
ミーナ夫人は、痩せこけた頬で、それでも僕に笑いかけた。
「オカサ・マイゴーノ・アドリ=ブヨーワ公爵夫人は、15年以上ぶりに子供を孕んだそうですよ。両刀のオットー卿は、跡継ぎ問題が発生せず、後腐れも無く別れられる美形の殿方を夜のお相手にしていたはずなのに、一体何が起きたのかしらね? 詳しい事をご存じかしら、愛息のユーリ君……それとも、
あっ。この人、なんだかんだでニク=ドレ卿の奥方だ。
僕は顔を引きつらせながら、夫人の額にキスをした。
「それは二人きりの時にしよう、
「
「……僕は貴女が高位貴族なのだと、忘れていましたよミーナ」
高位貴族、怖ェよ!
僕も高位貴族だけど、生まれた時から高位貴族の人達は怖すぎなんだよ!
来年からのハーベラ領の生活は、胃がキリキリ痛みそうだ。
帰ってそう発表したら、特にジャン君が大喜びしていた。
……サビレ村と距離が近くなるから、それだけゴブリン少女といちゃつけるもんね。
原作大丈夫かなぁ、ぶっ壊れすぎても困るんだけど。
僕は遠い目をするしかなかった。
* * *
次いで、ミルヒとカカオの初潮がはじまった件。
彼女達、子供が産めるようになったけどどうしようね? という悩みだ。
身体が未成熟な15才以下での妊娠リスクはどうしても気にかかってしまう。
ミルヒとカカオは現在12才、もうすぐ13才。
原作ではアロが12才で結婚してセックスしまくっていた。
それぐらいには、この世界では12才前後でのセックスや妊娠は当たり前の話だ。
『暗黒大陸に行くんだから、今のうちに産んでおいたほうがいいんでしょ?』
女性陣はみんなあっけらかんと笑って言う。そんなもんなのかなぁ。
聖都屋敷、つまり本邸と比較すれば別荘だけれど、それでも侯爵家だけあって図書室にはかなりの蔵書がある。この世界の最低妊娠年齢の話とか、統計データとか、なんかそういう本が無いかな、と僕は図書室に出向いた。
……図書室に出向いたところまでは、記憶にあったんだけど。
気がついたら、自室の執務机に座っていて、一冊の本を手にしていた。
やばい、記憶が無い。なんだこれ。
えっ、これ日本語の本なんですけど。
この世界ではじめて見たんですけど。
手にしていた本のタイトルは「小中ロック」。
可愛い半裸の少女達が、カラーで描かれ……。
待ってこの絵、見覚えが…… ?
僕は慌てて中身をパラパラめくり、色々確認した。
「著者:バー・ぴぃちぴっと」
「発行日:2009年6月10日 初版発行」
前世日本では絶版で入手難易度が高すぎると思われるので、軽く説明しておこう。
・13才幼なじみ少女に男子小学生が中だし系インピオ
・上の続編で、少女に首輪スク水調教して飲精フェラ顔射
・島に集められた幼女や少女達が巫女として育てられ、訪れた神様(男)にいつでも奉仕しないといけないという特殊環境エロ。ふかダンの聖女騎士の片鱗が出ている。
・ホルモン異常で母乳が出る愛娘を9才から調教して10才で妊娠させ11才で産ませる父親の話
・9才~14才までの少女達と乱交パーティする男の話
・9才少女を前も後ろも調教して孕ませて肉奴隷&肉便器化させる話
・★★★★★ 家で毎晩義父にレイプされてる10才少女に告白した23才会社員の物語
熱いストーリーとレイプを両立させた意欲作。単話ならFANZAで買える。お互いが勇気を振り絞る伏線回収の構造は見事の一言。ねちっこく娘を犯すエロシーンも、 もっと見る▽
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うーん。これは創世神からのメッセージなんだろうか。
つまり9才から抱いて良い。9才でも妊娠する。愛娘を犯して孕ませてもいい。
……流石にヒカリは抱かねぇよ! クソが!
要は、創世神はこう言いたいわけだ。
『ミルヒとカカオは現在12才で、もうすぐ13才? 妊娠とか余裕だから好きにしなよ』
僕はため息をつきながら、創世神の本を執務机の鍵つきの引き出しにしまいこんだ。
開き直った僕は、ミルヒとカカオを同時に寝室に呼んで、3Pを楽しんだ。
「同時に抱けば、誕生日が同じ子供が生まれるんじゃない?」
そんな最低な発言までしてたのに、双子は喜んで抱かれていた。
暫く3Pを楽しんでいたら、案の定、あっさり双子は妊娠した。
両親に報告したら、妾の勤めを果たせたと凄く感動していたという。
一方、ただでさえなかなか妊娠できず悩んでいたバーチェが、王城での一連の事件を目の前で見たショックでさらにメンタルが弱っていた所に、セスレに続いてミルヒとカカオまで無事に妊娠したと聞いて。
いわゆる「妊活うつ(不妊うつ)」を悪化させ、ノイローゼで寝込んでしまった。
このことがきっかけで、久しぶりにユーリちゃんが出動することになって。
色々あって、僕のメンタルの方がぶっ壊れかけるんだけど。
そのことも、話しておこうと思う。
* * *
「あー、まとめよう」
「はい」
ベッドで寝込んでいるバーチェから、僕は話を聞いていた。
「バーチェはただ抱かれるのではなく、僕も抱きたい。僕を抱くことで、僕と対等になったと実感でき、王城での出来事も忘れられるとバーチェは思っている。そしてそれは、同時にアイリスの願いにも繋がっている」
「はい。アイリスは、元々お尻の方で抱かれておりましたから。ユーリ様を女の子にみたてて、いつかユーリ様を抱きたいと願っていたようです。今から思えば、アイリスにはうにょうにょ様がおりましたから、その気になれば実行できてしまったのでしょうね」
「女装した僕が、ふたなりのアイリスにお尻を捧げることになっていたかもしれないのか……」
『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ・ランペルージは言った。
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」
前世でボーイズラブ好きだった女にアナルセックスさせてくれと言ったら、こう返された。
「私のお尻にバイブを入れたりおちんちんを入れたりしたいのなら、私があなたのお尻にバイブを入れても許されるよね?」
つまり、アナルセックスを求める男は、アナルセックスをされる覚悟のある男理論。
「アイリス亡き後にユーリちゃんという概念が発生して、ややこしくなっちゃったのか」
「はい。ユーリ様を女の子に見立てるはずが、本当に女の子になってしまいました」
「子供は産めないんだけど、理論上、セックスできちゃうんだよなぁ……」
スライムめ、余計なことを。
「女装した僕がお尻を捧げるか、女の子の僕が前を捧げる……なんて二択だ。それならまだ、絵面的にユーリちゃんの方が断然マシだ」
「私も、うにょうにょ様に手伝って貰った方がいいですか?」
「あー。待って。ふたなり……ふた百合? まぁジャンルはともかく、ふたなりセックスって二人でS字を描くような変な体位か、腰に大きな負担をかける変形松葉崩しの二つしかないから、どっちの体位も苦痛の方が大きいかも。ペニスバンドかスライムかはともかく、先にバーチェ主導で僕を抱いて貰って、その後で僕がバーチェを抱く。これが一番無難じゃないかな」
ディルドはともかく、この世界にペニスバンドってあるんだろうか。
仮にスライムを擬似的に使うと、スライムの疑似ペニスが、スライムの疑似膣を犯す?
ここまで来ると、なんだかもうわかんねぇな。
「では、それでお願いします」
「わかった、じゃぁ今夜試してみよう」
そういうことになった。
久しぶりの女性体、ユーリちゃんとなった僕は、スライムの協力で擬似的にふたなりとなったバーチェを見て遠い目をする。
つまりレズビアン用ペニスバンドが売って無かった。作るしかないけど作る気は無い。僕じゃなくてレズビアン自身が作れ(正論)。
改めて見ても、僕にふたなり属性は無いとわかる。前世も今世も、共通してふたなり属性はない。今世は僕自身がふたなりになれてしまうが、それでも属性が無いものは無いのだ。
属性が無いから別に興奮はしないし、可能だからといってバーチェにそれを望みもしない。
適当な前戯のあとに、とりあえずふたなりバーチェとユーリちゃんで合体してみた。
元々女装の僕を抱きたかったということで、体位はバックだったんだけど。
スライムの疑似ペニスがスライムの疑似膣を犯すだけなので、お互いに快楽もない。
でもバーチェ的には「こういうのは雰囲気なんです」とのことで、興奮してるらしい。
……というか、アイリスかバーチェでもなければ、ユーリちゃんを抱かせないからね?
嫁連中ならまだともかく、男が抱きたいとか言ってきたらその瞬間に首を刎ねて――
ジャン君に壁ドンされて目を見つめられながら熱く口説かれたら受け入れてしまいそうで怖いので、ジャン君のセックスライフは積極的に応援していきたい。頼んだよゴブリン少女ちゃん!
ジャン君はいつも真っ直ぐな気持ちで向かってくるから、油断すると精神的BLタグがつく展開になりそうで正直震えてる。雷光流の指導中とか、ジャン君は本当にキラキラ輝いてさ……。
気分を出すために、偽物のあえぎ声とか出した方がいいのかなぁ。
スライムが過去に言った通り「膣を形成した皮膚がチンポで撫でられるだけ」なので、マジで快楽はない。バーチェの言う通り、雰囲気だな。雰囲気を楽しもうか。
僕は開き直ることにした。
ふたなりモードのユーリちゃんが、バーチェを正常位で抱いている時に問題が発生した。
正常位でのほほんとバーチェを抱いていた時の、突然の不意打ちだった。
バーチェの蟻の門渡り、あるいは会陰と呼ばれる場所、陰部と肛門の間。
スライムはその場所に疑似ペニスを作り出し、ユーリちゃんの疑似膣に突っ込みやがったのだ。
本来ふたなりで想定されるセックスではあり得ない光景。
正常位のままお互いのものを入れあって出し合うというファンタジー。
異世界だからって何でもスライムで解決しやがってよお!
しかも。あいつらよりによって。
神経接続の研究を進めて、ユーリちゃんの疑似膣で快楽を感じられるようにしやがった!
『ゴシュジンサマのユーリとアイリスの性交時の快楽値データを転写させてもらった。膣を形成した皮膚がチンポで撫でられた時に、理論上はアイリスと同じ快楽を得ることができるようになる。これで、ゴシュジンサマのユーリの性交時に可愛いを毀損することはなくなった』
アイリスの気持ちよさを僕にコピペしといたから問題無い、ってことね。
馬鹿野郎! そんな注文も命令も出してねぇだろうがよ!
女性の快楽は男性の10倍以上だとか、そんなデータがあるらしいけれど。
男性としての快楽を求めて動く度に、同時に女性としての未知の快楽が僕を襲う。
真面目な話、一瞬で気が狂いそうになった。
脳みそが快楽で回らなくなって、アヘモードになっていた。
動きが完全に鈍って、バーチェに身体を引っくり返されて……女性上位、バーチェからすれば正常位で激しく犯されていた。
そうなると、もう本当に駄目だった。
女性のようにM字開脚して、バーチェに奥を突かれまくって、同時に萎えない自分のモノがバーチェに包まれていて、いれたりだしたり、はいったりでたり。
ユーリちゃんな僕は、あーとかうーとか言うだけの物体になった。
バーチェに激しくキスされながら、頭の中はぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐるぐる。
僕が達してバーチェの中に吐き出したのは覚えているが、そこで完全に意識が飛んで、そこから先はよく覚えていない。
僕は正確に丸二日間、使い物にならなくなった。
翌日は一日中、身体がガクガクして動かず。発熱すらあって完全に寝込んで。
その次の日は、アイリスの笑顔とか、アイリスの願いとか、アイリスの死とか、アイリスの裸とか、アイリスの喪失感とか、アイリスの子供のこととか、アイリスの涙とか、アイリスを抱いた思い出とか。彼女が死んでから、できるだけ考えないようにしていたアイリスのことが一気に全部とめどなく襲いかかってきて、僕は泣けばいいのか笑えばいいのか悲しめばいいのか悼めばいいのか何もわからなくなって、メンタルがぶっ壊れかけて完全に寝込んだ。
この二日の間に白面金毛に襲われていたら、セルヨーネ侯爵家は終わってましたってぐらいに僕は使い物にならなくなっていた。
メンタルが回復したバーチェには、何度も何度も謝られてしまった。
最近色々あったから、僕も疲れてたんだと思うよ。
僕はそう言って、なんとか笑顔で誤魔化した。
* * *
丸二日間寝込んでいたけれど、落ち着いたので起き上がった。
一人でぐっすり寝ていたが、窓の外を見ればすっかり夜だ。
桜煙草でも吸おうかと、ベランダに出たら。
……それはもう、見事な満月が浮かんでいた。
桜煙草をやめて、僕は満月を眺めることにした。
(BGM:∀ガンダム 「月の繭 」歌:奥井亜紀. 作詞:井荻 麟. 作曲:菅野よう子)
山の端 月は満ち 息づくあなたの森
夏草浴びて眠る
アイリスの墓は、作っていない。
彼女が産まれた村に作るのも。
彼女が死んだタレーメ領に作るのも。
長く過ごしたアイダ領に作るのも。
どれもこれも、違う気がした。
おぼろな この星 大地に 銀の涙
そうさ。
アイリスは、僕とバーチェの中で生きている。
そう言おうと、したのだけれど。
青にLaLaLu LaLaLu 染まる恋し
全然違うと、理解できてしまった。
簡単な話だ。
僕がいまだに、アイリスの死を受け止めきれていないだけ。
やがて
いのち輝かせよ
僕は。僕はね、アイリス。
別に、モブ人生でも良かったんだ。
あの月 あなたなら 悲しみを写さずに
世の揺らぎ見つめて 嘆かずに飛んでみる
みんなで、F級冒険者としてさ。
僕と、バーチェと、アイリスの三人パーティ。
頭のおかしい連中だと、皆に笑われながら旅をする。
風にLaLaLu LaLaLu 唄え
原作キャラが、原作話を目の前で展開する。
原作台詞を聴きながら、それを肴に飲んだりしてさ。
僕だけ何も知らないふりをして、笑うんだ。
揺らぐ夜に生まれ 銀河をわたる蝶よ
いのち輝かせよ
僕が必死に生きようとしたから、二人に出会えた。
二人と生きるには、お金を沢山稼ぐしかなくて。
お金を稼ぐために頑張ったら、目をつけられて。
生きるために頑張るほど、大事なものが増えていって。
抱えたものが増えすぎて、手からどんどん零れていった。
青にLaLaLu LaLaLu 染まる恋し
アイリスも。
クコロも。
グラスちゃんも。
やがて
いのち輝かせよ
そんなつもりは無いのだけれど。
少しずつ、手から零れていってしまう。
満月がぼやけて見える。
涙が止まらない。
ぐちゃドロのセックスがきっかけでこんな感情になるだなんて。
なんだかしまらないな、本当。
まあ、でもさ。
僕を抱きたいっていう願いが叶ったんだから、笑って許してよ、アイリス。
* * *
学校で受ける授業なんてもう何一つ無いので、卒業証書を受領して。
僕達は聖都を去り、ハーベラ領本邸へと引っ越しをした。
ミーナ夫人もある程度回復し、失った筋肉を取り戻すリハビリに移行している。
そうそう。例のふたなりセックスで、バーチェは無事に妊娠したよ。解せぬ。
やがて年は明けて、僕は15才となり。
アロちゃんと、奴隷メイドのナギさんとウォルさん。
あと分類的にモブとなってしまう何人かの奴隷メイド達が。
複数の馬車に揺られて、ハーベラ領のセルヨーネ侯爵家本邸へと訪れる日がやってきた。
暗黒大陸行きを考慮した家族計画とはいえ、セスレ・バーチェ・ミルヒ・カカオが妊娠していて、ミーナさんも妊娠したがっているから、このタイミングでメイドが増えるのは助かった。
アロちゃんの側室話をマキスト・ビスス・ローリン男爵から聞いた時は「もうどうなってもいいや / 星街すいせい」が僕の頭の中で流れていたけれど。あのあとジークアクス一挙放送夢によって最終話まで見せて貰ったので、今の僕はちょっと違う。
逃げたら一つ、進めば二つ。
ここは進んでみましょうか。
僕は14巻140Pの伯爵出迎えシーンを再現するためだけに、館の前で婚約者アロちゃんを出迎えることを嫁一同に提案し。
貴族礼服ではなく最上位の貴公子服まで着て、万全の準備で待ち受けることにした。