翌日
博物館跡
そこでは幸華は爆発後を厳しい顔で見ていた。
刑事「クイーンキッドの奴、許せませんね」
幸華「あの子じゃないわ」
刑事「は?」
隣にいた刑事のに幸華はそう言って続ける。
幸華「あの子は爆弾で人を殺す事はしないわ」
人以外を除いてね…と内心呟くと別の刑事が書類を持ってくる。
刑事2「爆死した被害者の検死結果です」
幸華「貸しなさい」
持って来たのに目を通して幸華は指示を出す。
幸華「昨夜此処にいた全員の名前を洗い出しなさい!オークションの関係者に観客を徹底的によ!」
刑事「「はっ!」」
指示を出し終えた後にポリスライセンスに通信が入る。
幸華「こちら銭形」
通信に出た後に報告された事に顔を顰める。
☆
一方外ではポップコーンを売っていた少女が憮然とした表情で博物館から離れていた。
入りたかった様だが立っていた刑事に断られてしまったのだ。
どうしようか…と少女は考える中…
ヨーグ「やぁ君」
声をかけられて少女は顔を上げるとそこにはヨーグがいた。
少女「あ、昨日の」
ヨーグ「昨日はお店を壊しちゃってごめんね。これ代金」
そう言って厚みのある封筒を少女に差し出す。
少女「こんなに!?」
受け取った封筒の厚みに驚いている少女にじゃ頑張ってねと述べてからヨーグは手を上げて去ろうとする。
少女「待って!」
ヨーグ「ん?」
いきなり呼び止められてヨーグは振り返る。
しばしの静寂が流れ…
少女「怪盗でしょ」
口を開いたと思ったらヨーグを指さす。
ヨーグ「へ?」
いきなり言われてヨーグは周りを見ると歩いていた通行人はチラリと見ただけですぐさま歩き出す。
ヨーグ「えっと…」
少女「ニュースで見ました。昨日、博物館の地下から宝玉が盗まれたって盗んだのはクイーンキッドだって、クイーンキッドって名前は聞いた事あるし、って言うか昨日警官に追われてたし、それに先頭の可愛い洋服を着た人がクイーンキッドって呼んでたし」
頭を掻くヨーグに少女は矢継ぎ早に言う。
ヨーグ「ははは…;」
流石にこれ以上いるとどこからともなく幸華が来てもおかしくないなと考えてヨーグは離れた方が良いと思い歩き出す。
少女「あっ待って!」
それに少女も追いかけるがヨーグは足幅を早める。
少女「もう待ってください!」
それでも少女は付いて来てヨーグのマントを引っ張る。
なぜ少女が自分に執着して来るのか分からないがこのままだと氷室と戦うのに邪魔になってしまうので振り払おうとし…
ヨーグ「よっ、じゃあね!」
少女「待ってください!クイーンキッド先生!!」
マントを外して走り去ろうとしたヨーグは少女の口から出て来た言葉に思わずつんのめった後に体勢を立て直す。
ヨーグ「せ、先生?」
少女「はい!それとお願いします!弟子にさせてください!怪盗になりたいんです!」
目をパチパチさせるヨーグにマントを持ったまま少女は頭を下げる。
ヨーグ「で、弟子に?」
頭を下げている少女にヨーグは思わず呆気に取られる。
自分に付きまとう理由は分かったが、まさか怪盗になりたいと直球でぶつけるとは思いもしなかったのだ。
ヨーグ「(ど、どうしよう)」
まさかの展開にヨーグは戸惑う。
ほとんどのを余裕で過ごす彼女だが、まさかいきなり弟子入りを頼み込まれるなど全然ないから慌ててしまう。
もし知り合いの探偵が今の彼女を見たらなかなか新鮮だなと思っているだろう。
ヨーグ「ね、ねぇ君」
少女「麻紀です!」
声をかけるヨーグに少女は自分の名前を名乗る。
ヨーグ「麻紀ちゃん、君はなんで怪盗になりたいの?」
麻紀「盗みたいからです。自分のかけがえのない人を」
聞くヨーグに麻紀は強い意思を込めて言う。
ヨーグ「!へ~…」
それにヨーグは彼女の瞳から本気だと言うのが分かった。
本気でその人を盗みたい!…そう言う気持ちが…
ヨーグ「でも思いだけじゃ怪盗はできないよ。なにか技術がないと」
そう言った瞬間、彼女の前にバイクがあった。
もう一度言おう。
彼女が
ヨーグ「…え?」
麻紀「(ふんす)」
いきなりの出来事に呆気に取られるヨーグの前で何時の間にか工具を持って胸を張る麻紀の姿があった。
ヨーグ「え、これ君が?」
そう言って再びバイクを見ると…サイドカーが付いていた。
くどいだろうがもう一度言おう。
目を反らしていたら
ヨーグ「…」
麻紀「私だってそれ位分かってます。だけど、技術だけではその人を救えない所にいます。だからお願いです!弟子にしてください!」
え?何時の間に付いてたの?と驚きながらサイドカーを触るヨーグに 麻紀はそう言う。
ヨーグ「えっ、えっと、僕は弟子とか取った事ないし弟子を取る気もないんだ。他を当たってくれないかな」
驚きながらもヨーグはそう言って慌てて歩き去る。
それに麻紀も後ろに続く。
ヨーグ「(追ってくるな…よしこうなったら)」
それを見てヨーグは透明になって逃げようとするが麻紀はメガネをかけるとそのままヨーグが見えてるかの様に後ろに続いている。
ヨーグ「?!ちょ、あの子ほんとにただの少女!?」
驚きながらヨーグは思わず自分の知りうる限りのメカに詳しいと言うか規則外レベルの科学者メンバーを思い浮かべながら必死に走る。
その際、噂されたメンバーがくしゃみしたのは些細である。
☆
ディバイト「どうした?銭形の姐さんにでも追われたのか?」
しばらくして息を荒げて隠れ家に来たヨーグにディバイトは聞く。
ヨーグ「それより100倍は厄介な女の子に追われたよ」
ふうと溜息を付いて返すヨーグに誰もが首を傾げるがディバイトが先ほど得た情報を伝える。
ディバイト「それより、どうやら博物館から藤堂昌江の死体が発見されたらしい」
フォトン「これから察するに裏で糸を引いていたのは…」
ヨーグ「あの氷室って奴に決定だね」
フォトンのを引き継いで息を整えたヨーグが言う。
ナチュラル「あんなに精巧な物を作れると言う事は本物の人魚の鱗を持ってると考えられますね」
アーサー「彼の狙いは一体…」
???「奴の狙いは八尾比丘尼の財宝やで」
ナチュラルの後の腕を組んで呟いたアーサーに答えたのは、何時の間にかカウンターに背を預けたヴィジョンであった。
ヨーグ「あ、ヴィジョン。やっぱり無事だったんだ」
ヴィジョン「うぅ、反応軽すぎるでヨーグ、此処はぎゅ~とする場面やろ」
軽く言うヨーグにヴィジョンはちょびっと落ち込む。
ディバイト「で八尾比丘尼の財宝ってのはなんなんだ?」
それをスルーしてディバイトは彼女が言った事を聞く。
はいはいとヴィジョンは説明を始める。
ヴィジョン「知っとるやろうけど八尾比丘尼は八百年も生きたとされる伝説の女性でな…その美貌から数多くの男どもが妻にしたくて言いよって財宝を貢いだちゅう訳や。んで男は年老いて死んで行く中で女は若い美しい美貌のまま、そんな女へ次の男が来る。そんな事が繰り返された中で数百年経ったのちに女は仏門に入って尼になったんや。んでその女が何で長く生きられたのは人魚の肉を食べたからや」
ヨーグ「へ~、蓬莱の薬以外にそんなのがあったんだね」
ナチュラル「つまり、氷室の狙いはその八百比丘尼が築いた財宝なんでしょうか?」
アーサー「しかし、伝説なのでは?本当にあるんですか?」
説明を聞いて関心して言うヨーグの後にナチュラルとアーサーは首を傾げる。
ヴィジョン「その財宝のある場所に行くのには二つの宝玉が必要なんや。一つは人魚の鱗、もうひとつが…」
フォトン「もう1つは?」
前置きするヴィジョンにフォトンは聞く。
ヴィジョン「龍鱗石ちゅう宝玉や」
それを聞いてヨーグは不敵に笑う。
???「(龍鱗石…)」
ただ、それを聞かれている事をヨーグ達は知らなかった。
☆
しばらくして必要と言われている龍鱗石を幸華率いる警官達が警備していた。
幸華「クイーンキッドめ…」
手に持った予告状を握りしめて幸華は気合を入れる。
ディバイト「おいおい良いのか?」
ヨーグ「なにが?」
そんな幸華を見ていたヨーグにディバイトは話しかける。
ディバイト「姐さんが持ってるのはヴィジョンが出したのだぞ?付き合う義理はないと思うぞ」
ヨーグ「ところがそうはいかないんだよ」
そう言うディバイトにヨーグは肩を竦めて答える。
ヨーグ「僕はクイーンキッドだからね」
そう答えてディバイトにラジコンとかに使われる送信機を渡して不敵に笑うのにディバイトはやれやれと肩を竦める。
幸華「もうすぐね…」
何時でも動ける様に身構える。
??「(が、がんばろ)」
誰もがクイーンキッドが来ても良い様に警戒していた時だった。
《ワハハハハハ!!》
突如響き渡るヨーグの笑い声に幸華は慌てて周りを見る。
すると何かに驚いて後退っている警官数名がいる事に気づいた後に…出て来たのに絶句する。
なんと、出て来たのはヨーグとディバイトの巨大人型バルーンであった。
誰もが驚く中で風船を動かしているディバイトは不敵に微笑みながら動かす。
《予告どおり、宝石を頂き参りました!》
幸華「く、クイーンキッド!?」
誰もが驚いている間に風船は急速に膨らみ続ける。
幸華「!警戒しなさい!」
それに幸華はすぐさま警告した後にどう来るかに身構える。
膨らみ続けていた風船だったがヨーグのバルーンが道路の脇にある街灯の先端が突き刺さり…
バン!!!
破裂する。
バン!バン!バン!!
それを皮切りに風船は強大な音を立てて破裂して行き…
ピカーーーーーン!!!
強烈な光を放つ
幸華「っ!」
それに幸華や警官たちは慌てて目を隠す。
隠れていた存在も慌てて遮光ゴーグルを付ける。
ヨーグ「よっと!」
そんな大混乱の中でマンホールからヨーグが蓋を吹っ飛ばして出て来て先ほどので耳も聞こえ辛くなってるので気付いてない警官や幸華の横を通り抜けてすぐさま龍鱗石の置かれている場所へ近づいて右手に装着した小型熱断機でガラスを円形にくり抜き、くり抜いたガラスを押してすぐさま龍鱗石を取ってマンホールへ走ろうとし…
ひゅばっ!!
横からの何かに手に持っていた龍鱗石を掠め取られる。
ヨーグ「え?!」
いきなりの事にヨーグは驚いていたがすぐさま目くらましの時間切れが来てるのに気付いた後に慌てて自分が出て来たマンホールに飛び込む。
幸華「っ~~~…あっ!?やられた!!」
その後に目くらましの光が収まり、幸華は盗まれたのに気付いて悔しがる。
慌ただしく動く中で隠れていた人物はそれを見た後に急いでその場を離れる。
一方でマンホールから逃げたヨーグは地下鉄を利用して離れ、すぐさま地上に出てディバイトと合流する。
ディバイト「目当てのは?」
ヨーグ「誰かに盗られた」
意気揚々に聞くディバイトだったが出て来た言葉にはっ?と呆気に取られたがすぐさま詰め寄って聞く。
ディバイト「誰に!?」
ヨーグ「それがわかれば苦労はしないよ;」
その様子からああもうとディバイトは頭をガシガシ掻いてぼやいた後にとにかく戻るぞと言い、ヨーグも頷いて2人は隠れ家に戻る。
それを1人の人物が静かに、だが見失わないスピードで追いかける。
☆
しばらくして隠れ家に戻った2人の報告に4人は驚き、ヴィジョンは驚きながらちょいと用事あるでと出て行った。
フォトン「珍しいな」
ナチュラル「確かにそうですね」
ヨーグ「いやほんとに一瞬だったよ…」
心底珍しそうに述べるフォトンとナチュラルに頭を掻いた後にヨーグは気を取り直して今後の事へ切り替える。
ヨーグ「とりあえずコレからどうする?」
ディバイト「此処は人魚の鱗をもう1回取りに行くべきだろうな」
フォトン「龍鱗石ももしかしたら氷室の手先が盗んだ可能性もありうるな」
そう上げるディバイトの後にフォトンがそうつけ加える。
ヨーグ「んじゃ早速今夜行こう」
ディバイト「なら、俺とフォトンは氷室の自宅へ向かう」
フォトン「承知」
ナチュラル「なら私達はオフィスと言う事になりますね」
アーサー「そうなりますね」
提案するヨーグにディバイトはそう言い、ナチュラルとアーサーも続く。
ディバイト「それと…調べて分かったが影浦と言う奴には気を付けろ。氷室の護衛を務める凄腕の殺し屋だそうだ」
ヨーグ「了解。んじゃ行こう…!」
かと言いかけて行動を開始しようとした5人は戦闘態勢に入る。
まずナチュラルが電気を消し、入り口へフォトンとディバイトが各々の武器を持って構えてから見合った後に頷いた後にディバイトが扉の取手を掴んで一気に開ける。
麻紀「きゃっ?!」
なんといたのは麻紀で自分の前に着き出されたディバイトの銃とフォトンの刀に驚く。
ディバイト「なんだこいつは?」
フォトン「子供?」
ヨーグ「麻紀ちゃん?!」
麻紀を見て芽をパチパチさせてから武器を仕舞う2人の後にナチュラルが電気を付け、それが知ってる人物だったので驚いたヨーグが話しかける。
麻紀「クイーンキッド先生!」
アーサー「え?」
ナチュラル「先生?ヨーグさん何時の間に?」
ヨーグ「あー、ちょっとね。でもどうしてここに?」
麻紀の発した事に4人はヨーグを見て本人は頭を掻いた後にそう聞く。
麻紀「そこの人と一緒にいたのを追いかけて来たんです」
ディバイト「マジか?」
その問いにディバイトを指して言った事にディバイトは驚く。
ヨーグ「で何しに来たの」
麻紀「話は全部聞きました!氷室って人の会社に忍び込むんですよね?」
話しかけて出て来た言葉に参ったなと顔を抑える。
麻紀「私も付いて行って良いですか?」
ヨーグ「駄目だよ。危ないだろ」
そう聞く麻紀にヨーグはそう返してほら帰ると言う。
麻紀「怪盗の修行がしたいんです!付いて行きます!」
ヨーグ「あのねぇ…死ぬかもしれないんだよ?」
麻紀「死ぬのは怖いです…ですが何もできずにただ失うのはもっと怖いからそれが出来る怪盗になりたいんです!!」
そう忠告するヨーグに麻紀は強く答える。
するとナチュラルがおずおずと申し上げる。
ナチュラル「あの…でしたら戦う力をあげるのはどうでしょうか?」
ヨーグ「というとライダーの力をかい?」
そう聞くヨーグに作れればですけどとそう言ってナチュラルは持って来ていたパソコンの画面にそれを展開する。
展開された画面に映し出されたのはシステムの設計図であった。
隅っこにファイズギアセットと書かれている。
フォトン「これは前に盗み出した奴にあったファイズの設計図か?」
ナチュラル「はい」
ディバイト「おまっ、作るのに時間がかかるのをチョイス…」
フォトンの問いに頷くナチュラルへディバイトはするなよと言いかけてテーブルに目を向けて固まる。
すると、そこには映し出されていたファイズギア一セット置かれていた。
もう一度言おう。
アーサー・ディバイト・フォトン・ナチュラル「「「「え?」」」」
ヨーグ「あ、ちなみに言い忘れてたけどこの子凄い技術力持ってるから」
呆気に取られる4人にヨーグはそう言う。
驚きから覚めたフォトンが試しにベルトを付けてファイズフォンを操作する。
5・5・5!
Standing by!
そのままファイズフォンをフォンコネクターに突き立て左側に倒す
Complete!
音声の後にベルトからラインが伸びて強く発光してからフォトンは仮面ライダーファイズになる。
ファイズ「なんと…ちゃんと変身出来る」
驚いて手を見た後に続けてファイズアクセルを装着するとアクセルメモリーを抜いてファイズフォンのメモリースロットに装填する。
Complete!
音声の後に胸部アーマーのフルメタルラングが展開して肩の定位置に収まり、アルティメットファインダーの色は赤、エネルギー流動経路は銀色のシルバーストリームに変化する
Start Up!
続けてファイズアクセルのスタータースイッチを押してアクセルモードになり…
3・2・1…Time Out!Reformation
音声と共に通常に戻る。
ファイズ「なんと言う事だ…話に聞いていた負担が全然ない。と言うかほとんどそのまま戦えそうだ」
麻紀「色々と改良も加えましたしね」
ディバイト「おいおい、短時間、いや、短分もの間に出来たのかよ」
驚きながらそう言うファイズへ麻紀は笑ってディバイトは呆れる。
アーサー「ならば私はディバイト達と向かいましょう。丁度3・3になります」
ヨーグ「それがいいね」
アーサーの言葉にヨーグは頷く。
そんな訳で麻紀を含めて6人はそれぞれ別れた。
会社に忍び込む際、ヨーグは別ルートで突入し、麻紀とナチュラルは清掃員に化けて入る事にした。
待ってろよ~とヨーグは笑う。