武装戦姫シンフォギア   作:アクペリエンス

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覚醒の鼓動

錬金術の粋を集めて精製された超常の合金。

『核鉄』。

人の闘争本能によって作動するそれは、持つ者が秘めたる力を形に変え、

唯一無二の武器を創造する。

それが『武装錬金』である。

そしてそれを扱う戦士達の総称『錬金戦団』。

錬金の戦士と呼ばれた彼らは何時しかこの世から姿を消して行った。

彼等の消失と共に核鉄もまた歴史から消えた。

そう思われていた。

 

◇

 

「まさかこんなことになるなんて」

 

霞んだ視界に移るのは白銀。

なんでこうなったんだっけ。

 

「これは巻き込んでしまった私から君への償い」

 

ズキズキと痛む胸、思い出すのは最後の瞬間。

そうだ。

俺はあの時確かに見た。

ノイズとは別の化物を、それに襲われそうになってた女性を助けようとして。

それでーーーー。

 

「君が理不尽に本気で抗う時、それは君に力を与える」

 

「その時はこう叫ぶんだ……」

 

◇

 

「ぃ…おい!起きろ!起きろカズキ!」

 

「うわぁぁぁぁ!!……って姉さんか……」

 

「姉の顔を見た第一声がソレかぁ?……ったく」

 

「何だよもう……ってまだ登校するには早い時間じゃん」

 

時計に目をやれば時刻は5時。

登校時刻にはまだ早いし、朝食をとる時間でもなかった。

 

「何だって、あんた魘されてたんだよ、怖い夢でも見てたのか?」

 

「俺が?……まぁでも確かに怖い夢だった……」

 

先程まで見ていた悪夢。

あんなのを見たら誰でも魘されるだろう。

 

「そうかい……また、あの時の?」

 

「ううん……もっと怖い夢だった……」

 

姉と自分以外の家族を亡くしたあの事件。

今でもたまに夢に見る。

しかし、今日の夢はもっと恐ろしかった。

 

「あんたがそこまで言うって……一体どんな夢だったのさ」

 

「うん、あれは……裏山の廃工場だった…そこに女の子がいて、その子がノイズとは違う……蛇みたいな化け物に襲われてたんだ。俺はその子を助けようとして……」

 

「そんでその怪物を倒したって?」

 

「いや、そのまま殺されちゃった」

 

「はぁ?そういう時期なのかもしれないけど変な夢を見てんなぁ」

 

呆れたような顔で笑う姉を見て俺もつられて笑う。

 

「ま、いいさ。あ、そうだ今日も私は遅くなるから、晩飯は冷蔵庫にでも入れてくれ」

 

「分かった!姉さんもライブが近いんだし、体調には」

 

「わーってるよ!全く、旦那と言いカズキと言い心配しすぎだ」

 

このなんてことのない日常が崩れさるなんて、この時の俺は思いもしなかった。

そして俺は選ぶことになる。

この日常から抜け出し、戦士として戦わなければならなくなるか。

もしくは全てを忘れ、日常に戻るかを。

 

◇

 

何で。

何で何で!

 

「なんでこんな時に!!!」

 

ノイズ警報。

人類に対して最悪を齎す災害を知らせる警報。

それが今日、自身の姉である『天羽奏』の誕生日に起きたのだ。

 

「っ!!ここにも!!」

 

逃げて逃げて、自分の考えつく全ての裏道を通るがその全てに先回りしてたようにノイズが闊歩している。

引き返す?。

無理だ、引き返したところで逃げ道はない。

なら目の前のノイズの群れの前を突っ切る?、もっと無理だ。

どうする、どうすればいい。

刹那、心臓が熱くなる。

ズキン、ズキンと鼓動と共に痛みが置き、あの日の記憶を思い出させる。

 

◇

 

「君は死んだ、自体を図らず。力量を省みず、考えもしないで飛び込んだ」

 

裏山に生えた大木の根元。

そこに居た。

 

「けれど、君は私を助けようとしてくれたのだな」

 

「これは私から君への償い、この世に現存する数少ない『核鉄』。錬金術の粋を持って作られた超常の産物」

 

「これは人間の1番深い、本能とも呼べる物によって作用する」

 

「これを心臓の代用品として生存本能を揺り起こさせる、君はもう一度生きる力を手にし、そして同時に新たな力を手にする」

 

「もし君が不条理に本気で抗い、闘いたいと願うなら……その時はこう叫ぶんだ」

 

◇

 

「『武装錬金』ッ!!!!!」

 

◇

 

「司令!新たなエネルギー反応発見!!これは……聖遺物じゃありません!!」

 

「何ッ!!?」

 

「これは……この反応は一体……」

 

「核鉄よ」

 

「核鉄…だとぉ!!??」

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