青春の奇跡が守った日常   作:馬刺しユッケ

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正直何曜だろうと同じ会話してそう


早瀬ユウカのシャーレでの日常

バスから降りて私はシャーレオフィスの前に立った

今日は少し久しぶりのシャーレの当番である

少しはやる気持ちを抑えて考え事をする

 

今日は水曜なので先生は面倒くさがって書類を貯め始めた頃だろう

ちょっと強めに叱ることになりそうだ

 

「計画的に処理して下さいって毎回言ってるのに…」

 

とはいえ決めつけるのはまだ早い

もしかしたらちゃんと書類を処理していたら、3時とかに仕事を終わらせて先生と2人きりで…

 

なんて考えていると執務室の扉の前に着いたので、急いでその考えを払って深呼吸をして、扉を叩く

 

コンコンコン

 

“入っていいよ〜”

 

「失礼します、先生。当番に来ましたよ」

 

扉をくぐりデスクに座る先生に近づく

 

“あっ、ユウカ!来てくれてありがとう!さぁ、座って!コーヒーでも出すよ!”

 

「えっ…」

 

ソファーに半ば無理やり座らされ、違和感を持つ

ああいう時の先生は大抵なにかを隠していることが多い

 

「先生…今のうちに正直に話してくれたら、怒らないであげますよ?」

 

“な…なんのことかな、私は別に何もしてないよ”

 

怪しい…こういう時はだいたいおもちゃか書類を放置していることが多い

 

「本当に何も隠してないんですか?」

 

“うん、何も隠してないよ”

 

「そうですか…」

 

納得したように座ると先生は給湯室に向かった

 

「今ですっ!」

 

“あっ!ユウカ!”

 

走って先生のデスクに回り込むとそこには作りかけのプラモデルと足元に積み上げられた書類があった

 

“ユウカ…それは…”

 

「せ〜ん〜せ〜い〜?いつもいつも書類は計画的に処理してくださいって言ってますよね!」

 

“ごめんなさい!”

 

「はぁ…どうせこんなことだろうと思ってましたよ!早く机の上を片付けて仕事して下さい!私も手伝いますから!」

 

“ありがとうユウカ…”

 

──────────────────────

 

“ユウカ、そろそろご飯にしようか?”

 

「そうですね、そろそろ一段落つきそうですし」

 

“エンジェル24で買ってくるね、何か食べたいものはあるかい?”

 

「……この前もコンビニ弁当食べてませんでしたか?」

 

先生がシャーレで自炊している姿なんて今まで見たことはない

 

「自炊はしないんですか?」

 

“いやぁ〜あまり得意じゃないし、やる気も起きなくてさ”

 

「とはいえずっとコンビニ弁当は体に悪いですよ」

 

“そうはいっても時間もなくてね…”

 

「でしたら私が作りましょうか?」

 

モモイたちに美味しいと言われたこともあるし、腕は悪くないはず…

 

“いいの!?”

 

「はい、今食材は何がありますか?」

 

“………”

 

「先生?……まさか…」

 

“何一つありません……”

 

「………」

 

自炊する姿を見たことないとはいえここまでとは思ってなかった…

 

「……コンビニ弁当以外にもサラダとかの野菜もちゃんと買ってきてくださいよ?」

 

“うん…”

 

──────────────────────

 

モグモグ

 

「次から食材を買ってきますので先生も自炊くらいは出来るようになってくださいね」

 

“はい…”

 

次は絶対先生に美味しい料理を振る舞おうと決めたとき

 

“最近のミレニアムの様子はどう?”

 

「どうと言われても、いつも通りですよ。エンジニア部が爆発騒ぎを起こしたり、コユキが予算を勝手に使おうとしたり、ゲーム開発部が勝手に明らかに私をモチーフにした敵キャラを作ったり…」

 

“あはは…大変だね…”

 

言葉にすると少しずつ怒りが再燃してきた

 

「そもそも!私は体重100キロもないですし、太ももの太さも常識的な範囲です!なのにミレニアムオオフトモモとか太もも大魔神とか太ももブラックホールとか言ってきて!あなた達も長時間のデスクワークやってから言いなさいよ!」

 

“まぁまぁ…落ち着いて…”

 

「はぁ…私だって一応女の子なんですよ?」

 

“大丈夫、ちゃんとわかってるよ”

“それにモモイ達だってユウカのことが嫌いなわけではないと思うよ”

 

「そうでしょうか…」

 

“うん、私はユウカはミレニアムの皆に好かれてると思ってるよ”

 

「そうだといいんですけど」

 

先生はそう言ってはくれるが、部費の増減等を通達する私が好かれているとはとても思えない…

 

“ほら!暗い話はここで終わり!別の話しようか”

 

「そもそも先生が振ったんじゃないですか?」

 

“ユウカは最近気になってることとかある?”

 

「聞いてないし…そうですね、最近は電卓が少しボロボロになってきてしまったのが気になってますね」

 

ここ数日使っていると、画面にひび割れが見えたり角が削れているのが目立ってきている

 

“肌身離さず持ってるもんね、銃撃戦とか爆発に巻き込まれたのかな”

 

「そうですね、そろそろ買い替えの時期ですかね…」

 

思い立ったら吉日とも言うし、帰りに買おうかな

 

“フッフッフッ…そんなユウカにプレゼントがあります!”

 

「えっ?」

 

“はいユウカ、どうぞ”

 

そう言うと先生はラッピングされた箱を手渡してきた

 

「ありがとうございます」

 

“開けてみて”

 

そう言われラッピングを開けると

 

「これって私がいつも使ってる…」

 

“そう、電卓だよ。いつもお世話になってるユウカにお礼がしたいなと思って”

 

「ありがとうございます…この後の当番から早速使わせていただきますね」

 

“うん、よろしくね”

 

──────────────────────

 

書類仕事が一段落着いた後、電卓をもっと使いたくなって先生の家計簿をつけていると

 

「先生!この課金の記録なんですか!6万円ってどれだけ課金してるんですか!」

 

“だって4周年だったんだもん…”

 

「だってじゃありません!……さては許してもらうためにプレゼント買いましたね!?」

 

“失礼な!そんなことないよ!3割くらいだよ…”

 

「3割あるじゃないですか!」

 

こんなことになるとは思ってもいなかった…

 

「もう!先生そっちのレシート取って下さい!」

 

“はいぃ!”

 

「家計簿がつけ終わるまでおわりませんからね!」

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