それは突如として現れた。
「こちらバーゼム隊!所属不明機から攻撃をうわぁぁぁ!」
「どうしたバーゼム隊!おい!」
味方のシグナルが消え、通信も途絶した。
「所属不明機だと?テロリストか?」
サザーランドのパイロットは味方がテロリストの反撃にあったのかと考える。
そこへ僚機の戦車が攻撃を受けて爆散する。
「攻撃!何処からだ!」
3時の方向の建物の陰から青い機体が前傾姿勢で高速で接近してくる。
「あれがバーゼム隊を!」
サザーランドはアサルトライフルを構えて迎撃するも、青い機体は速度を落とすことなく回避しながら接近する。
「くそ!どうして当たらないんだ!」
青い機体はサザーランドへ持っている銃を構えて撃つ。
「うわっ!?」
機体の数か所に攻撃を受けてひるんでいる間に、青い機体はスライドアクションで空薬莢を排出する。
そして、サザーランドへ再度銃を構える。
「こんな、こんな所で!」
パイロットはこちらをみる赤い眼を見た時、至近距離で攻撃を食らったのであった。
「これで5機目。ショットガンはこれで弾切れ」
ショットガンを捨てる青い機体。
型式番号MS-18E“ケンプファー”。
“機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争"に登場した強襲用MS。
「当初は手に余ったが、今ではありがたく思えるよ」
KMFとは違うMSと呼ばれたこの機動兵器がなぜ存在するのか。
これは八雲をこの世界に転生させた神からの特典の一つだ。
このケンプファーは特典で開発した機体だ。
神を名乗る老人がくれた特典はMSの開発。
最初はガンダムを開発しようとしたが、何故かケンプファーが先に開発されていたのだ。
そのうえ開発出来る機体は宇宙世紀の機体に限定されている。
どうして開発できるのが宇宙世紀の機体だけと限定されているのかはわからない。
「あの爺さんの趣味とかか?年代的に」
そして、MSの操縦技術も特典の一つだ。
でなければ八雲がMSなんて操縦できるわけがない。
「とにかく、出来る限り奴らを墜とす。そうすれば、陽菜達の生存出来るはずだ」
何故ブリタニアが虐殺を始めたのかわからない。
だが、ブリタニア軍を放置すれば陽菜たちが危ない。
「それに………動いているのは俺だけじゃなさそうだ」
レーダーを見ればブリタニア軍の部隊が次々とシグナルをロストしている。
「まあいい、こっちはこっちで動くだけだ」
八雲は次の標的を探しに移動を開始する。
「いいぞ。この調子で行けば……ん?これは?」
サザーランドのコックプットでテロリストを指示を出していた少年“ルルーシュ・ランペルージ”は、別の場所でブリタニア軍がシグナルロストしているのを見る。
「テロリストではない誰かが軍を攻撃している?………P1、別の場所で誰かがブリタニア軍と戦っているが、お前たちの仲間か?」
『何?いや、俺達は知らない。君の仲間じゃないのか?』
「(テロリストの仲間ではない。今のところはブリタニア軍を攻撃しているが……)いや、私の仲間ではない。味方であるかわからない以上、下手にに近づくのは危険だ」
『わ、わかった』
「何者であるかはわからないが、今はこの包囲網を先に崩そう。K1、ポイントゼータに移動して待機。敵部隊が45秒後にそちらに到着しだい、敵部隊をポイントシグマに誘い込め」
『わかった』
K1のパイロットに指示を出し、ルルーシュはレーダーを見る。
ルルーシュの指示通りにK1が敵部隊をポイントシグマに誘い出し、そこに待機していたテロリストによって敵部隊のシグナルがロストした。
「よし。あとはクロヴィスを」
テロリスト側が優勢になりはじめ、ルルーシュは勝利を確信して笑みを浮かべる。
「凄いな。テロリスト側の指揮官は」
テロリストがを囮に敵部隊を誘き寄せ、集結したところに足場を崩して殲滅したのだ。
「あの調子なら上手くいきそうだな」
ブリタニア軍は本陣の守備部隊まで前線に投入したせいで、陣形が崩れ始まっている。
「こっちも引き上げるって………これは」
レーダーを見れば、次々とテロリスト側のサザーランドが戦闘不能にされている。
「増援?ふむ………今テロリスト側が全滅されるわけにはいかないんだ」
八雲は援護に向かうべく、機体を移動させる。
テロリストが標的になれば関係のない日本人も逃げ切れる可能性がある。
そのためにレーダーと戦闘音を頼りに向かう。
「あれか………見たことなのない機体だ。ガンダムみたいなエース級ということか」
白いKMFと戦闘するサザーランドを見つける。
白いKMFをサザーランドは足止めしようとするが、白いKMFはサザーランドを軽く凌駕する力をみせる。
「ヤバそうだな。こっちはバズーカが残り1発にシュツルム・ファウストが2発か」
残っている武装の残弾数を確認し、建物の陰からバズーカを構える。
「出来るだけやってみるか」
バズーカの引き金を引くと、白いKMFの後方へロケット弾が放たれる。
白いKMFはロケット弾に気づくと跳躍し、建物の壁を蹴ってケンプファーへとびかかる。
「っつ!」
即座にジャイアント・バズⅡを捨て、スラスターを全開にして前に出る。
「何て機動性だ。あんな軽やかに動くなんて」
前に出たお陰で白いKMFの飛び蹴りを回避し、限界寸前のサザーランドの近づいて接触回線で通信する。
「サザーランドのパイロット、ここは引き受けるから早く脱出しろ」
『え?その声って』
「この声はっと!?」
通信で聞き覚えのある声がして、確認しようとした矢先。
白いKMFは高速で接近して刺突を繰り出してきた。
「うおっ!これ………やばいな」
ギリギリで刺突を回避し、今更ながら引き受けたことに後悔する。
「シュツルム・ファウストは………あいつには意味なさそうだな」
威力が高いシュツルム・ファウストだが、自動追尾装置を持たないこの武器では命中しないだろう。
そもそもあの機動性で命中するとも思えない。
頭部バルカンも少し弾は残っているが同じ理由である。
そのため、ケンプファーは大腿部からビームサーベルの柄を取り出す。
その柄を持ちビームサーベルを形成して構える。
一方、白いKMFは始めてみるビームサーベルに警戒しているのか。
距離をとってケンプファーの動作に注意している。
「警戒して近づかないでほしいな。それでサザーランドの方は……」
サザーランドの方を見れば、脱出装置を作動させたようだ。
だが、コックピットは途中で地面に衝突していた。
「おいおい大丈夫かって、それどころじゃないか」
白いKMFを見据え、先にケンプファーが動く。
スラスターを噴かして接近して斬りかかるも、跳躍して避けられてしまう。
跳躍した白いKMFは両手かスラッシュハーケンを射出してきた。
「でえい!」
向かってくるスラッシュハーケンを切り落とし、頭部バルカンで牽制する。
軽やかに着地した白いKMFは、エネルギーシールドを形成して頭部バルカンを防御する。
「そんなものまであるのかよ。こっちも逃げたほうがいいな」
長期戦になれば不利と悟った八雲。
ビームサーベルの形成を解いて右大腿部に収納する。
そして、残っていたシュツルム・ファウストを両手に持つ。
「じゃあな」
シュツルム・ファウストを左右の建物へ向けて発射。
ロケット弾は建物にぶつかって爆発して建物が崩れる。
瓦礫と爆煙を目くらましにケンプファーは全速力でその場から逃げるのであった。
「どうにか逃げ切れたか?ひとまず機体を何処かに隠すか」
標的をケンプファーからテロリストに変えたからか追ってきてはいない。
運よく逃げ切れたことに八雲は安堵する。
「それからどうするか。今まであの廃工場で寝泊まりしてたし……ん?」
モニターに一瞬だけ緑色の髪の少女が見えるも、すでにいなくなっていた。
「誰かいたのか?それより………」
『全軍に告ぐ!直ちに停戦せよ!』
突如ゲットー内に男性の声が響き渡る。
『エリア11の総督にして、第3皇子クロヴィス・ラ・ブリタニアの名のもとに命ずる!』
「総督?ということはあの虐殺を指示した奴か?」
『全軍、直ちに停戦せよ!建造物への破壊活動を止め、ブリタニア人イレブンに関わらず負傷者を救助せよ!クロヴィス・ラ・ブリタニアの名のもとに命ずる、直ちに停戦せよ!』
「………どういうつもりだ?」
あんな虐殺を命令しておいて、今度は停戦命令。
意図が読めずに悩むも、今はこの場を離れて身を隠すことを優先する。
「陽菜たち、無事だといいんだが……」
自分に分け隔てなく接してくれた少女たちの無事を祈るのであった。
というわけでケンプファーに決まりました!
アンケートにご協力いただきありがとうございます!
ちなみサイズはKMFよりちょっと大きいくらいです。