貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目)   作:クレナイハルハ

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優しい奴が追放されるのはアニメだけだと思ってたよ─(⊙⊙)─

避難所を出て、所々に建物の残骸や破片が落ちていた。

恐らくはシビトゾイガーが暴れたのだろう、避難所を出てから道には木や電柱に吊るされた灯りがあり、それを頼りに歩く。

 

ニャーン

 

ワン!バウワン!

 

「鳴き声?」

 

風が吹いた時だった、猫や犬の鳴き声が聞こえた。もしかしてまたシビトゾイガーが?いや、でもシビトゾイガーが人間ではなく動物を襲うのか…。

そう思っていたが聞こえてくる鳴き声はどれもが嬉しそうな物で、威嚇といった様子の鳴き声じゃなかった。

鳴き声の聞こえる方へ、耳を頼りに歩いていく。避難所から少し離れた建物。

たった3日とはいえ、ガタノゾーア、マガタノゾーア、デモンゾーア、メガロゾーアが現れシビトゾイガーを人類へと向けたからか見える建物のいくつかは崩れていたり、壊れている。

そんな建物の崩れた壁から見えたのは、猫や犬が床に置かれた皿に退けられたペットフードを食べながら大人と思われる人の腕に撫でられる姿だった。 

誰かが、動物に餌を?こんな状況でもそんなことをやれるような奴がいたのか……。

 

ンネクサース♪─(^-^)─

 

「美味しいかい?良かった……まだ近くのスーパーに残ってたペットフードが残ってて」

 

聞こえてきた優しそうな、男性と思われるその声に思わず体が固まる。

つい最近、聞いたことがある声。

優しさと強さ、勇気を感じさせてくるその声……どこか苦しそうに聞こえた。

崩れていた壁から男性の顔が見える、見えたその人物に俺は驚きと納得、その両方を感じた。

見えたのは春野ムサシ、ウルトラマンコスモスに変身する勇者と呼ばれる青年だった。

だが彼は以前にあったときとは違いボロボロの姿で、どこか痩せていて……酷く疲れているように見えた。

 

「はは、マジか」

 

日比野ミライに続いて春野ムサシか、マジでウルトラ8兄弟みたいな世界だな。

そんなことを考えていると、壁の向こうとムサシと目があった。

 

「なに、してんすか?」

 

「その、これは……」

 

「俺は聞いただけなんで、別に責めてないっすよ」

 

何をしてるとか聞いた瞬間に罰の悪そうな顔というか、悲しそうな顔をするムサシ。

なんだろうか、さっきのミライさんといい出会うウルトラマンに変身する人達はみんなくらい顔をして、上を向いていないような気がする。

そんな時だった、その場に空腹を訴える音がした。

当然だが俺じゃない、考えられるのは目の前の彼だけだ。

 

「飯、食えてないんすか」

 

「ごめん……」

 

「良ければ、一緒に飯食います?食う代わりに、何してたかとか色々と教えてくれれば良いんで」

 

そう言いながら俺は、動物達がいる建物の中に入れて貰い、リュックを下ろして中からブルーアーカイブ世界で買った袋麺。

そしてサーガの世界で拝借したカセットコンロ達を取り出した。

コユキと過ごしていたときもあったからか、器は二つ鞄に入っていて助かったな。

 

ンネクサース♪─(*´༥` *)モグモグ─

 

黙って麺をすする音がこの場に木霊する、横目で見れば足元には猫や犬が寄り添い眠っているムサシさんは、ラーメンを口に含むと何故か瞳から涙が一粒流れた。

 

ンネクサース♪─(⊙⊙)─

 

思わず、箸を動かす手が止まる。

自分が何か悪いことをしたかと考えたが特に浮かばない。

あとこの人は恐らくは、サーガの世界で会った春野ムサシさんでは無いのだろう。だって、俺をみたときに名前を言わず困惑した様子だったし。

 

「ごめん!その、別に悲しいとか嫌とかじゃないんだ……ただ、人に優しくして貰ったの……久しぶりで」

 

そう言いながら、箸を持つ手で涙を拭き取るムサシさん。流石は特撮主人公、何をしても絵になるなぁと、的はずれなことを考えていた俺は口に含んでいた麺を飲み込み口を開いた。

 

「別に、気にしないっすよ。あと、自分は畠中 絆輔(ハタナカ バンスケ)です。色々とあって彷徨ってます」

 

「ボクは春野ムサシ、一応植物園で働いてたんだ。その、3日前にアイツらが現れてからはこうして一人でいる」

 

植物園で働いてる……まぁ、テレビだと宇宙飛行士だが優しさとか雰囲気なら植物園や動物園とかで働いてるのは似合いそうだが。

 

「なんで一人で?避難所とかには……」

 

「避難所をその、追い出されたんだ。避難所の運営してる人と意見が別れちゃってね」

 

「なるほど、ちなみになんの意見で?」

 

「避難所で、この子達のような動物達も保護できないかなって……こんな状況でも、人だけじゃなくて動物達も助けられないかって」

 

まぁ、確かにそれだと別れるだろう。

人間にとって避難所での生活は、常に精神を磨耗する。

 

「ボクは、人間だけじゃなくて動物達も…この子達も助けられたらって。必死に訴えたんだけど『それで俺たちが死んだらどう責任とるつもりだ!』『こんなときに動物なんて気にしてられるか!』って話すら聞いて貰えなくて」

 

そんな場所、状況でそんなことを言われても食料や消耗品を考えるなら確かにその話は断られるだろう。

 

「それでせめてもの思いで、渡されたボクの分の食料を避難所の近くに来てた動物達にあげたんだ。そうしたら、それをたまたま避難所の人達が見ていて、貴重な食料を無駄にするなら出ていけと、そう言われて追い出されしまって」

 

「まぁ、この状況なら仕方ないんじゃないですかね。人間にとって、最終的には自分の身が可愛いんですから。」

 

「それでも、それでもボクは……この子達も助けたかったんだ。本当なら動物だけじゃない、植物園の花達も……みんなを」

 

「本当、優しいっすね。春野さん」

 

「はは、優しさだけじゃ助けられない……本当に痛感したよ」

 

そう話すムサシさんは、どこか苦しそうで悲しそうで、折れてしまいそうだった。

 

「その……優しすぎるんですよ春野さんは。もう少し気楽にって、無理っすよね。この状況ですし」

 

そう言いながら俺は、ミライさんと同じような希望を持ちながらリュックのカードケースに手を伸ばす。

取り出したのは、アーケードゲームがサービス終了した為にカードショップにて安売りされていたウルトラフュージョンファイト、ウルトラマンコスモスのカード。

レアと言う訳じゃない、でもイラストはウルトラマンコスモスが片腕を胸元に置いてもう片方のてを広げて大空を飛ぶ姿。

ファンなら即座に気付くであろうウルトラマンコスモスが子供の時のムサシを掌に乗せて飛ぶあのシーンの再現カード、だがコモンだ。

コレクション目的で買ってしまったカードだが、もしかしたらコスモス呼べないかなと淡い希望を持ちながらカードを彼に差し出す。

 

「これ、お守りにどぞ。」

 

「えっと、このカードは……」

 

「お守りっす、春野さんの優しさは……きっと大切にした方が良いものですから。春野さんがその優しさを忘れないためのお守りっすよ」

 

「優しさを忘れないため、か」

 

そう言いながら俺は、春野さんがカードを受け取ったのを見て柴関袋ラーメンの続きを啜る。

相変わらず、口の中の味覚と食感がたまに消える感覚にあの邪神と思いつつも、春野さんと話している手前なんとか怒りを押さえ込んだ。

くっそぉ、柴関ラーメンの袋麺……しっかり食いたかった。

 

ンネクサース♪─ゲップ(*´3`)-з─

 

 





続きはデストルドスがD4レイで破壊しました。

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