貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目) 作:クレナイハルハ
目の前で咆哮をあげるガタノゾーアに、空気がビリビリと痺れるのを肌で感じる。
はは、マジかよ……ダイゴはあんなのと一対一で戦ったのか。
目にした瞬間に心の奥底から感じる恐怖と絶望感、空気が重苦しくなるソレがまだ1体であることに、膝をつきそうになる。
目の前の化物が、更に3体?本当にこの世界はなんでこんなことになったんだよ。
「あ、あれって……」
「っ、リク!早く公民館の人達に伝えてこい!」
「え、はい!バンスケさんも」
「悪い、俺はやることがあるから」
そう言いながらガタノゾーアのいる海の方へと走る、背後から聞こえるリクくんの叫び声を無視して、震えそうになる足に力を入れて走らせる。
こんないかにも絶望的な光景、正直に言うなら逃げたい、ウルトラマンなら戦うとか解釈違いとか関係なく、真っ直ぐに感じてしまう『死』の感覚から逃げたい、逃げたい、死ぬ、死にたくない、嫌だ。
そんな思いが心の奥からダムが崩壊したようにで溢れていく。
俺は主人公じゃないんだ、きっと俺じゃない誰かが何とかしてくれる。
そもそも俺はウルトラマンじゃない、俺はウルトラマンネクサスになれるような人間じゃない。
「でも、それでも、それでもっ!!」
こんな状況で、変身して戦わないデュナミストは、ウルトラマンネクサスなんて解釈違いだから。
ネクサスなら、ネクサスに変身してきたあの人達なら……ウルトラマンに変身してきた彼らならきっとこうするから、逃げるのは、解釈違いだから。
地面を踏みしめ、足を止める。
遠くに見えるのは浮上したガタノゾーア、そしてそんなガタノゾーアの上空に闇が集まって何体ものシビトゾイガーが現れる。
アイツらがこのまま放たれたら、避難所や公民館は壊されてしまう。
震える腕を上着のポケットへ入れ、エボルトラスターを取り出す。
「ネクサスが、この状況で戦わないのは…解釈違いだ……」
ンネクサース♪─諦めるな─
こういうときにかぎって、急に話し始めるよな。いつも顔文字のくせに。
突如として脳内にいつもの顔文字ではなくノアらしき声が響く、俺はこれが何故か可笑しくて苦笑してしまう。
俺はエボルトラスターの鞘を左手で握り腰において、右手でエボルトラスターを握りしめ深呼吸をしてから引き抜いた。
次の瞬間、真っ暗な雲に覆われた大地から光の柱が登った。
避難所、公民館、降星小学校。
それぞれの場所からも、海から浮上し空気を震わす程の雄叫びをあげたガタノゾーアの登場に人々は表情を曇らせ、膝をつき体を震わせる。
目の前に現れたのはこの空を覆う雲を産み出し、人を襲う鳥のような化物を操る、話を聞く限り現代兵器における全てが通用しない、人類の手の施しようがない化物。
ある者は化物と感じ、またあるものは自然を破壊する人間に対しての地球の怒りだと叫び、あるものは化物を崇め生き残ろうと祈りだす。
「もう、終わりだ……」
誰が呟いたのか分からない、でもその場にいた殆んどの人がそう感じているのは間違いなかった。
あるものは自分の感じる絶望、苦しみを押し込め泣き出す子ども達を落ち着かせるため子供の背を撫でる。
あるものは、植物が枯れていく様子に心を痛め目の前の現状を変えられないことに歯がゆさを感じる。
あるものは現れた存在への恐怖に体を震わせる子ども達に声をかける。
あるものは力があったならという悔しさを胸に、海の近くから逃げるため恐怖に震える体を押さえ込み避難誘導をする。
その時だった、地上にいる人々は目にした。
大地から登る光の柱、そんな幻のような幻想的とも見える光景、そしてその光の柱が姿を表した銀色の体を持つ巨人。
その巨人の登場は、怪物の登場に驚愕し困惑していた人々を更に驚かせた。
まるで西洋の鎧を連想させるような体をしたその巨人、ウルトラマンネクサス─アンファンス─は海に現れた化物、ガタノゾーアの上を飛ぶ鳥の化物、シビトゾイガーへと向けその腕を十字に組んだ。
瞬間、耳を裂くような轟音とともに、空が裂けた。
巨人の組まれた腕から放たれた光、クロスレイシュトロームは真っ暗な世界を照らし昼のように白く輝かせる。
クロスレイシュトロームによりガタノゾーアの上を旋回するシビトゾイガー達が粒子へと分解され消えていく。
そんな様子に、ガタノゾーアは空中を旋回していたシビトゾイガーが消えた原因である巨人へと視線を向ける。
「バァオオオオオオンッ!!」
まるで因縁の相手を見つけたかのような、先程浮上したときとは違う咆哮をあげるガタノゾーア。
するとガタノゾーアの周りに闇が集まる。
闇が集まりそこには、シビトゾイガーを巨大化させたような鳥の怪物。
超古代尖兵怪獣ゾイガーが何体も現れ羽を広げ、地上へと向け飛んでくる。それに対して、巨人は拳を握りめる。
「シェアッ!」
そして深く、響くような声を吐きながら巨人は怪物と向けて駆け出した。
その様子に、地上の人々はただ困惑し避難しながらも静観するもの、なかにはスマホを構えて動画を撮るものもいた。
人々には巨人がどの立場なのか分からなかった。
あの海に浮かぶ見るからにおぞましい化物を攻撃したように見えた限り人類の味方なのか、それとも敵なのか。
だれも、誰も分からなかった。
向かってくるゾイガーへとパーティクル・フェザーを放ちながら走る、ゾイガーを可能な限り地上に近付けないよう海の上で撃ち落とした上で倒すしかない。
だが、ゾイガーはパーティクル・フェザーを軽々と避けて此方へと向かってくる。
流石はスカイタイプのティガを苦戦させた怪獣だ、だからこそパーティクル・フェザーを避けられるのは簡単に想定できた。
即座に両腕のアームドネクサスを交差させ、マッハムーブでゾイガーの上空へと向かうがゾイガーも口から火球を此方へと向けて放ってくる。
横へバレルロールし、火球を避けながらゾイガーの上に回って両手から伸ばしたセービングビュートで赤色の翼を引きちぎる、濁った黄緑色の血を撒き散らしながら痛みに叫び声をあげるゾイガーを真下に叩きつける要領で蹴りつける。
真下へと蹴り落とされ、真っ直ぐに落ちていくゾイガーに即座にクロスレイシュトロームを放つ。
翼を失ったゾイガーは空中でクロスレイシュトロームを避けることができず、光線は命中し海に叩きつけられる前に粒子へと分解され消えた。
滞空しながらゾイガーを倒したのを確認する。
ゾイガーはティガを苦戦させた怪獣だ、早く倒してガタノゾーアを倒すしかないのだ。
それに、まだガタノゾーアがいるだけだから良い。
そもそもなんでこの世界にガタノゾーア、デモンゾーア、マガタノゾーア、メガロゾーアが同時に存在しているのかも分からない。
でも存在しているという事実がある限り、四体が同時に現れるなんて絶望的な光景が生まれる前に早く、早く倒さないといけない。
即座にガタノゾーアのいる方へと向き直る、だがこの先にある光景に俺は自分の考えが浅はかなのか理解すると同時に、早くガタノゾーアとの戦闘をと考えていた心が折れかけるのを感じた。
目の前に広がっていたのは、ガタノゾーアを、守るように10体程生成されたゾイガーの群れ。
はは、嘘だろ………。
テレビでウルトラマンが見せたものでも多くて1対2が殆んどだ、1対10以上なんて無理だ。
そう考えると、Xでたった1人でグア軍団の大軍勢壊滅させたギンガやたった一人で無数の敵との戦闘をこなしたゼロ達はどれだけ凄くて、どれだけ遠くにいるのかが分かってしまう。
俺はまだ一対集団戦の経験は少ない、だからこそ勝てるビジョンが見えないし、どう戦闘していけば良いのかも分からない。
ジュネッスヴィオレになって、オーバーレイ・シュトロームやアローレイ・シュトローム、シュトローム・ソードで一気に攻める?
だが、果たしてジュネッスヴィオレを使って戦ったとして、負傷やエネルギーの消費を考えて俺の生命力は……活動時間はガタノゾーアと対峙するまで持つのか?
絶対に持たない、確信に近い想像だ。
ンネクサース♪─(꒪ꇴ꒪ ; )─
どう仕掛ける?どう怪獣を倒していけば良い?
ンネクサース♪─( 。・ω・)っ─
は、アリアンスを使えって……本気で言ってるのか?この場所にいる原因とも言えるようなアイツが押し付けてきたこれを?
あのアンファンスに剣しか持たせてないあれを?でもあの姿に変身したときに流れた『コア・ファースト』という単語はどういう意味なのか。
もしコアファースト、あれがネクサスにおけるコア・ファイナルを指しているなら。
何かある、あの星の事だからこれを急に渡してきた事にも何らかの意味がありそうだとそう思えてくる。
……やるしか、ないか。
ここは戦い慣れたジュネッスヴィオレの方が良さそうなのだが。
珍しいノアからの提案を受け入れ、俺は空中から海へと着地する。可能な限り慎重に、海へと着地した俺は右腕のアームドネクサスが正面になるように構える。
次の瞬間、俺の視点がネクサス視点からインナースペースに似た空間へと変化する。
そしてネクサスと同じように腕を構えていた俺は、左手でズボンの左側面にエナジーコアのような装飾のついたメダルケースから先程のウルトラメダルを取り出し、正面につき出すように構えてからアリアンスへとウルトラメダルを装填する。
【オーブ リンケージ!進化せよ、新たな光!】
アリアンスから流れた音声を確認して、ブレスレットに装填されたアリアンスを左手で抜刀しながら頭上にかかげ、短剣の持ち手にあるトリガーを引く。
【ウルトラマンネクサス-ルラシオン-】
【コア・ファースト】
ネクサスの掲げたアリアンスが光を放ち、視点がインナースペースからネクサスの視点へと変化する。右手にはアリアンスのブレスレットがアームドネクサスのように発生し、左手には先程抜刀したアリアンスを握っていた。
アリアンスを逆手に持ち変えて構えて、アリアンスのトリガーを引く。するとまるで雷が帯電するようにアリアンスが淡く光輝く。
そんなアリアンスをゾイガーへと向けて振るう。
アリアンスからパーティクル・フェザーやボードレイ・フェザーに似た斬撃が飛んでいき、反応できなかった一体のゾイガーが斬り裂かれ消滅する。
アリアンスが飛ばす斬撃、取りあえずソードレイ・フェザーってところか。
一体がやられたことでゾイガーはその翼を羽ばたかせ空中へと飛び上がる。即座に右腕のブレスレットと左手のアームドネクサスを重ねる。
すると、マッハムーブが発動でき即座に空中に飛んだ一体の背後へと回りこみ、翼ごとゾイガーを真っ二つにする。
どうやらアリアンスの装填されていたこのブレスレットはアームドネクサスの役割を引き継いでいるらしい。
近くを飛んでいるゾイガーが口を開き火球を放ってくる、それに対して右腕を向かってくる炎に向けて構え炎を受け止める。連続で撃ち込まれてきた炎を浄化し、自身の力へと変換しそのまま火球を放ってきたゾイガーへと右手を付きだしナックレイジェネレードとして打ち出す。
ナックレイジェネレードを受けたゾイガーが粒子分解され、消えた。
この調子なら、案外いけそうだ。
そのまま勢いでマッハムーブでゾイガーへと距離を詰め、アリアンスで斬り倒し火球を撃ってきたらナックレイジェネレード。
ソードレイ・フェザーを放ったり、右手でセービングビュートとを放ち捕まえたゾイガーを近くを飛ぶゾイガーにぶつけて、衝突させ混乱しているところをアリアンスを横凪に振り払って粒子へと分解させる。
これで8体、残りは……。
ンネクサース♪─⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠─
ネクサスの危険を知らせるアラート。
次の瞬間、背中に感じる鋭い痛みに驚き滞空できず海面に打ち付けられた。
背中の痛みを耐えながら即座に立ち上がり、地面にソードレイ・フェザーを連続で放ち、空中を飛んでいた二体のゾイガーが避けた瞬間に再びアリアンスを振るってソードレイ・フェザーを放ち真っ二つにする。
なんとかこれで10体のゾイガーを倒すことが出来た、肩で息をしながらガタノゾーアの方を向こうとして、ふと気になった。
さっきのシビトゾイガーやゾイガーにしても、何故ガタノゾーア本体は攻撃してこなかったのか。ゾイガーに集中していた俺なら、隙はいくらでもあった筈。
そう今こうして考えている瞬間も。
嫌な予感がして、すぐ振り返るとそこには絶望的な光景があった。
ガタノゾーアの周りには、さっきのゾイガー達のようにガタノゾーアが産み出したのであろう眷属、超古代怪獣と呼ばれる怪獣達が咆哮をあげていた。
……冗談だろ。
咆哮をあげ此方を威嚇する『超古代怪獣ゴルザ』、ガタノゾーアの上を旋回しながら此方を睨み付けてくる『超古代竜メルバ』、そしてゴルザ、メルバそして超コッヴが合体した怪獣である『合体怪獣トライキング』。
いやゴルザ、メルバは良いが最後は違うだろ。
アイツだけ世代違う平成じゃない、令和。
なんだったら超古代怪獣じゃないだろ最後!
コイツらまで相手してたらいつまで経っても本体を叩けない。
このまま時間が経過してエネルギー切れ、もしくは他の邪神が揃うなんて状況にしてはいけない。
アリアンスを構え、どう戦闘していくか考えていた時だった。
「地球は………まだ、滅びはしない」
何処か懐かしい声が聞こえた瞬間、海の動きが止まる。ゴルザ達が動いているにも関わらず、先程までのような激しい波がなく、止まっているように見えた。
そして俺の近くの海が
ユダヤの伝承に登場するモーセが杖を振り、海を割ったかのような光景。
そうして割れていった海の間に、見覚えのある片ひざを付き、両腕を顔の前でクロスさせている青い体が特徴的な地球の意思が産み出した存在。
ウルトラマンアグルがその場に現れた。
アグルの登場に困惑とテレビで見たことのある登場に興奮する俺を他所にアグルが立ち上がり此方へと歩いてくる。
「選ばれし者よ、力を貸してくれ。この
そう話すアグルに頷き、俺はガタノゾーア達の方へとアリアンスを構え横に並んだアグルは、その手からアグルセイバーを生成して構える。
地球の意思により顕現したアグルの参戦は、主人公の心に僅かな希望を灯すのだった。
続きはヴァラロンが爆破しました。
番外編でブルアカコラボについての反応スレ
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