貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目)   作:クレナイハルハ

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運命をひっくり返す切り開く力

目の前で、戦っていた一人の巨人が怪物達によって宙に吊るされる。

その姿は、巨人に希望を感じていた人々にとっての絶望だった。

 

「がんばって!がんばってー!」

 

「負けないでー!」

 

公民館から避難していた子ども達は、そう叫び続ける。純粋に、あの巨人達を味方だと信じ、あの怪物に勝てると信じて、声をあげている。

そんな子ども達へと怒りの形相で近付く男性がいた、公民館で朝倉リクを殴った大人だった。

 

「おいガキ共、いい加減にしろよっ」

 

その大人の行動に子ども達は怯え、体を震わせる。公民館での一見を見ていた子ども達にとって、目の前の大人は恐怖の対象だった。

 

「さっきからデカイ声だしやがってよぉ、あの化物の攻撃がこっちに来たらどうするんだ?ぁあ!!」

 

「ひぅっ!?」

 

「で、でも……っ」

 

また、アイツっ!

 

朝倉リクの中で先程の男性がまた子どもへと当たっている様子に怒りが沸き上がる。でも足を踏み出せない、僕には力が無いから……僕はテレビで見ているドンシャインのようなヒーローみたいな力が無いから。

だから、見ていることしか……

 

『本当に、そうかな』

 

え?

 

『思い出して僕が─君が、大切にしてる言葉を』

 

突如として聞こえてきた僕と似た声、僕が、大切にしてる言葉?

 

「デモじゃねぇんだよ、さっきから無駄に騒いで……もう終わりなんだよ。味方かどうかもわからない化物の応援なんて───」

 

そう言いながら振り上げる。

周りの大人は動こうとしてる人達がいない、誰もがその男性を見て恐れていたからだ。

このままじっとしていたら、あの子達はどうなる?このまま誰も動かなかったら、あの子達はどうなる?

誰も動けない、誰もあの子を助けようとしない。 

僕しか動けない、ならここにいる場合じゃないだろっ!

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

男性の手を一人の青年が、朝倉リクが掴んだ。

 

「なん──」

 

「いい加減に、しろっ!」

 

リクに捕まれた男性の手が、ミシミシと音を立てる。リクは子どもから男性を遠ざけようと押した、この人が少し下がるように。

だが男性は凄い勢いで後ろへと吹き飛び仰向けに倒れ込んだ。思わず自分の両手を見つめる、僕にはこんな力は無かった筈だ。

男性と子ども達を離すことが出来たと確認してすぐに振り返る、目の前には驚いた様子の子ども達。

涙は流れ続けている、泣いてほしくない。

笑顔でいてほしい、そんな思いから僕は膝をついて子ども達に視線を会わせ握り拳をちょんと出す。

不思議そうに互いを見つめる子ども達に、笑いながら、あのヒーローのように笑って言う。

 

「君の笑顔を取り戻す!Here We Go!!」

 

安心させるようにそう言えば子ども達は笑いながら僕の拳に、ちょんと握った小さな拳をぶつけてくれた。

その瞬間に気がつけば周りは優しい光に包まれた空間に、僕は立っていた。驚き周りを見渡す僕の目の前には現れたのは見覚えのある、怪物と戦っている巨人と似た存在。

ふとその存在に見覚えがある気がして、ポケットに手を伸ばす。ポケットから取り出したのは、公民館に来たあの人が、お守りだと僕にくれたカード、目の前の巨人が映ったカードがあった。

 

「ウル、トラマン?」

 

そう呟いた次の瞬間、脳内に浮かび溢れだしたのは僕がテレビのヒーローのように、あの巨人"ウルトラマンジード"に変身して怪獣と戦っていた記憶。

 

─あなたの父親は、ベリアル。ウルトラマンベリアルです─

 

─模造品なんかじゃない!僕はリク、朝倉リク!それが僕の名前だ!!─

 

─変えてみせる!ボクの運命はボクが決める!─

 

─ベリアルに惑わされないで!あなたはリク、朝倉リク!忘れないで、仲間のことを!地球の事を!あなたの夢を……あなたは、みんなのヒーローなんだから!─

 

─来たか、若きウルトラマン─

 

─また邪魔をするのか?息子よ─

 

─僕はジード、ウルトラマンジードだ!─

 

─疲れたよね、もう終わりにしよう……─

 

「これは……君は!」

 

僕の言葉に目の前の巨人、ウルトラマンジードは黙ったまた頷いた。瞬間、リクの目の前の景色が元に戻る。

子ども達は不思議そうにリクを見つめていた。

リクは膝をついた状態から立ち上がり、

 

海の上で吊り上げられたウルトラマンネクサスと青いウルトラマンを確認して走る。

近付くとウルトラマンネクサスのカラータイマーの奥に、ネクサスと同じように縛られているこのカードをくれた人が、畠中 絆輔さんが見えた。

あの人が、あのウルトラマンだったのか。

青いウルトラマンはあの怪獣に阻まれてあの人を助けにいけない、なら僕がいく!

僕が助けて見せる!

そしてあの怪獣達を倒してみんなの笑顔を取り戻す!

 

「この世界の運命は、僕が変えてみせるっ!?」

 

そう言った瞬間、握っていたウルトラマンジードのカードが熱を帯び、光輝きながら粒子となり僕の右手と腰のベルトへと向かう。

右手に集まった粒子が光輝き現れたのは、ジードになるための力に変わる。

使い方は、知っている。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!ユーゴー!」

 

【シェアッ!】

 

僕はウルトラマンのウルトラカプセルを起動し装填ナックルへ装填、更に取り出したウルトラマンベリアルのカプセルを起動する。

 

「アイゴー!」

 

【ヘェアッ!】

 

「ヒアウィーゴー!」

 

正面に構えたジードライザーで装填ナックルへ装填したウルトラカプセルを読み込む。

 

『フュージョンライズ!』

 

「決めるぜ!覚悟!!」

 

読み込みが完了した音が鳴り響き、僕はライザーを握る手を空へと掲げ、胸元へ下ろしライザーの引き金を引く。

 

「はぁぁぁ……はッ!ジィィィィイイドッ!」」

 

【ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!】

 

【ウルトラマンジード!プリミティブ!!】

 

僕の両隣に立っていたウルトラマン達の姿が、真ん中に立つ僕と重なり僕を本当の姿へと変える。

空中に現れた僕は地面へ両手を付きながら着地し、ゆっくりと立ち上がり自分の姿を見下ろす。

目の前で戦っていた巨人達と同じ身長の、カードでみた姿と同じウルトラマンジードの姿が近くのビルの窓に反射していた。

 

「ハァッ!」

 

ジードはその両手を広げ、海へと向けて駆け出し、飛び上がりながら胸の前で重ねた両腕を水平に広げる。

 

「レッキングリッパーッ!」

 

アグルへと伸びる触手は、ジードから放たれた光の切断光線により切り裂かれる。

 

「お前は……」

 

「えっと、ジードです!一緒に戦います」

 

その見た目からか、困惑していたアグルだが聞こえてきたリクの声に頷き背中を預け構えた。

定めに抗う光の意志、運命を超える戦士ウルトラマンジードがこの世界に顕現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

降星小学校の屋上、遠くの市街地の空中に突如として現れた新たな巨人。その見た目の印象とは違い、青い巨人と共闘して怪物達が向けてくる触手に応戦していた。

そんな姿をみて、礼堂ヒカルは未だに胸の奥から広がり続けている興奮が冷めずにいた。

 

「また、新たに巨人が……」

 

ふと目の前ので怪物達との戦いを繰り広げる巨人達の見た目に、見覚えがある気がしてポケットへと手を伸ばす。

ポケットに入っている、カードの感触。

取り出したカードに映っているイラストは、目の前で戦う巨人と似ていた。

 

「ウルトラマン……ギンガ?」

 

そしてそのカードに記された、イラストの巨人らしき存在の名前。更にしたをみた時、ふとそのフレーバーテキストが目に入った。

 

──心から守りたいと願うとき、遥かなる時を超え、銀河の光が目覚める!──

 

守りたいと願うとき、目覚める……あの巨人達は、化物を何とかしようと、この星を守ろうと頑張ってくれてくれてるのか?

見ず知らずの筈のこの星の、俺たちの未来を、守るために?

 

「あいつら、きっと俺たちを守ろうとしてる」

 

「礼堂くん?何故、そんなことが分かるんです」

 

「なんとなく、そうだと思うんだよ」

 

「そんな根拠のない理由で……敵かもしれないじゃないですか」

 

「それは」

 

トモヤの言う通り根拠はない、でもそうだと感じてる。勘がそうだと強く俺に訴えてる。

確かにあの巨人が味方だと、そう訴えても根拠がない。

確かな理由にはならない。

人は、疑う生き物だと知っている。

でも、理想を、夢を……未来を信じたいと思っている筈だ。

なんでずっと俺は、未来を自分の手で閉ざしていたんだろう。恐怖や不安はある、でも手を伸ばした先にはきっと、それ以上のモノがあるのだ。

 

「俺に力があれば……」

 

拳を握り締める、それは未来を潰そうとし今も巨人達を苦しめる怪物達への怒り。

ヒカル自身に、巨人達を手助けすることも、怪物をどうにかすることがない悔しさ。

警察とか、自衛隊なら銃や戦闘機が。

そう考えるが、現実的に考えてそんなことは不可能だと理解する。

何も出来ない、そんな自分の情けなさが、悔しくてしかたが無くて、俯いてしまう。

ふと先程みたカードのフレーバーテキストが脳裏を過った。

心から守りたいと願うとき、遥かなる時を超え、銀河の光が目覚める……。

俺は、カードを胸に当てるようにして目を閉じた。

俺は、守りたい。

子ども達も友達と、この地球のみんなの未来を、夢も守りたい。

俺の夢を……みんなの未来を、あんな奴らに潰されてたまるかっ!

 

『ヒカル』

 

突如として聞こえてきたのは、自分の名を呼ぶ知らない声。まるで俺を導くような優しく、でも強さを感じる声だ。

閉じていた目蓋を開く、目の前は真っ暗で先程までいた降星小学校とはまるで違う場所だった。

そしてそんな真っ暗な場所で目を覆う程の光を纏った人の姿をした何かが目の前に立っていた。

目を覆う程の光は段々と収まり、立っていたのはカードに描かれていた各部に宝石のような物を纏った巨人の姿。

 

「ウルトラマン、ギンガ……アンタがギンガであってるんだよな」

 

ヒカルの言葉に巨人、ウルトラマンギンガは深く頷いた。

 

「ギンガ、頼む。俺に、切り開く力を!」

 

『未来は変えることが出来る……良いようにも、悪いようにも。それを成すのはキミ次第だ、ヒカル』

 

次の瞬間、俺は降星小学校の屋上に立っていた。

そして相変わらず目の前で怪物と巨人が戦闘を繰り広げており、俺の隣にトモヤがいた。

ふと、手に持っていたカードを見る。

カードが熱を帯び、ゆっくりとその姿を変える。

ヒカルの手に握られていたカードは、その形を小さな短剣のような形状のアイテム、ギンガスパークへと変化させた。

 

「礼堂くん?それに手に持っているソレは一体……」

 

「トモヤ、悪い!少し行ってくる!」

 

「礼堂くん?行くってどこに……」

 

そう言いながら俺は屋上から下の階へ降り続け、校庭に出る、学校の入り口からでも見える怪物達と戦う巨人達。

ふと見れば、宙に吊るされた銀色の巨人が胸に着けたY字の宝石の奥に巨人と同じように拘束された見覚えのある人物がいた。

畠中 絆輔、俺にギンガと出会う切っ掛けを……カードを渡してくれた奴がそこにいた。

 

「アイツがあのウルトラマンになっていたのか、なら早く助け出さないとな。」

 

そう呟きながら俺は、ギンガスパークを見る。

 

「うしっ!行くぜギンガ!」

 

正面に付き出したギンガスパークのスパークブレード親指と人差し指で跳ね上げる。そしてギンガスパークの先へと現れたウルトラマンギンガのスパークドールズを、掴みとる。

瞬間、脳内に浮かび上がるのはヒカル……正確には別世界でウルトラマンギンガとなり夢を、未来を守るため戦った自分の記憶。

冒険家となり世界を旅して、地球を守る防衛軍であるUPGの隊員となり相棒ともいえるウルトラマンビクトリー、ショウと出会いさまざまなウルトラマン達と守るために戦った記憶だった。

ヒカルはその記憶に笑みを浮かべながら、両腕を8の字を描くように振りギンガの片足に刻まれたライブサインをリードする。

 

【ウルトラァーイブッ!ウルトラマンギンガ!】

 

瞬間、柄部分にあるスパークフェイスカバーが展開し、ギンガの顔を模したスパークフェイスが出現する。確認した俺はギンガスパークを空へと高く掲げながら、彼の名前を叫ぶ。

 

「ギンガァァァァアッ!!」

 

瞬間、俺の体は重なった銀河の奥で変化する。

そして拳を突き合わせた状態で回転し自身が銀河を描きながら宙へと浮かび上がる。

そして降星小学校の少し前に、ドシンと土を舞いあげながら着地する。

チラリと視線だけ背後に向ければ学校の玄関には追いかけてきたのかトモヤが立っており、呆然としながらもギンガを見つめていた。

ヒカル、ギンガは学校の屋上とトモヤを見て頷いてから奥で暴れる怪物へと向き直り暴れる怪物…()()へと飛び上がりながら両腕のクリスタルを交差させる。

レッドプラズマエナジーを解放しクリスタルは赤く変化し、周囲に炎を纏った小さな隕石のような物が生成される。

 

「ギンガファイヤーボール!ショウラァッ!」

 

放たれたギンガファイヤーボールはウルトラマンジードそしてアグルが対面する触手の壁を吹き飛ばす。

 

「待たせたなリク、それにアンタも。こっからは俺も戦うぜ!」

 

「ヒカルさん!」

 

ウルトラマンアグルは新たなウルトラマンに黙って頷き、ジードは並行世界で共に戦った記憶からギンガの参戦に驚きと嬉しさを感じながら、ヒカルの名を呼んだ。

 

煌めく銀河を背負う覇者、未来を切り開く戦士ウルトラマンギンガの顕現は、この世界に新たな追風を起こし始めた。

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