貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目)   作:クレナイハルハ

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その拳に、全てを込めて

目の前に現れた巨人の姿にバンスケは目頭が熱くなるのを感じていた。

目頭が熱くなる理由、それは懐かしさ、そして頼もしさ、それとも嬉しさなのかわからない、でもこれだけは理解できた。

ガタノゾーア、マガタノゾーア、デモンゾーア、メガロゾーアを倒すことが……少なくとも倒した経験のあるウルトラマン、ティガが現れた。

もし映画ならそれぞれの戦闘シーンで主題歌が流れているのだろう。

勝てるかもしれない、この4体の邪神を相手に。

バンスケの胸が、心臓が熱い鼓動を鳴らす。

彼、ティガは振り返るとこちらを見て黙って頷いた。それに答えるようにウルトラマン達は頷く、それを合図にウルトラマンは邪神達へと駆け出す。

ギンガとジードはメガロゾーアへ、アグルとアークはマガタノゾーアへ、ネクサスとティガはガタノゾーアへ、コスモスとメビウスがデモンゾーアへと向かう。

ネクサスは右腕のアリアンスブレスからアリアンスを引き抜き、右手に持ち変え逆手にガタノゾーアへと迫る。

ティガはその手からハンドスラッシュを放ち、それに怯んだガタノゾーアに、ネクサスが逆手に持ち変えたアリアンスを横凪に振るい切り抜ける。

痛みからか咆哮を上げるガタノゾーア、さらにネクサスの姿が消える。

ネクサスがマッハムーブによる加速でガタノゾーアをアリアンスで切り抜け、更にもう一度切り抜けるという連続攻撃を行う。

その隙にティガは両腕を頭の前で交差させ、勢い良く振り下ろす。ティガの体が変化し、青紫、赤、銀から体色へ、ティガパワータイプへとタイプチェンジした。

 

「デァッ!」

 

「バァオオオオ!?!」

 

パワータイプとなったティガがガタノゾーアの懐へと踏み込み、握りしめたその拳を顔へと叩き込む。

パワータイプの力、そしてシュトローム技によって蓄積されたダメージによってガタノゾーアは苦しそうな声を上げながらその鋭利な爪のついた触手をティガへと伸ばす。

その間にネクサスが入り、アリアンスを触手へと振り下ろし触手を切り裂く。

そして触手を切り裂かれたことに動揺したのか驚いた様子のガタノゾーアへティガが振り上げた拳によるアッパーカットにより咆哮すら上げず背後へと大きくよれながら後退する。

一方、メガロゾーアへ袈裟懸けにキングソードを降り下ろしたジード、その一撃に体から闇を噴出したメガロゾーアが忌々しいと叫ぶように咆哮を上げて触手を展開した瞬間、ジードは後ろへと大きく跳躍する。

 

「デァァッ!」

 

瞬間、背後にてギンガスパークランスを構えていたギンガが踏み込みながらギンガスパークランスを横凪に振り払い、触手を切り裂く。

 

「バァオオオオオオン!!」

 

一息に切られた触手にメガロゾーアが痛み、それとも怒りからか咆哮を上げる。

一方でマガタノゾーアは、アグルとアークを相手に触手を展開する。だが、展開した瞬間にアークが放つアークフェザーによって切り裂かれる。

その威力や生成した触手が即座に切り裂かれた事にマガタノゾーアが困惑している瞬間、マガタノゾーアへと飛び込んだアグルのスピニングクラッシャーによる攻撃に後退するが、その体についた鋭利な鋏をアグルへと伸ばす。

その瞬間、アグルとマガタノゾーアの間にアークフェザーサークルが展開されそこを通じ鋏を持った触手はアークギャラクサーを構えたアークの目の前へと飛び出す。

 

「ショワァッ!」

 

振り下ろされたアークギャラクサーに、鋏のついた触手が切り落とされ、マガタノゾーアは痛みからか咆哮を上げようとした瞬間。

アークフェザーサークルが閉じマガタノゾーアの頭にアグルが突き出した両拳による一撃が打ち込まれ、頭についた赤く鋭利な角を砕かれる。

 

「バァオオオオ!?」

 

三体の邪神が大きく後退を見せた。

後退した邪神にウルトラマン達は、勝機を見いだす。

ティガはネクサスへと向き、頷いてからその両腕を正面へと突き出す。彼の腕へと光が収束していき、交差させ水平に開いていく。

それに会わせるようにネクサスもまた先程と動揺胸のエナジーコアの前で交差させるよう、アローアームドネクサスとアリアンスを重ね合わせ一気に両腕を引いて胸を張る。

ネクサスのエナジーコアがドクンと鼓動すると同時に、ネクサスは左腰に右手を当ててそこから抜刀を思わせる動きで腕を十字に組む。それに会わせるようにティガもまたその腕をL字に構える。

 

「シェアっ!」

 

「ディアっ!」

 

ネクサス、そしてティガから放たれたクロスオーバーレイシュトロームとゼペリオン光線がガタノゾーアへと命中する。

ゼペリオン光線の光、そしてクロスオーバーレイシュトロームの持つ粒子分解の特性によって、ガタノゾーアが、ガタノゾーアの展開した触手が消滅していく。

 

「決めるぜ、リク!」

 

「はいっ!」

 

ジードはその手に逆手に持ったキングソードへと手を3回翳し、キングソードを掲げた。

 

【解放せよ!宇宙最強の力!!】

 

【アン、ドゥ、トロワ!】

 

続いてギンガはストリウムブレスのディスクを回転させ、ライブサインへとあわせる。

 

【ウルトラ兄弟の力を、1つに!】

 

拳を突き合わせ、手を掲げたギンガはウルトラ兄弟の力を束ねる。

 

「ロイヤルエェェエンド!!」

 

「コスモミラクル光線!!」

 

ジードとギンガから放たれた黄金の光線が交わり更に威力を増してメガロゾーアへとぶつかる。そしてメガロゾーアが大きな咆哮を上げながら触手を体から展開させた瞬間、メガロゾーアの体をロイヤルエンドとコスモミラクル光線が貫きメガロゾーアが爆発を起こし消滅する。

 

「終わらせるぞ!」

 

「っ!」

 

アグルの声にアークはアークギャラクサーのスリット部にギャラクシー、ソリス、ルーナの順でアークキューブを装填させ、右足に向かって両腕を伸ばし両腕で虹色の円を描く。アグルは腕を振り回し、その体へと大地と海の力を両手へと収束させ両手をあわせて合掌する。

そして次の瞬間、アークはアークギャラクサーを持ちながら両手を十字に組み、アグルは合掌した手の内、左手を下にずらす。

 

「ショワァァァアっ!!」

 

「っ!」

 

ギャラクシーファイナライズとフォトンストリームがマガタノゾーアへと向けて放たれる。そしてアークは、首をかしげ一体化した幼いユウマが思い描いた光線に、想像力を解放する。

アークはギャラクシーファイナライズを放つ腕を大きく振るって円を描く、するとアグルから放たれたフォトンストリームを包むようにギャラクシーファイナライズが螺旋状へと変化し更に威力とスピードを増しマガタノゾーアへとぶつかる。

そしてマガタノゾーアを貫く、マガタノゾーアは大きな咆哮を上げながら爆発した。

その瞬間、空から降ってきた何かが海へと落ち大きな水しぶきを上げた。

見ればそこには苦しそうに仰向けで踠くデモンゾーアと戦っていた筈のコスモスとメビウスの姿があった。

 

「メビウスさん!」

 

「コスモス!」

 

ネクサス、ティガがメビウスへと手を貸して立ち上がらせ動揺にコスモスへギンガとジードがかけより、支えながら立ち上がらせる。 

 

一体、何が………。

 

「バァオオオオオオオン!!」

 

そう思うウルトラマン達が空を見上げる、そこには何故か先程まで異常に大きな闇を纏い止まった筈の触手を大量に展開させたデモンゾーアが、まるで歓喜するように咆哮を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前のデモンゾーアの変化に、俺は困惑していた。

おかしい、何でデモンゾーアが力を増している?

何か、何かあったのか?デモンゾーアを強化させるような何か……。

瞬間、俺は昔見たデモンゾーアの設定を思い出した。

デモンゾーア、それはウルトラマンティガTHE FINAL ODYSSEYにて登場したラスボスだ。

闇の巨人カミーラとルルイエ周辺に残留していたガタノゾーアの()()()()()し最大の邪神。

まさか、コイツ……ガタノゾーアとマガタノゾーア、メガロゾーアの怨念をも自身に取り込んだのか!?

この場で俺達が倒すことが出来た三体の邪神が持っていた倒した俺達への怨念を吸収してここまで成長した。

原作であれほど大きかったデモンゾーアだが、ガタノゾーアとカミーラだけでも大きさはほぼ無限と同じ、そんな奴がもし自身と同じような邪神を三体も吸収したなら。

 

一体、どれ程の脅威に………。

 

次の瞬間、デモンゾーアがその禍々しい口を開いた。

 

「くっ!?」

 

「ディっ!」

 

デモンゾーアの口から放たれる氷の槍、デモンジャバーを知っていたからか、デモンジャバーを防ごうとティガがハンドスラッシュを、その横で俺は左手のアローアームドネクサスを展開しコアネクストの時のようにアローレイシュトロームを連射する。

だが、それでは押さえきれず体を掠めるデモンジャバーにウルトラマン達の体から黄金の粒子が漏れ出る。

 

「くっそ、なんだよこの攻撃っ」

 

「今までとは、けた違いの威力……」

 

ダメージからか、ギンガとジード、アークはカラータイマーを点滅させる。

コスモス、メビウスも立ってはいるが体がふらついていた。

ティガはデモンゾーアの次の一手を警戒してかデモンゾーアへと構えたままデモンゾーアの次の一手を静観している。

 

くそっ、どうすれば……。

 

そう考えているとまたもやデモンゾーアは口からデモンジャバーを発射する。次の瞬間、ジードはその手に持ったキングソードを掲げる。

 

【ウルトラ兄弟!】

 

「ブラザーズシールド!!」

 

瞬間、俺達を守るようにゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウが現れる。

ウルトラ6兄弟はウルトラサインとウルトラ文字で描かれた円形の魔法陣バリアを頭上へと展開しデモンゾーアのデモンジャバーを防いだ。

デモンジャバーを防いだ6兄弟はそのまま消えず、何故か俺達の方を見て頷くと消えていく。

まるで、後は君たちに全てを託すというように。

 

「助かったぜリク!」

 

「でも、何度もは流石に防げません……もう時間が」

 

カラータイマーの点滅から時間は長く持たない事に不安を漏らすジード、同じようにカラータイマーを点滅していることにウルトラマンギンガ、アークは己のカラータイマーを一別する。

多くのダメージを受けたが地球で戦っているからかカラータイマーを点滅させてはいるが問題なさそうなアグル。

そしてダメージこそ受けているがカラータイマーが点滅していないコスモスとメビウス。

俺の場合は俺の命に危険が迫っていない限りはエナジーコアが鳴らない。

どうすれば奴を倒せる……映画なら全員での光線による合体光線だがそれはあくまでも怪獣の場合だ。

デモンゾーアは邪神、つまりは神だ。

映画でティガがデモンゾーアを倒した方法、それはティガはルルイエで朽ち果てていた光の巨人達の力を受け取り、グリッターティガとなってデモンゾーアへと飛び込み体内からゼラデスビームを浴びせ倒すというものだ。

だが、この場にはグリッター化する事が可能なのは恐らくはティガとアグル、メビウスだ。

でもグリッター化する条件は光を得ること。

そんな光をこの状況で考えるのは無駄、不確定要素に頼る訳には行かない。

でもウルトラマンの力を1つにすることなら可能かもしれない。

全員の光線を1つに集中させてデモンゾーアへとぶつける、それが俺が……俺達がデモンゾーアに勝つ唯一の方法なのかもしれない。

この場にいるすべてのウルトラマンの力を終結させた一撃なら今のデモンゾーアども倒せるのではないか。

でも、俺の想像がもし実現できるなら果たして……俺は……ネクサス、ノアは耐えられるのか?

 

ンネクサース♪─諦めるな─

 

ノア……ありがとう。

 

「皆さん、俺に力を貸してください」

 

俺の声にアグルにジード、ギンガとコスモス、アークとメビウス、そしてティガが此方を見る。

 

「倒す手段が、あるんだね」 

 

「奴を、あの闇を打ち払う策があるのか?」

 

「断言は出来ません、でも可能性はあります」

 

メビウス、アグルの言葉に俺はそう返す。

 

「わかった、任せたぜバンスケ!」

 

「今度は僕があなたに力を、勇気を渡す番です!任せてください、バンスケさん!」

 

「バンスケくん、今度は僕が君を助ける番だ」

 

俺の言葉にギンガ、ジード、コスモス、アグル、メビウス、ティガが黙って頷いた。

俺の考えたデモンゾーアを倒す方法にウルトラマン達がそれぞれ驚いた様子をみせるなか、俺は宙へと浮かび上がり、海上で此方を見上げる全員へと向けて叫ぶ。

 

「皆さん、お願いします!!」

 

その瞬間、ウルトラマン達が頷く。

 

瞬間、デモンゾーアが咆哮を上げ口を開ける。

 

これでもしデモンジャバーが来るなら、俺の想像の通りなら勝てる可能性はまだ消えない。

そう思いながらデモンゾーアへと向けて飛びながら、両手を開き正面に突きだすように構える。

すると俺の前に俺の全面を守るような光の盾、サークルシールドが展開される。

デモンゾーアの口から放たれたのは、バラバラで此方へと降り注ぐデモンジャバーではなく氷の槍を放つデモンジャバーを凝縮して放つジャブラッシュだった。

こっちを撃ってくるか、でも!これなら、俺だけを狙っている状態なら好都合だ、俺はこれを防ぎ切れば良いだけだ!

サークルシールドを伝って此方へとくる衝撃に怯まず、両手を突きだし続ける。

俺の背後、海ではアグルが腕を振り回し、その体へと大地と海の力を両手へと収束させ両手をあわせて合掌し、左手を下にずらす。

 

「フォトンストリームッ!」

 

ジードがその手に持つキングソードへと三度手を翳し、掲げたキングソードと腕をクロスさせる。

 

「ロイヤルエェェェンドッ!」

 

ギンガは両拳を胸の前で打ち付けウルトラ兄弟とギンガ自身の力を束ね、両手を平行に広げる。

 

「コスモスミラクルエスペシャリーッ!」

 

コスモスは両腕を下に交差させて、エネルギーを纏い、右腕へと移行させながら右腕を突きだし、コズミューム光線がフューチャーエフェクトの力によって変化したコスモストライクを放つ。

 

アークはミラクルアークキューブをアークギャラクサーに装填しアークギャラクサーを持ちながら両手を十字に組みギャラクシーファイナライズを越えたギャラクサーオーバー・ザ・トップを放つ。

メビウスはメビウスブレスから発生させた炎のエネルギーを胸のファイヤーシンボルに集中させ、形成した巨大な火球メビュームバーストを放つ。

 

ティガもまた両腕を正面へと突き出し交差させ、水平に開き腕をL字に構えゼペリオン光線を放つ。

 

7体のウルトラマンが同時に放った全力の必殺技が一斉に放たれる、放たれた必殺技達は全てがデモンゾーアへ向かう。

正確には、デモンゾーア()()()()デモンゾーアの攻撃を受け止めている()()()()へと。

背後に感じる光線達に俺はサークルシールドの展開を左腕のみにして、右腕を背後に迫ったみんなの放った必殺技へと向けて突きだす。

右腕のアームドネクサスの存在する場所へと存在するアリアンスが装填されているブレスレットは、アームドネクサスの役割を引き継いでいる。

 

「ぐっ!?」

 

瞬間に俺の右腕が光を纏い、ウルトラマン達の必殺技を受け止める。

そして受け止めた光線達を()()()()()()()()していく。

同時に左手で発生させたままのサークルシールドからデモンゾーアのジャブラッシュのエネルギーをアローアームドネクサスを介して浄化、()()()へと変換する。

 

これが、俺の選んだデモンゾーアを打ち倒す策。

 

ウルトラマンネクサスの持つ技の1つに、相手の攻撃や敵の作り出したダークフィールドのエネルギーを拳に集めて浄化し、自身のエネルギーに変換し打ち出す技が存在する。

それでこの場にいるウルトラマン達の必殺技を吸収させた拳なら、デモンゾーアを倒せるのではないか。

そして予想してない嬉しい誤算、それはデモンゾーアが広範囲を攻撃するデモンジャバーではなく、俺一人を狙ったジャブラッシュを撃ってきた事だ。

もしデモンジャバーならアグルやジード達に攻撃が向かって、必殺技を撃てなかった。

そして俺だけを狙っているジャブラッシュ、これならサークルシールドを介してそのエネルギーを浄化してネクサスの力へと変換できる。

デモンゾーアは攻撃が当たらない困惑からかそれとも余裕からか口から放つジャブラッシュを止めた、チャンスは今!

デモンゾーアへと向けてノアイージスを活かした高速飛行でデモンゾーアへ向かいながら受け止めたすべてのエネルギーを右腕に移動させる。

迫る俺が危険だと本能的に感じたのかデモンゾーアは咆哮を上げながら触手を大量に展開する。

向かってくる触手を急停止からの急降下や、急上昇、横へのバレルロールで避けながらデモンゾーアへと向かう。

途中、背後から横を通過した光の刃が目の前をデモンゾーアへと向かう邪魔する触手を切り落とす。

見れば此方へと飛びながら、俺へと向かう触手へと攻撃するウルトラマン達の姿があった。

 

「いけっ!バンスケっ!」

 

「行け!」

 

「いって下さい!」

 

握っていた拳に更に力が籠る、ウルトラマン達にこんなにも助けられ、鼓舞された。

諦めるなと言われた。

 

「頑張れっ!いけっー!」

 

「頑張れー!」

 

「勝ってくれ、勝ってくれっー!」

 

「「「頑張れーっ!ウルトラマーンッ!!」」」

 

そしてこんなにも大きな音を立てて戦闘しているのに聞こえてくる、地上の人々の応援の声。

この声に答えない?ここで負ける?

そんなの、そんなウルトラマンは、そんな展開は()()()()だ。

いつもなら俺はウルトラマンじゃないと、俺がネクサスなのは、ウルトラマンなら解釈違いだと叫んだのかもしれない。

でも、今は、今だけ俺は、俺はウルトラマンなんだっ!行くぞノア、力を貸してくれ……俺を……ウルトラマン(憧れのヒーロー)にさせてくれっ!!

 

ンネクサース♪─バンスケ、君をそこまで駆り立てるのは、ウルトラマンであろうとするのは何故だ─

 

憧れたんだ、憧れちまったんだよ。

 

現実を知って、それでもなお迷うことなく自分もそうありたいって、手を伸ばしちまった、憧れを捨てられなかったから。

 

彼らのようになりたいとっ!そう思えるから!

 

そうなりたいと幼い頃に描いた夢だから!

 

何より憧れたあの人達に言われたんだ、ウルトラマンなのに膝をついて諦めちまった俺に()()()()と、最後まで諦めず不可能を可能にするのがウルトラマンだって、思い出させてくれたから。

 

憧れたあの人達の想いに応えたい、何よりウルトラマンならきっと応えるとそう思うから。

 

♪─この力は希望を捨てない人々の為にある。バンスケ、それに気づいている君なら、諦めない君なら、勝てない筈がない─

 

♪─バンスケ、君は君の光を走りきれ!─

 

♪─生きるために戦いなさい、例えウルトラマンであることに納得していないのだとしても、あなたはその光を受け継いだのだから!─

 

♪─君は一人じゃない、諦めるな!─

 

異なる四人の手が、ネクサスの……バンスケの背中を押す。

 

その瞬間ネクサスの拳に神秘的な光が纏い、ネクサスの体が一瞬だが()()に光輝く。

デモンゾーア向けてまっすぐ突き進むネクサス、ネクサスを阻もうと迫る触手はアグルがアグルブレードで、ジードがキングソードで、ギンガがウルトラ兄弟の技で、コスモスがエクリプススパークで、アークがアークフェザーで、メビウスがメビュームブレードやメビュームエッジで、ティガがハンドスラッシュで切り裂き道を作る。

拳を握りしめる、この拳にはすべてのウルトラマン達の必殺技を集めたエネルギーが、希望が籠っている。

だからそこに、ウルトラマンの変身者である俺の想いを、ウルトラマンへの憧れを、この世界の未来への希望の祈りを込める。

 

()()()()()()()()()()()

 

右腕を大きく振りかぶりノアイージスの高速飛行の速度と勢いをつけてデモンゾーアへと迫る。

振り抜いた拳はまるでノアインフェルノのように光の炎に似た黄金色の光の粒子を纏い、デモンゾーアの頭部へ振り抜かれる。

 

()()()()()()ッ!!」

 

瞬間、ネクサスの拳がデモンゾーアの頭部へとめり込む、オーバーナックレイジェネレードが叩き込まれた場所からひび割れるようにしてデモンゾーアの体に、空に亀裂が生まれていく。

デモンゾーアの体を構成する闇が、ウルトラマン達の光線、光を吸収したオーバーナックレイジェネレードによって分解、消滅し始める。

デモンゾーアの身体中の亀裂からは眼を覆うほどの光が溢れ、デモンゾーアが粒子となり消えていく。

分解され風にのって消えていき現れたのは、綺麗な青空と青空の遥か向こうから照らす太陽の温かく優しい光。

太陽の光が地上へと差し、暗闇に閉ざされていた世界を光が照らす。

俺はその降り注ぐ太陽の光をボーッと見つめていた。

 

勝てたんだな、俺は……俺達は4体の邪神に。

 

そう思っていると俺の横にアグル、ジード、ギンガ、コスモス、アーク、メビウス、ティガが並ぶ。

 

「流石は、選ばれしものだな」

 

「やりましたね、バンスケさん!」

 

「やったな、カッコ良かったぜバンスケ!」

 

腕を組ながら頷くアグル、両手をぐっと握りしめながら喜んでいるジード、俺に拳を向けてくるギンガ、俺はギンガの拳へと自身の拳をコツンとぶつける。

 

「この星は光を取り戻したんだ、君のお陰だよ。バンスケくん」

 

「!」

 

「バンスケ君、君が繋いだんだ。僕たちを、ウルトラマンを、この星を、この未来に」

 

コスモスがそう言いながら頷き、アークは深く頷き同意示す。

 

「俺が、繋いだ……」

 

そしてメビウスの言葉に同意するように頷くティガ、俺は目の前の光景に現実味がなくて、でも勝てたことは間違いないものだからかメビウスの言葉を呟いた。

 

「さぁ、凱旋だぜ!お前が勝ったことをみんなに知らせるんだ、バンスケ」

 

そう言いながら俺の肩を叩くギンガの言葉に思わず振り返り地上を見る、そこには俺達を見上げる人達が見えた。その顔には安堵はなく、何処か不安そうな表情を浮かべた大人が多かった。

 

「凱旋とか、そんなの俺がやるなんて」

 

解釈違いだとそう言いそうになった俺の言葉を遮るように別の肩にアークとティガの手が乗り頷く。まるで、解放違いではないと告げるように。

 

「この世界を救った、一番の立役者ですから。あなた以外で、だれがやるんですか!」

 

そういうジードと、全員の視線に俺はベリアル銀河帝国の最後にゼロが行った行動を思い出し、右腕のアリアンスブレスから契剣銃アリアンスを引き抜いて、大陽のある空へ向けて掲げた。

 

「シェアッ!!」

 

瞬間、地上からまるで封じ込められていたものが解放されたような大きな安堵と歓声が響き渡る。

この地球を絶望の世界へと変えていたガタノゾーア、マガタノゾーア、デモンゾーア、メガロゾーアが、ウルトラマン達によって倒され太陽の光を、希望を取り戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれらから、壊された町は修復されていき町を行き交う人達が笑顔で笑い会う賑やかな景色が広がっていた。

町全体を見渡すことが出来る公園の展望台から、そんな景色を眺めていた俺はその光景に改めて、良かったと感じていた。

 

「それにしても、あれから1ヶ月もここで過ごすなんて解釈違いだ。別世界から来たウルトラマンがこの世界を救ったならすぐに旅立つのが定番なんだがなぁ」

 

ンネクサース♪─(;-ω-)─

 

邪神達に思った以上にエネルギーを吸われたんだから仕方ないって、なら仕方ないか。

こうなったのは俺が諦めたのも原因の1つだからな。

それにしても、とそう思いながらメダルケースを開ける。そこには元々存在した『オーブ』のウルトラメダル、そして邪神達との戦いで増えたウルトラマンノアの描かれた『デュナミスメダル』。

その他に『アグル』や『ジード』に『ギンガ』、『コスモス』『アーク』『メビウス』そして『ティガ』から光を受けとる形で貰ってしまっていた。

 

「貰っちまった、絶対に使わねぇけど」

 

ネクサスが外付けアイテムで強化なんて解釈違いだ、可能な限り使わない……じゃなくて、もう俺は変身しないからな。

ウルトラマンネクサスに変身するのは、俺が元の世界に帰るまでは続けないといけないのではと悟りそうになり思わず首を降る。

ここまではいい、まだ許容範囲内だ。

だが問題は……。

端っこに、分けて入れていたメダルを取り出す。そのメダルに描かれているのはウルトラメダルではなく、怪獣メダル。

描かれているのは、()()()()()()

オーバーナックレイジェネレードでデモンゾーアとアグル達ウルトラマンの力を吸収し浄化し自分の力にした。

恐らくはそのときの影響か、何らかの事が起こりこのメダルが発生してしまったのだろう。

 

「はぁ、どうしてこんな厄ネタを抱えることに……」

 

ガタノゾーアメダルを眺めながら、柵の上においていた腕に顔を埋めて目の前の光景から逃避する。

だが次の瞬間、持っていた筈のメダルの感触が消え急いで顔を上げる。もしあのメダルを無くしたなら、どんなことが起こるのか想像したくない。

そう思って柵の向こう側や近くの足元を探しても見付からない、焦っていた俺の後頭部に変な感覚と共に少し重くなった頭部に違和感を感じて後頭部にあるソレを掴み、目の前に持ってきた。

 

『パォオオーン』

 

手が掴んだのは、何故かSDサイズにデフォロメされたようなガタノゾーア?らしきもの。まるでメビウスのリムエレキングのようなサイズ感のソレ、体が硬直する。

 

「は?」

 

ンネクサース♪─(; ゚ ロ゚)ファッ!!?─

 

『んふぅわぁぁぁあ、うーんようやく気付きおったか、遅い!遅すぎじゃ!妾でなければすぐに全てを闇にするところじゃぞ!』

 

そう言いながらて伸ばした鋏のついた触手をおれの頬へと伸ばしペチペチと叩いてくる。

その痛くもない衝撃にだんだんとうざさを感じてガタノゾーア?らしきそれを遠ざけるが、更に触手を伸ばしてペチペチしてくるのを止めない。

 

「なんなんだ、これ」

 

なんでガタノゾーアが生きて?てかなんで喋ってる?早く倒さないと……

 

『えぇい変身しようとするでないっ!妾は無害!無害じゃ!!』

 

「さっき全てを闇にするとか、言ってなかったかお前」

 

『あれはあれじゃ、言葉のあやという奴じゃ。』

 

ペチペチとする触手を引っ込めて視線をそらすレムガタノゾーア?にどうすれば良いのかも分からず困惑する。

 

「なんなんだよ、お前」

 

『ふふ、妾こそが闇の支配者にして邪神!お主に破れたガタノゾーア!のメダルに入っとる欠片じゃ。』

 

ガタノゾーアの欠片?メダルに込められた力って怪獣の力ってことを言ってるのか?

 

「そもそも、何故そんな姿に?」

 

『妾は邪神、つまりは神!故にメダルから実体化する等の事は容易よ!にゃっはっはっは!なんだ、このような姿でなくソナタが異界にて救った幼子のようにでもなれば良かったか?』

 

「ならなくて良い!てかさっき、無害だとか言ってたが。なら何故俺の前にこうして姿を表した、お前がガタノゾーアなら俺から逃げてこの世界をまた闇にすることも出来るだろ」

 

『うむ、それなのだがな!ソナタに興味がある!ソナタの旅路に妾を連れていけ!!』

 

「は、はぁ!?俺に興味って……」

 

『貴様にエネルギーを奪われた時にソナタの記憶を垣間見たが、光の巨人であるのにも心では常に絶望を感じているとはなー!』

 

あ、こいつの感じてる俺の絶望ってあれだ。確実に俺がネクサスに選ばれたこと、ウルトラマンに変身させられた事への解釈違いで沈んでる時だわ。

 

『ほんに興味深いヒトよ!ソナタは!面白い!!1億ルルイエポイントじゃ!!』

 

そう言いながらパッチーンとでも効果音がなりそうなウインクをしてみせるガタノゾーアになんともいえない感覚が体を襲う。

アニメで神に眼をつけられてた奴らの気分が分かる気がする………神は常に面白いものを愛するとか、こんな気分分かりたく無かった。

そんなことを考えいるとガタノゾーアがピクリと動き元のメダルの姿となって俺の掌に落ちてきた。急に現れたと思ったら急に消える、本当になんなんだよ、コイツ。

そう思いながらメダルをベルトのケースにしまっていると背後から足音が聞こえて振り返る。

そこにはミライさん、ムサシさん、リクさん、ヒカルさんがいた。

 

「よっ!バンスケ、もういくのか?」

 

「えぇ、そのつもりです。皆さんはどうしてここに?」

 

「見送りにきました!ムサシさんもミライさんも一緒です!!」

 

「一緒に戦った仲間なんだから見送らせて欲しいんだ」

 

「ユウマくんは、あのときの事を覚えてないようなので連れてきませんでした。なのであの子の分も僕が見送ります」

 

嬉しいような恥ずかしいようなそんな気分に少しだけ困惑しながらも、俺は笑った。

 

「はは、そうっすか。」

 

「あ!もし、またこの世界に来ることがあったら僕の家にきてください!まだまだこの街の案内したいところがあるんですから!」

 

「俺もだ、まだまだこの街の魅力が伝えきれてねぇし!」

 

「それなら僕の植物園にも。植物園の植物や動物達も君と会えないと寂しいだろうから」

 

「また、リュウさんやジョージさん達とご飯を食べにいきましょう!今度はジョージさんのオススメで本場のパエリアが食べられる場所です!」

 

この1ヶ月、まるで大変だったけど夢のような日々だった。

リクとヒカルに手を引かれて町を歩き回り、美味しい煎餅屋や独特なセンスの服屋さん、笑顔で接客する姿が特徴的な若い夫婦が営む花屋さん等、様々な場所を観光した。

この世界で1ヶ月暮らすためのアルバイトとしてムサシさんの働く植物園でエサをあげたりした動物達とのふれあい。

ミライさんが口を滑らせた結果、僕がネクサスだと知られの他にもいたGUYSの全員と祝勝会をしてミライさんのオススメのカレー屋さんや居酒屋に行ってご飯を食べた。

あの時はどの料理も半分は味覚をノアが奪って食べてたんだよな。

 

ンネクサース♪─(´>؂∂`)テヘペロ☆─

 

ゾーア♪─キッッッッツ!何万年も生きとるジジイが可愛こぶるな鳥肌がたつじゃろ!─

 

ンネクサース♪─(゚Д゚#)─

 

おい脳内で増えるな喧嘩するな邪神その一その二。

 

「皆さん、本当にありがとうございました。もしこの世界にまた来るようなことがあれば、お世話になります」

 

もう来ないと思う、でもこういう風に言うだけならいいよな。

そう言いながら俺はポケットから取り出したエボルトラスターを左手に持ち、右腕で引き抜く。

俺はウルトラマンネクサス、アンファンスへと変化する。

俺は足元の4人に頷きアイコンタクトをとってから周りを風で吹き飛ばさないよう浮かび上がり、空を飛び街の風景を眺める。

 

空港で空港長として働いているハヤタ・シン。

 

レストランの入り口で今日のオススメメニューを書いているモロボシ・ダン。

 

街の車屋で車の整備している郷 秀樹。

 

パン屋で妻らしき人物と共に接客する北斗 星司。

 

児童養護施設で子供達と共に外で走る東 光太郎。

 

拳法道場で拳法を指南するおおとり・ゲン。

 

学校で子供達に寄り添い勉強を教える矢的 猛。

 

植物園から出てくるマドカ・ダイゴ。

 

野球クラブのコーチとしてピッチングを教えているアスカ・シン。

 

大学の研究室で生徒と共に研究を行っている高山 我夢。

 

消防所で仲間達と訓練に励むトウマ・カイト。

 

旅人らしき格好で道を歩くショウ。

 

白衣を身に纏い研究所で宇宙、星の声と呼ばれるものの研究をしている大空 大地。

 

銭湯の出口で、親しい友人と共にラムネを飲み交わすクレナイ・ガイ。

 

クワトロMにてお客さんへと接客する湊 カツミとその近くのテーブルで自身の研究に熱中する湊 イサミ、そんなイサミへと笑いながら飴玉を差し出す湊 アサヒ。

 

警察官として町の見回りをする工藤 ヒロユキ。

 

自衛隊の訓練所で汗を長しマラソンを続けるナツカワ ハルキ。

 

花屋で妻らしき女性と共に花へと水を上げているマナカ ケンゴ。

 

煎餅屋で元気に接客しているアスミ カナタ。

 

自衛隊の執務室にて書類とにらめっこをしているヒルマ ゲント。

 

両親と共に町を笑顔でお出掛けをしている飛世 ユウマ。

 

ウルトラマンのいない世界にも彼らがいた、何故彼らがウルトラマンとして覚醒しなかったのか不思議だ。でも、この世界はウルトラ8兄弟のようでなんとなくこの風景が好きに思えるし安心した。

もしこの世界が今後、ピンチになっても立ち上がれる人達がいるのだから。

 

さぁノア、今度こそ俺のいた世界へと帰らせてくれよ。

 

ンネクサース♪─( ・∀・)b─

 

俺は自分がウルトラマンになるのも、ネクサスに変身するのも解釈違いだし未だに自分がウルトラマンとかあり得ないと思う。

それでも、この世界で戦った時の自分はウルトラマンだと認めてしまいそうな気がした。

最後まで諦めず不可能を可能にするヒーロー、そう俺にとってウルトラマンは、諦めないことだと

再認識することが出来たから。

 

そう思いながら俺はこれまでと同じように、エナジーコアへとアームドネクサスを翳して振り下ろし別世界に転移した。

 

 






これまで『貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目)』を読んでくださった読者の皆様、これまでのご愛読、応援誠にありがとうございました。

今話にて、本作品は完結とさせて頂きます。

本作品の最終章ともいえるガタノゾーア、マガタノゾーア、デモンゾーア、メガロゾーアの世界はもし、ウルトラマンの劇場版が製作されたなら自分が見たいウルトラマンの映画はと考えながら執筆していきました。
1体でも勝利するのが絶望的なガタノゾーア、そしてガタノゾーアの他にも同じ邪神が3体、合計4体の邪神が現れたウルトラマンも宇宙人もいないウルトラ8兄弟と似た世界。
登場する人達は全てがオリジナルキャストであり、ウルトラマンに出演した方々が様々な役で出演している、そんな風に考えて執筆しました。

時間があれば、番外編としてもしこの作品の4体の邪神が現れた世界がウルトラマンネクサスの劇場版として製作され放送された世界の反応や、畠中絆輔さんを演じる俳優さんのエピソードトーク等を想像して少し書いてみたいと思っています。

改めて本作品を最後までご愛読下さり誠にありがとうございました。

また別の作品でもお会いできたら嬉しいです。二座創作の他にもオリジナル小説の方も執筆しているので、良ければそちらも読んでくださると嬉しいです。

番外編でブルアカコラボについての反応スレ

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