貴方にとってウルトラマンとは?諦めないことっすかね(白目) 作:クレナイハルハ
工場に離れた場所から避難して来た避難民として無事潜入することが出来た俺とコユキだったが、何故か子どもと食べる状況へとなっていた。
さて、ここからどうするかとそんな事を考えながら盛って貰ったカレーを口に含む。だがまたもや味がしないどころか、感触すら感じられない。
ンネクサース♪─Ψ(*¯ч¯*)''─
おい邪神、またやったな?
また俺の口だけ感覚を一時的にノアへと切り替えられたらしい。
ンネクサース♪─(๑´ڡ`๑)─
何がおかわりだよ、受け入れてもらって飯すら貰った状況でおかわりを貰える程に俺は図太くないんだよ、これでおしまいだよ。
なんでウルトラマンのほとんどが地球の飯にここまで熱意を燃やすのか……いや旨いのはわかるけどさ。
となりでコユキは口許を汚しながらカレーを頬張っている、まぁ久しぶりのちゃんとした食事になるのだろうから仕方ないのだけど。
ちなみにだが、この工場にいるチームUには俺がたまたまコユキを拾ってここまで連れてきたと伝えてある。
そう言えば、この後ってムサシのダイナについての発言がきっかけで一気に空気が冷めるんだっけ?うっわ耐えられねぇ、俺先にここから出るわ。
「俺は先に戻るからな」
「あ、ふぁい……」
カレーを咀嚼しながら返事をしたコユキを置いて皿を持って食べ終わった子が皿を置いていた場所へと皿を置く。普通なら皿洗いでもするのだろうけど、気まずくなる場所にずっといるのはごめんだ。
「すんません、少し疲労がきつくて先に休ませて貰います」
「おい、あの子は良いのかよ?」
「まぁ、自分で帰ってこれると思うんで」
たまたま近くにいたサワと呼ばれているショートヘアの女性に声をかけ、寝る場所として提供して貰った工場の隅へ行こうと思っていると、口をリスのように膨らませたコユキが此方へと駆け寄って来ると、俺の背後に回って服の裾を摘まむ。
「もっとゆっくり食わしてやればいいのにさ」
「ここまで懐かれるような事、してないんですけどね」
「ひとりぼっちの状態から助けられたんだ、こうなるのも当然じゃない?」
アンナ、リーダーとも呼ばれる女性にそう言われ気まずくなり別の方を見る。
俺はそんなヒーローとか英雄とかじゃないっつの、俺がウルトラマンなんて現状がそもそも解釈違いだし。
そんなことを思いながら俺は、カレーを飲み込んだコユキと共に食堂を出た。
そして貸して貰った工場の隅に建てたテントに入る、ちなみにこれはホームセンターにあった一番広いテントである。
何故二人分のテントではないかと言うとコユキが一人で寝ると悪夢を見るからだ、ナックル星人の件が相当トラウマになっていたらしく、ホームセンターで離れて寝ていたところを真夜中に叫びながら飛び起きたコユキの声で俺まで飛び起きてしまうということが起こった。
そのために一緒に寝ることとなったところ、朝まで眠ることが出来たらしく何故か寝るときはこうなってしまった。
「こういうのは本当は先生の役目だろ、俺がやるとか本当に解釈違いだ」
そんなことを呟きながらテントに入ると、コユキもテントへと入ってきた。そして俺の前に座ると、恐る恐ると言った様子で口を開いた。
「あの、説明してくれるんですよね?あのこと……」
「わかった、何処から話せば良いものか……」
話す約束をしてしまったので、破るわけには行かない。
「ウルトラマン、コユキが見た巨人……ネクサスと呼ばれる奴が俺ってことになる。訳あってネクサスに選ばれて(強制的に)変身できるようになったけど、だからまぁあの姿に変身できる人間だな。解釈違いだけどな………」
「解釈違いって、どうしてですか?」
「あのな、本来はウルトラマン……ウルトラマンやネクサスに選ばれるのは俺のような人間じゃないんだよ。」
目の前で愛する人や親友を失った、そんな重い過去があって、友情を力に変えられるような熱い思いがあって…自分の身を削ってでも誰かを守る……そんな英雄みたいな奴らが、ウルトラマンになるべきなんだよ。
俺と言えば、趣味は特撮とカードゲーム。
友達と遊んでダラダラと日常を過ごす大学生で特に大きな夢もなければ重い過去もない。
「こんな俺がウルトラマンとか、解釈違いだよ本当に」
「でも、私を助けてくれましたよね?それに、元の世界に返すってそう言ってくれました」
「そりゃあ、お前が本来いるべき場所に返すのは当たり前だろう。俺みたいに本来の世界にいた世界から迷い込んだ訳だしな、ノア……邪神が出来るって言ってんだし」
そう言いながら、ふと気配を感じてテントから顔だけ出して外を眺める。工場の入り口には何故かタイガとムサシがおり、テントから顔を出した俺に手を振って来た。
「ちょっと話があるみたいだ、ここで待ってろ。俺がウルトラマンなのは秘密だからな」
そう秘密の部分を強調して伝えてからテントを出て二人の元へと向かう。
「こんな時間に、どうしたんすか?」
「そんな警戒しないでさ、自己紹介!してないと思って、俺はタイガ・ノゾム」
「ボクはハルノ・ムサシ」
えぇ、出来るだけ関係持ちたくなかったのに……名乗られたのに名乗り返さないのも失礼なので俺は長く会話したくないと思いながら口を開いた。
「俺……自分はハタナカ・バンスケっす、なんか用っすか?」
「彼女達から、女の子一人を拾ってここまで連れてきたって聞いたよ。本当に凄いね、こんな状況で自分だけじゃなくて子どもまで」
「まぁ、放って置けなかったんで。てかそれなら俺よりチームUとかいうあの人達の方が凄いでしょ。この状況で子どもを笑顔にして、食い物もしっかり与えて。あと寝たいんで、雑談なら明日にでも」
「待って待って!こっちに向かって来た時に青いウルトラマンと黒いウルトラマンがいたと思うんだけど、何か知らないかなって」
「あーちょっとわかんないっすね、こっち来てる途中で望遠鏡で工場近くに怪獣出て暴れてるの見て、連れと逃げたんで」
「そうか……」
適当に言った嘘だが、二人とも信じたようで少し落ち込んだ様子だ。二人が嘘を信じたようで何より、じゃ俺も寝させて貰おうとテントへと戻った。
テントへと戻っていく青年に、ムサシはあのウルトラマンについての情報が得られなかったことに悔しげな表情を浮かべていた。
怪獣を倒す的確な攻撃も、ボクを守ったときの判断も全てが最適化された動きだった。
「あのウルトラマンが力を貸してくれたら、あのウルトラマンについて何か分かればって、そう思っていたけど」
「知らないみたいっすねぇ」
ゴメスとグビラの二体を相手にピンチへと陥ったコスモスを助けた謎のウルトラマン、ゼロの世界にもコスモスの世界にも存在しない異質なウルトラマン。
チームUの人達も初めて見たと言うウルトラマン、もし彼が自分達と同じように声に導かれてきたのならと考えるムサシを他所にタイガは立てられたテントへと向けた腕についていたウルティメイトイージスがドクンと鼓動した。
「ん?………ゼロくん、なんかした?」
『ウルティメイトイージスが、共鳴している?どういう事だ、こんなこと今まで一度も……』
ドクンとゆっくりと音を鳴らすウルティメイトイージスに、ゼロとタイガが困惑した様子をみせる。ウルトラマンゼロにとってもウルティメイトイージスがこのような反応を示すのは初めてであり、未知の状況だったからだ。
「共鳴?それってどういう……」
『分からない、ノアは俺に何かを伝えようとしているのか?』
そんなゼロの疑問に答える者はいない、ゼロがこの鼓動の理由を、そしてノアの真実を知ることになるのは
そうして次の日……ウルトラマンサーガの物語を最後に進める運命の朝がやってきた。
寝ていた俺は、聞こえてきた子ども達の悲鳴に目を覚ました。体を起こし、隣を見るがコユキの姿はない。急いでテントの外に出る、空中には石像となったウルトラマンダイナの姿が映し出されており子ども達はそんなダイナと響き渡るバット星人の声に恐怖していた。
くそ、完全に忘れてた。
サーガの最後はここから一気に加速するがその前にゼットンの火球がこの工場一体に降り注ぎ、子ども達やチームUの大人達も心を折られてしまう。
ムサシはコスモスに変身するが、完全に防ぐ事は出来ず多くの子ども達が涙を流す事になる。
『ゼットンは完全に目覚めた!これは、その祝砲だ!』
「あの火の玉は……まさか!?」
「みんな!早く逃げるんだ!!」
空中に投影されたゼットンが放った火球の行き先を察したムサシとタイガは即座にその場にいた全員へと避難を呼び掛ける。逃げる子ども達の中にはコユキもおり、必死に走っていた。
そして避難する全員の元へゼットンの火球が降り注ぐ、次の瞬間コスモプラックを取り出したムサシはコスモプラックを頭上へと掲げた。
火球と逃げる子ども達とチームUの間に、青い巨人ウルトラマンコスモスが立ち上がり迫る火球を防いだ。
そして更に降り注ぐ火球から子ども達を守るために、飛び上がり火球へと光線を当てていく。
たが、この後コスモスは光線で破壊しきれなかった火球をくらい撃ち落とされる。
俺は基本的にウルトラマンには変身したくない、俺みたいなのが変身することが解釈違いだと、違和感を強く感じるから。
だが自分の命が危ういなら、このまま死んでしまう危険があるのなら、死ぬより危ないより、ちょっとの体を削る方がコスパがいい。
俺は上着のポケットからエボルトラスターを取り出し、即座に引き抜きながら頭上へと掲げた。
ウルトラマンコスモスが滞空しつつ、ゼットンの放った火球を光線を横凪に振るう事で破壊した。だがその破壊したことによって広がった爆炎から火球が飛び出してくる。
コスモスは飛び出してきた火球に反応できず、火球がコスモスの体へとダメージを与えようとした次の瞬間、その火球は横から飛んできた光線によって破壊された。
コスモスが飛んできた光線の方を向くと、そこには片腕を伸ばし此方へと向けた銀色のウルトラマンこと、ウルトラマンネクサスが滞空していた。
またもや突如として現れたネクサスに困惑するコスモス、そんなコスモスを一瞥もせずネクサスは更に高く飛翔しながら腕をクロスさせ迫る火球へとパーティクル・フェザーを飛ばし火球を吹き飛ばす。
そんなネクサスにコスモスは迫る火球を光線で吹き飛ばしつつ地上に下り、逃げるチームUと子ども達を守りつつ近づく火球を光線、時には拳でかき消した。
ネクサスの登場により、サーガ本編より確かに工場一帯を守る事が出来た。
守ることの出来た工場やチームUと子ども達の姿に安堵したコスモスが急ぎネクサスに声をかけようとしたが、ネクサスはまたもやコスモスが話しかけるより早くその場から姿を消していた。
今頃、恐らくはタイガやムサシはチームUの真実……実はチームUなんていう防衛隊はなく、たまたま生き残った寄せ集めの女性達であり子ども達を守るため、防衛隊であると嘘をついていたという事実が判明するシーンに入っているだろう。
そんな彼女達の姿に戦う覚悟を決めるタイガ達の姿を脳内で想像しつつ、俺はなんとか壊れず特に大きな被害も見当たらない工場内に入りテントの入り口に座る。
「くっそ……ここまでダメージが来るのか」
左足の足首に出来た火傷の痛みに思わず口から呻き声が出る、怪我しないために死なないために変身した。
流石はゼットンと言えばいいのだろうか、先程の火球をパーティクル・フェザーで吹き飛ばしていた途中、サーガでのコスモスのように爆炎から飛び出してきた火球が左足首に当たったのだ。その一撃で自分の体にここまでダメージが反映されている。死なずに少し疲れて火傷まで負っただけで生き残れたから良しなのだろう。
テント内のリュックに手を伸ばして引き寄せ、ホームセンターで拾ったタオルとガーゼ、包帯を取り出す。
「近くの水道は……」
左足を引きずりながら、外にある蛇口にたどり着き左足のズボンの裾をめくり、靴と靴下を脱ぐ。裾から現れた火傷へ水が落ちるよう少し足を移動させてから水道の蛇口を捻る。
火傷へと水が当たり冷たい感覚と染みる痛みに顔を歪ませ、声がでないよう気合いをいれる。
「なんでネクサスは、体の回復はしてくんないのかねぇ……」
ベリアル銀河帝国のゼロとか、マン兄さんやジャックみたいに回復とかもやってくんないんだもんなぁネクサスは。
そんなことを思いながら水が足に落ちていくのを眺めていた時、背後に人の気配を感じた。
もしタイガやムサシだったらどう言い訳しようかと思いつつ振り返ると、そこにいたのはコユキだった。
「無事だったか」
「はい、あなたと青い人のおかげで……」
「そうか」
そう返事を返しつつ、濡れた左足をタオルを軽く当てて拭き火傷後をガーゼで覆ってから包帯を巻く。火傷跡のある足を見て心配そうな表情を浮かべていたコユキだったが、トタトタと近付いて来きた。
「あの、手伝います」
「悪いな」
コユキには手伝って貰いながら左足首に包帯を巻いていく、指示しつつ巻いて貰ったからか一人でやるよりは早く終わった。
「あの、青い人はあんなにあの火の玉が当たってましたけど怪我がありませんでした……なんであなたは」
「そこに関してはまぁ、仕様が違うからとしか、言いようがないな」
別世界のウルトラマンだし、本当に違うのだから仕方ない。そう思いながら靴下と靴を履き直す。
「あの、死なないでくださいね……」
「どうした、急に」
「あの怪物と戦ったダイナ?っていう人みたいになったら私、元の世界に帰れなくなっちゃうじゃないですか」
なるほどね、ダイナの石像を見たから俺もそうなるんじゃないかと思ってるわけか。
生憎、俺はこの世界に迷い込んだだけだから自分の命をかけてもなんて言えないし言いたくない。
なんなら、絶対にもう変身したくない。
痛いのは嫌だし、体を削ってまで戦うなんて嫌だね。
だけど、この後の展開でネクサスなら……ウルトラマンなら絶対に助けるであろう展開が二つある。
その二つを前に変身しないなんて、それこそウルトラマンとして、映画の展開としては
しゃあない、やってやるか。
最後までばっちりネクサス演じてやるよ、元はと言えばお前のせいなんだから、最後まで付き合えよ邪神。
ンネクサース♪─*・'(*°∇°*)'・*─
だがその後にコユキを送り届けたら絶対にもう変身しねぇからな!!絶対に!!
ンネクサース♪──(눈_눈)──
続きはイズマエルが破壊しました。
番外編でブルアカコラボについての反応スレ
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