天使使役系の美少女にTS転生しました。お金ください(切実)   作:寺西

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第4話 

 さて、なんとかα天使ちゃんをβ天使ちゃんへ進化させることに成功したわけなのだが……。

 

 実はまだまだ進化への道のりは残されていたりする。

 

 というのも、まだ使用可能魔法が雷魔法しかないのだ。

 

 この世界に存在する魔法は数多ある。

 炎を筆頭として、水、風、土……果てには空間、などという珍しい魔法まで存在する。

 

 それら一つ一つの魔法の効果についてはここでは割愛するが、かなりの数存在する。そして、今回β天使ちゃんが獲得した魔法はこのうちの1つである”雷魔法”のみ。

 

 ぶっちゃけ言うと、果てしない魔法の世界のほんの一端を獲得したに過ぎないのだ。とは言っても、常人が一つ覚えて実践レベルまで昇華させるのに10年はかかるから、かなり凄い事ではあるんだが。

 

 だが、まだまだ魔法が存在するというのなら、もっともっと魔法を習得させたくなるのが人間の性という物で……。

 

 はい、と言う訳で資金稼ぎの為に他のマフィア事務所も襲ってきました。そして、ここにあるのが新しく得た”資金”たちですね。ざっと数えると400万くらいなのではないでしょうか?

 

 ……うん、まぁ、マフィアの人たちには大変申し訳ない事をしたとは思っている。だって、それらは彼らが死ぬ思いでため込んだお金なのだから。それをさくっと奪って行ったのだから、まぁ、可哀そうだよね。

 

 ま、まぁ?この世は弱肉強食だし?セキュリティが甘いマフィアたちの方が悪い……いや、雷魔法が使えるβ天使ちゃんと火だるまの天使ちゃん軍隊に襲われることを想定したセキュリティってなんぞやって感じではあるが。

 

 だって、いきなり表から火だるまの天使ちゃん軍団が突撃してきたと思ったら、裏からβ天使ちゃんが回り込んで雷を一体に走らせるのだ。最初はそれなりに対処されることを想定していたんだが、予想以上にこの作戦は効果テキメンで、あっさりとマフィアたちが壊滅してしまった。まぁ、結構えげつない事してるもんな。

 

 でも、それにしても戦闘要員の数が少なかったような……まぁ、そこのところは気にしてもしょうがないだろう。

 

 いやー、彼らには心の底から申し訳ないとは思っている。南無散。

 

 と言う訳で稼いだ金を使って、新しく2体の上位天使をさくっと召喚……そして、手際よくバラしていく。そして、残滓をβ天使ちゃんに吸収させる。

 

「新しく天使を吸収したわけだけど、どう?」

 

「うーん、なんだか……とっても強くなった感じがします!マスターの為にもっと活躍できそうで嬉しいです!」

 

「うむ、元気いっぱいって感じでよろしい。で、もっとちゃんと言語化してみると?」

 

「……むー、新しく火と風の魔術を覚えられたって感じですね」

 

「おお、やっぱり新しく2つ魔術を覚えられたか……こりゃ凄いな」

 

「えへへ、お褒めいただき光栄です!」

 

 やはり、予想していたように上位天使を吸収すれば吸収するほど魔術のバリエーションというのは増えていくようだ。うーん、分かってはいたけど、やっぱり壊れてるな、これ。明らかにチートである。

 

 さて、β天使ちゃんの使える魔術が増えたと言う訳なのだが……これ、そろそろ魔術師試験受けに行ってもいいんじゃないか?

 

 だって、魔術師試験の合格基準って確か”1種類以上の魔術が扱える事”だったよな?勿論、俺は魔術を使えないが、それでも使役する天使が使えるのだから魔術師試験の合格基準を満たすことは出来るんじゃないか?

 

 っていうか、余裕合格できるんじゃね?

 よし、物は試しだ、早速魔術師試験を今度受けてみよう。

 

 えーっと、近所の魔術師協会の問い合わせを訪ねてみたが、試験は3日後にあるらしい。

 

 うーん、まだ時間が余ってるな。じゃあ、もうちょっとだけβ天使ちゃんに魔術を覚えさせるために金を集めてこよっかな。

 

 

▽▲▽▲

 

 と言う訳で翌日、いつもの様に標的にしていたマフィアの事務所に襲撃する。このくらいになってくるともはや手慣れたもので、さくさくと襲撃を勧められるようになっていた。

 

「ギャアアアア!!!」

 

「またヤツが出たぞおおおぉぉぉ!!!」

 

「に、逃げろおおおお!!!」

 

 聞こえてくる悲鳴に、南無散、と両手を合わせつつ、金が保管されているであろう部屋へ進んでいく。

 

 そして、いつもの様に金を回収していこうと思ったその時だった。

 どういう訳か、その部屋には男が3人くらい並んで土下座していたではないか。 

 

 う、うーん?どういう状況なんだ、これは?

 

 と、不思議に思っていると土下座していた男の内の一人が口を開いた。

 

「強き者よ……どうか、お許しください」

 

「は?」

 

「あなたがどなたかは分かりませんが、あなたの襲撃により我々の組織はほとんど壊滅状態に陥りました。もはや、我々には戦う力も残されておりません」

 

「えっと……うん?まぁ、なんかごめん」

 

 何が言いたいのかよく分からなかったが一応、謝っておく。だって、そういうのを求めているんじゃないのか?

 

 と、そんな感じで一応謝っておいたのだが、それを無視して男は再び口を開いた。

 

「……先日、我々のボスが逃亡しました。恐らく、あなたを恐れての事でしょう」

 

「え、そうなの?」

 

 だからだったのか、妙に戦闘要員の数が少なかったんだよな。だから、あんなあっさりと襲撃することが出来たのか。

 

「はい、ボスが姿をくらませたことにより我々、ロンディール会には再起することも叶わなくなりました。ですので……あなたがとても強い事を見越して……あなたに新しいボスになっていただきたいのです!!!」

 

「はぁ?」

 

 おいおいおい!

 この男何を言っているんだ!?

 襲ってきた相手にボスになれだなんて気でもくるってるんじゃないか!?

 っていうか、俺嫌だよ!?

 マフィアのボスなんかになるの!

 

 と、そんな俺の心中を察したのか男は話を加えた。

 

「恐らく、いきなりこんな話をされても、はい、だなんて言えないでしょう。ですが……我々にはもはや道が残されてないのです!!!ですから、どうか、どうかお考え下さい!!!」

 

「「お考え下さい!!!」」

 

 ちょいちょい、そんな文字通り地面にめり込むくらい土下座しなくても……ってか、それどうやってんの?人間ってそんな地面に頭めり込ませられるのか……?

 

 ってそんな話は置いておいて……

 

「えっと、それは無理な話だな」

 

「ええええ!!?」

 

「いや、反社と関わるのは良くないし」

 

「まぁ、それはそうですが……」

 

「うん、そういう訳でこの話はナシね」

 

「え?」

 

 と言う訳で、話がめんどくさくなる前に逃げまーす。

 なんか後ろで男たちが悲痛な声で叫んでだけど、知らん知らん。

 反社と関わるのだけは御免である。

 てか、2日後に魔術師試験もあるし、パスしたら魔術師になれるし。

 

 魔術師になれるというにわざわざ反社のボスになる必要なんてないのだ。

 そういう訳で、俺は男たちに構わず逃げることにしました。

 

 

▽▲▽▲

 

 ディースは、心底絶望していた。

 というのも、彼が所属するロンディール会がほとんど壊滅してしまったからだ。

 

 彼はスラム街出身で、戸籍という物がない。だから、どこの職場も彼を雇ってくれなかったし、あるとしてもほとんどゴミみたいな賃金の雇用しかなかった。

 

 だが、そんな彼でも面倒を見てくれたのがロンディール会であった。勿論、反社でありそれが社会にとって悪であることには変わらない。だが、彼にとってはロンディール会というのは命の恩人のような物だった。

 

 だからこそ、そんな組織をほとんど壊滅に追い込んだあの人間については、憎んでいた。

 

 今度、あの人間が襲撃してきたときには、組織に報いるために特攻して自分の命と引き換えに屠ってやろうとすら考えていた。

 

 だが、そんな考えは、彼女の姿を見たときに吹き飛んでしまった。

 

 なぜならば、彼女があまりにも美しかったからである。

 

 目元は道化師の仮面をかぶっており、その顔がどのような物なのかは分かりかねるが、それでもそれがとても美しい事であることは伺い知れた。明らかに、放っている雰囲気が別格であったからだ。それは、神々しいとまで言えるだろうか。

 

 それを見たとき、彼は”憎い”という感情を忘れてしまった。

 

 そして、美しい白髪をたなびかせるその少女は、なんと恐ろしい事に強烈無比な天使を使役して手際よく彼の事務所を攻撃していったではないか。

 

 と、その時彼の脳裏にとある考えがよぎる。

 

 『彼女に新しいボスになってもらえばいいではないか』

 

 彼女ならば、このバラバラになってしまったロンディール会を再び纏められるのではないか。いや、彼女ならば確実に纏められるだろう。そんな不思議な確信が、彼にはあった。

 

 だが、結局のところその提案は断られることになったのだが。

 そうして、彼は再び絶望することになったのである。




悲報:埋もれる事がほとんど確定した(泣き)

4日目にしてランキング200位以下、フォロー200以上……うん、伸びる要素がないな。

ま、まぁ、知る人ぞ知る名作って感じにしていきますわ。
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