ざんねん、トリックだよ
トキと航空隊が失踪。
その知らせは、リオとイグラを大いに動揺させた。
「落ち着けリオまだ慌てる時ではない直ちにシェマタ砲台を稼働させるんだ廃墟をそれで粉微塵に…」
「落ち着きなさいイグラここは素数を数えて落ち着きましょう
ミレニアム・サイエンススクールの中央、ミレニアムタワーの最上階では、明らかにテンパってるイグラとリオが、あーでもないこーでもないとオロオロと動き回っていた。
テンパっているとはいえ流石に非対称戦略兵器を持ち出すのは判断が早い。
飛鳥トキは、ミレニアムの会長である調月リオの切り札だ。
無名の司祭関連の計画において、その最初期から行動を共にしている。
その信頼は絶大だ。
対してゲヘナ飛行倶楽部は、万魔殿の予算で動いている部隊だ。
イグラが半ば私物化してはいるものの、勝手に無くしたら責任問題である。
まして、派遣した廃橋はミレニアムの奥地だった。
つまりどう足掻いても注目を浴びる。
「「終わった(わ)」」
リオの天才的な頭脳と、イグラの神秘由来の勘を用って、2人はそう結論づけた。
2人とも膝から崩れ落ちて、『もう頼れるのは田中角栄先生しか…ッ』ポーズになった。
「もうチアキの慎ましやかな胸の内でオギャりたい…」
「私はトキにオギャりたいわ、その方が合理的よ*1」
**********
リオとイグラの出会いは、一年生時代に遡る。
当時リオはミレニアム創設以来の天才として、イグラはヨハネ分派の期待の超新星として
2人が最初に出会ったのは、トリニティ総合学園へミレニアムの外交団が来た時だった。
先代の会長がティーパーティーと何やら込み入った話—— 雷帝?案件だそう——があるらしく、私だけ待合室へと通された。
トリニティの庁舎は、豪華絢爛の一言に尽きる。
金や大理石などの希少素材が惜しみなく使われ、いっそ目に悪いまでに煌びやかなそれら、当時のリオからすれば全てが非合理にしか思えなかった。
その金を政策か公共にでもまわせばいいのに…
居心地が悪いと感じていたリオは、1人で資料の整理でもしていようかとトリニティの付き添い人に断って、控室に入った。
「グゥゥゥゥ……」
控室にはなんと先客がいた。
ティーパーティーの純白の制服では無く、黒い燕尾服を着て、シルバーブロンドの長い髪を後ろで一纏めにしている。
そして目元には、寝不足なのか薄っすらと隈が浮かんでいる。
執事の方かな?とリオは思った。
だが、目の前のコレは寝ている。
しかもモップに寄りかかって立ったまま。
随分と器用な寝方をするんだなと、リオは感心した。
この人こそ後にトリニティの政界で波乱を巻き起こし、荒らすだけ荒らしてゲヘナへ高跳びし、未だにトリニティの同級生たちから
若かりし頃の英印イグラである。
**********
『この度は…自分がついていながら、本当に申し訳なかった…』
「ホンホンホン、顔をあげてください」
「貴女の誘導にミスは無かったわ。私たちの想定が甘かったの。あなたの責任ではないわ。」
引き続き、捜索を続けます。と言って、1人のミレニアム生が通信を切る。
それを見届けると、2人ともため息を吐きながらソファーに座り込んだ。
「
「彼女にも可哀想なことをしてしまったわ…やはり私の人選が」
「彼女ほどゲヘナの荒くれ者たちと話が合う人材はいませんでした。どのみち、誰が担当しても、我々の見込みが甘かったとしか言いようがないですね…」
「そうね」
現在、行方不明になった飛鳥トキとゲヘナ飛行隊は、出撃していなかった1番機と早期管制機…更に輸送部隊を動員して探している。
が、12時間たった今でも手掛かりはない。
そもそも、広大な廃墟を調べるのには圧倒的に数が足りないのだ。
「やはり、C&Cを出すしか…」
「ホンホンホン、いいのですか?ミレニアムプライスは、あと二日に迫っています。彼女たちを外しては、警備が手薄になるのでは?」
「背に腹は代えられないわ」
「分かっていると思いますが、万が一計画が崩れるようなことがあれば…」
「まだ私たちのシナリオに破綻は無いわ」
「……そうだといいんですけどねぇ」
**********
ミレニアムプライスとは、キヴォトス1権威のある科学の大会だ。
いわゆる万国博覧会だと思って貰えばいい。
この大会には、ミレニアム以外からも多くの著名な科学者が参加し、また多くの生徒が科学の祭典へと足を運ぶ。
ここで優秀な成績を収めた者は、多くのスポンサーから資金を得る事ができ、そうでなくとも世界中に注目されるチャンスになる。
「ミドリ早く〜」
「まったく先生はノロマです!ステータスが平均以下です。」
「待ってよお姉ちゃんー」
「人がいっぱい…」
“若いって眩しいね…”
そんな大会にやってきた集団がいた。
このキヴォトスに着任して浅い先生を引き連れて。
ゲーム開発部
ミレニアム・サイエンススクールの部活の一つだ。
主にレトロゲームなどの研究と制作を活動とするゲーム開発部だが、今は廃部の危機に瀕していた。
というのも、今月までに部員を増やし実績を積まなければ、ミレニアムのお荷物としてゲーム開発部は解散させられてしまうのだ。
元々ゲーム開発部は、部長である花岡ユズが自作したレトロゲームに感銘を受けた有志たちによって結成された新興の部活だ。
部員の数が少ないのは当然であり、他と比べ成果が出ていないのも仕方ないのだ。
そもそも発明というのはそう短期間できるものではない。
基礎研究を疎かにすれば、良いものができないのは当然であr___
『貴女達は、ただゲームしているだけでしょう!!!』
という言い訳を、珍しく頭を使った
まず部員については、不法侵入した『廃墟』で拾ってきたアンドロイドを
功績に関しては、以前自主制作したRPGゲーム『テイルズ・サガ・クロニカル』の続編を作る為、またも
不正入学系新入りアンドロイドことアリスが地下空間に妙な既視感を覚える中、ゲーム開発部はゲーム作成界隈の秘宝『G.Bible』を勝手に持ち出し、
———汝、ゲームを愛せ———
その言葉を胸に、ゲーム開発部は『テイルズ・サガ・クロニカルⅡ』の開発に注力。
数週間という極短期間で作品を完成させたゲーム開発部は、その是非を問う為にキヴォトスで最も権威ある科学の祭典『ミレニアム・プライス』へと出展したのだった。
「ただ部室で待ってるだけなんて耐えられないよー」
当初はゲーム開発部の部室で沙汰を待つ予定だったが、「ゲーム開発部の雌雄を決する何れその顛末を直に己の眼を以て見届けるべし」とのモモイの強い意向により、ゲーム開発部とシャーレの先生はミレニアム・プライスの会場へと旅立ったのだった____
〜〜『ゲーム開発部創成伝説』より一部抜粋〜〜
「あっ先生!」
「げっユウカ何でここに居るの!?」
「野生のユウカを発見しました!」
「ちょっとアリスちゃんっ」
「はわ…」
まだ審査会まで時間があるので、ゲーム開発部たちは会場のブースを見て回っていた。
そんな中で、セミナーの会計で何かとゲーム開発部の子達に世話を焼いているユウカに出くわした。
“やぁ、ユウカも来てたんだね”
「本当は仕事があったのですが……ノアに無理を言って見に来ました」
「どういうこと?」
「審査に落ちた貴女たちが、我を忘れて暴れ出さないか心配で」
「私たちがそんなことする訳ないでしょー!!」
「どうだか…」
心外だ!
とプンスコと起こるモモイ達から少し離れ、先生がユウカに耳打ちする。
“……モモイたちが心配だったからとか?”
「先生には敵いませんね。もしこの審査会で成果が振るわなかったら、きっとあの子達はすごく落ち込んでしまうと思って…」
そう言ってユウカは、心配そうな目でゲーム開発部の子達を眺める
ユウカの言葉の節々から、ゲーム開発部を思う優しさが感じ取れる。
廃部の件もあってゲーム開発部の子達からは反発されているけれど、ユウカはゲーム開発部の子達を大事に思っていた。
“ユウカは優しいんだね”
「ッ……先生、いきなりそういう発言は控えて下さい…全くもう…」
突然の先生の発言に、ユウカは顔を赤らめて剝れる。
先生はそれを宥めながら、モモイ達の方を向いた。
“大丈夫、きっとあの子達は乗り越えるさ”
“この数週間、みんな本気で頑張っていた”
「知っていますよ。私も見ていましたから」
“きっと上手くいく”
ユウカは先生の方を見る。
ゲーム開発部の子達を微笑ましそうに見る先生を見ていると、ユウカも自然と自信が湧いてきた。
「あの子達のこと、よろしくお願いします」
“もちろん!私は先生だからね”
ミレニアム・プライスの審査会は、もうすぐ始まろうとしていた。
**********
科学は人類の叡智だ。
かつて人類は理外の外にあるものを神と崇め、或いは悪魔だと恐れた。
だがやがて人類は、その多くを自らの糧とするようになった。
“神々の作りしたもう理の探究”
それは人類の指針となり、唯一の存在意義となった。
やがて神々の力は衰え、人類の時代になった。
未知は既知へ
光の当たる場所しか歩けなかった我々は、自ら光を作り照らすようになった。
医学、地学、気象学、海洋学、物理学、数学、化学、天文学
多くの場所が探求によって照らされるようになった現代
だが我々は知っている
未だ全てを照らしきれていないことを
原始力学
それはこの宇宙を構成する要素
かつてガリレオはこう言った
『宇宙という壮大な本は、数学という文字で書かれている』
なるほど確かにいい例えだ
ならば原始力学とはその本の成分表示に他ならない
残念ながら現在のところ、一部に知識層がこの学問を独占している
我々の使命は、それを公然の下に暴きだすことだ
どうすれば社会は、この学問に興味を持つだろうか?
無視できない印象を__インパクトを与えなくてはならない!!
「爆発は決して芸術などではない———科学的要因で急激な圧力の発生や解放が起こり光や熱を伴って周囲に衝撃波を放ちながら物質が破壊される現象のことォッ———つまりィ科学だ!!!!」
「爆発こそ科学の原点であり頂点!!!」
「なぁらばぁ!!!原始力学を以て爆発と成そうではないか?!!」
どうして、進歩しようとする者の行先を無遠慮に邪魔することができるのか
どうして、人類がいつまでも惰眠に甘んじていられると奢っていられるのか
どうして、人間の探究心をいつまでも押さえつけられると信仰していられるのか
ならばそれらの害悪を前にして、神々によって与えられたこの両腕で、石を投げつけることが正当化されるだろうか
否
否
断じて否である
たとえ神が許そうと、
嗚呼、世界よ
科学と知性の前にひれ伏すがいい
「さぁ、
錆びついてしまった終末時計の針を進めに往こうではないか」
『知性だ!!知性の光だ!!』
「100万人を消し飛ばし、1000万の目を覚まさせるのだ!!」
『
「そして遂に、ゼーレヴェでは大洋を越え丘へと登る」
『…………??』
「……えっと?」
「ンん?」
「ぜ……なんて?」
「…ン“ン…………
『『『栄光あれ!!!!!』』』
突然破られたドームの音と共に、会場は期待から絶望のドン底へと落とされた。
ミレニアムプライスの最中の出来事であった。
間話?
絶対にマコトにバレてはならぬ24時?
なんの話ですか(笑)
そんなんある訳ないじゃないですか
「よもや期待はずれの出来損ないが…」
お、お前は…フランシス!?
死んだはずじゃ
「お死になさい」
ぐわああああああああああ(絶死)
カイザー潰しが終わった後のイグラは…
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リオと共謀して魔王を倒しました。
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セイアを誘拐しに行きました。
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ティーパーティー候補時代を思い返した。
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雷帝になりたいと思いました。(if)
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シャーレに加入しました。
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チアキと過酷()したんだ!あいつら過酷s