堕天使とか詐欺師とか、そんなとこじゃないですかねぇ
え?イギリスは堕天した詐欺師?
ちょっと何言ってるか分からないですね、アルトリア呼びますよ?エクスカr
ゲヘナ学園
『自由と混沌』の校是を体現するこのマンモス校は、バルカン諸国もビックリな火薬庫地帯である。物理的な意味であるが。
常に自治区の何処かでは爆発か銃撃が絶えず起こり、不良とスケバンとヘルメット団とテロリストが跳梁跋扈する様は、さながら世紀末の世界を連想させることだろう。
そんな環境WW1なゲヘナの治安維持を一手に担うのが、ゲヘナ最恐と謳われる我らが空崎ヒナ委員長をトップに添えるゲヘナ風紀委員会である。
ゲヘナ風紀委員会の職務は、ゲヘナの数少ない政府機関であるが故、多岐に渡る。
それこそ、自治区の治安維持から内政まで。
ゲヘナあるところ風紀委員あり、と言わしめる程であり、自治区内外に関わらずその確固たる存在感と権威を示していた。
じゃぁゲヘナの生徒会はどうなってんだよ、と聞かればもちろん存在する。
風紀委員会のような畏敬もなければ、テロリストのように恐れられている訳でもない。
だが決して、このゲヘナ学園の生徒会は、風紀委員会などではないのだ。
ゲヘナ生徒会…
曰く、
曰く、アダムとイブが楽園から追放された地
或いは、
名を
ーー
昨年の
ーーーーーーーーー
「しかし、温泉は良いものですなぁ」
「…ああ」
「心の疲れが取れる、ゲヘナの良き文化」
「…ああ」
「最初越してきた時に入った温泉は、煮えたぎる様にグツグツで、まるで地獄の釜の底の様に見えたものでした。」
「…ああ」
「しかし、こうして慣れてしまえば、案外この温度もしっくりと来るものですなぁ」
「…ああ」
「ホンホンホンッ」
「……。」
「……ひょっとして議長、楽しんでいらっしゃらない?」
「それマコト先輩の顔見ていってます?」
「ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“」
「……♪」
パシャッ
「わーい、イブキ達の部屋が温泉になったー」
「あ“〜、これ肩凝りに効くわねぇ〜」
「なッなぜこうなった〜〜!!??」
大きな露天温泉の一角で、虚しく悲鳴が響き渡った。
辺り一帯には、崩れた大理石の柱の残骸や焼け焦げた万魔殿の旗などが散乱していた。
「ホンホンホンッ、イブキが喜んでくれてよかったですね。」
「
「うるさッ」
「イロハァァァ!!!」
「……基地増設予算が下りなかった?」
時は数時間前に遡る。
カーテンが閉め切られ日光の入らない執務室は、影を落としていた。
そんな薄暗い枢密院執務室に、二人の生徒がデスク越しに向かい合っていた。
「はい。元々の懐疑派に加え風紀委員会までも加わり、強い突き上げを喰らいまして…“エデン条約を控えた今、トリニティとの境界付近の基地増設に大金を注ぎ込みトリニティとの軋轢を産む様なリスクは避けるべきだ”…との事でして…」
「……確かに、あの
「まさか表立って反対してくるとは思っておらず、議会で予算通過を阻止されてしまいました。」
「ホンホンホンッ……どうやら風紀委員長は、よっぽどエデン条約の進退に興味がある様ですね」
デスクの前に立つ生徒が、困ったといった顔で頭を抱える。
デスクに座った生徒は束ねられた書類に目を通していく。
「基地増設計画……大規模なVTOL機の発着可能な滑走路を備えた基地と、それに付随するゲヘナ初のヘリコプター部隊、ですか。」
「ヘリコプター部隊構想は前からありました。ですがその有用性が疑問視され、また“例のあの人”の時は研究すら禁じられていました。それが今、規模は小さいですが搭乗訓練も始まり、やっと現実味を帯びてきたんです。なのに、例の条約で…うぅ…」
「ホンホンホン……かの
「元々、この計画はマコト議長に半ば無理を言って加えてもらったものです。さほど興味も示されていない以上、もし予算が通らなければ、ヘリ計画は全部ご破産です!」
「ホンホンホンッ、大変ですね!」
「他人事ですねッ!!」
立っていた生徒がデスクを叩いて叫ぶ。
座っている生徒は目を細め、手で顎を触る。
「ッ……すみませんでした。その、つい…」
「……」
デスクに座った生徒は天井を見上げ、何も言わなくなった。
くらい執務室に無言の気不味い空気が流れ、立っていた生徒は自身の過ちを悟りドピャッと汗をかいた。
「……ですが、貴女の気持ちも分からなくもありません。」
「ッ!!ではッ」
「予算の方、私がなんとかしておきましょう。」
生徒は感極まり、上擦った声で頭を勢いよく下げた。
「あっありがとうございますッ!!イグラ枢相!!」
「ホンホンホンッ……その代わり、ヘリ部隊が完成した時は是非、
「……?、枢相のお願いならなんでも!」
「ホンホンホンッ心強いですねぇ」
生徒は再度大きく頭を下げると、大喜びで部屋から出ていった。
デスクに座る生徒、英印イグラは、手を振りながらも悪い顔をしながら、その背を見送った。
「さてと…可愛い後輩と約束しちゃったことだし……良い手駒を手に入れる為の必要経費!って事でいっちょ、骨を折りますか。」
「しかし
訂正、悪い顔というか、変態の顔だったかもしれない。
ところ変わって、
万魔殿議長の執務室。
その部屋の主、万魔殿の議長…羽沼マコトは自らのデスクで両手を交差させ、頭をのせて眉間に皺を寄せていた。
碇ゲンドウポーズだった。
「マコトちゃん、何をそんなに真剣に悩んでいるの?」
関係ない話だが、彼女の趣味は催眠術である。
何がとは言わないが、彼女の
「どうすれば、うまく行くのか…キッキッキッ」
「うまくいく…もしかして、マコトちゃんが珍しく仕事を頑張っている!?」
「どうすればヒナと風紀委員会をギャフンと言わせられるのだ!!」
「うん……知ってたわ」
「なに馬鹿なことやってるんですか、
怠そうにポテチを食べながらそう指摘するのは、
この赤モップが365日、
問題は、本人がサボり魔であまり活発的に動かない、ということだが…
「イロハァ、何か良い案は無いのかッ!?」
「ないですよ。」
「サツキィ!」
「ごめんねマコトちゃん」
「チアキィ」
「あはッ私もパスで!」
「ぐぬぬぬぬッ!!」
マコトは部屋にいる人に総当たりするも、結果は芳しくなかった。
マコトは歯軋りして、デスクを両手で叩いた。
「誰か良い案は無いのか!?」
「ホンホンホッ!グッドタイミングね!マコト!」
マコトがそう嘆くと、執務室のドアがノックなしに勢いよく解き放たれ、一人入ってきた。
「おおッ、イグラァ!!妙案があるのか!?」
イグラだった。
入ってきたイグラは、何故か異様にテンションが高かった。
「ホンホンホンッ!ありますねぇ!風紀委員会を貶めるアイディア、このワタシにありね!」
「おお!さすがは、我が
「イグラ先輩は自主転校だった筈ですけど…まぁ、マコト先輩がいいならもういいです。」
赤モップはツッコミかけたが、訂正するとそれはそれで自分に火の粉がかかってきそうなので、黙っていることにした。
「それで先輩!そのアイディアってなんなんですか?」
「ホンホンホンッ、それはですね…」
数分後…
ぴー、ぴー、ぴー
ガチャッ……
「……ぬぁ〜はっはっはぁ〜、
赤モップ(2年生)
万魔殿の掃除係、もとい戦車長。イグラへの印象は、
催眠術師(3年生)
万魔殿の議員。イグラへの印象は、トリニティから来た
“例のあの人”(卒業済み)
某闇の帝王の事ではない…昔ゲヘナで暴れ回ってた人。