ずっと「あはっ」とか言ってるイメージ。
キヴォトスの治外法権。
ブラックマーケット某所。
私は今、キヴォトスで最も治安の悪い街、ブラックマーケットにいる。
理由はイグラ先輩に色々と頼まれたからだ。
嫌々ながらも私は、いつもの万魔殿の制服に、愛銃のカメラブリッツ、そして先輩から渡された“アタッシュケース”をもって、不良達に目をつけられない様そそくさとこのブラックマーケットの奥へと進んでいった。
「あっ、ありました。ここですね!」
先輩から任された任務は主に二つ。
ひとつ目は、ブラックマーケットで活発化しつつあるカイザーの動向調査
そしてふたつ目は、ある建築会社を訪ねる事…
「それで?ゲヘナ生徒会さんが、こんなチンケな建築業者に何の用だって?」
ロボットの番人に案内され奥へと通される。
着いたのは、カーテンで光が遮られた、薄暗い事務所然とした部屋だった。
ソファーに座るよう促されて、少し緊張しながら座る。
机を挟んだ向かい側のソファには、ガタイの良いロボットの男が座った。
「私たち万魔殿は、御社に仕事を依頼したいと考えています。」
「はっ、なんで一自治区の生徒会がわざわざ外注を?しかもブラマのウチを選んだんだ?もっとマシな所あんだろ。」
一蹴される。そりゃそうだ。
基本的に、各自地区の生徒会にはお抱えの建築部がいる。
何か公共物を建築するとなれば、外注せずにそこに頼むのが一般的だ。
無論ゲヘナにも一応、二種類の建築部が存在する。
だが、今回はイグラ先輩はそのどちらも使わずに、あえて外注することを選んだ。
しかも、このようなアングラと言っても良い、ブラックマーケットのいかにも怪しそうな建設業者。
自分自身、普段から知らない人とよく話したり活動したりする為、コミュニケーション力は高い方だと自負している。だが、そんな自分でもこの事務所の物々しい雰囲気に押され、先ほどから冷や汗が止まらないのだ。
イグラ先輩曰く、ここはそこまでタチの悪い業者ではないらしい。だが、いかんせん陰謀好きのイグラ先輩のことである。
先輩のことは信頼しているし頼もしいのだが、経験上…先輩の言う“大丈夫”は、時たま“全然大丈夫じゃない”時がある。
例えば、先日万魔殿で…
『ホンホンホンッ!時に、百鬼夜行では“タコの踊り食い”なる度胸試し文化があることは、もちろんご存知ですよね、マコト議長?』
『キキキッ…??、も、もちろんだとも』
『(知らなそう…)』
『実はトリニティの古い知り合いから新鮮なタコをもらったんですよね。これ、ヒナ委員長の前で踊り食いすれば、勇ましいマコト議長の姿に、かの委員長も腰より深く跪くのでは?』
『キキキッ、そんなことないと思うぞ…?』
『大丈夫ですって、議長。百鬼夜行だと皆んなできるらしいですよ?出来ない様じゃ、ゲヘナの議長として箔がつかんでしょぅ。*1』
その後、救急医学部の救急車が爆音でサイレンを鳴らしながら風紀委員会本部の執務室に突っ込む事件が起きたそうだが、あれは絶対やばいと思う。先輩とヒナちゃんは笑ってたけど。
「確か、ゲヘナには風紀委員会の建設部隊と、温泉建築のスペシャリスト集団がいるそうじゃないか。なぜ、そこに頼まない。」
向かい側の男がそう言って、目を鋭くする。
「イグr…私の上役は、温泉開発部は無しとして、どうにも風紀委員会を今回の件に関わらせたくない様なんですよね。」
実のところ、今回の外注の件の事は、イグラ先輩からその真意を聞いてない。
近いうちに教えてくれるとの事だが、今は何か聞かれても自分は答えることはできない。
なので、ここで封筒を渡して質問がこないように先手をとる。
「…この封筒は?」
「今回の建築依頼の仕様書と建築予算です。二つ同時に渡せ、と言われてまして。」
「……。」
男は無言で片方の封を開け、中の書類に目を通す。
が、読み進める内に表情が固くなっていく。
「……この書類。御宅、ウチをおちょくってんのか?」
「えぇ!?」
書類の何かに、気が触れた様子だった。
「な、何か書類に不備でも〜…」
「ッ!!…この仕様書に、書かれた金額はッ明らかにィッ安すぎるッ!!」
ついに男が怒鳴り上げる。
一体全体イグラ先輩は、あの書類に何書いたんですか??
なんで私、怒鳴られてるんですか!?
本ッ当、恨みますよ先輩!!
「まぁまぁ、お、落ち着いてください。ね?」
「はぁ…。たっく、こんな端金でこの仕事はできない。今すぐ帰れ小娘。」
【悲報】_私、無事仕事を蹴られる。
もしかして…他に頼めないって、予算が足りなさすぎるって意味だったんですか先輩!?
ちゃんと予算案通してくださいよ。
「あはは、そう言わず、もう少しだけお時間いただけませんか?ほら、もう一つ封筒も残っている訳ですし。」
「…俺たちをこれ以上不機嫌にしたい様だな?」
「あっはは…」
もう乾いた笑しかでない。
渋々といった感じで、手付かずだった封筒にもナイフを入れる。
だけど、きっともう一つの封筒に何かあるはずだ。私はそう確信していた。
でなければ、先輩がわざわざ二つ同時に渡せなどと、いう訳がない。
イグラ先輩は、割とえげつない手段を用いたりする、生粋の
ただ、先輩は全員がその結果からある程度の恩恵を得れるよう調整している節がある。
『ーーこの世で一番重要なのは、正義でも愛でも法でも信用でもお金でもない。バランスだ。バランスが崩れれば、やがて差ができる。格差は、不満を生む。不満が爆発すれば、ないし大きな不利益を被ることになるだろう。ならば、一人のベストより全員のベターを望む方が、遥かに良い着地地点だ。それがバランスである。。ーー』
そう言いながら、チェスの勝負でヒナちゃんにボロ負けしていた先輩は、自分の中でもかなり印象的である。
嫌そうに書類に目を通していたが、やがて食い入るように文章を読み込む男。
そして、その意味をか安全に理解したのか書類を机に叩きつけ、大笑いし始めた。
「ガハハハ!!なるほど、面白い!!」
「わ、わぁ…」
さっきの雰囲気とは一転、目元に涙を浮かべながらでかい声で笑い始めた男に驚き、思わず
「確かにこれは、“ウチじゃないとできない仕事”だ!!はっはっ!!」
「では、受けてくれるんですか…?」
「本人が自分で来ない事には思うところがあったが、なるほど確かにコレで納得したわい!!面白い、両方とも引き受けてやる!!」
「よくわかりませんが、ありがとうございます。」
こうして、無事に先輩からのお使いは完遂することができた。
私に大きな謎を残しながら…
…
“ウチじゃないとできない仕事”?
イグラ先輩、よほど難しい建築を依頼したんでしょうか…?
でも、ならなんで先方は最初の安い仕事まで引き受けてくれたんでしょうか…
うう、先輩は一体どういうトリックを使ったんですかぁ…
「しっかし、こんなことする奴…久しぶりだぁ。」
「あぁ、思い出しました、ありましたね前にもこんな事が。
確かその時も“ゲヘナ生徒会”でしたっけ…?」
「そういやそうだったな。確かそん時も、本人じゃなくて代役が来たんだったか…」
「流石に本人が来て万が一バレちまったら、この手の案件はちと不味いからな…」
「あぁ、覚えてるぜ。確か白髪の…なんて名前だったか…あの怖い顔の…?」
「野郎ども!そんな事より、久方ぶりの仕事だぜバーロー!!杭の代わりに、その腕パーツを埋められたくなかったら、ゲヘナ行きの準備をしやがれってんだ!!」
ーーーーーーー
ゲヘナ、飛行倶楽部
格納庫
「全機へ。作戦開始10分前。
ついに、我々ヘリコプター部隊の出番がやってきた。
穀潰し、時代遅れ、七面鳥落とし
こんな陰口は、全てチャラにしてやろうではないか」
格納庫に集まったのは、数名のゲヘナ生。
万魔殿に風紀委員会…救急医学部に入っている生徒までもが、倉庫の前に整列した。
その視線の先は、目の前に置かれた台座の上に立って語りかける、黒い短髪の上にベレー帽を被った一人の万魔殿生。
「敵は友邦アビドスを潰すべく、 アビドス砂漠に終結しだした。
しかし、チェックメイトを焦りすぎた敵は、こちらの罠に引っかかった。
カイザーコーポレーション及びカイザーPMCは退学手続きの済んで無いアビドス生徒を誘拐し、未だ自治法の及ぶ地域に住む住人達に対し、銃を突きつけた。
恐喝罪に暴行罪、未成年誘拐…トリプルクラウンだ。
我々は晴れて大義名分を得、 アビドスに巣食う悪者共を蹴散らすのである!」
そう言い放つと台座から降り、ゆっくりとした足取りで駐機しているヘリの一機に寄る。
「やっとコイツらの出番が来た。本当に長かった…」
目を瞑り、昔に重い更けている様な表情をする。
ここに集まっている生徒達も、各々その言葉を噛み締め、今までのことを思い出した。
ヘリコプター部隊構想。その歴史は古い。
キヴォトスにおいて戦闘ヘリは、扱いづらい兵器の代名詞であった。
携帯兵器に対して有効な防御ができず、その割に維持費に金は食う。
整備するには大掛かりな設備が必要とされるし、運用には戦車と違い熟練パイロットが必要不可欠だ。
そんな訳で、ヘリ倶楽部はかつての政権下では完全に解散させられ、トップが万魔殿になってからも冷遇されていた。
そんな踏んだり蹴ったりのヘリ倶楽部だったが、“水葬のイグラ*2”とか言う人のおかげで、ついに念願の活躍の機会を得る事ができたのだった。
少しの間無言の時間が過ぎ、壇上に立っていた生徒は集まった生徒達の方へ振り返り、声を張る。
「これは、新しい戦争の幕開けなのだ。お前達は、その主役になる!」
「「「ッ!!」」」
ゾクゾクっと、その言葉に全身が疼く。
この場にいる全ての生徒が、同じ様に興奮し、音にもならない歓喜をあげた。
それは、遂に我々の活躍ができるチャンスがやってきたのだと、明確に確信したからだった。
集まった生徒達の目が、ギラギラと見開かれる。
手は震え、音は遠ざかり、されど感覚は寧ろ鋭くなっていく。
興奮と高揚が頂点に達する。
「行くぞ悪魔ども…ナパームで石器時代に戻してやれッ!」
「「「おおおっっっ!!アパッチ万ァ歳ィィッッ!!くたばれぇ
生徒達が雄叫びをあげる。
今度こそ、歓喜は音となって響き渡り、大気を揺らした。
ゲヘナの猟犬たちが、今まさに解き放たれようとしていた。
今宵は、狩りの時間である。
「アパッチ……聞いてたんと違うやんリオぉ…」
アパッチ知らなかったのかな…?
枢密院本部の席に座りながら、モモトークで送られてきた出撃前のヘリ倶楽部の集合写真*3を見た英印イグラは、座っていた椅子から滑り落ちそう独りごちた。
ーーーーーーー
トリニティ
ティーパーティー本庁、最上階テラス
「お久しぶりです……いつぶりでしょうか。」
『____』
「ええ、私もまたこうして、電話ではありますが貴女とお話しできるとは思っても見ませんでした。」
『____?』
「ッ………その話をどこで…いや、それよりも…それを知って、貴女はどうなさると?」
『____』
「ええ、 アビドスの件ならこちらにも届いてますが…… アビドスの件については、例の条約も控えていますし、この度は静観に徹しようかというのが、我々ティーパティーの見解と判断です。」
『__________』
「……………しかしそれでは、我々トリニティに借りをつくる事になりますよ?」
『_____』
「なるほど、トリニティとゲヘナ協調の前例ですか………一考の価値はあると思います。
ですが、いささか急すぎです。申し訳ありませんが、今回の件は無かったことに…」
『_____?』
「……………ほぅ?……貴女をしてそこまで言わしめますか。」
『_____。』
「それはッ……なるほど、確かに……それは急ぎ話し合ってみる価値はありますね。はぁ…ティーパーティー直属の砲兵隊の臨時編成に加え、正義実現委員会の緊急動員など、やりたくはないのですが…」
『____?____!』
「……………まさかとは思いますが、今までずっと“コレ”を狙っていたのですか?
ーーーイグラさん」
『_______あるかも分からぬ、
「アビドスも道連れに、ですか?………我々がアビドスの道連れにならなければいいですが。」
『ホンホンホンッ!まさか、情けの方だよ。』
日が地平線を照らし、月もそろそろ浮かばんとする時間。
突如、トリニティの各所には、ティーパーティーからの緊急招集が下った。
カイザーPMCによるアビドス侵攻より、13時間後のことである。
次回はいよいよカイザー総会靴叩き…じゃなくて、カイザー袋叩き。です!!
果たして、文章が書き終わるのが先か、筆者の[理性/166]が削り切れるのが先か…
え?ドクター仕事してください?
ワタシセンセイ、ドクターチガウ。オリジムシタベル。
小説全然関係ないけど、なんで方舟と青春のクロスオーバーって少ないんですかね…
同じ会社なのに!
清渓川か原石鉱山かの違いでしょ??(※全然違う)
クロスオーバー、もっとあってもいいと思うんだよね。
???「感染者の権利を!更なる補償を!!」
レユニオン=インターナショナルの駐屯地で、分厚いコートを着、白いヘルメットを被ったサンクタ(?)の少女が拡声器を持って叫ぶ。
???「ロドス首脳部は、直ちにロドス・アイランド製薬で週休3日制を採用しろ!」
???「カズデルの独裁者が、憎しみとか憎悪とか言い出したぞ!恨みを盾にするのは、ファシストの常套手段だな。」
???「踏みしめているなら、ウルサスの国土?よく分からんが、ウルサスが土地を独占しようとしているぞ!ウルサスは土地を平等に分配せよ!」
ボジョカスティ「………受け売りだが、不義に対する闘争と権力への抵抗は、労働者として当然のことッ」
娘とロドスのピンチに空から駆けつける、
バビ肉蛇「わァ……ぁ…」
タルラ「泣いちゃった。」
駄文でした。
カイザー潰しが終わった後のイグラは…
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リオと共謀して魔王を倒しました。
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セイアを誘拐しに行きました。
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ティーパーティー候補時代を思い返した。
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雷帝になりたいと思いました。(if)
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シャーレに加入しました。
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チアキと過酷()したんだ!あいつら過酷s