今日も彼らはセカイジュを冒険する 作:強欲の道化師・1号支店
緑に覆われた地方都市エトリア
その近くに大きな地面のひび割れが存在する
世界樹の迷宮、数多くの冒険者達が挑んでいる迷宮である
一時期賑わい世界樹フィーバーまで発展する程盛り上がったのは今は昔
現在多少活気はあるが停滞気味の迷宮状況
ほとんどの冒険者は職業冒険者呼ばわりされ小遣い稼ぎが目的になってしまっている
しかし新たなる風は舞い込むもので
ここ最近新しく出来たギルドが少しばかり注目されている
神の牙(フェンリル)
総勢五名だけの新ギルドが最近調子よく進んでいるともっぱら噂されている
今現在地下二階、それを一週間もかからず到達しそろそろ三階に進もうとしていた
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皇帝の月八日、日も沈みかけそろそろ夕飯時の時刻
エトリアの街も大勢の人が行き交い屋台や食い処の店、酒場が賑わっていた
今回はその中の一つ金鹿の酒場
此処は多くの冒険者が利用する店で基本は料理や酒
更には冒険者が受けるクエストを扱ってたりもする場所である
その店の中今期待の新人ギルドの五人が団欒をしながら食事をしていた
鹿肉のトマト煮込み、野菜くずを上手く調理したスープと大盛のパン
それを囲いながら彼らは話し合っている
「なぁもう少し贅沢しても良いんじゃないか?」
ギルド神の牙の一人
髪をオールバックにした少し身長の低い白衣を着た男タクトがそう嘆く
「もう食えてるから良いじゃん、贅沢だなぁタクトは」
「・・・うん、我儘はあまり良くないと思う」
その嘆きを返す様に双子が言葉を返す
褐色でボーイッシュで幼い感じを残す姉セリナ
隣に座る白い肌の同じく幼さを感じる妹メルト
彼女達は特に不満もなく食べている様だ
「だからってよぉ、いくら何でも毎回毎回鹿肉ばかりじゃ飽きるんだよ俺としても!!、前に地下一階の地図作成の時の報酬とか最近此処で受けたクエストの報酬それなりに貰っただろ、なぁ少しは景気よく酒飲んだりもう少し贅沢しようぜ、なっ!!、お前もそう思うだろレオン」
彼は双子の言葉に想い想いの言葉を言う
するとふとした瞬間に此方に話題を回してきた
男の名前はレオン
金髪で鎧に身を包み仲間の中でもひときわガタイの良い男だ
男はその言葉に少しばかり戸惑ってしまう、男も別段困る事は無かったからだ
「そ、そのぉ、タクトさんは、お、美味しくないんですか、このトマト煮込み」
するとタクトに対面する位置にいる三人目の女性がたどたどしく発言をする
彼女の名前はアンジュ、そのバストはあまりにも豊満で軽装過ぎる恰好であった
ボリュームのある緑髪をツインテールにし髪で片目を隠してるのが彼女の特徴でもある
「い、いやぁアンジュさん、別に文句ってわけじゃないですよ、そろそろ別のモノを食べたいって言いますか」
アンジュの発言に先程まで強気に発言していた男が急に好きな人の前で
緊張している一人の男になってしまった話口調になるタクト
「そうだよ、最近二階に行って出会える貴重なお肉なんだよ」
「・・・貴重なお肉、残さず食べるのがマナーだと思うよタクト?」
アンジュの発言に続けざまに双子も言い放つ
自分としても普通に上手いと思うと黙々と食べながらレオンは眺めていた
「いやだからってほぼ連続で鹿肉はキツイって」
「何がキツイんだよ、お肉食べたいって前から言ってたのタクトじゃん」
「・・・二階に入ってから鹿とか出て来たから丁度良かったじゃん、・・・最初は喜んでたのもタクト」
そう此処一週間自分達は迷宮に潜って三日目の時だろうか
タクトが肉を食いたいと申し出た
何だかんだ自分達は新人冒険者でお肉にお金を出すもの中々に難しいお財布事情だ
何せ迷宮に入る為にもまず武器や防具
更に貴重な迷宮から脱出する為の糸や回復薬
此処に更に毎日の食事や宿代も入るのでどうしてもお財布の紐を緩められないのだ
「此処の酒場、迷宮で取れた食材とか持ってけば多少安くなるからこうやって貴重なお肉料理格安で食べられるんだよ、それで良いじゃんタクト」
「・・・そう、此処なら手軽に安く食べられる、・・・それに感謝すべきだと思う」
此処金鹿の酒場は冒険者のサービスの一環でダンジョンで手に入れた素材を持ってきたら
その分値段をお安く調理してくれると言うサービスを実施しており
コレが冒険者の間では好評でそれなりの冒険者が持ってきた素材で食べている者が多い
エトリアに来てからは自分達はまだ短い期間がお世話になってる良いお店だと感じている
何より食材持って行くサービス以外でも新人冒険者にとってお財布に優しく
パン食べ放題なのは嬉しい事だ
「だーかーら、飽きたんだよ俺は!!、二階来てから毎食毎食鹿肉、迷宮潜ればお供の様に鹿肉を焼いたヤツ食べて、迷宮から帰って此処でも鹿肉の料理を食う、いい加減飽きるわ!!」
まぁ確かにタクトの言う通りかもしれん
いくらお財布に優しくても二階で探索開始始めてから三日間連続で鹿肉ばかりは
飽きるのも明白だろう、確かに彼の言う通りかもしれん
「じゃあ何食いたいんだよ、二階にいるあの丸々太ったウサギでも食うの?、まぁそろそろ鹿ばかりもアレだしそろそろウサギ肉も恋しいかな僕的にも」
セレナが言うウサギ、此方も二階から出てくる迷宮内の魔物の一種で
鹿程ではないがそこそこ痛い思いはしている
まぁ鹿肉の少し筋張った肉よりあの丸々した体型の肉は気になる所だとレオンも思った
「・・・確かにそろそろ同じのばかりもアレだね、・・・ゴメンねタクト、気づくの遅れて」
遅れてメルトがタクトに少し申し訳ない感じに軽く謝罪する
まぁ考えずに同じのばかりはやはり飽きる人もいるのだろう
まだまだ仲間内の気持ちを察せてないなぁとレオンも反省する
「わ、私もごめんなさいタクトさん、そ、そのぉ、食事にそんな不満があったなんて、私私、つい嬉しくて鹿ばかり狙って」
続けてアンジュも謝る
流石にオーバーすぎると思い声を掛けようとすると
「肉はもう良いんだよ!!、もっとバランスよく魚とかも食いたいんだよ俺は!!」
「さかなぁ、魚とかもっと高いじゃん」
「・・・此処の魚料理、肉よりも高い」
「あぁ、た、確かに、偶に魚食べたくもなりますよ私も、へへっ」
魚かぁ、確かに最近食べてないなぁ、けど高いんだよなぁ魚
それに迷宮内で魚取るにしても川魚になるが
・・・取る余裕あるだろうか、あの迷宮内で
そう悩んでいると誰かが近づいて来る
此処金鹿の酒場の主人だ
黒い色っぽいドレスが良く似合う美女と言う感じの風貌をしている
「貴方達、・・・あまり騒がしいようなら出て行かせるけど?」
マズい、顔が笑顔だけど怒りのオーラを感じる
レオンはすぐさま主人に対し丁寧な謝罪をする
東の国に伝わるあの独特な謝罪を
「いえ確かに謝罪してほしいと言ったけど、一番は」
だがこの謝罪にスルー、主人はタクトの方に顔を向ける
「・・・き、今日もお綺麗ですねマダム、ハハッ」
「・・・本気で反省する気ないなら貴方だけ出禁にしても良いのだけど?」
「本当にすみませんでした!!!!!」
そして主人の言葉に根負けしたタクトはその場ですぐに自分と同様丁寧な謝罪をする
しっかり頭を地面につけながら
「・・・今度騒いだら許さないわよ、楽しいのは構わないしお酒飲む場だから多少気が大きくなるのも分かるけど、あまり他のお客様の迷惑になる人は嫌いよ私」
「・・・ハイッ」
うーん見事だ、流石冒険者相手に商売してるだけある
この強さ見習いたいものだ、そうレオンは感じた
「もうタクトの所為で怒られたじゃん」
「・・・今日は全部タクトの奢り」
「チョッ!?、さ、流石に俺の小遣い無くなっちまうって」
そして完全にタクトにとって流れが悪くなっているのが分かる
今日はタクトの奢りか、少し得した気分だ、まぁ基本ギルド内で出してるわけだけど
「わ、私は自分で払いますから、が、頑張ってくださいねタクトさん」
「・・・俺の味方アンジュさんだけだよぉ」
そんなこんなでタクトはアンジュさん以外の皆のご飯代奢る事になったのであった
「うぅ、俺の遊び代がぁ・・・」
少しばかり可哀そうだと思いちょっと励ましの言葉を書けるレオンであった
まぁ迷宮もっと先に進めば好きな事出来るんだ、頑張ろう
そう彼に言葉を掛けた
「・・・分かったよ、はぁやっぱ稼ぐなら潜るしかないよなぁ迷宮に」
こうしてレオン達は宿屋戻るまでタクトのボヤキを聞きながら帰路を進むのであった
今日も無事迷宮から戻り飯を食べ寝てまた朝を迎える
・・・明日も皆を守るためにも頑張ろう、そう決意し寝るのであった
また明日も皆で笑顔で入れる様に
続く
お久しぶりです皆様
最近投稿出来ず申し訳ありません
ちょっと前にコロナや足の病気で暫く不調も続き仕事疲れでなかなか進めませんでした
最近になって多少時間が作れたのでコレからも不定期気味ですが
無事月1投稿に戻してやっていけるよう頑張って行こうと思います
そんなわけで久方ぶりの投稿、最近書いてなかったので
リハビリ代わりに前から書きたくて好きなゲームテーマでやってみようと思います
ある程度したらデカ夏に戻ろうと思います
新しく見てくれてる人も今でも待っていてくれた皆様
これからもよろしくお願いします