倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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chapter3-2『ハーレム王は無自覚』

「あー終わった終わった、そんじゃお昼?休みだけど……学食案内してくれるんだっけ?」

 

「はい、美味しいカレーライスがあるので是非直太くんにもと思ってまして」

 

「おー良いじゃん良いじゃん、やっぱ学食って言ったらカレーライスよ!」

 

「ふふ、直太くんならそういうと思ってましたよ」

 

 次の日、早速通常授業で色々と疲れた身体は学食を求めていた。

 ひよ里ちゃん曰くどのメニューもとても美味いらしく、その中でもカレーライスは絶品だと言うから楽しみだ。

 

「自然と2人で連れ立ってる……」

「一緒に登校してきて下校してるけど、この2人どこで待ち合わせしてるんだ……?」

「距離感が幼なじみすぎる」

「ほんと、仲良いよね。まだ観察して2日目だけど」

「2人自体もまだ出会ってそんなに時間は経ってないはず……一体何があったのやら」

 

 ……周りの声は聞こえないフリをしようそうしよう。

 クラスメイトはどいつもこいつも楽しくて良い奴らなんだけど、どうしてかこういうことにだけは目の色を変えて来るんだよなあ。

 もう仕方ないってことにして2人で行動してるこっちに言えた話じゃないのかもしれないけどさ。

 

 しばらく歩いてると、ずいぶんと広い場所に出た。

 俺や佑斗の通ってた学園と比べても広いと思うくらいには広いから、ここに通ってる人数はかなり多いんだろうなあ。

 

「ここが食堂です。注文はカウンターでするんですよ」

 

「なるほどなあ、てか広いなあここ」

 

「やっぱり全国から吸血鬼が集まるくらいですから、その分人数としてもかなりのものになるみたいで。それに加えて私達みたいな吸血鬼との共生に関心を持っている人間もいますから」

 

 ……ところでなんだけど1つだけこの学院について疑問がある。

 最初から引っかかっていた事って言えばそうだけど、別に聞かなくても良いかなあなんて思って先延ばしにしてたんだよな。

 でもせっかくだしどうせなら今繋げて話に出来るししといた方がすっきりするよなあ。

 

「……ところでさ」

 

「なんですか?」

 

「ひよ里ちゃんや布良さんみたいな人間って日光浴びないとダメなワケじゃん?それってどうしてるの?」

 

 そう、それはこんな単純なものだった。

 吸血鬼と共生する目的?で学院にいるってことはつまりは同じサイクルで生活するってことで、それはつまり日光に当たらない生活をしなくちゃならないって話になる。

 でも人間って確か日光に当たらないと不健康になるって聞いたことがあるし、その辺ってどうしてるんだろうかって疑問があった。

 

 だからちょうど目の前にそれに100%当てはまる子がいるなら、そりゃ聞いてみたくなるのは当たり前って話で。

 

「それならお休みの日に日光浴をしてる感じですかね。後はビタミンdを生成するサプリを飲んだりとか」

 

「割と原始的なんだ……」

 

「それでも私達は吸血鬼の方々と共に暮らすことを選んだ、ってことです」

 

「すごいなあ」

 

 めちゃくちゃ原始的だった。

 日光浴とサプリって、いやもっと何かしら良いものがあると思ったんだけど……吸血鬼があまり政府から良い顔をされないからその吸血鬼と暮らす人間へ作るものは無いってことなのかねえ。

 仕方ないと言えば仕方ないんだろうけど、見えにくいところで吸血鬼のデメリットってものが見えてきてちょっぴり世知辛い。

 

「この道を選んだことに後悔なんてないですよ。……さて、そろそろ私達の番ですけどどうしますか?やっぱりカレーライスにしますか?私はカレーライスの激辛にしますが」

 

「おっとっとそうだったそうだった。俺は1回様子見で辛口にしようかな〜おばちゃん、カレーライス辛口で!」

 

「はいよ〜、400円ね。……アンタ新入生か編入してきたばかりかい?見ない顔だけど」

 

「あ、はい。昨日編入してきたばかりで」

 

「そうかい、まあここの子達はヤンチャだけど良い子ばかりだから、すぐ慣れると思うよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 デメリットもあるし世知辛い気持ちもあるけど、ひよ里ちゃんやこのおばちゃんみたく力強く生きてる人達がいるからきっとデメリットをデメリットとあまり感じさせないんだろうな。

 みんな良い人達だよ、ほんとに。

 

「んじゃ俺は先に席確保してるよ」

 

「はい、お願いします。それじゃあ私はいつもの激辛で」

 

「はいよ〜」

 

 さてと、席見つけないとな。

 人も多いから座りやすい場所座りやすい場所……っと。

 キョロキョロしていると、見慣れた……は言い過ぎだけど佑斗経由でお知り合いになった子の顔が見えた。

 

「おっ、布良さんじゃん」

 

「あ、倉端くん!良かったら座って座って!」

 

「良いの?後からひよ里ちゃんも来るとはいえ、俺男だけど」

 

「もちろん!ひよ里ちゃんとはお友達だし大歓迎だし、倉端くんはそんなひよ里ちゃんのお友達だからね!」

 

「ありがとう、助かるぜ。おーいひよ里ちゃん!こっちこっち!」

 

 布良さんは良い子だなあ。

 背が低くて見た目完全にロリだけど、こうなんというか包容力がありそうで佑斗ならなんかの拍子にコロッと落ちそうな気がする。

 

「布良さんもいるなんて奇遇ですね」

 

「ひよ里ちゃんも座って座って〜」

 

「ではお言葉に甘えて、失礼します」

 

 うーん、なんて癒し空間なんだろうか。

 

「あ、六連くんも!こっちこっち〜!」

 

 と思ってたら佑斗達も来た。

 多分佑斗が世話になってる寮のメンツなんだろうけど……ド派手な金髪ヴァンパイアはウチのクラスメイトだから一応顔は知ってるとして、1人知らない子がいるな。

 佑斗の奴、まだ隠し球を持っていたとは。

 というか稲叢さんも同じ寮なのかよ。

 

「おう、直太と大房さんもいたのか」

 

「まあな。てか俺の勘違いじゃなきゃその子達全員佑斗と同じ寮って感じするんですけど?」

 

「ああ、まあな。布良さん含めてお前と大房さん以外は同じとこに住んでる」

 

「ハーレムかよちくしょう」

 

 案の定そうだった。

 なんなんだコイツ、ラノベかエロゲーの主人公かよ。

 両手に花どころじゃなくて花畑じゃねえかよ。

 

「ハーレム?いや、ニコラは男だが」

 

「は?」

 

 そしてコイツ、あのド派手な厨二病ヴァンパイアっ子をあろうことか男と勘違いしていた、だからお前は鈍感って言われるんだよ。

 全くよぉ、そのニコラちゃんだっけ?も苦笑いしてるし、普通気が付かない訳ないだろうに。

 

「あ、あはは……まあ良いさ。それよりも、ボクはニコラ・ケフェウス。この漆黒のヴェールと瞳がトレードマークだから覚えておいてくれたまえ」

 

「エリナはエリナ・オレゴヴナ・アヴェーンって言うの、ナオタはユートのお友達でリオやヒヨリと同じとこで働いてるんだよね?」

 

「おう!俺は倉端直太、よろしくな、ニコラにエリナちゃん。アレキサンドに来たらその時も」

 

 ニコラはド派手な割にかなり空気が読めるらしい、まあそうでもないと授業に溶け込めないだろうしそりゃそうだろうけど。

 にしてもエリナちゃんかあ……コイツどれだけ女の子と縁作ってんだよ、しかもニコラに関しては女の子とすら思ってないし。

 

 なんだよお前は、生粋のハーレム王か何かかよ。

 

「んふふふ〜聞いたよナオタ〜、ナオタってばヒヨリと一緒に住んでるんでしょ?」

 

「ちょ!?まっ、どっから聞いた……?」

 

「寮でユートが口滑らせてたから」

 

「……後で話をしよう佑斗くん」

 

 しかもコイツ、トップシークレットをバラしてくれてるとかどういうことだよおい。

 これがクラスメイトの男子や噂話大好きな女子とだったら致命傷になってるところだったんだぞ。

 

「わ、悪かったって……今度メシ奢るから」

 

「ったく、昔から妙に俺よりそそっかしいとこあるよな」

 

「わ、私は大事にならなければ気にしないので」

 

「いや、大房さんもごめん。俺が軽率だった」

 

「でもユートもナオタも仲良いよね、どこで出会ったの?」

 

 ってやっと落ち着いたと思ったら今度はこっちかよ!

 元人間ってことは隠しつつどうやって出会ったかってシナリオは一応は伝えられてるけど俺達が話すとどう考えてもボロが出そうなんだよな。

 さてどうしたもんか。

 

「佑斗と倉端くんは最近まで入院していたんだけれど、そこで出会って意気投合したらしいわよ」

 

「それで同じタイミングでこっちに来たからお互い住む場所が特殊なことになったみたい。だよね、六連くん、倉端くん」

 

「あ、ああ。ほんと、話す相手と言ったら直太か医者かくらいで……なっ?」

 

「そ、そうそう!」

 

「へぇ、苦労してるんだね」

 

「なるほど〜それなら納得カモ」

 

 ナイスフォロー矢来さん!布良さん!

 いくら良い人達って言ってもイレギュラーには慣れてるって普通に言い切れる陰陽局の2人とひよ里ちゃん、それにお互い同じ感じで巻き込まれた佑斗以外の学生にバレるのは心の準備も何も出来たもんじゃないからなあ。

 バレないに越したことはない、平和が一番。

 

「もう身体は大丈夫なのかい?」

 

「まあ、基本的には。まだ定期検診に通う必要はあるが」

 

「おうよ!身体を動かしたいってくらいにはな!」

 

 なんとか誤魔化しきれたな。

 これからは何かあった時のために佑斗と話を擦り合わせておく必要があるかもしれないな、俺に難しい話されてもアレだけど。

 

「にしても、直太と大房さんもカレーなんだな」

 

「そういう佑斗とニコラも」

 

「うん、やっぱりこの食堂で一番美味しいと思うのはカレーだからね。それも中辛」

 

「うーん、私はカレーなら甘口が良いかなあ」

 

「そうですか、私は激辛が一番美味しいと思いますけど」

 

「まあ俺も辛いのは好きだし辛口にしたけどな。激辛は一旦様子見したけど」

 

「ひよ里ちゃん、意外と辛党だもんね……」

 

 その後は稲叢さんのカレーが絶品という話やら、エリナちゃんが思った以上にセンシティブ……というか下ネタをペラペラ喋る子という話で俺ですら絶句してしまったりして盛り上がっていた。

 

 

「え?ひよ里先輩も知ってるんですか?もしかして、先輩も魚類系女子なんですか?」

 

「ひょぇっ!?ち、違う……かな?でもどうだろう、そういう経験無いし……わ、わかりません……でも、あんまり自信もなくて……きっとその時がきたら、魚類系女子になっちゃいそう……です……」

 

「ダイジョーブだよ、ヒヨリ。そういう時は男がちゃんとリードしてくれるから。ね、ナオタ」

 

「んぐっ!?ごほっごほっちょ、ちょっと待っておおお俺に振らないでよ!?で、でも……その、なんというか、な、慣れてないってのもかわいいと思うし……ひよ里ちゃんはそのままで良い……んじゃないかな?」

 

「……は、はわっ」

 

 

 もうお互い顔真っ赤じゃん、どうすんだよほんとに。

 今日は間違いなく顔見合わせられないじゃん……




倉端直太
ニコラを女の子だと一瞬で見破った、というか男だとは一切認識していない女性目利き◎の男
エリナのことはめちゃくちゃ美少女だとは思ってるが相性は一方的に悪い、勿論ひよ里との相性は最高

大房ひよ里
えっちなことについては未経験ながら結構知ってるレベル
確信犯のエリナと何も知らない莉音に振り回されていた

六連佑斗
口は滑らかすし無自覚にセクハラはするしニコラを男だと思ってる

エリナ・オレゴヴナ・アヴェーン
下ネタ女王
原作では佑斗に振っていたことを、今作では関係値が高いと見込んだ直太に振っていた

布良梓
今回一番の被害者
この後原作通りキレ散らかしていた
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