倉端直太だって恋がしたい! 作:ひよちゃんLove
「いらっしゃいませ〜。あっ、来てくれたんですね〜」
「いらっしゃいませ……って佑斗に矢来さんと布良さん。飲みに来たの?」
「すまない、今日は飲みに来た訳じゃなくて仕事なんだ」
「そうなんですか?」
アレキサンドは必ずしもただ飲みに来るお客さんばかりじゃない、というのはこの数日働いてみて何となく分かった。
何かの取り引きの待ち合わせ場所だったり、秘密の話だったり、オーナーと話をする人だったり、或いはここの店員を狙ったナンパだったりと……最後に関しては男の俺が新入りとして入ったからか、俺を見るなり引き下がっていったから良かったけど。
頼りにならなくても男ってだけで効果があるならそれはそれで良かったと思っておこう。
で、佑斗達は……うん、これはオーナーとの話だろうな。
確かあの人も陰陽局って話だし。
「この店のオーナーに会いに来た。枡形教諭が約束を取っているはずなんだが」
「分かりました。今オーナーは事務所の方でお仕事をされているので呼んできますね。ちょっと待っていてください」
「ごめんな、頼む」
やっぱりな、佑斗ともう1人だけならまだしも3人で来るってなるとデートじゃないもんなあ。
「みなさんいらっしゃいませ〜。あ、六連くん。ドクピは無いですけどあれから結構炭酸ジュースの種類増やしたんですよ」
「おっ、そうなの?んーでも今は仕事中だしどうしようか」
「良いじゃない、飲み物くらい。風紀班の制服を着ているワケでもないんだし」
お、ちゃんと注文してくれるんだ、矢来さんってば律儀。
佑斗はもう少し臨機応変にしてくれても良いのに、そういうとこ無駄にお堅いんだよな。
「そうだね、私少し喉が渇いちゃったよ。シュプライトください」
「佑斗はどうするよ、ミッツコーラとカカコーラとピプシコーラ、それにオランジーニョや四ツ矢サイダーとかもあるけど」
「うーん、そんじゃミッツコーラにするわ」
「私はブルームーンで」
「シュプライト、ミッツコーラ、ブルームーンですね。かしこまりました、少々お待ちください」
てか矢来さん、来ると毎回お酒頼むよな。
俺も佑斗も確かにヴァンパイアになって酒が飲めるようにはなったけど、あんまり味には慣れない。フルーツカクテルくらいならいけるけど、矢来さんが頼むような強いお酒は好みじゃない。
あれが大人ってやつなんだろうか。
「あ、オーナー」
「お店の方ありがとね、みんな。申し訳ないけどこれから3人と話してくるから、引き続きよろしくお願いね」
「任せてください」
「先輩達との大事なお話ですもんね、大丈夫です!」
「俺がどれだけ戦力になるか分かりませんけど、頑張ります」
しっかしオーナーも大変そうだな。
事務所仕事も楽じゃないだろうに、それに加えて陰陽局の仕事もしてるとか俺には無理だね。
……てかこの人何者なんだろうな、この前シレッと俺や佑斗が後天的吸血鬼なの知ってるって言ってたし、本土での生活も色々とバレてるし。
何より佑斗が俺より年上なのすら知ってるってどこから仕入れたのやら、俺だって意識してないと忘れてるって言うのに。
「それじゃ直太くんはシュプライトとミッツコーラ、お願いしても良いですか?」
「うん、それくらいなら任せてくれ」
おっといけない、仕事しないとな。
って言っても俺はまだ酒の入れ方は勉強中だからいくら友人相手でも表には出せないけど。
いつか矢来さんにブルームーン出して認められてえなあ。
「ひよ里ちゃーん、倉端くーん?」
「はい、なんですかオーナー?」
「呼びましたー?」
「今日は特別サービス。この子達の代金は店持ちで構わないわ」
「はい、分かりました」
「了解ッス」
んで更に代金店持ち……という名のオーナー持ちだもんな。
よくやるよ本当に。
「それではこちら、ブルームーンと」
「シュプライトとミッツコーラになります」
「ありがとう」
「それではごゆっくりどうぞ」
何話してるか知らんけど、今はあんまり近付くべきじゃないかもな……風紀班が今何してるか知らないけど。
治安維持活動とか言ってたからそれっぽいことしてるんだろうなくらいしか俺には分からんし、まあ分からんくて良いんじゃないかな。
「何にせよ、怪我にだけは気を付けろよー」
「分かってるよ、ありがとう」
怪我にだけは気を付けてもらいたいもんだけどな。
コイツ、なんか昔から無茶するからなあ……吸血鬼になったのだってそういうのが原因だし。
さすがに今回は大丈夫だと思ってるけど……大丈夫だよな?
「はぁ?佑斗が骨折した?」
「うん……仕事の時に私を庇って……能力を使ったから腕の骨折だけで済んだけど……」
で、それから何日もしない内にそういう話を聞かされた俺はどういう反応をすれば良いんでしょうかね。
布良さんを助けたのはさすがだと思うけどさあ、やっぱ無茶し過ぎなんだよ佑斗は。
「布良さんは大丈夫でしたか?」
「うん、六連くんが守ってくれたおかげで……」
「それならホッとしました。でも六連くん、無茶しますよね」
「ほんとだよ、ったく……今日はシフトも無いしちょっとお見舞い行ってくるわ」
「それが良いですね。あ、お見舞い用では無いですけどフルーツが何個かあるので持っていってあげてください」
「お、助かるよ」
ちょっとお見舞い行って来てやるか、全く。
「私、六連くんの先輩として情けない姿ばっかり……」
あと、一応布良さんへのフォローもしとくか。
「アイツ、無茶し過ぎたり気を張り過ぎたりするとこあるからさ。布良さんみたいに心配してくれたり優しくしてくれる先輩って必要だと思うんだよな、まあ風紀班とか陰陽局にいないからどんなことしてるかはあんまり分かんないけど。
だからこれからもそばにいて支えてやっといてくれよ」
「……うん、ありがとう倉端くん」
らしくないなあと思いつつも、きっと佑斗に彼女が出来るなら布良さんみたいな子なんだろうなと何となく思うのだった。
「あり、ナオタ?」
「倉端先輩!先輩もお見舞いですか?」
「エリナちゃんに稲叢さん、まそんなとこ。2人も?」
「まあね、ユートが骨折したって聞いてびっくりしちゃった」
「入院するみたいですし、荷物を持っていこうってなりまして」
「優しいね〜2人とも」
病院に着くと奇遇にもエリナちゃんと稲叢さんもお見舞いだったみたいで、バッタリ出くわしていた。
腕の骨折程度なら入院するまでもないと思ったけど、念の為ということで扇先生が入院させたらしい。
いやまさかな、あの先生に襲われてるとかは無いよな、無いと信じたい……
そう思って病室をノックする。
「どうぞ、入っても大丈夫です」
「失礼します」
「やっほーユート、来ちゃった」
元気そうな声が聞こえてきた、まあこれなら大丈夫か。
先に後輩ズに入らせてから俺も入ってっと、さてさてどう言ってやろうか……
「よう佑斗、来てやったぞ」
「直太も来たのか」
「荷物を持ってきました――え?」
「そ、その格好は何?や、やっぱり2人ってそういう……?」
「ええ……」
で、見えた光景は上裸に白衣の扇先生ってワケなんだが。
エリナちゃんと稲叢さんに目の毒過ぎないかその光景、いや俺にも色んな意味で毒だけど。
「違う、あっちが勝手に変態をしてるだけだ」
「いやんもうっ、誰か来るなら言ってくれれば良かったのにぃ!もうっ着替えてくるっ」
だったら最初から上裸にならなきゃ良かったんじゃ……
「び、びっくりしたぁ……」
「この国のお医者さんは変わってるんだね、あんな格好で診察をするなんて」
「いやどう考えてもあの人がイレギュラーなだけっしょ」
「そうだぞやめてあげてくれ、他の医者がかわいそうでならん。それより3人はこんな時間にどうしたんだ?」
エリナちゃんはもう少し常識を鍛えるべきなんじゃないだろうか。
それとも確信犯か?この子なら有り得そうなのが怖い。
「その前に、六連先輩の荷物を持ってきました」
「はいこれ、着替えね」
「俺は単なるお見舞いだよ。んでこれはひよ里ちゃんからお見舞いの品ってことで」
「ああ、そうか。ありがとう。直太も悪いな、大房さんにもありがとうって伝えといて」
「あいよー」
さてと、これでやることは終わったけど……中途半端な時間なんだよなあ、もう少しここで時間潰しといても良いか。
「六連先輩の言った通り、シャツを持ってきましたけど……本当に下着はいらなかったんですか?」
「使い捨てがあるから大丈夫だ。病院の購買で買った」
「なーんだ、てっきりユートは匂いが濃い方がいいのかと思ったのに」
「自分の体臭を濃くしたって嬉しくないだろ……いやそもそも俺は別に体臭フェチじゃねえよっ!」
「それじゃユートはなにフェチなの?おっぱいの好みは?」
……潰しても良いんだけどさ、エリナちゃんは本当にコイツに何を聞いてるんだろうな。
見た目童顔ロシア美少女ってだけで中身俺みたいな変態なんじゃないのか、この子……仕方ない、ここは退散して――
「あっ、ナオタも逃がさないよ〜。ちゃーんと聞かせてくれないとダメなんだからねっ」
「ひぃっ!?」
頼むから逃がしてください……
倉端直太
昔から無茶ばかりする佑斗に意外と手を焼いてたりする
自分も結構無茶するのは棚上げしている
六連佑斗
ちゃんと骨折していた
原作比でほんの少しだけ梓からの好感度が高くなってる
布良梓
原作比でほんの少しだけ佑斗への好感度が上がっている
しっかりと梓ルートを歩んでいる
エリナ・オレゴヴナ・アヴェーン
今回も今回とて下ネタ魔王