倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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最悪無くても良いんだけど、水着回無くすのはなあ


chapter4-2『ゴールデンウィークだ!プールだ!①』

「……という訳でゴールデンウィークは私達もお休みが多く取れます」

 

「おおっ、さすがにそこは吸血鬼と言っても学生扱いしてくれるんだな。ラッキーラッキー」

 

 この都市に来て、仕事をし始めてから初の長期休暇。

 仕事に慣れてきたって言っても息抜きは必要だし1回落ち着けるのは俺としてもありがたい話だった。

 

 ……とはいえ、だ。

 

「それで、どうしますか?私も暇になっちゃいましたけど」

 

「ふーむ」

 

 致命的な点が1個だけある。

 それは、この都市の住民になってでの長期休暇の過ごし方をそういえば俺は知らなかったという点である。

 ここでイケメンならひよ里ちゃんをデートに誘うくらいの軽々しさを出せるんだろうけど、恋人でもない子に対してそういう露骨なデートにお誘いするのも下心が丸見えというか、いつも一緒に過ごしてる人と気まずくなりたくないというか。

 

 いつもの登下校デートや2人で過ごしてるアレコレはあれだ、同居人だからちょっと役得してるくらいなもんだろ。

 俺が女の子と過ごしたこと無いから知らないだけで、世の男ってのはみんなあんな感じで過ごしてるんだろ俺は知ってるぜ。

 

 さて、そんな訳でどうするか……ええいこうなれば佑斗を召喚するしか!

 

「だったらさ、佑斗達誘ってプールとか行かね?」

 

「あ、良いですね。この都市のレジャープールはとっても良いところなんですよ」

 

「よーし、そうと決まったら善は急げってやつだ!」

 

 悪ぃ佑斗、俺は自分の欲望の為にお前を利用した、許せ。

 でもお前だってあの美少女達の水着姿は見たいはずだ、だから許してくれるよな?逆に許さなかったらさすがにホモを疑う。

 

 そんな訳で連絡を入れたらちゃんとOKが帰ってきた、但しみんな起きたばかりらしいから少し時間が掛かるとのこと。

 

「じゃあ視察がてら寮の様子見ってやつ、しちゃいますか!」

 

「六連くんが来てからの様子って見たこと無かったので、私も気になります」

 

 じゃあ、見に行くしかないよな?

 これは決して不純な理由は無い、無いんだからな。

 

 

 

 

「きちゃった、てへっ」

 

「確かに俺は遅れるとは言ったが来いとは言ってないぞ」

 

「言われてなくてもきちゃったものはきちゃったんだし」

 

「寮の様子も気になっちゃって」

 

「大房さん……はっ!?直太お前まさかそっちが本音か!?」

 

「てへぺろっ」

 

 許せ佑斗、これは必要犠牲だ。

 ラッキースケベや不健全なことをしてないかの俺なりのチェックってやつをするんだ、何も不思議なことはないんだ。

 だから大人しく観念して入れろ。

 

「ぐっ……仕方あるまい、分かった。コーヒーでも準備するから入って待っててくれ」

 

「そう来なくっちゃ」

 

「お邪魔しますね」

 

 佑斗はさすがに1vs2は不利だと分かったのか観念してくれた。

 話の分かる奴は嫌いじゃないぜ。

 

「あ、倉端くんにひよ里ちゃん。わざわざこっちまで来てくれたんだ」

 

「ナオタにヒヨリ!いらっしゃ〜い」

 

「あ、それじゃあ先輩達には私がコーヒー淹れますね」

 

「全く、わざわざ迎えに来なくても大丈夫だったのに。……ふーん、もしかして私達と佑斗が不健全なことをしてないかチェックしに来たのかしら?」

 

「しょしょしょしょんなことないでしゅよ!?」

 

「分かりやすいなコイツ」

 

 しかし矢来さんにだけは看破されていた、さすがご主人様と呼びたくなるほどの逸材だ俺のことなどお見通しってワケか。

 やはり素晴らしいな。

 

「ゴホン、しっかし佑斗は良く休み取れたな。それも即日で」

 

「上司……枡形教諭の事だけど、休まなさすぎるからちょうどいいってことで休まされたよ」

 

「確かに最近、骨折以外で休んでる姿見てなかったもんな。ま、それならお互い都合が良かったってことで。ところでニコラは?」

 

「ニコラは今日どうしてもシフトが外せないってことでお仕事に行ってるんだ」

 

「なるほど……まあ仕方ないよなあその辺は」

 

 ニコラはシフトか、来れないなら仕方ないとしてそうなると人数は俺とひよ里ちゃんに佑斗、布良さん、矢来さん、稲叢さん、エリナちゃんで7人かな。

 計5人の水着姿を見られるなら最高だろう、間違いない。

 

「でもプールで良かったんですか?もっと別の場所もあると思うんですけど……」

 

 むむ、稲叢さん鋭いな。

 確かにプールはこの都市特有のものじゃない本土でも遊べる場所な上に季節外れと言えば季節外れでもある。

 だが!やっぱりプールは男のロマンだろう!

 

「やっぱりみんなが楽しめる場所が良いと思ったしな!あと水着だし!あと久々にプールに行ってみたかったてのもある、あと水着だし!」

 

「本心ダダ漏れだな、お前」

 

「でもそうかも。プールならみんなで遊べるよね。それにミューとアズサもせっかくのお休みなんだから息抜きしたいんじゃない?プールならピッタリじゃない?」

 

 

「……直太くん、水着を見るのは良いですがあんまりいやらしい目で見ちゃダメですからね?」

 

「お、OKOK」

 

「わぁ、ナオタ尻に敷かれてる」

 

「いや俺達そういう関係じゃないよ!?」

 

 しまった、本心を解放し過ぎたせいであらぬ誤解を受けることになってしまった、特にエリナちゃんに誤解されるととんでもない方向に話が行きがちだし気を付けねば……

 

「年中オープンしてると、また今度でいいやって思ってなかなか行かないんだよねえ」

 

「わたしも、去年行ってからは……」

 

「さあさ、それじゃ準備が出来たらレッツゴーということで!」

 

「あ、でも今年の水着買ってないんだった……入るかなあ」

 

「わたしも。でも買いに行ってからだと時間が無いですし……」

 

 おや、そこの女子お二方は……あー、なるほど。

 1年も経つとサイズが合わないってこともあるもんなあ、でもデリケートなことだろうし知らないフリしてよっと。

 

「去年の水着じゃダメなのか?」

 

「いえ、そうじゃないんですけど……その、入るか心配で……最近また胸が大きくなってきちゃって」

 

「えーっ!?リオまたおっぱい大きくなったの!?とりあえず確認のために揉んでいい?」

 

「え?揉むのは構わないけど……」

 

 だから変態の俺がわざわざ気遣ったのにストレートに言う稲叢さんと変態オヤジ発動させるエリナちゃんは俺の気遣いに気が付いてください。

 いくら桃源郷でも見ちゃいけない世界があるの!

 あとそんなことしようもんならひよ里ちゃんに嫌われちまう!

 

「…………不公平。私も、去年の水着が入らないかもって心配、してみたい……」

 

「布良さんはそのままでいてくれ」

 

「え?何か言った?」

 

「いや、何も」

 

 佑斗お前もお前で欲望まみれじゃねえかよ!

 聞かれてたら一生ロリコン扱いだぞ、気を付けろよ。

 いやコイツはロリコンであってるんだろうけど。

 

「ふ、ふんっ大きすぎるのもどうかと思うわ。ほら、形とか」

 

「美羽ちゃん、それは私に対するイヤミなのかな?」

 

「形……私は大丈夫なんでしょうか……」

 

 矢来さんに至っては普通の人より大きいと思うんですが、それを言うのは贅沢なんじゃないんですかね。

 あ、ほら布良さんの目からハイライトが消えてる。

 それとひよ里ちゃんは気にしなくても絶対最高の形だから問題ないぞ、それを言うほどの変態性は備わってないけどな!

 

「と、とにかくわたし達は水着を持ってくるのであと少しだけ待っててくださいね」

 

 何にせよ、この寮がいい意味で騒がしくて良かった。

 あんまり友達いなかったからなあ、佑斗って。

 

「この寮、いいとこだな」

 

「だろ?みんないい子達だし毎日退屈せずに過ごしてるよ」

 

「あとみんな美少女だし」

 

「本題はそこかよ」

 

「ははっ。もちろん、ひよ里ちゃんも負けず劣らず超美少女だけどな!」

 

「ありがとうございます」

 

「お前に関しては俺にハーレム王って言われる前に大房さんとの関係を見つめ直してみろ、充分リア充だよお前は」

 

 ……俺もリア充、ねえ。

 ほんと、真剣にひよ里ちゃんとの関係見つめ直してみようかな。

 あの学食でのあーん事件と言い、これまでのひよ里ちゃんの言動と言い、俺の心情と言い、絶対に普通じゃないもんな。

 

 俺はこの子に対してどう思ってるのか。

 逆にこの子は俺に対してどう思ってるのか。

 

 決断しないといけない時は、近いかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに?……はぁ、分かった。クソ、よりにもよって最悪の事態を引きやがったな」

 

 風紀班事務所、ここでは今日も枡形兵馬が1人で忙しなく働いていた、他の班員は調査に出掛けているか休みかの二択だった。

 最近は『怪しいクスリの噂』について重点的に調べていたのだが、それに加えもう1つ仕事があった。

 

『倉端直太が吸血鬼になった事件で押収された、吸血鬼の純粋な血液が200ml以上入っていたと思われる血液パック』の一件だ。

 所持していた男の証言では

 

 

「だ、だから俺様は全身黒ずくめの男に『力が欲しいならくれてやる、吸血鬼の血を飲めば吸血鬼になれる。これをお前にやろうじゃないか』って渡されただけなんだって!

怪しいとは思わなかったか?そりゃ思ったね!だから独自に調べた結果、確かに人間が吸血鬼になる方法はそれで合ってた!成分だってちゃんと事前に調べたさ!ちゃんと吸血鬼の血だったね!

だから俺は確信を持って使おうと思ったんだ!……す、姿は分からないって言ってるだろ!深夜で黒ずくめなのに!若い男の声ってくらいだよ!」

 

 

 と話していた。

 ちゃらんぽらんの割に下調べはしっかりする男という他には、前科も無く女性トラブルで刺されかけたことがあるくらいだった。

 

 だが、問題はそこではない。

 DNA検査の結果割り出された、パックの中身の血の持ち主だ。

 その吸血鬼は陰陽局も手を焼く犯罪組織の幹部格でありかなり狡猾な手口を使う女吸血鬼『レナ・マンリエッタ・リエラ』。30代半ば。

 だがふた月前からどうにもその組織の中ででさえ行方不明扱いを受けていたという話だった。

 

「それがまさか『遺体』として見つかるとはな」

 

 それが遺体で見つかったと報告が上がった、しかも血が完全に全て抜き取られたような跡が残っていた。

 何より、彼女の遺体には左腕だけが無かったという。

 

「遺体の状態は比較的良かった、腐敗しているとはいえ左腕だけ欠損、というのも妙な話だが……嫌な予感がするな」

 

 枡形の独り言は、誰に聞かれるでもなく消えていった。




倉端直太
そろそろひよ里との関係性をはっきりと決断すべきかと悩んでいる
それはそれとしてプールの目的が水着であるのはブレない男

六連佑斗
逆にアレで付き合ってないなに?となるのは同意である


枡形兵馬
原作の事件の他に直太絡みの事件が増えてしまった上に、今回のことがあったのでかなり頭を痛めている

レナ・マンリエッタ・リエラ
オリジナルキャラ、直太が飲んでしまった吸血鬼の血の持ち主
大きめの犯罪組織の幹部格の1人だったものの、2ヶ月前に失踪
chapter3-4でその存在が示唆され、今回欠損遺体として発見された

イケメンクソ野郎
1話に出てきた噛ませキャラみたいな奴、オリジナルキャラ
噛ませだし真相も知らない末端未満だが、本作の全ての始まりを告げていたキャラでもある
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