倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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chapter4-3『ゴールデンウィークだ!プールだ!②』

「まさかこんな形でナイトプールってものを体験することになるとはな〜」

 

「って言っても単に遊びに来ただけだし、ナイトプール感は0だけどな」

 

「まあそうだけどさ」

 

 去年までなら青い空、白い雲にピーカンに照りつける太陽と白い柔肌の女子のビキニ姿で最高のバケーション!と言ってたとこなんだろうけど、まだ春な上に屋内プール、更に吸血鬼とあって真夜中のレジャープールという形になっていた。

 

 まあどういうシチュエーションであれ、水着姿の美少女達がいるってだけでプラス100億点くらい付くんだけど。

 

「……ちょっと露出が多かったかしら」

 

 まず現れたのは矢来さん、抜群のバランスの取れたプロポーションにちょっと露出の多い、それでいて可愛さ重視のビキニ。

 これだよこれ、こういうのを見たくて俺はプールに来たんだ!

 

「いや、良く似合ってると思うぞ」

 

「うんうん!!すんばらしいですよ!!可愛さとセクシーさの調和が取れてるって言いますか!ありがたやありがたや……」

 

「はぁ、佑斗も倉端くん並にもう少し口が回らないと彼女の1人も出来やしないわよ?」

 

「よ、余計なお世話だ。俺は直太と違って咄嗟に口が回らないんだよ」

 

 これまでなら佑斗の口下手にはそこまでツッコミ入れないんだろうけど、最近布良さんと仲良いみたいだし俺は心配だよ。

 きっと矢来さんも同じことで気にかけてると思うし。

 

「いざと言う時口が回らないと、彼女を悲しませることになるぞぉ佑斗」

 

「倉端くんの言う通りよ。これから先誰をどういう形で好きになるかなんて分からないんだから、少しくらい語彙力を増やしときなさい」

 

「お、おう……」

 

 まったく、分かってんのかねコイツは。

 

「おまたせ!」

 

「おまたせしました〜 」

 

 2番手にはエリナちゃんと稲叢さん。

 エリナちゃんは露出は普通だが大人っぽい色合いでセクシー、稲叢さんは露出の少なさが大人の色香を感じさせる。

 んーたまらん!

 

「おー、2人とも大人っぽい感じで良いな。凄く似合ってる」

 

「エリナちゃんは色合いがとてもセクシーで髪の毛とも良く合ってる!稲叢さんは色合いは元気って感じだけど露出の少なさが逆に大人っぽくてギャップで良いね!」

 

「えへへー2人ともありがとっ」

 

「ありがとうございます、六連先輩、倉端先輩」

 

 周りの男共の視線も釘付けだしな。

 俺めちゃくちゃ恵まれてるな!

 

 ……まあ、ここからが本番な訳ですが。

 

「ごめんね〜遅れちゃった」

 

 先に出てきたのは布良さんだ。

 他のメンバーに比べれば大分幼い感じの水着だけど間違いない、幼さの中に大人の色気も混じっていて最高のコントラストだ。

 

「ほら佑斗、ここはちゃんと言ってやれよ」

 

「え?あ、おう……そ、その、とても良く似合ってる」

 

「そ、そうかな?子どもっぽくないかな?」

 

「い、いやいや!とんでもない!確かに幼さは残っているが子どもには出せない色気がしっかりとある、ドキドキしてしまうくらい可愛いよ」

 

「……あ、ありが、とう……」

 

 うん、悪くないな。

 しっかりと本命を無自覚に褒めてる辺りこれならあと少しでこの2人はくっつくんじゃないだろうか。

 

「ま、褒め言葉そのものはポンポン出てくるし及第点ってとこね」

 

 矢来さんもそこそこ満足気だし、これで心置き無く佑斗と布良さんの仲をプッシュ出来るな。

 そこに関しては矢来さんと話しても良いかもしれないな。

 

 ……は、良いが。

 

 まさかラストに残っちまったか。

 さっきまで佑斗をはやし立てて緊張感を紛らわせていたけど、さすがにもう誤魔化しきれない。

 大本命の水着姿は……

 

「ごめんなさい、まさか最後になってしまうとは思いませんでした」

 

 こ、ここここれは!?

 肩は完全に出ていて露出度が想像以上に高い、しかも普段清楚で癒し系な女の子がちょっと勇気を出して着てみただろう感じで足も出ている。

 そうか、これが天国か……

 

「あ……あのー……直太くん、似合って、ますか……?」

 

「えっ!?あ、ああ……えーっと、その。……めっちゃ大人っぽくて、見とれてました……いつものひよ里ちゃんも可愛くて良いけど、今日のひよ里ちゃんは大人びて見えて……ドキドキしちゃいました、はい……」

 

「あ、あはは……気に入ってもらえて良かったぁ……大人っぽすぎたらどうしようって思って中々緊張して出てこれなくて……」

 

「いやいや!思った何倍も綺麗だよ!」

 

「えへへ……えと、男の人に褒められたことなくて、こ、こういう時どう反応して良いやら……でも、本当に……嬉しいです」

 

 

「早く付き合えば良いのに、焦れったいわね」

「まあまあ、こういうのは焦らずじっくり見るのが大切ってね」

「良い雰囲気です〜」

「ひゃー……わ、私達もあんな感じになってたのかな……」

「いや、そこまではないだろ」

「黙りなさい朴念仁その1」

「ものすごく理不尽な気がする!?」

 

 

 なんかものすごく佑斗達に見られてる気がするけど、今はまあ気にしなくてもいいか。

 取り敢えずちゃんと褒めることが出来て一安心ってところだ。

 でもそうなると次はひよ里ちゃんの格好が眩し過ぎて童貞男子にはめちゃくちゃドキドキしちゃうんだよな、ど、どうしよう。

 

 

「あの、六連先輩」

 

「どうした、稲叢さん」

 

「もしよろしければ、なんですけど。わたしに泳ぎを教えてもらってもいいですか?」

 

「あれ?莉音ちゃん、泳げないの?」

 

「……はい。恥ずかしながら、苦手なんです」

 

 あ、話題が逸れてくれた。

 よしこれならちょっとの間時間稼ぎに自分の心を落ち着けることは出来るはず、頑張れ直太負けるな直太。

 最近色々ありすぎてひよ里ちゃんのこともそうでないことも考えすぎてるけど、それで対応ミスったら元も子も無いんだぞ。

 

「そうなのか?分かった、俺で良ければ手伝おう」

 

「本当ですか?よろしくお願いします」

 

「でも、ちょっと意外ですね」

 

「うん、莉音ちゃん運動が苦手って訳じゃないよね?」

 

「はい、そうなんですが……走ったり泳いだりするのは苦手で……どうしてでしょう?」

 

 いやそれは完全にそのおっぱいのせいやないかい!!

 って今心落ち着けてる途中なのにとんでもない話題が横から思いっきり殴りつけてきて集中出来ない!!

 でもそこにデカいおっぱいがあるから仕方ないよね!!

 

「布良さんは?実は泳ぎが苦手、なんてことは?」

 

「ううん、平気だよ。こう見えても、スポーツは全体的に得意だからね」

 

「確かにそういう印象はあるな。あ、ちなみにコイツもフィジカルスポーツは割と出来るから駆り出しても良いぞ」

 

「フィジカルスポーツは、ってなんだよ!」

 

「いやお前水泳や走りは出来るけど野球とか苦手じゃん」

 

「何も言い返せねえ!」

 

「ふふ、直太くんらしいですね」

 

 あとお前は余計なことを言わんで良い!

 確かに苦手だけど!

 

「なら、布良さんも手伝ってくれないかな?泳ぎを教えるなんて初めてで、あまり自信が無いんだ。あ、直太お前は強制な」

 

「対応が違い過ぎるだろ!」

 

「うん、分かったよ!倉端くんもありがとー!」

 

「いやあそれほどでも」

 

 くっ、でもそうやって美少女に笑顔でお礼を言われると断れねえ。

 但し佑斗お前は許さん。

 

「私もお手伝いしますよ、同じ女性がいた方がやりやすいこともあると思いますし」

 

「それじゃあ、よろしくお願いします」

 

 ひよ里ちゃんも加わってこうして特訓が始まった……始まったのだが……結局のところ根本的に泳ぎが苦手な理由がおっぱい過ぎてちょくちょく難航した。

 4人もいれば何とかその時々で合う指導法の人間がいるもんだけど、やっぱ俺人に教えるの向いてねえなあと実感してしまう。

 どうにも言語化?ってやつが苦手で仕方ない。

 

 とはいえ、一度引き受けたからには引き下がるのもダサいしな。

 不器用ながらに教えに加わって……2時間くらいが経った。

 

「稲叢さん、良いぞその調子だ」

 

「うんうん、泳げてる泳げてる」

 

「順調そうですね」

 

「それじゃ、ここまでだ。ここまで泳いだら休憩しよう」

 

「はぁ……つっかれたぜ……」

 

「いの一番にお前が疲れるのかよ」

 

「だって人に教えるとか苦手なんだよー」

 

 もうヘトヘトだった、主に俺が。

 だって人に教えるなんて今までしたことなかったしなあ、あの手この手でひねり出すから疲れるのなんので、泳ぐよりよっぽど体力を使った気がした。

 

 ぐてーっと腰を下ろすのとほぼ同時に稲叢さんが到着した。

 

「ちゃんと泳げてたぞ」

 

「そうそう、綺麗に泳げてたよ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「おーう、2時間付き合った甲斐があったよ……」

 

「あらら、稲叢さんより疲れてしまってますね」

 

「良かった……ありがとうございます、これもみなさんのおかげです」

 

 まあ、本当に律儀で真面目な子だよなあ稲叢さんって。

 教えれば教えただけ、少しずつではあるけどちゃんと上達するもん、俺だって疲れるよそりゃ。

 

「いいや、これは全部稲叢さんが自分で頑張ったことだ」

 

「そうですよ、私達は普通のことを言っただけですから」

 

「一生懸命だよなあ、稲叢さん」

 

 結局のところ何言っても聞く人の受け入れ方や努力が全てって言葉には頷くよ、そういうところで稲叢さんは才能あるわ。

 

「いえ、教えてもらえなかったらここまで泳げなかったと思います。本当にありがとうございます」

 

 あとその教えてくれた人をちゃんと立てるところね。

 愛されキャラだなあ。

 

「なんだかそんなに言われると照れるね……へへへ」

 

「そうだな、特に礼を言われることでもないと思うが。ま、とにかくおめでとう稲叢さん」

 

「20mくらい、綺麗に泳げてましたよ。あの分ならきっともっと長い距離でも大丈夫なはずです」

 

「私もそう思うよ!」

 

「いやー俺から見てもかなり見違えたって思うしな」

 

 実際2時間も練習出来る奴なんて割といそうでいないからな。

 努力を続けられるのも才能って間違いじゃないかもな。

 

「みなさんのご指導のおかげです。でもちょっと疲れちゃいましたね」

 

「そうだな、休憩にするか」

 

「はい」

 

「では、飲み物でも飲みながらゆっくりしませんか?」

 

「おっ、いいねー。んじゃ俺飲み物適当に買ってくるよ」

 

「それなら私も着いていきます」

 

「ああ、スマンな」

 

 俺もへばってばっかじゃいられないし、飲み物くらい買ってきてやりますかね。

 ひよ里ちゃんも着いてきてくれるみたいだし。

 

 

「いやーわざわざありがとう、着いてきてくれて」

 

「いえいえ。ちょうど直太くんに少し話したいこともあったので」

 

「俺にわざわざ話?」

 

「はい。聞いてくれますか?」

 

「いいよ」

 

 2人っきりになってちょっとテンションが上がってる中、突然ひよ里ちゃんが話を切り出して来て少し驚いてしまう。

 このタイミングってことはつまり、2人じゃないと話せないことっていうものだよな?

 

「よし、ここなら人もいないし……」

 

「……誰にも聞かれたくない話?」

 

「出来れば」

 

 あ、なんだろう胃痛がしてきた。

 予想は付いてる、付いてるんだけど俺に今それを答えるだけのものを持ってないというかどう答えるか探してた途中というか……

 

「……私、直太くんが水着を褒めてくれたこと、とても嬉しかったです」

 

「へへ、そりゃどうも」

 

「でもやっぱり、他の人の水着を褒めてたり目線が行くのがどうしても気になってしまったんです」

 

「そ……そりゃまたど、どうして?」

 

 俺はそこまで言われて察せないような人間じゃない。

 好意だって気が付いてたけど、それが恋愛なのか違うのか分からなくて、俺の中の気持ちも明確にそれと決まった訳じゃなくて。

 

 だからこそ、次の言葉を聞きたくなかった。

 

「気付いてしまったんです。ずっと直太くんに一番に見てもらいたくて、私だけを見てほしかったんだって」

 

「…………これが、恋だってことにも」

 

 

「出来れば……答えが欲しいです」

 

 俺は……ゆっくりと口を開く。

 この言葉が自分自身、どういう意味を持ってるか知ってて、口を開く。それがどういう結末を生むかも知ってて。

 

 

 …………俺って、ほんとバカ。




倉端直太
突如として降ってきた告白に死にかけてる

大房ひよ里
今まで自覚してなかった方が怖いと思う

佑斗&梓
一方その頃ちゃんとルート通りにラッキースケベしていた
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