倉端直太だって恋がしたい!   作:ひよちゃんLove

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やっとここまで来た


chapter9-1『佑斗にも遂に春が来たようで』

「よう佑斗、わざわざ布良さんから連絡あったから来たけどこのタイミングで報告することがあるって言われても……いや待てよ」

 

 あれから1週間くらい経って、あの狩人とも良く話すようになって佑斗の怪我も相変わらず両腕が塞がってる日常はあんまり変わらず。

 そんな中で布良さんから

 

「佑斗くんが倉端くんと話したいって言ってるからお見舞い今から来て欲しいんだけど大丈夫そうかな?出来れば倉端くん1人が良いって言ってたけど……」

 って言われて、まあ毎日のように行ってるから今日もそのタイミングで行くつもりではあったけどわざわざあっちから連絡してくるってことはなんかあったんだろうなと思えるワケで。

 しかもいつもならひよ里がセットのところを1人で来てほしいって言ってるのがなんか怪しい。

 つまり、俺にしか言えないことと話せないことがあるってことだ。

 

 なるほどねえ、怪しいとは思ったけど何となく分かった気がする。

 アイツはそもそも男の知り合いが少ない、いたとて仕事でしか関わらない人達を除くと佑斗目線俺とニコラと扇先生くらいなもんだ。というかアイツいつまでニコラのこと男と思ってんだろ。

 扇先生に相談しないこととなると恋愛事か女の子のこと、そんでニコラに無くて俺にあるものは恋人がいるかどうかってところかな。

 

 ははーん、布良さんが連絡してきたってことはそうかそうか、布良さん公認で何かあったなアイツ、というか多分カップル成立したなアイツ。

 こういうところは分かりやすいんだよなあ。

 

「盛大に祝ってやるか」

 

 病室前でニマニマしながらノックをする。

 

「よっ、佑斗」

 

「悪いなわざわざ呼び出すようなマネして」

 

「良いって良いって。予想はついてるから気にすんな」

 

「マジ?」

 

「マジ。どうせ布良さんと付き合ったから先達として色々アドバイス欲しい、とかだろ?」

 

「なんで分かったし」

 

 ほら見ろやっぱりそんなことだろうと思った。

 これも俺がひよ里と付き合ってるおかげなのかね、本土にいた頃とは比べ物にならないくらい勘が冴え渡ってる。

 多分本土の友人が見たら驚くくらいバカが解消されてるんじゃないかって俺でも思ってるくらいだ。

 

「わざわざ布良さん経由で連絡来て、しかも俺1人が都合いいって言うのは大体『そういうこと』だろ。女の子にはあんまり聞かせられない話ってやつ」

 

「……直太に当てられるのはそこはかとなく悔しいが、完全に当たってるから何も言い返せない。ああそうだ、これは既に『大人の階段を登っている』お前にだからこそ相談したいことなんだ」

 

「そうこなくっちゃ。それでそれで?布良さんとはどこまで進展したんだよ」

 

「それは……全部言う必要があるか?」

 

「相談乗る駄賃の代わりにするから、それで」

 

「ぬぐぐ……」

 

 しかし佑斗のヤツはどこまで布良さんと進展したんだ?

 お付き合いまでは前提として、ファーストキスくらいはしたのかねえ……えっちなことが苦手な布良さんだけにどこまで進んだのか全く分からん。

 だからこそ聞いてみたくなる、ほんとはジュース1本くらいで済ませてやろうと思ったけど気になって仕方ないからそれで代用することとする。

 ジュース1本と比べると大分値上げした感はあると思うけど、あっちにそのことは伝えてないから値下げしてそれって聞こえてるはずだしな。

 

「わ、分かった、分かったよ……」

 

「おっ、さっすが佑斗太っ腹〜。そんで?結局付き合ったのは前提としてどこまで進んだんだ?」

 

「その……でぃ……ディープキス……」

 

「ディープキス!?あ、あの布良さんが初日でそこまで行くのか……」

 

「を、数十分くらい……」

 

「数十分!?」

 

「と……」

 

「と!?」

 

 しかも出てきたのはまさかの情報。

 付き合って初日でもうディープキスしてるし、それも数十分単位でしてるとか想像全く出来ないんだけど。

 更に追加でまだあるらしいし、一体どこまで進んだって言うんだ佑斗と布良さんは……

 

「…………お、俺のマイ息子を……な……舐めていただいて……」

 

「初日からエンジン全開すぎないか」

 

「それは自覚してる」

 

 初日からそこまで行くってマジで言ってるのか。

 俺でさえ普通にえっちなこと……つまり本番は割としてても、そっちは実はあんまりしてないんだよな。

 いやしてもらう時はひよ里はめちゃくちゃえっちで可愛いんだけど、まだそういう……間近で男のアレを見るってのに慣れてないみたいで経験が少ない。

 

 なのにひよ里より耐性低かった布良さんがそこまでするか。

 予想外だったなあ、それは。

 というか想像が本当に出来ない、ぶっちぎりで耐性無くてお説教毎回してたんだぞ?

 

「俺ですらそんなにしてもらっては無いのに、良く初日からしたな……」

 

「……もしかして梓って結構特殊なのか?」

 

 だが、それはそれとして布良さんだけが特殊かと聞かれるとそれもまたそうだとは答えにくいのが困る。

 どれもこれも俺の経験とひよ里から聞いた話でしかないけど。

 

「それはそれで難しい話だなあ」

 

「と、いうと?」

 

「……お前、ひよ里のイメージってどんな感じ?」

 

「え?うーん、清楚で可憐で真面目、エロいことには若干奥手な?実際話題が出た時は毎回一歩引いてる感じするし」

 

「だよな。でも俺と2人きりの時は違うんだよ」

 

「そうなのか?」

 

「正直かなりえっちだぞ。清楚で可憐で真面目な雰囲気はそのままで、積極的に甘えてきて。……何より、想像付かないくらいそっちの欲が強い、俺が言わなくてもあっちから誘ってくる時なんてめちゃくちゃあるぞ」

 

「マジかよ」

 

「それがマジなんだよ」

 

 全員が全員そうじゃないとは思うけど、女の子って男が思ってる何倍も好きな恋人の前だとえっちになるらしい。

 恋愛に奥手……みたいな今まで浮ついた話も無かったひよ里がこれだったし、ひよ里も後から色んな人に話を聞いてみたところ結構な頻度で女の子はそういうことになりやすいらしい、という情報を持ってきていた。

 

「女の子ってもしかしてだけどさ」

 

「うん、思ったより大分えっちだと思う。って言っても初日からそこまでしてる人はさすがにそんなにいないと思うけど」

 

「そうか、やっぱり女の子ってそうなんだ……でも梓の感じは……」

 

「それに関しては多分、押収してきたえっちなビデオを見過ぎて脳の情報が偏ったんじゃないかね」

 

「半分俺が原因かよ」

 

「そのえっちなビデオ単体で半分なだけでお前の割合は8割くらいあると思ってるけどな」

 

 とはいえ、布良さんの感じはエンジンがぶっ壊れてる雰囲気もするから多分前言ってた押収したビデオの確認がてら見てた時に新たな扉でも開いちゃったんじゃないですかね。

 あと聞いてないけど告白までの流れは殆ど佑斗がやってそうだからそこも含めると8割は軽くコイツの責任なんじゃないかと思ってる。

 ということで責任とってちゃんと結婚しような。

 

「ええ……。あ、ところで直太」

 

「なんだー?」

 

「もしも学院でしたくなった時、その、バレにくい場所というのはありますでしょうか」

 

「色々あるけど俺が見つけた中でまだ使われてなさそうなスポットは屋上手前にある謎の物置部屋だな、3階別棟の空き教室は有名過ぎてカップルが入れ食い状態」

 

「な、なるほど……」

 

「あ、使う時はばったり鉢合わせないように合言葉も後で決めておくぞ。バレるとお互い気まずいし」

 

「そ、そうだな」

 

 まだ本番はしたことないってのにもうスポット探しかよ。

 でもその気持ちは分からなくは無い、やっぱり学生だし学院でやれればそれはロマンだもんな。

 俺もそれはそれはシチュエーションに興奮したもんだ、しかも夕暮れとかじゃなくてド深夜の暗い学院でケータイの明かりだけ灯して……だから背徳感の塊。

 

 他にも放課後に限定しないなら体育倉庫があったり、裏ルートで映画研究会の部室奥の部屋が予約制のそういう部屋として使えるけど限定的だったり予約してるからモロバレだったりで薦めにい。

 

 だから教えたのは、そもそも開放されてない屋上への階段を昇った先にある、しかも屋上とは真逆の方向にある謎の倉庫部屋。

 広いし何も置かれてないし誰か来る理由も無い上にスポットとしても見つかってないからほぼ独占状態。

 ここなら大丈夫だろう。

 

「ま、その話は退院してからじっくりしようじゃないか。今はいつ誰が面会してくるか分からないからな。いやーしかしまさかこのタイミングで付き合うとは」

 

「いやまあその、実は病院運ばれる直前にうわ言みたいに告白しちゃってたみたいでな。それがキッカケで梓から返事もらって、そのまましっぽりと……」

 

「右腕吹っ飛んでる状態で告白したのかよ、良く意識落ちなかったなそれで」

 

「俺も思う、吸血鬼の生命力ってすげーわ」

 

「それも凄いけどシチュエーションがドラマかアニメすぎるだろ」

 

 それはいいが佑斗の告白シチュエーションはどうなってるんだとツッコミを入れざるを得ない、敵と戦って右腕吹っ飛んで大量出血してて死にかけの中でって……どんな生命力っていうか、お前はドラマかアニメの主人公かよって話。

 

「自分でも思ったぞ、というか梓にその話題出されるまで半分忘れてたし」

 

「おいこら」

 

「仕方ないだろ!半分死にかけだったんだから」

 

「そりゃそうだけどさ。まあなんにせよおめでとう、俺は暴走車から布良さん助けたって話聞いた時から薄々こうなる未来は見えてたけどな」

 

「エスパーかよ」

 

 なんにせよ、くっついて良かった。

 コイツの趣味趣向があまりにもロリ寄りで、彼女なんてできるのかって思ってたからそれに加えて佑斗を支えてくれるような人がいて本当に良かった。

 

「あ、直太くん。入って大丈夫そうですか?」

 

「ん、話は終わったし大丈夫だと思うぞ。大丈夫だよな?」

 

「おう」

 

 外で布良さんと話してたのか、布良さんとひよ里もひょっこりと顔を出してきた。

 話も一通り終わったし、下世話な話も聞かれて無さそうだし、タイミングとしてはバッチリなんじゃないかな。

 

 しかしひよ里と布良さん、並んで見ると2人ともThe清純派な見た目だからギャップが凄いな……

 

 ただ、口が裂けても佑斗にした話はしないけどね、うん。

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